ウルトラマンゼノン ウルトラの奇跡   作:ウルトラゼロNEO
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ヘッヘッヘ


誕生ウルトラマンゼノン! part2

────ウルサイ…。

 

 

 

 

 

────────シズカニシテ

 

 

 

 

 

────────────ナンデ?

 

 

 

 

 

────────────────タダ、シズカニシテタダケナノニ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《──避難指示が発令されました。近隣住民の皆さんは至急避難してください》

 

「…!?」

 

 

それは唐突だった。時刻は深夜4時頃、鎮守府から帰ってきたユウマは深い眠りの中にいたがアナウンスと共にけたましく鳴り響く警報に目を覚ます。起きたばかりでまだ頭が回転してはいないが半開きの目で状況を確認する。2階にある自室のカーテンを開き窓を開けて外の様子を伺うと時折振り返りながら逃げ惑う人々が目に飛び込んできた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォーーーーーーーーーーーーーーンンッッッ!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

耳を劈くような怒りの咆哮。眠気も吹き飛び思わず耳を塞いでしまう。恐る恐るその咆哮を見つめるユウマ。そこにはまさに映画やテレビで見るような一匹の巨大な怪獣が咆哮を上げていた。

 

 

「ゴモラ…」

 

 

赤褐色の分厚い皮に前方に大きく彎曲した首、赤いノコギリの歯のようなギザギザな形の線が複数ついた三日月型の角、更に鼻先に伸びた小さな角。振り回せばとんでもない猛威を振るうであろう太く長大な尻尾。テレビで見たことがある。そうつい今朝のことだ。あれはゴモラザウルス。いや、古代怪獣ゴモラだ。

 

 

「あそこって‥鎮守府じゃないか!!」

 

 

ゴモラが陸を目指し近づく場所にはマツミズ達が居る鎮守府が。マツミズが言っていたゴモラの輸送は最悪な結果を迎えていた。このままでは鎮守府が危ない。何も出来ないとはいえいてもたってもいられなかった。あそこにはマツミズを初めとしたユウマにとってかけがえのない人達がいる。彼らを失えば自分は再び一人ぼっちになってしまう。ユウマは靴も履かずに家を飛び出し無我夢中で鎮守府に向かうのだった。

 

 

・・・

 

 

─────最悪だ。

 

 

ゴモラ輸送の為の護衛任務を受けていたメンバーの旗艦の艦娘であり黒いセーラー服のような制服とおさげと犬の耳を彷彿とさせるような黒髪、そして髪飾りが印象的な先日改二になった少女…時雨は同じく護衛の任を受けた島風、天津風、朝潮、曙、そして自分と同じく改二になった夕立に指示を出しながらつくづくそう思う。護衛任務自体は順調だった。しかし鎮守府を目前に迫った時、突如、深海棲艦の襲撃にあってしまったのだ。戦闘は避けられず、それだけではなくその影響で強い麻酔で眠らされていたゴモラを目覚めさせてしまったのだ。

 

 

「ちぃっ…!奴らめ、このタイミングを狙っていたのか!?」

 

「そう考えるべきでしょうね…!」

 

 

既に鎮守府から援軍は来ていた。艶やかな長い黒髪のロングヘア、露出度が高いビキニとスカートの制服、長門型の一番艦の艦娘長門と同じく二番艦の陸奥が表情を険しくさせながら戦闘を続ける。深海棲艦だけではなく怒り狂うゴモラを陸地に上がるのを食い止めなくてはいけないのだ。マツミズの指揮があるとはいえ中々思い通りにならない。

 

 

《全艦娘に告げる。あくまで防衛だ。深海棲艦への攻撃はそこそこにゴモラザウルスの地上上陸をなんとしても食い止めろ。又、ゴモラザウルスの周囲には不用意に近づくな、奴の尻尾は危険だ》

 

 

すると艦娘達の艤装を通じてマツミズの指示が入る。チラリと確認すると沖には列を組んでいる戦車隊が順次に砲撃が始まりゴモラ目掛けて飛んでいく。

 

 

「うーん…届くかなぁ…」

 

「おいおい射程距離は問題ないだろう?」

 

「そうだねぇ…。よーし今回も勝つよ!」

 

 

砲台とは違う場所で十字型の狙撃銃を構えるのはガッツだ。そしてその隣に立つのはスラリとした高身長とスーツのような服、吸盤のような形の触覚のようなモノが頭についた知的さを感じる女性…ゼットン星人の生まれ変わりのソーフィがガッツの発言に呆れている。余裕を感じられる表情を浮かべるガッツは引き金を引き、光る狙撃銃から放たれ青白いた光弾は一瞬でゴモラに直撃。そこから更に戦闘は激化していく。

 

・・・

 

 

(ある意味、罰なのかもしれないな)

 

 

艦娘達への指揮を執り行いながらマツミズは内心でそう呟く。元々ゴモラは日本近辺の孤島で目覚めたばかりとは言え人畜無害だった。なのに人間の都合で無理に麻酔を打たれて連れ運ばれたのだ。ゴモラにとってはいい迷惑であり見世物にしようと驕った人間への罰なのではないかと考えていた。しかしそんな事は後ででも考えられる。今は兎に角、ゴモラと深海棲艦に集中しなくてはならない。

 

 

《きゃぁあっ!!?》

 

「赤城、金剛大破!!」

 

「ビームだと…!!?」

 

 

モニターに映る映像からゴモラの角から発せられたビームが鎮守府を背に戦闘をしていた赤城と巫女服を思わせる服の艶やかな茶髪が印象的な金剛型一番艦の金剛の周囲に着弾。その威力の大きさからか直撃ではないものの艦娘である赤城や金剛に大きなダメージを与え沖まで吹き飛ぶ。まるでオペレーターのように状況を知らせるペガッサにゴモラの能力にマツミズも唖然としてしまう。

 

 

「この星のデータで推測するに恐らく地面の掘削に使用する角から放つ超振動波を応用したモノだと思われます!」

 

「まさかそこまでのことが出来るとは…。 赤城と金剛は退却だ」

 

 

なにか打開策を練ろうとゴモラザウルスについて調べていたのかペガッサの報告にゴモラに対して戦慄しつつも冷静に赤城と金剛に対して指示を出す。

 

 

《まだ戦えます…!》

 

「駄目だ!防衛第一だがその結果、君達を失うつもりはない。沖まで吹き飛ばされたのは不幸中の幸いだ、今すぐドッグへ向かえ」

 

 

赤城が肩を上下させながら息も絶え絶えに答える。いくらボロボロでも戦意までは消えていなかった。だがそれを強く拒否しまがら戻るよう指示を出す。

 

・・・

 

 

「伯父さん、みんな…!!」

 

 

一方、鎮守府にたどり着いたユウマ。無我夢中で裸足で走ったせいで足が傷だらけで痛むが、そんなことは意識の外だった。肩で息をしながら周囲を見る。遠目には砲撃を受けるゴモラが見えるが着実に近づいており、このままでは上陸も時間の問題だろう。

 

 

「赤城さん、金剛さん!!」

 

「ユウマさん…!?どうしてここに…!?」

 

 

すると視界内に肩を抱き合い支えあいながらドッグに向かおうとする赤城と金剛を見つける。駆け寄るユウマに金剛と赤城はそれぞれ目を見開いて驚いていた。

 

 

「なにも出来ないのは分かってますけど皆さんが心配で…。それより早く怪我をなんとかしないと!ドッグって確かありましたよね、俺が運びます!!」

 

「だったら先に金剛さんをお願いします…。私よりも重体ですから…」

 

「…分かりました!すぐに戻ってきますから!」

 

 

申し訳なさそうなユウマだが赤城と金剛の状態を見て慌てて駆け寄るともう喋る力もないのか金剛をユウマに託す赤城。だが彼女もまた重体だ。弱々しい彼女の姿を見て一刻も早くとユウマは金剛を抱えてドッグへ向かう。

 

・・・

 

 

「お待たせしました!!」

 

 

金剛をドッグに運び戻ってきたユウマ。その場にいた者には驚かれたがユウマが抱えていた金剛を見て元々マツミズからの指示もあってか深くは問われずに金剛の治療を開始した。赤城はと言うともう力が残っていないのか壁に寄りかかって座り込んでいた。

 

 

「────なぃ…」

 

「…えっ…?」

 

 

赤城を抱きかかえドッグへと運ぶ最中、ふと赤城の口から言葉が漏れる。聞き取れなかったユウマは抱える赤城を見る。よく見れば彼女は震えていた。

 

 

「私は…まだ…未来に…なにも…」

 

「…」

 

 

彼女の中にはマツミズの言葉がまだあったのだ。過去を越え未来へ希望を持とうとしているのだろう。ならば死にたくはないはずだ。ユウマは彼女を抱える力を強めドッグへ向かう足を更に速める。

 

・・・

 

 

「お願いします…」

 

《ユウマ!》

 

 

ドッグへと辿り着いたユウマは赤城を託すと、ドッグ内のモニターにマツミズの顔が映る。

 

 

《話は聞いた、赤城と金剛のことはありがとう。だが今すぐ避難しろ、君達一般人が無事でなければ我々がここで戦っている理由はない》

 

「伯父さん…」

 

《私達は大丈夫だ、ゴモラザウルスのこともなんとかする。だから今すぐに地下のシェルターへ避難しろ、本来ならこことは別の安全なシェルターに向かって欲しいが、この状況では難しい。君のスマホに見取り図を送った。人員が割けない状況だ。悪いが一人で向かってくれ。シェルターに到着したらこちら側でシェルターを操作しよう》

 

 

まずは部下を助けた礼を言うと早々に避難を促す。ユウマは言われたとおりにスマートフォンを取り出すとそこにはこの鎮守府のデータが送られてきていた。ユウマは心配そうな表情を浮かべるもマツミズ達に迷惑をかけているのは分かっているので頷いてシェルターへ向かう。

 

・・・

 

 

『──ギュオオオオオオオオォォォォォォーーーーーンッッッ!!!!!!』

 

「うああぁぁあっっ!!!?」

 

 

スマートフォンに表示されるデータを頼りにシェルターへ真っ直ぐ向かうユウマ。同時刻、ゴモラは周囲に無差別の超振動波を放ち近くにいた深海棲艦を沈める。半ば奇跡的に艦娘達も沈む者はいなかったがそれでも被害は甚大であり鎮守府にも長振動波による攻撃が。そのお陰で階段を下りていたユウマは滑り落ち、地面に叩きつけられた圧迫感と共に呼吸困難に陥る。

 

 

「うっ…ぐぁっ…」

 

 

階段から滑り落ち地面に倒れるユウマは咳き込む。当たり所が悪かったのか頭から生々しい鮮血が流れ身体に激痛が走って体を丸める。意識が薄れ始め、死んでしまうのではないだろうかとユウマに死の恐怖が降りかかる。

 

 

「や…だ…。し…にたく…な…い…。お…れ…も…みら…い…が…っ…ほしい…。みんなと…みら…い…を…」

 

 

自分の未来を決めたわけではない。だがそれでもここで命をかけるかけがえのない人達と未来を共に作っていきたいという気持ちがあった。薄れ行く意識のなか、最後まで自分のかけがえのない人々のことを彼は想っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【────ユウマ…】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分を呼ぶ声が聞こえた。その瞬間、世界は静止しまるで自分だけが切り取られたかのようにユウマの身体は暖かな光に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───ここは…どこ…? そこにいるのは…誰?

 

 

 

 

 

【私はこことは別の世界のM78星雲からやって来た君達が宇宙人と呼ぶ存在だ。君達の文明を監視する為にやって来た】

 

 

 

 

 

───俺はどうなったの?死んじゃったの?

 

 

 

 

 

【君の命はまだ尽きてはいない。だがそれも風前の灯だ。だからこそ私は君と一心同体となりその命を救いたいと思っている】

 

 

 

 

 

───…何でそこまでしてくれるの?

 

 

 

 

【君は何の力がなくとも大切な者達の為に動いた。例えソレが同種の存在でなくとも。そして最後まで大切な者達のことを想った。君の行動は蛮勇ではあるが私は誰かを想う優しさと仲間達と共に未来を築こうとするその意志を失うのは惜しいと考えた。それにこれは君のためだけのことではない。一心同体となることで私はこの星で活動できるようになる。君の力を貸してほしいのだ。だからこれを受け取って欲しい】

 

 

 

 

 

───この腕輪は…?

 

 

 

 

 

【ゼノンブレス…君の力だけで他の生命の未来を救えきれなくなった時に使って欲しい】

 

 

 

 

 

───使うと…どうなる?

 

 

 

 

【心配することはない。言っただろう、一心同体になると。私は君に。君は私になるのだ】

 

 

 

 

───君の名は?

 

 

 

 

【私か?私の名は──────】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・

 

 

「みんな…大丈夫…?」

 

「深海棲艦はなんとかなったっぽいけど…でも…」

 

 

一方、時雨が仲間達に問いかける。夕立以外に返答はない。それほどまでに消耗しているのだ。夕立も同じように消耗しつつ周囲を見渡す。どうやらゴモラの超振動波の影響で被害が出たことにより撤退したのだろう。もしくは後はゴモラが暴れ続ければ自分達が動くまでもなく奴らは全滅するだろうと。だが問題はゴモラだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると夜の闇を照らすように上空から眩い光の球体が出現した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ…あれ…」

 

 

 

この絶望が支配するような空間に明かりを灯すような光球の出現にゴモラは動きを止め警戒する。正体が分からぬ光球を緑がかった紙色とツインテール、赤いミニスカートと弓道着のような服と艤装が印象的な翔鶴型空母の艦娘…瑞鶴が指差す。他の艦娘もいや、その場にいる全ての者がその光を見つめていた。

 

 

「…」

 

 

光が消えたそこには赤い体色と身体を走る銀色のライン。胸に青く輝く美しい宝石のような結晶体。40m以上はあるであろうその巨体と光を背に立つ姿はまさに光が形となったかのような、まさに光の巨人がそこにいたのだ。

 

 

「…ねぇ、ソーフィちゃん」

 

「ああ…間違いない。この世界には存在はしない。だが過去にも平行世界から現れたという噂に名高い宇宙を守護する光の戦士達…その同族だろう」

 

 

狙撃銃を下げ、光の巨人を見つめるガッツは隣のソーフィに問いかけるとソーフィは静かに頷き、そして巨人をジッと見つめ、やがて口角を上げる。

 

 

「光の国から来たか、ウルトラマン」

 

 

その表情は期待に満ちていた。その期待を背に受け光の巨人…ウルトラマンゼノンはゴモラに対峙するのだった。




ゼノン登場です。

後、ゼットン星人ですが宇宙恐竜の方のゼットンも出てくる予定ですので、名前を変えさせてもらいました。







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