オリ主が再びIS世界でいろいろと頑張る話だけど…side:ASTRAY《本編完結》    作:XENON

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after・ASTRAY:比翼の大罪者

…過去の大戦より時が過ぎザフト、連合は新たな条約を締結、新たな統一国家設立に向け歩み始めていた

 

 

しかし、それを良しとしない者達もいる…双方の組織に兵器を売りつけ莫大な利潤を得て戦争をコントロールする選民思想に染まる特権階級ロゴス残党、亡きザフト議長プレシア・テスタロッサの思想を信じるプレシア派…

 

 

火種はまだ微かにくすぶり続けていた…しかし、それは何者かの手により防がれていた事を人々は知らない

 

 

………先の大戦、綾崎翔真を中心に結成された施設武装組織《ソレスタルビーイング》、管理局提督大東貴一率いるG-spirits隊、天の軍神、テイワズ、アルケミスターズと共にザフト、連合の戦いに介入し集結に導いた

 

 

今は彼らはいない…しかしソレスタルビーイングは人々の目にふれることなく活動をしていた

 

 

そして、彼らに気づかれぬように動く者も……

 

 

 

after・ASTRAY??? 比翼の大罪者  

 

 

 

長く薄暗い通路にかすかに歩く音が響く…照明がギリギリまで落とされた暗闇に浮かんだのは黒い影…無機質でかつ鋭角的なマスクを頭からかぶり、瞳にあたる部分が赤く光り、何よりノースリーブのジャケット姿の18~20前後の男が歩いている。しかし腕は生身ではない。鎧にもにた機械義肢が取り付けられ微かな駆動音が漏れてる

 

 

マスクから漏れる呼吸音と共に歩きやがて扉の前にたち電子錠へ手を伸ばしロックを解き入ろうとした

 

 

「まて、どこにいく気だ」

 

薄暗い通路の反対側から響いた声に振り返った彼の目には長い金髪を三つ編みにし、白衣に黒のワンピース姿の20前後の女性が睨むように彼と向かいあうよう立っているのをみて背を向けながら足を止めた

 

 

 

『………………』

 

 

「罪滅ぼしのつもりか?マ…」

 

 

 

『……そいつはもう死んだ………』

 

 

「…なら、オレの目の前にいる、あの女《プレシア・テスタロッサ》に利用され踊らされ、挙げ句の果てには世界を滅ぼしかけたバカに聞こう……今でればどうなるかわかってるはず。オレの苦労を台無しにするのか?」

 

 

『…………あの時のことは感謝している……』

 

 

「……ったら、だったら!」

 

声を荒げ三つ編みを振り乱しとびかかるよう抱きつかれ、反応が遅れたたらを踏みながらも耐え彼は受け止めた

 

 

「だったらいくな!お前はもう充分戦った、たくさん傷ついた!そして両腕を……両腕を…オレたちが見つけなかったら死んでいたんだぞ!お前は!!」

 

 

『…………』

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

 

 

「もういいだろ……ココで《チフォージュ・シャトー》で穏やかに過ごしたっていいだろ……オレやエルフナインと一緒に!!」

 

 

 

『………オレは自分が生み出した災いを絶たなければならないんだ……だから……』

 

 

 

「え?」

 

 

『……オレはいくよ…』

 

 

優しく金髪を撫でると首筋に微かな空気音が響く…指先から麻酔薬が撃たれた音だと気づいたキャロル、すでに全身に周りまぶたが落ちていく

 

 

「こ、この……バ…カ……マ………」

 

 

『だから、幸せになってくれ……オレなんかといるより断然いいから…キャロル、幸せに』

 

 

 

優しく抱き上げるとドアの向こうへと踏み出す、灯りがつき見えたのは様々なMSパーツを組み込まれた漆黒の機体を一別し、備え付けの居住スペースにはいりキャロルを寝かせつけ、軽く頬を撫でる

 

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

 

ドアをロックしキャットウォークへと跳躍、そのままコックピットに張り付きハッチを開き、身体を潜り込ませシートに身を任せたキーボードを展開、起動OSを調整していく

 

 

『………流体アクチュエータ反応速度調整、重心バランサーは動かさないとわからないか、ジオン系OSマッチング…ニューロンシナプシスミラーリンク接続………』

 

 

キーボードを閉じ操縦桿…いや窪みへ手を差し入れる。モニターに光がはいり各種データが流れ静かな駆動音と共に漆黒の機体のツインアイに光が宿る。固定台のロックが解除され中間ハッチへむかう

 

コックピット内にいる彼の表情はマスクで隠されているからわからない…しかしここに運び込まれ機体修復とリハビリを手伝うキャロル、エルフナインと共にここで過ごした日々、そして今は会えない彼女たちの事、宇宙へのハッチが解放されていく中、爆発に包まれる巨大構造施設内で蒼白い焔を纏うMSと切り結んでた時に聞いた声が響いた

 

 

ー君がやっていることは地球蒼生軍、その残党とまったく変わらない!君と同じ境遇を持つ人達をただ悪戯に増やし、第二、第三の君を……………・……………を生み出すだけだ!!ー

 

 

『…(……あんたの言うとおりだったよ。オレはアイツ等と変わんなかった。それに気づくのが遅すぎたんだ大東…だからオレはすべてのケリをつける…たとえ偽善だとしても………)…いくぞリペア……』

 

 

静かにつぶやくと、リニアカタパルトで勢いよく漆黒の宇宙へと吸い込まれるよう飛び出した

 

 

 

数日後、プレシア派の残存勢力が立てこもるコロニーに偽装した衛星砲が跡形もなく破壊された

 

 

捕らえられた残存勢力はこう言ったという

 

 

 

《片方しか翼が無い《黒いMS》が現れたと想ったらやられてたんだ》

 

 

……それ以降、片翼の黒いMSは過激思想をもつプレシア派の関連施設に現れる姿をたびたび目撃されるようになった

 

 

 

自らの罪を償い続けるかのように

 

 

 

 


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