オリ主が再びIS世界でいろいろと頑張る話だけど・・・「本編完結」 作:どこかのシャルロッ党
フェネクスはエクシェスを抱き締める―――――サイコフレームの暖かな光りはアレスの心の中に入り込む。
「やめろ・・・!入るな・・・入るなァァァァァ!!!!」
「兄貴!!」
あの日から全てが崩れ去った・・・家族を目の前で奪われ、エクシェスという復讐の力を貰い自らの目標の為にアレスは必死に生きてきた。ようやくソレスタルビーイングを追い詰めたはずだったのに、長年閉じ込めて来た心に何かが入り込む感覚にアレスは吐き気を覚える。
――にぃに・・・ダメ――
「ハーティ!?・・・あ、ああ!?」
――もうやめてアルちゃん!私達はそんなこと望んでない!――
「姉さん・・・入るな・・・来るなァァ・・・」
――そんなことしたら貴方は戻れなくなる!――
「母さん・・・くっ!?人の感情などとっくに捨てているッ!!!!」
フェネクスによって亡くなったはずの家族の幻影を見せられ困惑するアレスはフェネクスを退かすとクアンタフルセイバーに近付く。
「ここまで・・・来たんだ・・・!諦める訳にはいかないんだ!!!」
「アレス・・・お前は分からないのか!? お前には見えるはずだ!亡くなった家族はお前を止めようとしているんだぞ!」
「ッ!?」
クアンタフルセイバーの周りには次々と人の意識が集まる。明日菜やクー子、翔真の母親にアレスの家族達も・・・集まった人々の意識はクアンタに吸い込まれ、エクシェスに近付く!
「やめてくれ翔真!」
「クリス・・・」
「クリスちゃん・・・」
「あたしが兄貴とケリを着ける・・・お前は早く月に行けよ!そこの金色のMSも!」
ニャイアはクアンタとフェネクスの前に立ち塞がる・・・クアンタとフェネクスはそのままクリスとアレスの元を離れて月へ向かう。トレミーとミネルバも、互いにダメージを喰らい動ける状態ではなかった。
「総員退艦だ・・・脱出の準備をする。あちらももう動けまい」
「艦長!」
「それに決着はもう付く・・・近くにいるMS部隊に連絡を!」
ミネルバが次第に動かなくなり、トレミーもまた退艦を余儀なくされる。
「総員退艦せよ!・・・くっ、ミネルバの奴なかなかやりおる!」
「王様~?ビシディアンから通達が来たよ。こちらの艦に移動せよ!だってさ」
「うむ・・・分かった。ただし、退艦の順番は子供、妊婦を優先にするのだ!それだけを伝えよ」
「了解~!」
動かなくなったトレミーの側にビシディアンの戦艦 バロノークが現れる。だがそんな時トレミーのハッチが開く。それは動力源を粒子貯蔵タンクに代えたダブルオーライザーとエクシアを改修したアメイジングエクシアとクアンタ・アメノハバキリが次々と出撃する。
「椿ちゃん、ヴィヴィオちゃん、ちゃんと束さんに掴まってるんだよ」
「「うん!」」
「なのちゃんもね?」
「はい!」
「私達も翔真君と共に!」
「月へ向かう・・・しっかりサポートを頼むぞ切姫」
「はい、お任せを」
束達もまた月へ目指す。