異形のバースト・リンカー『凍結中』   作:羽島羊

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お久しぶりです又しても投稿が遅れてしまいました。
週一を心がけているんですが試験勉強やガンダム・バトルオペレーションにはまってしまい思う様に執筆が進みませんでした。
まあ後半は全面的に僕のせいですが・・・。
それでは12話です。


真夜中の遭遇

あの日から5日たち葬儀を行う為に僕は今実家のある東京の豊島区に来ている。

 

両親が死んだというにやはり僕の心には悲しみという感情が出てこない。

 

そんな事を考えている、ふと時計を見ると葬儀が始まるまでまだ少し時間があるので少し大きな待合室みたいな所に居るのだが子供は僕しかいない為何だか居づらい感じがするので外に出て待ってようと思い部屋の外に出るとお婆ちゃんがいた。

 

「あら、ユウ君どうしたの?」

 

「外で少し風に当たろうかと。」

 

「そう、でもあんまり当たり過ぎると風邪引くかもしれないから気を付けるんだよ。」

 

「はい」と返事をして建物の外に出る。

 

「ふぅ。」

 

外に出て新鮮な空気を吸い一息入れる。

 

仮装のデスクトップを開いて見るが今ニューロリンカーをグローバル接続していないのでメールなどが来ても分からない。

 

此処は東京なだけにグローバル接続すると何時乱入されるか分からないのでグローバル接続を切っているのだ。

 

他のバーストリンカーと闘ってみたい気持ちもあるが今はそんな気分でわないのでやめておこう。

そんな事を考えているとアナウンスがなりもうすぐ始まるとの事なので急いで会場に向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

葬儀も終わり今日はお婆ちゃんの家に泊まる為にお婆ちゃんの運転する車に乗り移動しているとお婆ちゃんが話しかけてきた。

 

「ねえユウ君これからの事何だけどこのまま子供1人で暮らすのも何だから良かったらお婆ちゃんの家で暮らさない?」

 

「え?」

 

突然の提案に驚き返事をする事ができない。

 

「家にはカズ君にナギちゃんも居るから喜ぶと思うんだけどね・・・。」

 

2人は僕の従兄弟で両親が既に亡くなっているのでお婆ちゃんに引き取られ一緒に暮らしているのだ。

 

「・・・少し考えさせて下さい。」

 

そう答える事しか出来ない。

 

 

 

 

 

 

 

あれから20分位でお婆ちゃんの家に着いた、家は2階建ての昔からある古い感じの家だ。

 

家に入り居間に「ただいま」と言って入ると直ぐに元気いっぱいな「おかえり!」と小さいが優しい「おかえりなさい」と言う2つの声が聞こえてきた。

 

そしてお婆ちゃんに続いて入ると声の主2人がこちらに駆け寄ってきた。

 

「久しぶりユウ兄!」

 

「ユウ兄さんお久しぶりです。」

 

この子達が和斗君と凪紗ちゃんだ、2人は双子でそっくりだがカズ君は元気いっぱいのやんちゃな子でナギちゃんは対称的に大人しく落ち着いた雰囲気の子で他に違う所はカズ君がショートヘアーでナギちゃんがツインテールな位だね。

 

「二人とも久しぶりだね、元気だった?」

 

「オレは元気だぜ!だけどナギはな・・・。」

 

「そんな事ないですよ、最近は身体の調子もいいですから。」

 

「ならいいけどあんまり無理しちゃ駄目だよ。」

 

ナギちゃんは生まれた時から身体が弱く病気になりやすい為カズ君はいつもナギちゃんの事を心配している。

 

「それよりユウ兄の方こそ・・・。」

 

「大丈夫なんですか?」

 

不安そうな顔で見上げてくる二人に対して優しく 答えた。

 

「僕は大丈夫だよ、心配してくれてありがとう。」

 

そう言って2人の頭を撫でる。

 

「ほらほら何時までも立ってないでお茶入れたからお座り。」

 

「「は~い。」」

 

「ありがとうございます。」

 

「ねえユウ兄久しぶりに遊ぼうぜ。」

 

「遊びましょうユウ兄さん。」

 

「うん、いいよ。」

 

そう言って3人で夕飯まで遊んで過ごした。

 

 

 

 

 

 

 

夜一緒に寝る事になり3人で寝ている、2人は遊び疲れたのか直ぐにに寝てしまった。

 

僕は中々寝付けずにいた、その理由としてはお婆ちゃんから言われた一言「一緒に暮らさない?」

 

正直悩んでいる、この家で一緒にに暮らすという事はこれから家に自分以外誰もいない1人だけという孤独はなくなお婆ちゃんにカズ君とナギちゃの3人の新しい家族と共に暮らしていく事が出来るそれは僕が憧れ求めていた物だ。

 

たがそれはつまりただ1人の友達であるレイちゃんとさよならするという事だ。

 

現実の時間で3年、加速世界の時間も入れればそれ以上の付き合いが有り、僕と彼女以外愛知県にはバーストリンカーはおらず加速世界に誘ってくれた彼女を置いて自分だけ東京に行ってブレインバーストを続けるなど到底許される事ではない。

 

そんな答えの出ない問題に悩んでいれば寝れるはずがない。

 

「(もう12時か・・・このまま悩んでたら朝になっても答えが出ないな。」

 

時間が足りない、考える時間がそう思っているとふとある事を思い付いた。

 

「(時間が足りないなら時間のある所に行けばいいんだ。)」

 

そう思い少し危ないが無制限中立フィールドに行って考える事にした。

 

「アンリミテッド・バースト。」

 

2人を起こさないように小さな声で呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

無制限中立フィールドに着いて辺りを見渡しフィールドを確認すると魔都ステージだった。

 

「とりあえず安全な建物の上で考えるか・・・。」

 

そう思い近くの建物に向かってジャンプし着地する、建物の壁に背を預け座りこみ考えを再開するがやはりどれだけ考えても答えは出ない、同じ事を繰り返し自問自答しついると近くから爆発音が聞こえてきた、とりあえず様子を見に行こうと思い念の為デスサイズを背中に背負いストレージからある物を取り出す。

 

 

取り出したのは黒色のフード付きのマントだ、特に何か能力がある訳でもなく只黒いだけのマントなのだがそこそこの隠蔽効果が有るのでエネミーなどにも多少見つかなり難くなるという物でレイちゃんからも似合っていると言われているので戦闘中はよく身に付けている。

 

マントのフードを目深に被ると建物を伝い音の聞こえた方に向かうとビルの真下の大通りに2組の集団が戦闘しているのが見えた。

 

1組目は10人近くのバーストリンカーで構成されているようだ、もう片方は僅か3人で全員F型の女性しかいないにも関わらず10人相手に互角かそれ以上の戦いをしていた。

 

一人は黒色で手足が鋭い剣の様になっていてそれで次々と相手を切り裂いていた、もう1人は薄い青色だが白いワンピースを着ているのだがさらに特長的なのは強化外装であろう車椅子に乗っているのだが黒い人に負けず劣らずの活躍をしている。

 

最後の一人は巫女を思わせる姿で上半身が白色で下半身の袴は朱色に近い赤色をしていて手に持つ弓で相手を正確に撃ち抜いていた、それぞれの戦い方を見る限り3人共かなりの実力者のようだ。

 

そんな事を考えていると最後の1人が倒され3人組の圧勝で戦いは終わってしまった。

 

戦闘が終わり見付からないうちに此処から離脱しようとしたのだが初めて見る戦闘に見とれていた為動くのが遅れてしまった。

 

「メイ!」

 

「はいです!」

 

と言う声が聞こえたかと思うと自分の真隣を矢が通過していったと思うと同時に凛とした声が聞こえてきた。

「おい!そこの隠れている奴出て来い!!」

 

ばれた!瞬時に逃げる事を決め脱兎の如く走り出す、万が一素直に出て行って戦闘になってしまえば自分の実力ではあの3人の内誰共互角に闘う事は出来ないだろう(奥の手を使えば分からないが・・・)。

 

しかし相手もそのまま黙って帰してくれるはずもなく次の瞬間目の前に黒い人が現れ両腕の剣で切り掛かってきた。

 

「はぁぁ!」

 

「ぐっ!」

 

それをなんとか鎌を使い避けたのだが避けた拍子にビルから飛び降りてしまい残り2人の近くに着地してしまい誘導されたと気付くが既に遅く攻撃体制をとっていた。

 

「(この場は逃げるしかない。)」

 

考えると同時にリーブポイントのある方へダッシュするが後ろから「待て!」という声と同時に何かが飛んでくる音がしたので見を屈めると先程まで頭があった位置に矢が飛んできた。

 

再び音がしたので右に移動して避けようとしたが矢が顔とフードのぎりぎりの所を通り過ぎた、また後ろからジェット音のような音がしたので後ろを向くと青い人の背中にブースターの様な物が付いて黒い人を抱き抱えながら飛んでいた。

 

「逃がさん!」

 

「(何あれええええ!?)」

 

そう言うと同時に青い人が黒い人をこちらに向かって勢い良く投げ飛ばしてきた。

 

「はぁぁぁデス・バイ・ピアーシング《宣告・貫通による死》!!」

 

まずい!!と思うと同時に走るスピードをさらに加速し背中の鎌を抜き黒い人の必殺技であろう右手に一撃いれギリギリの所でなんとか軌道を逸らせる事気に成功した。

 

そしてそのまま走り続けながら再び後ろを見ると諦めたのかもう追っては来なかったが速度を緩める事なくリーブポイントに向かって走り続けた。

 

そして現実に戻ってからどうするか悩んでたんだと思いだしもう1度加速する気にもなれず結局朝まで悩み続けるのだった。

 

 

 

 

 

Side黒雪姫

 

「くそっ、逃がしたか。」

 

先程追っていた黒マントを取り逃がし思わず悪態を付く黒雪姫だが直ぐに仲間のいる方に向かって行くと楓子と合流した謡がいた。

 

「すまない、逃げられた。」

 

「気にする事ないのですよ、それより先程の黒マントの人は何者何でしょうか?先程のスピードといいさっちんの攻撃を避けた時の動きただ者じゃないのですよ。」

 

もっともな疑問だがそれについて答えたのは楓子だった。

 

「私が着地した時に見えたのはマントの隙間から見えた青色の装甲でしたけどういういういはどうです?」

 

「私も同じです、さっちんはどうでしたか?」

 

「私か?」

 

そう言って先程攻撃した時僅かだが奴の姿を見たのだが・・・。

 

「一瞬だが見えた奴の姿はガイコツだったのと鎌の様な強化外装を持っていた位だな・・・。」

 

それを聞いた2人は不思議そうな顔をするのだった。

 

「それは学校の理化室に置いてあるやつなのですか?」

 

「そうだ。」

 

「でもそんな変わった姿をしたアバターなんて見た事もましてや聞いた事もないですけど?」

 

楓子の言うとおりあのような珍しいアバターなら少なからず噂の1つや2つ位流れるはずだがそれすらも聞いた事がない、考えられるのは余りバースト・リンカーのいない過疎エリアの出身で最近無制限中立フィールドまで上がれるようになった者かもしくは親が他の王達のレギオンに所属していた為そのまま親と同じレギオンに入りレギオン内部で育った者かだ。

 

「恐らくさっちゃんを監視する為に送られてきたとしたら黄のレギオンでしょうか?」

 

「もしくはナイトかソーンあたりが私がどうするか探っていたのかもしれん。」

 

何にせよ8王会議も近いし迂闊な行動は出来ない。

 

「とにかくまだ伏兵が潜んでいるかもしれないので今は移動して安全な所に行くのですよ。」

 

「そうですね。」

 

「(しかし奴は本当に何者だ?)」

 

謡に言われるまま私達はその場を後にするのだったのだが黒雪姫は知らない彼と再び相見えるのに数年という年月を要する事を・・・・。

 




漸く原作キャラを出す事が出来ました!!
長かったです、12話目でやっとです、今後は出しやすくなると思うので登場する人も増えてくるはずです。
それでは誤字脱字の御指摘、感想お待ちしております。

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