シリアルに生きたい   作:ゴーイングマイペース

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 エターナルロリータが大好き、そんなあなたのための第3話


 3時間目 : ロリ×お姉ちゃん=正義

「ちっ、まだ息があったか」

 

「弟子を殺そうとするのは鍛錬とは言わないよなぁ姉ちゃん!?」

 

 トンネルを抜けると、そこは雪国でした――と、いったフレーズを思わず思い出すほど壮大なリフォームを遂げたジャングルを見渡しながら、本気の大呪文を放ってきた我が愛しの師匠エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルに向かって大声で抗議する。咸卦法使ってよかった……!

 

「『こおるせかい(コズミケー・クリュスタロピギア)』とかシャレになってないだろ!?俺を冷凍保存する気かおい!」

 

「お前が師匠ほっといて他所でフラフラしてるのが悪い! 世界、お前もこの『闇の福音(ダーク・エヴァンジェル)』の弟子ならもっと私を敬って常に傍に傅くくらいのことをしてみせんかコラァ!」

 

「そんなふざけた理由でコールドスリープしてたまるかこのロリババアァァ!」

 

「ああ、マスターがあんなに楽しそうに……(REC)」

 

 茶々丸お前あとで100回ぐらい巻いてやるからな覚えとけよ。

 と、ボケロボへのささやかな八つ当たりを決意しながらこちらからも『燃える天空(ウーラニア・フロゴーシス)(咸卦法Ver)』で反撃しつつ、目晦ましとして使用し、接近して魔法の矢装填パンチ(火)で攻撃する。対する姉ちゃんは『断罪の剣(エンシス・エクセクエンス)』で迎え撃ってきた。攻撃の1つ1つに殺意が籠り過ぎてて本当に洒落になってないでござる(楓感)。

 

「今また他の女子のこと考えおったな、一回死んでおけこんのバカ弟子がぁーーーー!!!」

 

「理不尽過ぎねぇ!?」

 

 とにかく我が姉の怒りが収まるよう奮闘するしかないようである。出なければ今日、俺は、ここで再び死ぬ……!

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「――で、なんだっていきなり人を氷漬けにしようとしてきたんだよ姉ちゃん」

 

「ふん、言った通りお前がここ最近私への敬意を忘れてたから今一度私がどういう存在か叩き込んでやろうとしただけだ」

 

「世界さん、マスターはここ数日貴方が私たちの下に訪れず他の友人の方たちとばかり過ごしていたのがお気に召さなかったようでs「ええい余計なことを言うなこのボケロボがあ! 巻いてやる、巻いてやるぞぉ!」あぁ、いけませんマスターそのように巻かれては……っ(ビクンビクン)」

 

 図らずも数刻前決意した八つ当たり(こと)を実行してくれた姉ちゃんに感謝しつつ、照れ隠しがバレてアタフタしている姉ちゃんを観察する。姉ちゃんカワイイ!

 

「悪かったよ姉ちゃん。でも俺だってもう中学2年生だぜ? 昔より付き合いも増えたしその辺りは大目に見てよ。それにもう姉ちゃんに教わることだってあんまりないし」

 

「……そういったことはこの私に10連勝ぐらいしてから言うんだな愚か者め」

 

 経験値600年の世界最強クラスに10連勝とか無茶言わんでください師匠。

 

 

 ――もう俺と姉ちゃんの付き合いもそろそろ7年ほどになる。初めての出会いは満月の夜、親の目を盗んで麻帆良の林の中、バカ魔力に物を言わせて魔法の練習をしていた俺に、姉ちゃんが

 

「なっていないな小僧。そうら、魔法というものはこう使うんだ!」

 

 といった具合にナイスバディの金髪美女がちょっかいをかけてきた、というものだった。

 

 咄嗟のことだったとか幼女の姿じゃなかったとかでスグにはその人物がかの吸血鬼の真祖(ハイ・デイライトウォーカー)だと気付かなかった俺は、その後良いように自分をからかい姿を消した女性に仕返しをしてやるという少年特有の負けん気を発揮し、次の日、また次の日と夜になるたび姿を現す女性にリベンジマッチを挑んだ。そうして一週間後、ついに一本を取ってみせたのでだ。

 

 

「そしたら『クッ、ククククク。この先ずっと退屈な女子学生生活かと悲観していたが、なかなかどうして愉快なこともあるものだ。封印状態とはいえこの私から一本取って見せるガキが現れるとは! どうだ小僧、貴様、更なる高みを目指す気があるならこの私の下に来んか?』だもんなぁ……」

 

「その後何も考えずホイホイと私の弟子になったお前もお前だろうが。今も昔も変わらぬバカめ」

 

「ひっでえ」

 

 現在は別荘から出て姉ちゃん、茶々丸と卓を囲み夕食中である。師への敬意云々からいつの間にか昔話になっていた。あー、そんなんあったねえ。

 

「あの後はホントびっくりしたなー、いきなりナイスバディな女性が幼女に変わるんだから。しかもその幼女があの魔法界のナマハゲ『不死の魔法使い(マガ・ノスフェラトゥ)』だって言うし。色んな意味で詐欺にあった気分だったよ」

 

「なるほど。マスターと世界さんの出会いはこういったものだったのですね。深夜、当時7歳の幼児を連れ去る女性。……事案、ですね」

 

「お前も私への敬意を忘れておらんか茶々丸ぅ!?」

 

 今では姉ちゃんの周りも色々と愉快なようでなによりです。

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 そうして現在は夜、今は姉ちゃん宅からお暇し我が家のベッドの中。ちなみに中学校入学を機に他の麻帆良生と同じように実家を出て1人暮らしである。といっても寮生活ではなく山の中のTHE・幽霊屋敷とでもいうようなおうちだが。あのぬらりひょんいつか殺す。

 

 

 ちなみに、結局あの後、もっと姉ちゃんの所へ顔を出すよう約束させられた上、今度何かしらの埋め合わせをするよう言い渡された。昔と比べて我武者羅に修行する必要がなくなってきた今だって3日に一度は顔を出しているというのに。我儘な姉を持つと大変だよホントにもー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 余談だが、後日約束通りに姉ちゃん宅を訪れたら今度はまた別のことで延々と説教(物理)をされた。解せぬ。

 




・こおるせかい
 原作にはラテン語訳しか記載されてなかったので、『おわるせかい』と同様ギリシャ語訳で記載してみた。ネットって便利。


・お姉ちゃんな最強吸血鬼
 約束を守らなかった英雄さんに恨み言を言いつつ夜の麻帆良を徘徊していたら面白そうな子供を見つけてちょっかいを出す。その後なんやかんやで師匠になり、以後身内として扱う。今ではゲロ甘なお姉ちゃんである。ただしツンデレ。


・若干壊れ気味なガイノイド
 二次創作仕様。ネギま原作で書くなら避けては通れぬ道。


・主人公の性能
 とりあえず強くしてみたかった。まあこれでも勝てないかもしれないチートやバグがゴロゴロしている世界なので問題はないはずである。改めておっかねーなこの世界。


・主人公宅
 ご先祖様の遺産、オリジナル。麻帆良では誰も中に入ることができないお化け屋敷的扱いだったが、末裔で先祖返りな主人公が近づくとウェルカム! と言わんばかりに門を開け放った忠犬。世界樹の6つの魔力溜まりほどではないが、それに次ぐ魔力溜まりの上にある。詳細はそのうち語るかもしれない。
 主人公以外誰も認めないので学園長が主人公に押しt……進呈した。ぬらりひょんそのうち殺す。



 さて明日も早いもう寝よう。おやすみ!

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