異形のバースト・リンカー『凍結中』   作:羽島羊

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どうにか1週間以内に本編の更新が出来ました。
今回2人は愛知のある有名な場所に行きます。
それでは本編お楽しみ下さい。


未開の城

初めてのエネミー狩りから半年、僕とレイちゃんはブレイン・バーストを通じて仲良くなりリアルでも休日は2人で遊びに行ったり交代で互いの家に泊まりに行ったりしている。

 

その関係でレイちゃんのお父さんとも知り合った、レイちゃんのお父さんは刑事さんだそうで何時も仕事が忙しく中々帰れなく寂しい思いをさせてしまっているから是非仲良くしてほしいと言われた。

 

ブレイン・バーストでは毎日のように無制限中立フィールドに行きエネミー狩りをしたり現実にある有名な場所まで行きそこで偶然見つけたダンジョンに挑戦したりした。

 

そのダンジョンは当然の如く未開の地なので危険度は高いが僕等な何とか無事生還している、そしてその後はショップで手に入れたアイテムを見せ合いっこしながら楽しく打ち上げをする。

 

そして今日僕等はまた1つのダンジョンに挑戦しようとしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

無制限中立フィールド風化ステージのとある道路を疾走する人影がある、そしてその人影の背中にもう1人がおんぶされる形でいた。

 

「ねえスカル結構走り続けてるけど休まなくて大丈夫?」

 

「僕は大丈夫だよそれに目的地まであと少しなんでしょ?」

 

そうフィールドを疾走していたのはサファイア・スケルトンことスカルです。

 

僕等は今とある場所に向かっているんだけど何でカノンをおんぶして走っているかというと最初の頃は遠足みたいに歩いてたんだけどそれでは目的地に着くのにかなり時間が掛かってしまう為思いついたのがこの方法、

ちなみに最初はカノンを横向きに抱っこしようとしたんだけどやったとたんカノンが

「それだけはや~!!」といったのでこの形になった。

 

(彼は知らなかったが彼がやったのはいわゆるお姫様だっこだったのである。)

 

さて出発してからかなりの距離を走ったのでもうそろそろ着いてもいいと思うのだが・・・。

 

「あっスカル見てきっとあれだよ。」

 

そう言われカノンの示す方を見ると2、300メートル位先に大きな建物があった。

 

「多分間違いないね。」

 

そこを目指し走り続け漸く目的地に辿り着けた、取り合えず入口ぽいのを見付けその付近でカノンを降ろし一旦休憩する。

 

「やっぱり想像通り中に入れるみたいだね、それにしてもよくこんなダンジョンがあるの分かったね。」

 

「まあ東京でもリアルの有名で大きな建物なんかがダンジョンになっていたって事があったからもしかしたらと思ったんだけど正解みたいだね。」

 

「という事はこのダンジョンの中にも・・・。」

 

「恐らく一般フィールドよりも強いエネミーがいるのは間違いないね。」

 

今まで2人で挑戦したダンジョン全てに小型のエネミーがいたので此処も例外では無いだろう、しかも場所が場所だけに今までよりもかなり過酷なダンジョンだろう。

 

しかし僕もカノンもダンジョンに対する恐怖はあるが不安は無い、なぜならこの半年間一緒に戦い互いの事を認め信頼するパートナーとしている為1人では不可能でも2人ならきっとやり遂げられる。

 

「心の準備はいい?」

 

「僕はいけるよ、けど今回は今まで以上に気を引き締めて行かないと。」

 

「だね、それじゃあ城攻めと行きますか」

 

そして僕等はダンジョンへと足を踏み入れた、そうダンジョンと化したこの地に君臨し恐れられた魔王が座すであろう城、安土城へと・・・。

 

 

 

 

 

 

ダンジョン内部に入り歩きながら中の様子を確認すると現実の城とは中の構造とはかなり違っていた。

 

造りや装飾は和風だが薄暗く1つのフロアが大きく部屋や通路が沢山あるなで迷路みたいになっている、

そんな事を考えているとカノンが足を止めて通路の方を指差すのでそちらを見ると時代劇等で見た刀を持った足軽兵がいた。

 

体格は僕等とそう変わらない人型だがあれがエネミーなのは間違いないだろう、幸い背を向けている為こちら

 

にはまだ気付いて無いようなので不意打ちを仕掛けるにはもってこいだ。

 

僕はデスサイズを構音も無くえ飛び出し一気に接近する、狙うは首!

 

そしてデスサイズを思い切り首目掛けて振る。

 

スパッという音と共に足軽の首と胴体がわかれその体を四散させる。

 

「・・・あれ?」

 

この光景にカノンも頭に?を浮かべている。

何かエネミーの割には呆気ないね。」

 

「そうだね、いくら攻撃がクリティカル・ポイントにヒットしたと言ってもこうもあっさり倒せるなんてちょっと予想外だったよ。」

 

「う~ん確かに、そうだ一応さっきのもエネミーなんだから今のでポイント加算されなかった?」

 

カノンの言う通りエネミーに変わりないのだからポイントは貰えるはず、

そう思い確認してみると1ポイント加算されていた。

 

「へ~今のでポイント貰えるんだ、これは此処は良い稼ぎ場なのかもね。」

 

確かに今のでたとえ1ポイントだろうと通常のエネミーと戦うよりも遥かに難易度は低い。

 

「これなら今日だけでかなりのポイントが稼げるね?」

 

そう言うとカノンは何か納得出来ない表情をしている。

 

「う~ん何か怪しいね・・・。」

 

「何が?」

 

カノンの言う怪しいの意味が分からなかった。

 

「いやね、ブレインバーストでこんなに簡単にポイントが手に入るなんてどう考えてもあり得ないよ。」

 

「・・・つまり何か裏が有るって事?]

 

「恐らくね。」

 

これにより僕等は一層気を引き締めて先に進むのだった。

 

 

 

 

 

 

ダンジョンに入って約30分あれから数体の足軽エネミーを倒したが特にこれといった事は無く順調に進んで

いると広めの部屋に出た。

 

「特にこれといった物は無いね行き止まりかな?」

 

「変だねとりあえず引き返そうか?」

 

これ以上先に進め無さそうなので元来た道を引き返そうと思った次の瞬間。

 

ズゴンッ!!

 

「「!?」」

 

突然元来た道へ続く道が突然降りて来たであろう壁により塞がれてしまった。

 

「カノンこれってどういう・・・。」

 

状況が分からずカノンなら何か分かるのではと思いカノンに聞こうと思ったがそれは最後まで続かなかった。

 

何故なら部屋の奥の上部からカチャという音と共に階段が降りて来たのだ。

 

「上に行けるって事?」

 

「そゆ事だね、これで後戻り出来なくなったから進むしかないね。」

 

退路が無くなった為僕等に残された選択肢は進むしかない、そして次の階に繋がっているであろう階段に向か

 

おうとしたが階段の方から足音が聞こえてきた、それも複数。

 

そして階段から現れたのは9体の足軽エネミーだが手に持つ武器が刀だけではなく槍や弓を持つ者もいた。

 

「やっぱりそう簡単にはいかないか。」

 

「見た所それぞれ3体ずついるね。」

 

編成は前衛に刀と槍でその後方に弓、今までに相手したのと強さが同じならステータス的な物はデュエルアバターと同じなので実質9対2で数の上ではこちらが不利だが・・・。

 

「まあ1階ならこれくらいかな。」

 

「いつもどうり後方支援は頼んだよ。」

 

僕等の心境はかなり余裕だった、何故なら例え相手の人数が上でも実力はこちらの方が上なのだから。

 

「じゃあいくよ!」

 

「了解!」

 

掛け声と共にデスサイズを構え足軽達のいる方に突っ込むとむこうの刀と槍足軽達が迎撃しようとこちらに向かって来てたが僕は足軽達と接触する寸前に大きくジャンプして足軽を跳び越してその後ろにいた弓足軽の方に向かい着地と同時にデスサイズを振るい弓足軽の首を切断する。

 

首を切断された弓足軽は体を四散してしまった。

 

それを横目で確認すると同時にその隣にいた弓足軽も先程同様に首を撥ねる。

 

2体目を倒すと同時に顔の直ぐ横を矢が通過していった、

どうやら少し離れた所にいた最後の弓足軽が攻撃してきたようだ。

 

見ると次の矢を放とうと弓に矢をセットしているで次が放たれれる前に倒す為弓足軽のいる方に向かうが弓足軽も唯黙ってこちらが来るのを待ってるはずもなく迎撃せんと矢を放つがそれをデスサイズで弾き飛ばす。

 

すると三度矢を放とうとするがもうこちらの間合いだ、デスサイズを振り上げ両手を斬り飛ばし弓を使えない様にしてから2体同様首を切断する。

 

これで弓足軽は全滅し面倒な遠距離攻撃を気にする必要は無くなった。

 

さてカノンの方はどうなってるかな。

 

Side out

 

 

 

 

 

Sideカノン

 

スカルが足軽達のいる方に向かってて走りだしたが突然スカルがジャンプして跳び越し自分達をかわされた事に反応出来ずに足軽達はそのままの勢いでこちらに来る。

 

「それじゃあこっちも着装!」

 

ボイス・コマンドの発声と同時にやや小型のガトリング砲型の強化外装が出現しそれをそれぞれ肩に担いで構える。

 

「それじゃあ一気に殲滅しますか!!」

 

此方に来る足軽達に向け両肩のガトリングを放つ、軽快な音と共に放たれる銃弾は威力としてはさほど高くは無いがガトリングの恐ろしいのは威力ではなく連射力。

 

それを足軽達に放つと足軽達は驚異的な連射力により足を止められてしまい最低限出来る防御姿勢をするしかない。

 

驚異的な連射力で足軽達を押さえ込むガトリングだがそれは長くは続かずにすぐに弾切れとなってしまった。

 

連射力が高く弾の消費が速い為持続した攻撃が出来ない、

そして弾切れと同時に再びこちら向かって来る足軽達にカノンはこの状況は予定通りなので何も慌てる事無く次のバズーカ型の強化外装を2つ呼び出し足軽達に向け弾切れになるまで撃ち

まくる。

 

「吹っ飛べ!!」

 

すると6体いた足軽は2体まで減っていた。

 

「2体残っちゃったか。」

 

まだ2体残っているのを確認すると持っていたバズーカを捨てまた新しい強化外装を呼び出すがその僅かにできた隙を見逃すほど足軽達も甘くはなくこの隙に間合いを詰めカノンに向かって刀を振り下ろす。

 

しかしまたしてもカノンは避けようとせず呼び出した強化外装を足軽に向けて放つ。

 

「甘いよ!!

 

強化外装から放たれた銃弾が刀足軽の頭部に当たると頭部が銃弾により四散しそのまま胴体も消滅した。

 

そして四散した刀足軽の後ろから槍足軽が手に持つ槍を突き出しカノンを襲うが身を屈めてそれを回避しポンプアクションして自分の頭上にあるであろ槍足軽の顎に銃口を向け引き金を引く。

 

「貫け!!」

 

声と同時に放たれた銃弾は的確に槍足軽の顎に当たりその勢いで上に軽く吹き飛んだがまだ生きていた。

「仕留めたと思ったんだけどな〜。」

 

そして再びポンプアクションして槍足軽の胸に向け銃弾を放つと今度こそその姿を四散させた。

 

Side out

 

 

 

階段より出現した足軽達を1分足らずで全滅させてカノンと合流する。

 

「お疲れ様カノン。」

 

「スカルもお疲れ~にしても3体瞬殺しかも全部首切りとかエグイね~。」

 

「そう言うカノンも中々あれだったよ、特に最後の2体の顔面にショットガンはかなりスプラッタだよ。」

 

「だろうね、これでも一応自覚はしてるから。」

 

「一応なんだ・・・。」

 

「さて次の階層に行こうか。」

 

「そうだね。」

 

次の階層に繋がる階段に向け歩き出す僕達はこの調子ならクリアするのはそう難しく無いだろうと心の何処かで思っていたのかもしれない。

 

そしてその考えが間違っていたと知るのに時間は掛からなかった。

 

 




今回から書き方を少し変更しました。
感想、御指摘お待ちしております。

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