異形のバースト・リンカー『凍結中』   作:羽島羊

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ギリギリ1週間以内に投稿出来ました。
もう少しペースアップしたいんですがね・・・。
それはそうとお気に入り20件突破嬉しいです皆さん本当にありがとうございます。


激戦

Sideカノン

 

 

スカルと並んでアサルトライフルを撃つと怪物が咆哮を上げると同時に大剣でガードしながらこちらに向かって来る。

 

「来るよ散開!」

 

ボクの合図とともに左右に別れてちょうど怪物を挟み込む形で攻撃する。

 

別々に別れた事により怪物がどちらを攻撃対象とするかでボク達の動きは決まる。

 

そしてまず怪物が狙いを定めたのはスカルだった、それはボク等の計画道理だった。

 

 

 

「あの大剣のせいでカノンの銃もガードされてしまっているから真正面からの攻撃は殆ど通用しない、

なら大剣のガード出来ない背後に攻撃を当てるしかない。」

 

「背後に当てる・・・ってまさかあの怪物相手に囮になるつもり!?」

 

確かにいつもエネミーと戦う時スカルには陽動をやってもらっているが今回は状況が違う。

 

「危険過ぎるよ!あの怪物はというより此処のエネミー達はいつも戦ってるエネミーより遥かに高いAIを持ってるんだよ。

 

そんな奴相手に単独で陽動を仕掛けるなんて流石のボクでも容認出来ないよ。」

 

途中で気付いたが最初に合った足軽達も単純な連係をしてボク達に攻撃を仕掛けてきた。

 

1体が弱くともそれが複数いて統制のとれた動きをすればそれは脅威となる。

 

恐らくあの怪物も例外ではないはずだ、げんに先程のボクのマシンガンに対しても只突っ込で来るのではなく大剣で防御してみせた。

 

つまり知性があるという事はそれだけ不確定要素が強くなり危険度が増す。

 

「大丈夫だよカノンの言いたい事は分かるよ。」

 

「なら!」

 

「だけどあの怪物を相手に長期戦を挑んだ場合先にこっちがやられちゃうよ。」

 

それなら負ける前に勝つしかない、そしてそれが出来るのはこの状況ではカノンしかいない。」

 

スカルの言いたい事も分かる、あの大剣を一撃でも喰らえばその時点でボク等の体力ゲージは0になってしまう。

 

「ボクの力で短時間であの怪物を倒す・・・リベンジャーの事だね?」

 

ボクの答えに頷くスカル、確かにリベンジャーならば短時間であの怪物を

倒す事は可能だが・・・。

 

「僕はだって簡単に負ける気は無いよ、だからカノンもいつもの強気なカノンで頼んだよ。」

 

 

 

 

 

「スカルも無茶な事考えるよ、下手したら痛覚2倍のこの無制限中立フィールドであんなの喰らったらとんでもない痛みが自分を襲うっていうのに。

そんな危険を侵してまでそんな賭けをするなんてそれだけボクを信頼してくれているって事かな?、なら親としては子の信頼に応えなくちゃ親としては立場無いね!」

 

決意を固め直してスカルの方を見るとスカルは怪物に向かってアサルトライフルを撃っているがほとんど掠る程度にしか当たっていない、そして怪物が段々近づいてくると撃ちながら後退し始めた。

 

「そろそろかな・・・。」

 

スカルが壁際に向かって後退し始めたのを確認しリベンジャーを呼び出す。

 

トリガーの左上部に有るレバーを手前に引き弾が装填される、そして怪物の動きに合わして銃口を動かす。

 

リベンジャーは威力と貫通力が高い大口径大型ライフルゆえの弱点が有る、それは動いている物に照準を合わせるのが難く精密射撃等も苦手だ。それでも掠る程度でも中々の威力があるのだが・・・。

 

故にあれ程の巨体であっても動いている時に命中させるのは難しい、なので動きが止まっている時を狙って撃つしかない。

 

そしてあの怪物が動きを止める事は殆ど無かった、ならばどうすればいいのか、簡単だ意図的に作ればいいのだ。

 

そしてスカルが壁まで後3mの所で撃つのを止め壁に向かって走り出すと怪物はガードを止め今度は太剣を振り回しながらスカルの本へと向かう。

 

そしてスカルは壁目掛けてジャンプをして三角跳びを駆使して怪物の頭上を飛び越える、しかし。

「グァアア!!」

 

「うわぁ!?」

 

「スカル!!」

 

怪物の真上を通過しようとしたスカルを1本の大剣が襲った。

 

大剣が当たったスカルはそのままの勢いで天井にぶつかり跳ね返り地面に落ちた。

 

そして怪物は自分の真後ろに行ったスカルを追うべく振り向く為に足を止めた。

 

「カノン!!」

 

助けに行きたい衝動に駆られるがスカルの一喝で踏み止まる、ここで行ったらスカルの行動が無意味になってしまう。

 

「了解!!」

 

銃口を怪物に向けあらん限りの声で叫ぶ。

 

「エンガー・エクスプローション(爆発する憤怒)!!」

 

必殺技の発声と同時にリベンジャーから凄まじい轟音と共に弾丸が発射され怪物目掛けて飛んで行く。

 

怪物も発射音が聞こえ回避の体制とろうとするが遅すぎる。

 

 

この距離なら発射音が聞こえると同時に命中している為避けるのは不可能だ。

 

見ると弾丸は惜しくも怪物の頭には命中せずやや下の胸に命中していた。

 

だが命中はしたものの怪物の体力ゲージを微々たる量しか減っていない。

 

「やった・・・。」

 

スカルの声が聞こえてくる、それに対してボクは・・・笑って応えた。

 

ドォン!!

 

突如怪物から爆発が起こり辺りが爆風に包まれた。

 

そして爆風がおさまった時には怪物の上半身は消え下半身しか残っておらずそれもふらふらと倒れ消滅してしまった。

 

 

 

 

 

「スカル大丈夫!?平気!?」

 

怪物を倒した後スカルのもとに行きダメージの具合を見る。

 

「僕は大丈夫って言いたいけど結構派手にもらっちゃったからね。」

 

そう言うスカルの体は左腕は咄嗟に大剣をガードしたのだろうその証拠に砕かれ部員欠損ダメージ、胸の肋骨も何箇所かヒビが入っていて体の至る所にひびがはいっている。

 

「それにしても何度見てもカノンは凄まじいね、特に必殺技は・・・。」

 

「・・・まあ、それについては否定しないけどね。」

 

ボクのレベル4必殺技<エンガー・エクスプローション>は通常の貫通弾と違い弾が着弾してから数秒後に大爆発する特殊な弾丸を発射する必殺技だ。

 

反動がかなり強い為対戦においては相手の近くに有るオブジェクトに当てて爆風でダメージを与え易い。

 

また直撃できれば大抵のアバターなら一撃で吹き飛ばせられる威力を秘め、爆風だけでの威力も高い。

(因みにその威力故にアバターに直撃させる事を以前所属していたレギオンのマスターに固く禁止されている。主にその時の絵が凄まじくスプラッタな為である。)

 

「そんな事よりも今回は2人共ボロボロだね。」

 

「そうだね、あんな怪物が出て来るのは予想外だったよ、他と同じで忍者の沢山と戦うものだと思っていたよ。」

 

「確かにパターン的にはそうだけど今回は違った、どちらかと言うと中ボスみたいだったと言う事は・・・。」

 

「ボスが近いという事だね。」

 

スカルの言葉に無言で頷いて答えてこれからの事を相談する。

 

「さて上に行くのはいいけどボクもスカルも体力ゲージは殆ど残ってないね。」

 

そうボクは最初の一撃をガードした時の衝撃で6割削られ、スカルに至っては大剣の直撃で残り1割くらいしか無く部位欠損のおまけ付きの瀕死でとてもこのままの状態で次の階に行く事は出来ない。

 

「仕方ないけどここは一回死んで蘇生した方がいいみたいだね。」

 

スカルの提案は仕方ないだろうこのままの状態で先に進むよりはここで体力の回復と休憩を兼ねてそうした方が良いだろう。

 

「まっ、この先に何がいるのか分からないしね。」

 

「じゃあカノン1時間後に。」

 

そう行ってスカルは自身の残り僅かな体力ゲージを0にしその場で蘇生待機状態になった。

 

「さてそれじゃあボクも。」

 

手頃な銃を装備し銃口を自分の胸にあて引き金を引く。

「っ!!」

 

鈍い痛みがしたと同時鈍い体力ゲージが0になり蘇生待機状態となった。

 

この状態だと1時間経つまで動く事も喋る事も何も出来ないのでとにかく暇なのである。

 

それならと連戦で疲れてもいるので仮眠する事にした、次に目が覚めた時には1時間経っているだろう。

 

 

 

 

 

 

1時間後

 

「ふぁ〜おはようスカル。」

 

「おはようカノン。」

 

1時間経ち蘇生待機状態から完全な状態で復活し先に復活していたスカルに目覚めの挨拶をする。

 

「一眠りしたから精神的にかも大分良くなったよスカルはどう?。」

 

「僕は特に問題無いよ、僕も仮眠していたからある程度疲れは取れたよ。」

 

「そっか、なら次の階に行こうか。」

 

「うん。」

 

 

 

階段を登り終えるとそこは1つの大きな部屋だった、今までのどの部屋よりも大きく周りの装飾も豪華でいかにも殿様の居る部屋という感じがしたがそれとは対照的に部屋は薄暗く空気がとても重い。

そして一際目を引くのが部屋の一番奥にあるの光輝く金色の仏像だった。

 

とりあえず仏像が気になりそれの前で行こうとすると部屋の真ん中まで進むと仏像の左右の台座に炎が灯った。

 

炎の明かりにより部屋の薄暗さが無くなった事により部屋全体を見回せるようになった。

そして再び仏像を見るとそれは仏像ではなかった。

仏像の様な神々しさはなくその姿はどちらかと言うと禍々しい、綺麗に輝く金色がそれを更に引き立てている、それはもはや仏像ではなく魔神像だった。

 

「カノンあれ。」

 

スカルの指差した方を見ると魔神像の下に何かが座っていた。

 

そしてそれは立ち上がりこちらに近づいて来た、それは前の怪物とは違いそれは完全な人型でスカルと同じ位の大きさで全身を黒く所々金色の装飾が施された鎧で包み頭部は顔全体を覆い隠す大きな角飾りが付いた兜と背中にはマントを見に付け手には漆黒に輝く刀を握っていた。

 

ガシャン!!と音がすると新しい体力ゲージが出現し先程の怪物とは違いそこには名が印されていた。

 

Nobunagaと・・・。

 

 

 

 

「やっと城主様のお出ましですか。」

 

両手にバズーカ型の強化外装を装備すると同時にスカルも自身の強化外装デスサイズを手にして構えた。

 

「先手必勝!」

両肩に担いだバズーカをノブナガに向け発射するがノブナガは刀を持っていない左手をこちらに向けると手の平から突然炎が放たれバズーカの弾を飲み込みそのままボクの方に飛んできた。

「なっ!?」

驚いたが横に跳ぶ事で回避し再びバズーカを撃つが炎に阻まれダメージを与えられない。

 

「やあああ!」

何時のまにかノブナガに接近していたスカルが手に持つデスサイズを振り下ろして攻撃するが刀で受け止めらる。

そこにノブナガ目掛けてバズーカを発射する。

 

ボクの行動を予想していたであろうスカルはギリギリまでノブナガと鍔ぜり合いをしバックジャンプをして距離を離す。

 

スカルのおかげでノブナガの足を止め先程の様に炎で防御される事無く直撃したはず・・・。

 

「そんな!?」

 

直撃した様に見えたボクの攻撃は今度は体全体から炎を噴出する事により再び防御されてしまった。

 

「炎に邪魔されるなら来いリベンジャー!!」

 

リベンジャーを装備しノブナガに向け放つ。

「貫け!!」

叫ぶと同時に放たれるボクの持つ必殺の一撃、元々のリベンジャーの能力と合わせればたとえ炎に防御されようが関係無くノブナガを貫ける!。

しかしその銃弾は又してもとどかなかった、炎の壁に阻まれてしまった。

「何これ?」

それしか言えなかった、あの炎が有る限りボクは奴にダメージを与える事は不可能に・・・。

「カノン!!」

「!?」

ボクの戦意が喪失し目の前が真っ暗になりかけようとしたがスカルの一喝によりなんとか踏み止まった。

 

「聞いてカノンさっきからアイツはカノンの攻撃に対してのみ炎で防御していたけど僕の攻撃には炎は使わなかった、つまりあの炎は遠距離攻撃にのみ使われるんじゃないのかな?」

 

そう言われればそうだ、スカルの攻撃した時には炎は一切使われず全て刀を使っていたがボクの銃撃にたいしてのみ炎は使かわれた、その意味する事は恐らく・・・。

 

「もしかしたらアイツの炎の正体は遠距離タイプの攻撃を無効化するアビリティなのかも。」

 

「成る程ねそれならカノンの攻撃のみ無効化されたのにも説明がつくね。」

 

「つまり銃以外の攻撃手段を持たないボクの力ではアイツにダメージすら与えられない、くっ。」

自然と両手の拳を握り締めていた、これでは完全に役立たずだ。

 

そんな事を考えているとボクの頭にポンと何かが載せられた、見上げるとそれはスカルの手だった。

「じゃあ今回は僕に任せてカノンは休んでて。」

 

そう言って1歩前に出てデスサイズを構えるスカル。

 

「さっきからカノンばっかり活躍して僕は殆どいいとこ無かったからこの辺で活躍しないとね、それに本音言うとねアイツと1対1で戦いたいんだ。」

 

「戦いたいって・・・。」

 

「僕もカノンと一緒に戦って強くなってるとは思うんだけど今の僕でどの程度アイツと戦えるか試してみたいしね。」

 

そう言うスカルからは闘志の様なものが溢れていた。

 

「本気なんだね?」

 

「本気だよ、だから<アレ>も使うよ。」

 

アレ、スカルの言うアレとはスカルの切り札とも言うべき力、その力を知った時は驚いたどころでは済まなかった。

 

それを使うとスカルは言う、つまり目の前の敵に全力をぶつける気だ。

 

ボクはスカルの邪魔にならないように少し離れた所に移動した。

 

「見せてもらうよスカル、君の力。」

 

1対1の激戦の始まりだ。




オリジナルダンジョン編は後1、2話の予定です。
そちらが終了すれば原作キャラとの絡みも増えていくと思います。
感想お待ちしております。

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