シリアルに生きたい   作:ゴーイングマイペース

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 うーん、地の文を削れば台詞が増えすぎて、台詞を削れば地の文が増えすぎる。そもそも色々ぎこちなかったり……采配が難しいですね。やっぱりこういった悪癖を矯正するには書き続けるしかないんでしょうか……



 まあともかく原作第1話最終回、どうぞー


16時間目 : お色気担当は必須という風潮、万理あるね!

 ネギから俺の策をぶち壊した、という連絡を受けた俺は、その詳細を問い詰めるべくネギと明日菜がいる場所へと急行し事情説明を受けていた。

 

「そうかそうか。その子を助けるために風の魔法を使ったら、その瞬間をバッチリこいつに見られていたと」

 

「ハッ、ハイ。あ、あの僕いったいどうなっちゃうんでしょうか……?」

 

「イヤ、状況を聞く限りしょうがないことだった。ああ、しょうがない」

 

「! じゃあ!」

 

「ああ。だからな、ネギ。

――そこに直れ、今すぐに俺がオコジョにしてやる。甘んじて受け入れやがれこのクソガキが……!」

 

「ハイ! ありがとうございま、ってえええええええええええ!?」

 

「ちょ、魔法使いの決まりごととかよくわかんないけどちょっと待ちなさいって世界!」

 

 止めるな明日菜、このガキ人がどれだけ幼馴染助けるために頭使ったと思ってやがる……!

 

 どうやらこのクソガキ、なぜか小学校があるエリアまで足を運び、そこで小学生女児を助けるために原作でのどかを助けたのと同様に魔法を使い、その現場を俺から渡された金で歓迎パーティーを豪華にするべく遠出して同エリアにいた明日菜にバッチリ押さえられたらしい。

 なんだこれがよくいう世界の修正力か歴史はそうあるべくように収束するってかふざけろ!

 

 しかもよくよく考えたら俺が取った行動も原因の一部であるというのが、また自分のマヌケで明日菜が巻き込まれたようかのようで自分に腹が立つ。かといって何もしなかったらしなかったで原作同様の展開になる可能性が高いと言えた訳で……

 

「だああ、クソッ! こんなこと考えててもキリがねえ!」

 

 頭を勢いよく左右に振って益体もない思考を無理やり止める。

 その際上げた俺の大声でネギは怯え明日菜が驚いているが、正直構っていられないので情けないが無視し、無理やり冷静になって結論をネギへと告げる。

 

「……いいか、ネギ。この件に関しては俺に采配する権限はないから、じっちゃん……学園長へと預けることになる。が、状況を聞く限り情状酌量の余地は十分にあるから恐らくオコジョ刑にまではならない筈だ」

 

「ホ、ホントですか!?」

 

「ああ。

 ……あと明日菜、お前にも証言してもらう必要があるだろうから、後で俺とネギと一緒に学園長室に来てくれ」

 

「う、うん。わかったわ。

……世界、アンタ今凄く酷い顔してるわよ。大丈夫なの? 魔法がバレるってそんなにマズイの?」

 

「イヤ、大丈夫だ。なんとかなる。

……ごめんな、明日菜。本当にごめん」

 

「ど、どうしたのよ世界。そんなに謝んなくっても……アンタのせいなんかじゃないんだし、気にする事ないのに」

 

 明日菜、それにネギが心配そうに俺の顔を覗き込んでくる。どうやらそれほどまでに俺は酷い顔をしているらしい。

 ……数刻前の自分を殴り飛ばしたい気分だ。あの程度の策で十全だと、一切問題はないと考えていたなんて。あれら以外にも明日菜やネギに気づかれないように分身を付けておくとか、まだまだやれることはあったはずなのに。慢心していたなんて最早言い訳にもならない。俺はなんて――

 

「――ぃ。せかい、世界ッ!!!!!」

 

「ッ!」

 

「何そんなに思いつめてるのか知らないけど、難しく考えすぎたって何にもいいことないわよ。ホラッ、早く教室に戻るわよ!」

 

「……あのなぁ、今俺が考えてることはそんな簡単なことじゃあ」

 

「大丈夫!!!!! 無駄に色々凄いアンタならどうにだって出来るって!」

 

「……ったく、お前はよー。そうやっていっつも根拠の無いことばっか言って」

 

 だが無駄にデカい『大丈夫!』のおかげで鬱思考から抜けられた。というか、悩みの理由の張本人に慰められているようじゃそれこそ情けない。

 

「……よし、それじゃあ行くか! ほらネギ、急ぐぞ! これからやらなきゃいけないことたくさんあるんだからな!」

 

「わわっ!? ま、待ってください手を引っ張らないで世界さん!?」

 

「あっコラ、元気になったのはいいけど置いてくなー!」

 

 ぃよし、気持ちを切り替えてパーティーを楽しもう。そうだ、大丈夫だ。時間はまだまだある、今度は焦らず確実にいこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――それでは、結局は失敗したというわけですね。まあそんな穴だらけな計画、成功した方が逆に驚きですが」

 

「まあしょうがないヨ。というか元々私達はそこまで期待してなかたシ」

 

「ぐふっ」

 

 ある程度先ほどの黒歴史確定シーンから時間が経ち、俺はパーティ会場と化した2-Aにて鬱よ吹き飛べと風香、史伽やその他お騒がし担当メンバーとネギを弄繰り回した挙句に委員長様に御叱りを受けてしまった。

 しかし先の失敗から気持ちを切り替えることには成功した。流石は女子中2-A、せっかくのパーティーで何落ち込んでやがるとばかりに元気を貰ってしまった。被害を被ることも多いこのパワーにも、今回ばかりは感謝だ。

 

 が、そうして落ち着いた心で先の出来事を友人2人、超鈴音ともう1人、ザジ・レイニーデイに話してみたところ見事にそれぞれから容赦なく一刀両断されてしまった。

 イヤ確かに今考えてみたら穴だらけもいいとこなんだけどさ、君たちもう少し手心ってものをだねぇ。

 

「それをいうなら事を起こす前に私達に一言あってしかるべきだったのではないでしょうか」

 

「ザジさんの言うとおりネ。アスナさんや()()()に関することは私たち全員で話し合て決める、と決めたはずだたヨ、せかいサン」

 

「……うん、そうだったな。スマン、超、ザジ」

 

「まあ、何も知らせず助けようと考えていた愛しの幼馴染が危険溢れる裏世界に舞い戻りかねない、となっては殿方ならば居ても立っても居られなくなるのもわかりますよ。ええ」

 

「クフフ、そうネ。麻帆良最強も所詮は思春期男子中学生、というわけだヨ。ザジさん」

 

「おい何を下世話な妄想並べ立ててやがるお前ら。違うからな、アイツはそんなんじゃねーから」

 

 俺の言葉に顔を見合わせ、ムカつく笑みを更に深めるバカ2人。組む人間を間違えたかな俺。イヤ片方は人間じゃなくて魔族なんだが。

 

「いえ下世話などとんでもない。年頃の雄ともなれば女性に気が向くのは当然のことです。そう、例えば――私などはどうです? ホラ」

 

「オスとか生々しい言い方するんじゃ、っておいヤメ、ちょ、纏わりつくな絡みつくな!?」

 

 日々の曲芸手品部活動の成果かそれとも生来のものなのか、そのとんでもなく柔らかい軟体生物の如き肢体(カラダ)で俺の体に纏わりついてくるザジ。

 思わぬ攻勢に思わず焦る俺。イヤしょうがなかろーよ、共に駄弁っていた友人が急に肉食系全開みたいなことしてきたら男なら誰だって焦るってーの!

 

「ぐっ。おい超、お前も笑ってないでどうにかしてくれ!」

 

「んー、ザジさん。その辺にしておいたほうがいいヨ。流石にそこまでされては色々と危険が危ない――遅かたカ」

 

「えっ」

 

「あら、これはこれはいい御身分でありますわね……ねぇ、世界さん?」

 

 まさか俺の味方につくとは思わず驚く俺。と、背後から感じる慣れ親しんだ気配が1つ。それもどうやら怒りに満ちているようだ。誰かはもうわかっているが、しょうがないのでザジを纏わりつかせたまま振り返る。

 そこには、その美しい金髪を逆立て怒りを露わにするあやかがいた。周りにも意識を向ければ幾人か同じような気配を発している者がいる。あれ? 俺悪くないんじゃないですかコレ。

 

「ええ、ええ。今はパーティー、幾らかハメを外し過ぎても無礼講というものですわ。

ですが――いくらパーティーとはいえ限度というものをお考えなさいこの助平男! ザジさんも年頃の女性がはしたないですわよ! 即刻お離れなさい!」

 

「ふむ、年頃だからこそ、という考えもあると思うのですが……まあいいでしょう。それでは世界さん、この続きはまたいずれ」

 

「では私も。せかいサン、続きはまた時間をとって話すとするネ」

 

 そう言ってやらかすだけやらかして俺から離れるザジとそれに便乗し逃走する超。

 おい逃げるならこの激おこお嬢様どうにかしていってからにしてくれませんか。

 

「まったく……貴方は目を離すといつもいつも……」

 

「だがあえて言おう。俺は悪くねぇ」

 

「お黙りなさい、こういったことは須らく男が悪いと相場は決まっているのです。

……さあ、もうパーティーもお開きですわ。お片づけを始めますから手伝ってくださいまし」

 

「へーへー」

 

 こういった言い分が理不尽だと思うか思わないかっていうのはやっぱり男と女の違いってやつなんでしょうか(小並感)。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ、委員長さん。僕も手伝います」

 

「いえ、ネギ先生はこのパーティーの主賓、お手を煩わせるなどもっての外ですわ。男手ならこの男1人で十分間に合いますので、どうぞ私達にお任せください」

 

「ってわけだネギ。俺と明日菜は片付けで少し時間がいるから、その間にウチにいるコタへ連絡頼む」

 

「わかりました。じゃあ早速連絡入れてきますね」

 

「ネギ先生が小太郎さんへ連絡……? なぜネギ先生が世界さんの御家に連絡する必要がありますの?」

 

「そりゃあお前、ネギが俺の家に居候してるからだよ。言ってなかったっけ?」

 

「え? ネギ先生が世界さんと……? そそそ、そんなことが……ブーッ!!!!!」

 

「ちょ、おま、何でそこで鼻血噴くんだよ!?」

 

「わー!? いいんちょさーん!?」

 




・小学生女児
 原作37巻でほんの数コマ登場した金髪くるくるツインテちゃん。作者はこの子ともう1人が登場した時は流石(一応は)ラブコメの主人公、見えないところでもフラグと立てるとは、とネギ君に感心したものです。
 本作では本屋ちゃんに変わりネギ君に助けられた模様。おそらく今後出番はない。


・主人公痛恨のミス
 あんな穴だらけな計画上手くいくわけねえだろ、プギャー!


・貫禄の原作メインヒロイン
 おかしい、ここまで優遇するつもりは無かったというのに……。これが姫巫女パワー……!?(違)


・魔界のプリンセス(妹)
 ふふ、恥ずかしがることはないんですよ?

 どうやら主人公と未来人と組んで何やら企んでいる模様。い、いったいなにをするというんだー(棒)
 ちなみに本作では最初から普通に喋る悪魔っ子。というか原作ではあんな風に急に喋り出すなら無口キャラであった意味はなんだったんだと。
 あと妙に肉食っぽいのは多分に作者のイメージに影響された結果です。魔族なので小悪魔っぽさを演出してみたかった。ただなぜか妙にエロく……まあ十分R-15の範囲内だろうし、いっか!(開き直り)


・男のツンデレ
 これほど誰得なものもない


・そこかしこから激おこな気配
 誰かってそりゃあエターナルロリータとか女帝さんとか我の強そうな人達じゃないかな(震え声)


・鼻血お嬢様
 いったい何を妄想したんでしょうかねぇ(棒)



 これで原作2-Aメンバーは出揃ったでしょうかね。ザジさんの立ち位置は決まっていたのですが、なかなか登場させる機会が掴めなかった……。

 そしてもうそろそろ800に届かんとする本作のお気に入り数。読者の皆様、ようやく原作導入部分が終了という体たらくなこんなSSをお気に入り登録してくださり本当にありがとうございます。
 これからもしっかりマイペース更新していきますので、どうかよろしくお願いいたします!



 

 それにしてもおかしい、何故か前半が妙にシリアス(笑)になってしまった……。
 違うんだ。俺はこんな読んでて盛り上がらないシリアス(爆笑)じゃなく、読者さん達にもっと笑いや甘酸っぱさを提供したいんだ……!

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