シリアルに生きたい   作:ゴーイングマイペース

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 いろいろとぶん投げ気味な第2話


 2時間目 : 今日から厨二な中二です

「ちあーーっ♪」

「こんにちはー♪」

 

「うーっす。今年もよろしくー」

 

「ねえねえ、今年も散歩部がんばろうパーティーってことで食堂棟に春の新作食べに行こーよ!」

 

「あ、それいいねお姉ちゃん!」

 

「ほー、まあパーティーはいいとして金はどこから捻りだすんだよ」

 

「そこは男の甲斐性の見せ所だよ、せかちー!」

 

「タカる気満々じゃねーか」

 

 このボクっ娘ロリ、相変わらず遠慮というものを一切知ろうとしやがらない。少しは妹を見習って慎みというものを――

 

「じゃあじゃあ、かえで姉が来てから皆で行きましょう。楽しみですー♪」

 

 どうやら俺の味方はどこにもいないらしい。つまり懐に寒風が吹きこむのは不可避の未来であるということだ。おおゴッド、私が何をしたというのですか。……あの神様なら何しなくても地獄に叩き落としますねコンチキショウ。

 

「ってその楓がいないじゃねーか。いったい何処に――ああ、そこか。よっす」

 

「あいあい、今年もよろしく頼むでござる。それにしても、相変わらずの気配察知能力でござるなー」

 

「またダメだったねー、かえで姉」 

「今日こそはって張り切ってたのにー」

 

 と、ようやく最後の一人が現れた。この忍ばない忍者は初対面でその隠形を見破ってからというもの、度々こういった悪戯をしかけてくるようになった。今では隠形のレベルも上がってきているようだが、まだまだ俺クラスを欺くには足りない。しかし、やはり忍者としてはいきなり自身の術が通じなかったことでプライドでも刺激されているのだろうか。知らんけど。

 

 去年散歩部に入部した時に友達になったこの3人――鳴滝風香、鳴滝史伽、長瀬楓――とはそれなりには仲がいい。去年一年、と言っても俺は他にもやることがあるので毎日顔を出していたわけではないが、同じ部活の仲間として共に励んできた仲である。と言っても、その部活動の主な内容はバカ話をしながらあちこちブラブラする、というしょーもないものなのだが。

 

「こっちだって鍛えてるんだし、忍者だろうがなんだろうがそうそう勝ちを譲ってやるつもりはねーよ」

 

「それを言うなら拙者とて鍛錬は怠ってはいないのでござるが……。それと忍者とはなんのことでござるかな? ニンニン♪」

 

 だから忍べよ忍者。……いや、情報攪乱とかそういう面で見ればわざとこういった行動をするのは逆に理に適っているといえなくもないのかもしれない。こういったマメさを勉学の面でも見せればバカブルーなどと呼ばれることもないだろうにそれをしないのは、結局こいつがおバカだということだろうか。

 

「よーっし、全員そろったことだし、せかちー号レッツゴー!」

「ゴーッ♪」

 

「うぉい風香、肩車しようとするな。史伽もおんぶさせようとするんじゃねー」

 

 当然聞かぬと言わんばかりに俺の体にしがみ付くロリ姉妹。おう散歩しろよ。

 

「ハァ、まあいいけどよー。とりあえず、今年度最初の部活を始めるとしようか。どこに行く? 俺としてはまず商店街でもひやかして――」

 

「うむ、では早速食堂棟に参るとしようか。美味なる甘味は全ての乙女の活力源でござる」

 

 クソッ、上手く話を逸らせると思ったのにコイツもしっかり聞いてやがったか……っ!

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「じゃーねーっ! 新作ケーキごちそうさまー♪」

「チョコレートケーキ美味しかったですー♪ また明日ー!」

「ニンニン、馳走になったでござる。ではまた明日」

 

「あいつら、1人2つも食っていきやがった……っ」

 

 俺の財布から数人の偉人たちが旅立ち、そのあと4人で商店街を回ってから本日の部活は終了。いくらバイトをしていて他の学生より余裕があるとはいえ、新年度の新作4人前は少々厳しいものがあった……

 くそう、覚えてろよ女子中学生ども。ロリ双子は通学カバンをランドセルとすり替えてやる。あと楓のヤツは今度の手合せで泣かす。1000人ぐらいに影分身してフルボッコにしてやる。

 

 あの3人への復讐計画を練りつつ、麻帆良学園都市の桜ヶ丘4丁目29、林の中の素敵なログハウスへと到着。合鍵で扉を開き、地下室内の目的地への道を進んで行く。にしてもあいかわらずとんでもない人形の量である。整理とかしなくていいのだろうか。

 

 と、そんなどうでもいいことを考えているうちに目的のブツの前へと到着。魔法陣に乗り、転移。熱帯ジャングルのドデカい城のミニチュアの中へと入る。

 

「こんにちは、世界さん。……そして申し訳ございません」

 

「フン、ようやく来たか。そらさっさと始めるぞ。さあ、構えろ……!」

 

 すると入り口ですぐこの城の主であるロリ吸血鬼とその従者のガイノイドと遭遇した。そしてそんなロリータさんの手にはなんかギュゴゴゴとか言っている魔力……え、嘘ちょっと待って待ってぇ!?

 

闇の吹雪(ニウィス・テンペスタース・オブスクランス)!」

 

「うおおおおおおおおおお!?」

 

 咄嗟に回避、人を何の躊躇もなく消し飛ばそうと襲いかかってきた暴虐の嵐はジャングルの彼方へと消えていった(震え声)。……何が何だかわからない。俺何にも悪いことしてないよね? なんなの今日踏んだり蹴ったりなんだけど。

 とにかく瞬動で2人から距離を取り、力を開放し構える。なぜいきなりこんなことになったのか原因も何もさっぱりわからないが、これだけは言えるだろう。

 

 さあ、ここからが本当の地獄だ……!

 




・散歩部
 最初に登場させるヒロインどうしよう。
→あ、このロリっ娘もおっぱいもいい感じのバランスで揃ってる散歩部ってよくない?
→よしこの3人にしよう。
 
 完璧すぎる理論に思わず自分で脱帽。オールマイティ紳士な同志諸君にもきっと満足していただけるはず。


・麻帆良学園都市桜ヶ丘4丁目29
 吸血鬼の真祖さんの住所。公式だが誰が気にするのだという誰得情報。


・吸血鬼ロリとその従者
 魔法とかそんなモノの師匠だったり弟子だったり。そんな感じの関係。これから書いていくうちになるようになるんじゃないかな(白目)。


 よし、1話の修正をしよう。おやすみ!

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