ていうか戦闘シーンめんどくさすぎんよ。
鷹の目さん原作でも描写少ないし、描写少ないし。
主人公の設定ふわふわだし。
それでも楽しんでくれたら幸いです。
振るわれるのは漆黒の長刀と白と黒の夫婦剣、鳴り響く剣戟の音は辺りの人々を飲み込み剣舞のような戦場に飲み込んでいった。
戦況はミホークが圧倒的に有利、長刀から繰り広げられる剣技で絶えずミホークが押していたからだ、ウソップは防御に長けた双剣でその攻撃を受けながらも時々鋭い反撃を見せていた、それでも少しずつウソップには傷が増えていたからだ。
しかし疑問に思ったのはミホークの方だった、何故なら終始押していたというのにウソップには致命傷たり得る物は何一つなかったからだ、ウソップに刻まれた傷はそのどれもがウソップにとってはかすり傷、危険な一撃は全て防御し負傷を必要最低限に抑えた結果だった。
ウソップがミホークから繰り出された刀の一撃を回避する、それでもウソップの肩は裂けそのから血が流れる。だがそれは想定の範囲内ウソップは肩の傷を無視し双剣でカウンターの一撃を繰り放った。
しかしミホークは余裕を持ってその一撃を黒刀で弾き飛ばす、ウソップはその力も利用してミホークから距離をとった。
やばいな。
そう漏らしたのはウソップだ。
剣を打ち合った衝撃は腕に響き力が抜けかける、唯でさえ無理をしている筋力の限界が近づいてくる。
他人の能力を自分に埋め込むなどという愚行がそういつまでも続くはずがない。
時間制限がある分不利なのはウソップの方だ、それ以前にミホークはまだ本気を出してすらいない。
それは俺がまだ二本の足で立っていることが証明している。
「いい剣だな」
戦闘の最中に関わらずそう言ってきたのは驚くべきことにミホークの方だった。
「そう言ってもらえると鍛治師冥利に尽きるが、世界最強の剣士から言われると凄い複雑なんだが」
自分が造った剣は最強という自負がある寧ろそうでなければならない、なぜならそこに疑問が入り込んだ時それは最強ではなくなるのだから。
だが相対するはそれに負けず劣らずの最上級大技物、しかも今回は戦闘だ、剣のレベルが同等だろうと担い手が片方は世界最強の剣士にもう片方は剣士擬きではどうやっても嫌味にしか聞こえなかった。
「そっちじゃない、それもあるが俺が言っているのはお前の技量の方だ、才能は感じられんが努力と実直さを感じられるいい剣だった」
達人同士は剣を打ち合わせただけで心を通い合わせるという、世界一の剣士はほんの数度剣を打ち合っただけでウソップの剣士としての本質を読み取ったらしかった。
「はぁ……、これだから天才というモノは嫌なんだ、その通り俺には剣の才能などない努力とズルをしてこの程度だ、つくづく自分の非才が憎くなる」
「口ではそう言っても勝負は諦めていまい、その目は勝利を狙う狩人の目だ、奥の手があるのだろう?この私を相手に出し惜しみとは感心せんな」
どこまでも見透かしているような鷹の目を向けられて俺も覚悟を決めた。
「……そうか、仕方ない、なら俺も『俺』であることを捨てよう。
ーーI am born of my sword(体は剣で出来ている)」
戦場の雰囲気が変わる、ウソップが今まで放っていたのとは段違いの気迫を放ちそれに辺り一帯のすべての人物が気圧された、そしてその気迫に一瞬だがミホークすら固まった。
「さて大剣豪、君が相手をするのは確かに紛い物だが、その実その手に握るのは無限の剣、これからは先ほどまでのようにはいかんぞ?」
今回ウソップが悪魔の実で創り出したのは剣に非ず、剣の記憶も担い手の技術や戦闘経験すら悪魔の実の能力をして自分の体に焼き付け打ち付ける、正真正銘ウソップの奥の手
間違いなくこれが全力全開、本気の戦闘だ。
ウソップが一段とその腕に力を込める、気配も雰囲気も今までとは段違いだそしてそれはウソップがここで決着をつけることを決めたことを意味し、
ウソップの能力の限界が近い事を意味する。
ウソップの体は既に限界に近い、持って次の一撃、ならばその一撃に全力を込める。
「行くぞ大剣豪!最低でも手傷の一つは貰っていく!」
「来るがいい小僧!この海の広さを教えてやる!」
さっきまでとは戦況が一変し攻めの体勢をとるウソップ、対するミホークはウソップの様子を観察しながら守りの体勢をとる。
「―――鶴翼(しんぎ)、欠落ヲ不ラズ(むけつにしてばんじゃく)」
投げる。
次の瞬間ウソップはいきなり手にした双剣をそれぞれ真横に投擲した。
「なに!」
それに驚いたのはミホークの方だ、何故なら手にしていた武器を投げウソップは現在無手なのだから、だが次の瞬間ミホークは先ほど以上に驚愕に見舞われる。
別々の方向にウソップが投擲した武器、黒と白の夫婦剣がまるで引き合うようにして戻ってきた、そしてその軌道上にあるのはミホークの首。
干将・莫耶は二刀一対の夫婦剣その特性は磁石のように互いを引き寄せ合う。
その特性を利用したウソップの奇襲。
だが相手は大剣豪、ミホークはその奇襲すらたやすく打ち破り黒刀の一閃で二本の中華剣の軌道をたやすくズラした。
大剣豪が扱うのは剛の剣だけでなく柔の剣、卓越した技量を前にウソップはすでに次の攻撃へと移っていた。
「――――心技(ちから) 泰山ニ至(やまをぬき)リ」
その手に握られていたのは白と黒の夫婦剣、一瞬の内に悪魔の実で創り出された名剣を再びミホークに向け投擲する。
ミホークは飛来してきた双剣に黒刀を叩きつけようとして、予想外の反撃を知覚した。
それは先ほど逸らしたはずの最初に投擲された二刀、同時に4つの武器に囲まれたミホークは驚くべきことにただの一振りでその全ての斬撃をた叩き潰した。
だがしかし、この必殺の一撃はその程度では終わらない。
「ーーー心技、黄河ヲ渡ル (つるぎ みずをわかつ)」
ミホークが飛来する刀を叩き落とした時にはすでに新たに武器を投擲し終え、
「ーーー唯名、別天ニ納メ (せいめいりきゅうにとどき)」
投影(トレース)、オーバーエッジ。
何度目かの創成した武器に異形な改造を繰り出す、悪魔の実の能力によって空想の世界から複製した双剣をより強固に、強靭で長大な双剣へ。
「ーーー両雄 共ニ命ヲ別ツ(われらともにてんをいだかず)」
そして最後に全力の加速を込め必殺の一撃を繰り出す、飛来する6つの双剣に二つの長大な斬撃。
これぞ決して天災とは呼べない正義の味方が英雄達を打ち倒すために編み出した必殺技、襲いくる計算され尽くした連続攻撃によって回避も防御もできない状態を作り出す正しく必殺の技、鶴翼三連。
だがしかし、俺という個人が完璧に模倣するにはその壁はあまりにも長大だった、能力に任せて強引に作り出した隙は確かに全ての攻撃を回避も防御もできない状態だっただろう、だが相手はあの世界最強の大剣豪である。相手がとった行動は強引な迎撃、ウソップが見たのはミホークの刀を持った両手が黒色に染まったことと、ただでさえ真夜中のように黒い刀が漆黒に染まるのとそれから繰り出された死神のごとき黒い斬撃だった。
「強きモノよ、名を、聴いておこう」
「東の海出身ウソップ。覚えておけ、いずれ世界最強の剣を作る者の名だ」
残ったのは勝者と敗者、
それがどちらなのかは語るに及ばす
ただ剣豪は時代の潮流を感じ
鍛治師は新たな世界を感じ取った
正直自分で見ても矛盾点が多々あります、色々と思うところはあるでしょうがそれでも二次作品なりに自分で補完して楽しんでくれたら幸いです。
正直プロットだけならある程度ありますが、だいぶ昔で文脈自体変わってるのと、新しい作品書きたい病に侵されこれ以上の続行は不可能だと思われます。
ですのでこの作品はこれで凍結とさせていただきたいと思います。
要望があるようでしたらリメイク的な何かがあるかもしれません(あるとは言っていない)。