異形のバースト・リンカー『凍結中』   作:羽島羊

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今回はいつもより少し早く投稿する事ができました。
この投稿ペースを保てればいいのですが・・・。



1対1

「はあああ!!」

 

渾身の力でデスサイズを振るうスカルだがその攻撃は刀に弾かれとどかない、弾かれた時に出来た隙を逃さず狙うノブナガがスカルに刀を突き立てようとするがそれを体を左に回転させる事で回避し回転の勢いのまま再びデスサイズを振るうがまた受け止められる、このような攻防が先程から続いている。

 

スカルは持ち前のリーチと俊敏さを武器に猛攻をしかけるが相手のエネミーとは思えないAIと剣捌きでスカルの攻撃を受け止め受け流し隙あらばカウンターを狙うといった流れで互いの体力ゲージはスカルが1割減り、ノブナガが2割減っている。

 

割合で判断すればスカルが優勢に見えるが互いの体力ゲージの総量が3倍近く違う為残りの体力ゲージのはスカルが圧倒的に少ない。

 

このまま今の状態が続けばスカルのじり貧でスカルは負けてしまう。

何度目かの打ち合いをしてバックジャンプをしてを距離を取るスカル、気の性かその表情はなんだか楽しそうだ。

 

「やあああ!!」

 

デスサイズを振り下ろし横に左から右に最後に右下から左上に向かって振り上げるの3連撃をすると今度は完全に防ぎきれずに鎧を浅くだが削った。

 

ノブナガも負けじと刀で斬り付けるがデスサイズで防御しながら僅かに出来る隙を逃さずに足を鞭の様にしならせ叩き付けるようにして回し蹴りで反撃するスカル。

 

「凄い最初は互角に戦うのが精一杯だったのに何時のまにかスカルのペースになってる。」

 

互角だった戦いはいつの間にかスカルの優勢に転じていた。

 

見るとデスサイズを巧みに操りながら振り上げる振り下ろし斬り付けもの凄い勢いで連続的に攻撃している。

 

それに対しノブナガは防戦一方となりたまに攻撃する位しか出来ていない。

 

しかしどれ程の猛攻を仕掛けようが体力ゲージの絶対値が違いすぎる為徐々にスカルのゲージは減っていく、それに反して必殺技ゲージは増えていきそろそろ満タンになってきている。

 

「そろそろかな。」

 

<アレ>を使うのは。

 

すると予想通りスカルは<アレ>を発動しようとしていた。

 

「ライフ・イーター発動!!」

 

アビリティの発動するが見た感じスカルには何も変化が無いそして発声同時にノブナガに斬りかかる。

 

再びノブナガをスカルの猛攻が襲う。

 

そしてスカルのデスサイズがノブナガにダメージを与えた瞬間に変化が起きた。

 

ノブナガの体力ゲージが先程の攻撃で少し減り逆にノブナガの減った体力ゲージの分だけスカルの体力ゲージが増えた。

 

<回復アビリティ>

 

それがスカルの切り札。

 

最初にそれを見た時は驚いたどころではなかった。

 

最初にスカルをレベル4に引き上げた際に保留にしたレベルアップボーナスを使用した際に習得したもので相手に与えたダメージ分自分が回復するというもので回復と言うより吸収アビリティと言った方がいいかもしれない。

 

回復効果がスカル限定だがそれでも凄い効果だ、ボクが知る限り回復アビリティを持つのはスカルを除いて1人しかいない。

 

これによりスカルは近接戦闘においては絶対的な強さを誇る事になる。

 

現に今もノブナガに対してダメージを与えその分だけ回復し今では体力ゲージは満タンにまで回復し逆にノブナガは体力ゲージを半分まで減らしていた。

 

まさに相手の生命力を奪い自分の命の糧とする不死の存在それこそが死神 。

 

そこからはスカルが圧倒でしンサイドゲームになると思っていたがそんな考えは甘すぎた。

 

ノブナガの体力ゲージが残り3割となった時に突如鎧が震え出した。

 

「!?」

 

突然の事にスカルも攻撃を止め一旦距離を取る為バックジャンプをする。

 

「いったい何が・・・。」

 

何が起きているのか分からず屋困惑しているとノブナガに変化が起きた。

 

バキバキという音がすると見に付けていた鎧が砕け落ち鎧の中から何が出現した。

 

体は全身で筋肉質でガッチリとした体つきをしており大きさも先程の鎧の時より大きくなり皮膚の色が人間とは違い灰色で頭に2本の太く鋭い角がはえている。

 

そして手に持っていた刀も大型の長刀へと変化していた。

 

「ウォォ!!」

 

「ぐっ!」

 

「これまた・・・。」

 

おおきな咆哮と共に本当にエネミーなのかと疑いたくなる位のプレッシャーを放ってきた。

 

「あれが鎧の中身・・・。」

 

「魔王の真の姿って感じだね。」

 

突然姿を表した魔王の姿にボクは勿論スカルも驚いている。

 

「まずいねえ。」

 

このまま1対1の戦いをするのは危険と判断して参戦しようとするが攻撃が通用しないボクが参戦したところでどうにもならないがそれなら別の出来る事をするまで。

 

「スカル!」

 

「!?」

 

目の前で相手の姿が変化し今まで感じた事の無いプレッシャーをもろにくらって動揺しているスカルだがボクの声にはっと振り向く。

 

「確かに姿が変わった事には驚いたけど戦闘中驚くたんびに今みたいに固まってたらやられちゃうよ、

これがもし対戦だったら確実に負けちゃってるよ。」

 

ボクの言葉に顔を俯けるスカル。

 

「いいかいバースト・リンカーにとって大事なのは闘志と判断力!

驚くのは構わない、だけどその後如何に危機から抜け出せれるのか、相手に勝てるのかそれを考え実行する力それが無ければ生き残る事は出来ないよ!

だからスカル・・・最後まで諦めないで!!」

 

するとスカルは俯いていた顔を上げ再び戦う構えをとった、その姿からは闘志が溢れているようなきがした。

 

「見ていてカノン、ここからが僕の本気の本気だよ!!」

 

もの凄い勢いでノブナガに突っ込んで行くスカル、そのままの勢いでデスサイズを振るう、それに対し変化した長刀を振り下ろし迎撃するノブナガ。

 

両者の武器が激突しそこから何度も何度も互いの武器が交差する。

 

その度に衝撃波の様な物が発生し周りの空気が震えている。

 

そして段々と2人の戦うスピードが速くなるにつれ激しさも増していった。

 

「凄い・・・。」

 

何時以来だろうこれ程の戦いを見るのは・・・、そして今目の前で戦っているスカル、ボクは見誤っていたのかもしれないスカルの力を。

 

殆どエネミー狩りしかしておらず対人戦闘はボクしかいない為正確なスカルの近接戦闘の実力は分からなかった。

 

だが今のスカルを見るとどうだろう、誰もお手本となる人まいない為殆ど独学で見に付けた戦闘スタイルで自分よりも格上の存在と互角いやそれ以上の戦いをしている。

 

感じる、スカルの潜在能力の高さが・・・そしてまだまだ上にいける。

 

「グワアアア!!」

 

おっといけない、ボクとした事が思考に夢中になるあまり戦いから目を離してしまったようだ。

 

体力ゲージを見ると既にノブナガの体力ゲージは残り数ドットにまで減っていた。

 

「とどめだあああ!!」

 

手に持つデスサイズを一際力強く振るいノブナガの胸に鋭くクロスに交差するように切り裂いた。

 

そして体力ゲージが0になった。

 

「グアアア!!!!」

 

断末魔をあげ倒れ動かなくなった。

 

「はあはあ、か勝ったあ!!」

 

「やったね!!」

 

すかさずスカルの元に駆け寄り思わず抱き着く。 「おめでとう凄かったよ本当に!」

 

「ありがとうカノン、これもカノンのおかげだよ本当にありがとう!」

 

「そんな事全然無いよボクは何もしていないよ、全部スカルの実力だよ。」

 

ボクの言葉に首を振るスカル。

 

「違うよ、だって僕が動けなくなった時カノンの言葉が無かったら僕はそのままやられていたよ。

だから僕だけじゃ勝てなかったよ、カノンがいたからこそ勝てたんだよ。だから本当にありがとう。」

 

「スカル・・・。」

 

互いに見つめ合いどことなく甘い雰囲気になりつつある2人だがそれが出来るほどこの世界は甘くない。

 

またしても異変が起きた。

 

それは先程スカルに倒されたはずのノブナガの体が突然震えだしたのだ。

 

とっさに武器を構え臨戦体制をとる。

 

すると今だに震えているノブナガの口から何か野球ボール位の赤い球体が飛び出した。

 

飛び出した球体はそのまま一直線に部屋の奥に鎮座していた魔神像の口に吸い込まれる様に入って行った。

 

「何が起きているだろう?」

 

「さっきのはいったい・・・?」

 

「オオオオ!」

 

ボクとスカルの疑問に答えるかの様に像が突然咆哮を上げた。

 

「なっ何!?」

 

咆哮と共にとんでもない威圧感のような物がボク達を襲う。

 

「ぐっ、さっきより凄い・・・。」

 

そして像の下半身のクモみたいな部分が動き出し像がボク達の方に近付いて来た。

 

「気を付けてカノン!」

 

「分かってる!」

 

この時点でもうあの魔神像が只の像でないの明白だ、スカルは再びデスサイズを構えボクもマシンガンタイプの強化外装を両手に装備し何時でも動ける様に構える。

 

像はボク達の少し前の所で足を止めた。

 

急に止まった事を訝しんでいると像の右の手の平から突然火球が放たれ下半身のクモの頭の口の部分が開き火を吹いてきた。

 

ボクもスカルも警戒していた為慌てる事もなく冷静にジャンプしてかわした。

 

「攻撃してきたという事はあれもエネミーで間違いみたいだね。」

 

「何とかノブナガを倒したていうのにまだあんなのと戦うなんて・・・。」

 

「恐らくあれがラスボスだね!。」

 

喋りながら両手のマシンガンで攻撃するが今回は体力ゲージが出現していない為効いているか分からないが感じ的にダメージは通ってるはずだ。

 

「正面からの攻撃は危険だからなるべく側面と背後に回りながら戦おう。」

 

「・・・。」

 

スカルの作戦を聞きながら考える。

 

確かにスカルの言った作戦はこの場合ベストだろう。

 

だがしかし、体力ゲージではまだ7割近く残っているスカルだが先程の戦闘で肉体的にも精神的にもかなり疲労が溜まっているはずだ。

 

そんな状態で今戦えばどうなるかは予想するまでもない。

 

「悪いけどスカルは少し下がっていて、コイツはボクがやるよ。」

 

「何で!?2人で戦った方が・・・」

 

「気付いてないの?スカルさっきので体ボロボロで立ってるのがやっとでしょ?

そんな状態で一緒に戦ってもらっても困るよ。」

 

「僕ならまだ大丈夫まだ戦えるよ!?」

 

ボクの言葉に反論するスカルだがとても大丈夫には見えない。

 

「ダ〜メ、全然大丈夫に見えないから、とにかくスカルは少し休まなきゃ。」

 

「だけど!」

 

尚もくいざがるスカル、どうやらまだ納得してくれないみたいだ。

 

「じやあさっきスカルは1対1で戦う時に僕を信じてって言ったよね?」

 

それに対して頷いて答えるスカル。

 

「なら今度はボクを信じてね。」

 

「・・・それ言われたら、何も言えないじゃないか。

・・・分かったカノンが僕を信じてくれた様に僕もカノンを信じるよ。」

 

「うん!そうこなくっちゃね、それじゃあ相手が相手だけにボクも最初から本気でいこうか!!」

 

スカルも頑張ったんだ、次はボクの番だ!!




オリジナルダンジョン編は次でラストです。
感想お待ちしております。

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