オリ主が再びIS世界でいろいろと頑張る話だけど・・・「本編完結」   作:どこかのシャルロッ党

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PHASE-129「願いと戸惑い」

ダカールでの演説により、世界中にザフトに対する不信感が募っている一方・・・翔真は無事にトレミーに帰還を果たす。娘や嫁達には泣かれたものの翔真は一瞬の平和を感じた。しかし安堵するのも束の間・・・プレシアはとうとう転移魔法による力でザフト艦隊ごと現れる。トレミー・リーンホースⅡの行く手を阻む。

 

「翔真、まだクアンタの調整が済んでない!」

 

「分かってるさ。だから俺はこいつで出る!」

 

「ジャスティスガンダムで!?でもそれじゃ対抗が!」

 

翔真の視線の先には、束が独自に改修を施したジャスティスガンダムが鎮座していた。一応翔真専用にカスタムはされており、イノベイター用に対応している。

 

 

「シー君!」

 

「翔真パパ!」

 

「パパァァ!」

 

「束、ヴィヴィオ、椿・・・」

 

 

翔真の元に束、ヴィヴィオ、椿が駆け寄る。

 

 

「シー君・・・この子達や私達がいること・・・忘れないでね・・・」

 

「もちろんさ」

 

「シー君・・・ジャスティスで出るの?ダブルオーの方がまだ・・・」

 

「確かに、ダブルオーの方が性能は上だろ。でも、あいつは必ず俺との決闘を望んでる・・・純粋な戦士としてな。だから俺はそれに応えなくちゃならない」

 

「アレス君・・・マー君だよね・・・『待ってくれ!翔真!』」

 

 

束の言葉を遮ったのはクリスだった。クリスは翔真と束の間に入る・・・同時に翔真はクリスからある気配を感じた。

 

 

「クリス・・・お前、お腹の中に・・・」

 

「あぁ・・・もちろん、お腹の子は兄貴との間に出来た子だ。翔真・・・頼む、兄貴を・・・兄貴を連れ戻してくれ!」

 

「―――出来る限りのことはするつもりだ。だからクリス、お前は安静にしとけ。そろそろ行ってくる・・・!」

 

「クリスちゃん、離れるよ」

 

「あ、ああ・・・(兄貴・・・!)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方で、ミネルバ率いるザフト艦隊はトレミーとリーンホースⅡの前方に現れていた。そしてミネルバでは作戦についての話し合いがアレス・楯無・マリア・唯依によって行われていた。

 

 

「こんな作戦で大丈夫なの?アレス君」

 

「ああ。奴等の戦力は少ない・・・一気に正面から攻め込むと思わせ、艦を包囲して撃沈させる。その為にマリア、調、切歌を包囲する部隊に回す」

 

「ですが隊長、ソレスタルビーイングは確かに戦力は少ないと予測されます・・・ですが、奴等にはGspirits隊などもいるのですよ?」

 

「心配するな。そいつ等は俺が相手をしよう・・・篁艦長、俺は前方へ出る・・・構わないか?」

 

「勝算はあるのか?」

 

 

唯依が尋ねる――――するとアレスは答えた。"心配ない"と・・・しかし、アレスにはどうしてもある未練が残っていた。それはトレミーに置いてきたクリスのことだ。妹のように可愛がってきたクリスは今敵艦にいる・・・更には彼女のお腹の中には新しい命が宿っている。

 

 

「(何を迷っているんだ俺は・・・敵・・・綾崎翔真を倒せば全てが終わる・・・)」

 

 

 

脳裏には悲しみに満ちたクリスの表情が浮かぶ―――――

 

 

『アルちゃん・・・ダメだよ』

 

「(ッ!?ね、姉さん!・・・)」

 

 

ふいに背後へ振り向く。そこには自分の姉であり、あの事件により亡くなったはずのノインだった。

 

 

『アルちゃん・・・ダメ!』

 

「黙れ・・・幻惑で・・・俺を惑わそうなど・・・あと少しなんだ・・・奴等を倒せば・・・!」

 

 

 

アレスはふらつきながらも格納庫へ向かう――――――――

 

 

 

 

 

 

 


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