ウルトラマンゼノン ウルトラの奇跡   作:ウルトラゼロ
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高速宇宙人

スラン星人

宇宙恐竜

ゼットン

登場


善悪の力 part1

 

 

「ナックルはやられたか…」

 

「情けない…と言いたいところですが、まさかウルトラ戦士が新装備を用意して増援として駆けつけるとは」

 

 

宇宙人達は再び一つの宇宙船に集まり、会議をしていた。内容はナックル星人の戦死。そして今後についてだ。溜息交じりに口を開いたヒッポリト星人にババルウ星人も立体映像に映し出されたマックスとギャラクシーブレスレットを駆使して戦うゼノンの姿が映し出されていた。

 

 

「最強最速とも謳われるそうじゃないか。儂の相手に不足ないわ」

 

「…」

 

 

圧倒的な強さを誇るマックスの映像を見て、愉快そうに笑うテンペラー星人。しかし一方でスラン星人のマックスを見る目は憎悪に支配されていた。

 

 

「どこに行く?」

 

「…ナックルの宇宙船には例のブツもあった筈だ。地球人が回収したという話も聞く。私が取り返そう」

 

 

そのまま黙って彼らに背を向け歩き出したスラン星人をヒッポリト星人が引き止める。するとスラン星人は横顔を向けながら静かに答えるとそのまま照明の届かない薄暗い闇へ消えていくのだった…。

 

・・・

 

 

「「いただきます」」

 

「…まーす…」

 

 

翌朝、マツミズ宅ではユウマとそしてゴモラとベムスターが食卓を囲んでいた。キチッと手を合わせるユウマとベムスターに対して、寝起きの悪いゴモラは机に顎を乗せ、ぐったりとしながら語尾だけ口にする。

 

怪獣であった彼女達はユウマの言葉通り、マツミズの許可を得て今、この場に居候している。話を聞いたマツミズもゴモラ達の件はソーフィ達のこともあって大して驚かず、かつての人間のエゴによるゴモラの一件もあってか同棲をすんなりと受け入れ検査だけを行った。

 

 

『今日一日が皆様にとってよりよい一日でありますように。せーの…ZAP!』

 

「あーあ…ZAP終わっちゃった」

 

 

丁度今、ユウマが作った朝食を食べながら朝の情報番組が終わった。それを口惜しそうに呟くゴモラ。人間嫌いはまだあるが、ベムスターもそうだが彼女の今の人間の生活スタイルへの順応は凄かった。この朝食もベムスターが隣で勉強していて、次は自分が作るというくらいだ。ゴモラはあまりそういう面が見られないが、ベムスターは予想以上に家事に貢献してくれてユウマは本当に助かっていた。

 

 

「じゃあ俺、学校行ってくるから」

 

「いってらっしゃい」

 

 

ゴモラの好きな情報番組が終われば、また次の情報番組が始まる。この番組もゴモラは知っているのか、ハッキリ!などと口にしている。それを横目に朝食を食べ終えたユウマは素早く片付け、学校へと向かうのだった。

 

・・・

 

 

『今回、説明させていただくのは皆様が噂なさっていた人型兵器…通称・艦娘の存在です』

 

 

鎮守府の執務室にあるテレビではこの国の総理が艦娘の説明をしていた。艦娘の存在は秘匿され噂されていたが、ナックル星人の件で遂に市民は説明を求めたのだ。

 

 

『非現実的ではありますがかつての軍艦が人間の少女として生を受けたのではないかと言うのが現在の研究で出されている結論です。国民の皆様に今まで説明が出来なかったのは現在の研究結果だけでは十分な説明が出来ないと判断してのことでした。ですが今回の侵略者の一件で明るみになってしまい──』

 

「これから面倒なことになるぞ、人権だなんだってな」

 

 

執務室にいるソファーに腰掛けるマツミズに向かい合って座っているのはシゲユキだ。今も深海凄艦などの説明が行われている。説明を見ながらシゲユキはこれから起こるかもしれない出来事を想像している。

 

 

「だが今の問題はそれだけじゃないさ。宇宙人、怪獣…頭が痛くなる」

 

「そう言えばその怪獣だけど…」

 

 

マツミズは以前のナックル星人やタダなどを思い出しながら、今、この地球を襲う危機について考える。するとシゲユキは立ち上がる。元々、彼がここに来たのはある理由があるからだ。それを知っているマツミズも立ち上がり、テレビの電源を落とす。

 

・・・

 

 

「どうだ、回収した怪獣の卵は」

 

「うむ…」

 

 

ラボに到着した二人の提督。ベガッサなどが軽く会釈する中、シゲユキは小さな青色の球体の前に立っているソーフィに話しかけると、ソーフィは難しそうな表情を向ける。この卵は地球に隕石のように落ちてきたものだ。ナックル星人の宇宙船が乗せていた物だと思われ政府に回収され、今、この鎮守府に研究を任された。

 

 

「これは…ゼットンだな」

 

「ゼットン…?」

 

 

ソーフィの口から出た卵に眠る怪獣の名前にマツミズは思わず首をかしげる。当然だ。いくらマツミズと言えど怪獣の名前全てを把握しているわけではない。

 

 

「説明しよう!ゼットンとはウルトラマンを倒したこともある怪獣なのだ!」

 

「ウルトラマンを…?」

 

 

すると今までイスに座っていたガッツが立ち上がり、腕を組んでどや顔でゼットンについて簡単に説明をする。簡単ではあるが、あのウルトラマンを倒したことのある怪獣だというのは大きな衝撃を与える。

 

 

「ああ、ゼノンとは違うがな。宇宙恐竜ゼットン…この宇宙におけるもっとも恐るべき怪獣の1体だと言われている。その実力はガッツの言うように幾度となく様々な個体がウルトラ戦士達を苦しめている」

 

「宇宙に生きる様々な生命体を戦わせ、勝ち残った生物者同士を交配させる行為を何度も何度もそれこそ気が遠くなるほど繰り返すことによって生み出された合体怪獣説…なんてものもあります。私もゼットンは見たことありますが、あの感情を感じさせない、まさに戦うだけのゼットンは不気味で苦手です…」

 

 

どや顔のガッツに呆れながらソーフィとペガッサが詳しいゼットンの説明をする。この話だけでいかに恐るべき怪獣なのかはマツミズもシゲユキも嫌でも理解出来た。

 

 

「…そんな怪獣どうすんだ、孵化していきなり襲われたら堪ったもんじゃないぞ」

 

「…孵化…か。まぁ見た目こそこんな物だが、これは移動用に適したサイズに中のゼットンごと圧縮しているだけだ。だからコイツの中身はある程度は成長しているハズだ。だがゼットンは感情のない怪獣だと言われる…。まさに生物兵器だ。これを利用することは難しくないと思う」

 

 

シゲユキは卵を見つめる。正直、危険なのは分かった。ここに置いておくわけにはいかないだろう。するとソーフィは頷きながらも、これは厳密には卵ではないことと戦力の一つとして使おうと言うのだ。確かにウルトラマンを苦しめるほどの怪獣を味方にすればこれほど心強い存在はないだろう。

 

 

「万が一に備え、スパークドールズに変化させる装置も間もなく完成する。待っていてくれ」

 

「そんなものがあったのか?」

 

 

ソーフィの口から出た装置の話に驚くマツミズ。初耳だったからだ。

 

 

「ああ、報告が遅れてしまったがな。リーディバイスを解析して作ったんだ。このリーディバイスも我々の手で発展させた新型だ。もうすぐ完成でこれで私達も本来の姿になることが出来る」

 

「まぁ今は一時的なものだけどねー」

 

 

装置と思われる機械を横目にソーフィは懐から話に出てきた新型リーディバイスを取り出す。その説明をガッツが補足しながらマツミズ達は話を進めるのだった。

 

・・・

 

 

「テレビの取材…ですか?」

 

「はい、大和さんや長門さん達の演習の様子を録った後、今、遠征の方達に提督と一緒に同行しているようです」

 

 

数日後、雑貨店ではユウマが榛名から鎮守府を取材したいというテレビ局の話を聞いていた。だからか、先程から艦娘達がやたらと浮足立っているようにユウマに見えていた。

 

 

「それだけじゃなくて帰ってきた後はソーフィさんの開発した新兵器の発表もするみたいですよ」

 

「ソーフィさんの…?」

 

 

榛名の話を聞いたユウマは怪訝そうな表情を浮かべる。ソーフィの研究といえば、恐らくは怪獣や宇宙人関連だろう。しかし何故だろう。ユウマは胸騒ぎがしたのだ。

 

・・・

 

 

「ソーフィちゃん、ゼットンの卵、指定位置に配備完了だって」

 

「変換装置の準備も後少しで完了します!」

 

 

ラボでは宇宙人組が慌ただしく機械に向かって指を動かしていた。その中でガッツとペガッサは開発リーダーであるソーフィに報告をする。

 

 

「…大丈夫だ、大丈夫な筈だ…」

 

 

報告を受けたソーフィは目を瞑り、組んだ両手を眉間に当て成功を祈る。普段、だらしなくも気丈な彼女がこのような様子を見せたのは初めてだ。それほどまでに今回の実験が彼女にとって大きなプレッシャーとなっているのだろう。

 

なにより派遣された政府の人間はこのソーフィの発明に大きく期待を寄せていた。何故ならその人物は艦娘という存在を快く思っていなかったからだ。

 

別に政府の人間の期待などはどうだって良いが、相手はゼットンだ。もし失敗し制御下に置けなかったとしたら、果たしてどんな結果が待っているのか分からない。大きなプレッシャーの中、ソーフィはテレビ班と政府の人間に同行したマツミズの帰りを待つのだった…。




今のゼットンの状態はウルトラマン最終回の登場間際の青い球体を想像していただけると幸いです。







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