異形のバースト・リンカー『凍結中』   作:羽島羊

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今回はストーリーの都合上短いです、ご了承下さい。


別れと約束

あの逃走劇から2日経ち名古屋に戻る為東京駅に来ている、お婆ちゃんに車で送ってもらいカズ君とナギちゃんの2人も学校が休みだったので見送りで来てくれた。

 

「ユウ兄もう帰っちゃうの〜?。」

 

「ユウ兄さんがいないと寂しくなりますね。」

 

2人共僕が名古屋に帰るということで残念そうな寂しそうな声を出している。

 

「大丈夫だよ、また遊びに来るから。」

 

そう言って頭を撫でると二人共笑顔で頷いてくれた。

 

「それじゃユウ君気を付けてね、それとあの事考えておいてね。」

 

「・・・はい、近い内に返事をしますのでお世話になりました、それじゃカズ君とナギちゃんも元気でね。」

 

「「またね〜。」」

 

手を振る2人に向かって手を振り返して応えてホームに向かって歩きだす。

 

「帰ったら決めなくちゃ。」

残るか、それとも別れるか・・・。

 

 

 

 

 

ユウ君が東京に言って4日、多少元気になったとはいえ葬儀に出ると改めて大切な人が2度と戻って来ないんだと再認識して精神的に辛くなってしまう。

 

かつてボクも葬儀の時母さんの入った棺を前に泣き続けてしまい暫くの間塞ぎ込んでしまった経験がある。

 

行く前の話しでは今日位に帰ってくると言っていたのだが・・・、不安になる気持ちを抑え宿題をやろうかと思った瞬間バシィィィィィィという音が響いた。

 

「(加速!?誰が・・・。)」

 

突然の乱入に混乱したが直ぐに冷静になり状況を分析する。

 

「(乱入するとしたら恐らくユウ君しかいないけど何で?)」

 

しかしいくら考えがても答えははでず対戦フィールドに移動した。

 

「黄昏ステージか・・・本当にすごいねこの世界は。」

 

ガシャ、ガシャと足音が聞こえてきたのでそちらを振り向くとボクの大切な友達である黒いフード付きのマントを身に付けたガイコツ型のアバター、サファイア・スケルトンがいた。

 

「どうしたのいきなり?会うなら別にリアルでも良かったのに。」

 

「いきなり乱入してゴメン、リアルだと少し話しずらいからこっちで話そうと思って。」

 

そういうユウ君はとても真剣そうな雰囲気を出している。

 

「話しって?」

 

「実は・・・。」

 

それから東京に行ってからの事を聞いた、そして東京に移ってお婆ちゃん達と暮らそうかそれとも今まで通り此処に残るかで迷っているという事。

 

それを聞いた時正直嬉しかった、また2人で遊べるとだが。

 

「ユウ君はどっちがいいの?。」

 

その質問に対し顔を俯かせて答えてくれた。

 

「判らないよ・・・皆大事だもの、だけどお婆ちゃんやあの子達の事を思うと行った方がいいのかもしれないし、だけどレイちゃんともお別れしたくないよ。

正直どうすればいいのか判らないよ。」

 

嬉しかった、ボクもユウ君とは離れたくない、だけど彼の事を思えば家と一緒に暮らすのが最善だろう、それが彼の心の為にもなるだろう。

 

ボクでは彼の心を家族何々の代わりに癒す事は出来ないだろう、だから・・・、だからボクは悲しいが決断をする。

 

 

「ユウ君。」

 

名前を呼ばれ顔を上げるユウ君。

 

「ユウ君は新しい家族の所で暮らすべきだよ。」

 

「でも僕が東京に行ったらレイちゃんはどうやってブレインバーストを続けるの?いくら何でも1人でエネミーを狩るなんて危険過ぎるよ!。」

 

「そこらへんは何とかなるよ、それにボクの心配よりも自分の心配をしなよ。」

 

「自分の?」

 

「そう、ボクの事を心配してくれるのは嬉しいよ、でもユウ君にとっては新しい家族と一緒に暮らすのが1番良いよ。

ボクじゃ本当の意味で君の家族になる事は出来ないしね。

だから!東京に行って新しい家族と一緒に暮らして。」

 

「レイちゃん・・・ありがとう、分かった僕行くよ東京に!」

 

そう言った彼のアイレンズから涙が流れていた。

 

「東京に行ってもレイちゃんの事忘れないから、レイちゃんの分まで頑張るから!!」

 

涙ながらそう言うが・・・

 

「ていっ!」

 

「痛!」

 

とりあえずすねのある部分を蹴ると悶絶しながら転げ回るユウ君。

 

シリアスムードが一気に拡散してしまった。

 

「あのねぇ、何一生の別れみたいに言ってるの?」

 

「え?」

 

そこで漸く足の痛みから回復して立ち上がりこちらを向くユウ君。

 

「ボクだってこのまま終わるつもりはないよ、て言うか終わってたまるもんか!

君が東京に行くならボクもまた何時か東京に行くよ!あれ・・・ボクの場合戻るのかな?。

 

「それなら僕はレイちゃんが戻って来た時に僕の存在が直にレイちゃんの耳に入るように凄い存在になってるね。」

 

「凄いってどれ位?」

 

「え~と・・・そうだ東京中のどんなに強いバースト・リンカーとも互角に戦える存在になってるね!!」

 

「そっか・・・ならボクも今よりに強くならなくちゃね!親としては子に負けられない、・・・・・だから何時か又ね。」

 

「うん、何時か又・・・。」

 

その瞬間対戦時間が終わりリアルへと意識が戻る、これがボクとユウ君との最後の会話となった。

 

そして数日後、ユウ君は東京に転校してしまった。




今回の話しで漸くマンガ風に言えば第1章が終了した様なものです。
次回から舞台は東京へと移り物語は加速していきます。
原作キャラとの絡みも増えまくりです、書いてて楽しい!!
それでは次回から新しい章の始まりです、それでは感想やご指摘等もお待ちしております。

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