オリ主が再びIS世界でいろいろと頑張る話だけど…side:ASTRAY《本編完結》    作:XENON

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真紅の笑い/護衛 前編

「護衛ですか?」

 

 

 

「ああ、俺んとこのオヤジがココ、イギリスで様々な組織の面子を集めた会合を開くんで出席するんだ。本当なら俺がついていくんだがな、どうしてもお前をと言ってきたんだ。直々にな」

 

 

「…………でも、なぜ涼……御門先生まで同伴で?」

 

 

 

「(まあ、そこらへんは聞かないでくれると助かるんだがな。オヤジはお前を婿養子に迎える気満々なんだけどな)…さあな。んでお前はどうするマルス?」

 

 

 

飄々としながら話しかけるの白いスーツに帽子をかぶった長髪長身の男…テイワズ輸送部門を預かる名瀬・タービン、肩にもたれ掛かるように褐色の肌に腰まで伸びた髪に胸元から腹部に傷跡がめだつ名瀬の第一婦人アミダ、その前にはソレスタルビーイングに雇われたサーペントテール所属の傭兵にしてトレミー主任整備士兼パイロットのマルスがハンマーヘッドの応接間のソファーに座る姿

 

 

バルバトス、ファング、リナーシタ・シェルの整備を終えた時にエクシェスのコクピットから依頼を知らせる音を耳にしやや躊躇しながらハッチを開き滑り込ませ暗号化通信解除しみたのはテイワズ輸送部門の名瀬・タービンの名前。内容はイギリスで開かれる反プレシア連盟に極秘出席するテイワズの長《マクマード・バリストン》の護衛とある人物を同伴するようにとあったのだ

 

 

マルスは内容詳細を確認する為にエクシェスから降りタービンズの船《ハンマーヘッド》へ向かい今に至る

 

 

「…………わかりました。サーペントテール6、マルス・レディーレ依頼を引き受けます」

 

 

 

 

「そうか、んじゃオヤジに伝えておくぜ」

 

 

 

「少し待ちなマルス、護衛っていってもお偉いさんの集まりだよ。失礼な服装は不味いからコレをきていきな」

 

 

 

「え?アミダ姉さん、コレ…でも」

 

 

 

「いいから、あと涼子の分もあるからしっかり渡しな」

 

 

 

 

「……あ、ありがとうございますアミダ姉さん。じゃ……」

 

 

「マルス、護衛もだけど涼子をしっかりエスコートしてやりな」

 

 

 

「は、はい」

 

 

 

アミダから手渡された衣装ケースを受け取りながら照れるマルスを悪戯っぼく笑う名瀬に見送られ扉をあけ部屋をあとにして暫くしてアミダが名瀬の隣に座ると艶っぽい笑みを浮かべ首に腕を回した

 

 

 

「ずいぶん変わったじゃないかマルス」

 

 

 

「ん、そうだな……初めてあった時にくらべると表情が豊かになったな。それに彼女がたくさんいるみたいだな」

 

 

 

「ふふ、マルスの愛が大きいからじゃないかい?あんたと同じで」

 

 

 

「………そういうもんかね~」

 

 

「そうさ…ん」

 

 

 

自然と唇が重なりやがて明かりが消えた…

 

 

 

PHASE-84.5 深紅の笑い/護衛 side:ASTRAY《前編》

 

 

 

 

 

数時間後、イギリスの首都《ロンドン》郊外にある古城。ヴィクトリア王朝時代に建てられ様々な貴族、有力諸侯たちが訪れ余暇を過ごした《タントテンポ》城

…城内へ繋がる道は対岸にかけられた橋のみ。その上を一台の高級リムジンが走り大きく頑丈な木材と鉄がくまれた巨大な扉の前で静かに止まった

 

 

『……失礼ですがどなたからの紹介でしようか?』

 

 

 

「…………マルス・レディーレ、そして御…「涼子・M・レディーレよ」………マクマード・バリストン会長の紹介で」

 

 

 

『…………確認しました。ではお入りください』

 

 

静かに扉が開くと同時に車からタキシードに身を包みオールバックにしたマルス、そして薄桃色の生地にフリルがあしらわれたパーティードレスに身を包んだ御門涼子。悪戯っぽい笑みを見せ左腕に抱きついた

 

 

「り、涼子?その……今日は」

 

 

 

「わかってるわよ。さあいきましょう?ア・ナ・タ♡」

 

 

 

「あ、あのう……あまり」

 

 

 

「♪♪~」

 

 

 

嬉しさ一杯に抱きつく涼子…最近、よく僕のそばから離れない。ノーヴェやアインハルト、クリス、千冬さんも……完全体になったエクシェスに乗ってからだ

 

 

あの武装を迷わず使った時、モニターに映り込んだ僕は顔は笑ってた

 

 

……アレ以来、エクシェスを動かしてはいない。でも夢に見てしまう

 

 

爆発の煙をあげ沈んでいくトレミー、力任せに引き裂かれたようにパーツらしいモノが散らばり墓標のように並ぶ無数のMS…バルバトス、ウイングガンダム、00ライザー、ニャイア、トライオン、ファング、ノワール

 

 

そしてエクシェスの手から滴る赤い液体。ゆっくり開かれた手には………手には!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

「マルス、どうしたの?」

 

 

「な、なんでもないです……じゃあマクマードさんのところにいきましょうか………御Ka…」

 

 

 

「涼子《り・ょ・う・こ》♪」

 

 

 

「ん、り、涼子」

 

 

 

「ふふ、じゃあいきましょうか。ア・ナ・タ」

 

 

 

さらにギュッと腕を抱きつく度にイヤでも柔らかさを感じる……今日はテイワズの会長マクマード・バリストンさんの護衛がメインなわけなんだけど…実はマクマードさんに直前になってから夫婦って設定で来てくれてと言われていて、それを僕を通じて聞いた涼子はのんでくれたというか

 

 

と、とにかく護衛とアミダ姉さんの言葉通りエスコートしてあげないと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱりエクシェス……完全体のエクシェスに乗ってから不安定になっている

 

 

あの日、初めて出会った時と再会して感じた違和感…

 

 

マルスの心は……いまだに癒えない傷を抱えている。それも記憶を失う前に、いえ身を焦がすほどの何かが起因しているんだと思う

 

 

ノーヴェ、ハルちゃん、クリスちゃん……あと千冬も薄々気づいている

 

 

 

「涼子…」

 

 

 

「な、ナニかしら?」

 

 

 

「ついたよ…」

 

 

 

「ん、来たかマルス。それに……御門主任もひさしぶりだな」

 

 

 

ニヤリと笑いながら歩いてくるマクマード会長は普段と違う黒を基調とした紋付き袴姿。それだけ重要な会合だってのはわかる。あたりをみると欧州連合の代表たちの中にはウォーレン卿、ファントムハイヴ卿、アジア連合からは龍財閥の龍老師、それにテイワズと肩を並べる大企業タントテンポのテッド・モルガトン…そしてロンド・ミナ・サハクさんまでいた

 

 

天空の宣言以降、ミナさんは支持する国家と人々を護るためにアストレイ・ゴールドフレーム天ミナを駆り戦っている……その姿は戦争で疲弊しきった人々に焼き付いている

 

 

ここにいるメンバーが今日の会合にでるのかと思った時、肩をたたかれた

 

 

 

 

「よ、マルス」

 

 

 

「ジェスさん?トレミーにいたんじゃ?」

 

 

 

「ああ、マティアスに頼まれたんだ。いちおう非公式取材になるから公開は先になるけどな」

 

 

 

「そうなんですか……(!?誰かに見られている)」

 

 

 

「っと、コレから龍老師に取材しにいかないと……じゃああとでな」

 

 

「はい、またあとで」

 

 

 

「ほう、アレがフォトジャーナリストのジェス・リブルか。いい面構えだな…」

 

 

 

「会長、スカウトはダメですよ」

 

 

 

 

「冗談だ、気にするな御門………どうしたマルス?」

 

 

 

「な、なんでもないです」

 

 

 

 

 

 

マクマードさんの質問に内心慌てながら答え慎重に気配を探る……さっき何者かがコッチを見ていた

 

気配がした方を何気なく悟られないように見た。そこには金髪に鋭い真紅の瞳、それに首にキズが目立つ男性、隣には小さな短くも不思議な色の髪をした制服姿の女の子

 

 

わずかに目があった。不敵そうな笑みを浮かべジッと見ている…

 

 

「どうかしたのマルス?」

 

 

 

「え?」

 

 

 

「どこか具合悪いの?」

 

 

 

 

「い、いや…」

 

 

 

言葉を濁しながら再び視線を戻した時には二人の姿はなかった……敵意は一切感じなかったかわりに、面白いナニかを見つけたというか………と、とにかく今は集中しなきゃ

 

 

「あ、マクマードさん、そろそろ時間じゃ」

 

 

 

「ん?そうなんだがな。一人まだ来ていないんだ…………今日の会合に出席するって言ってたんだがな」

 

 

 

「あと一人?」

 

 

 

「いやあ~ごめんごめん、遅れてすまないね。アタタ」

 

 

背中から間延びした謝罪の声が響く、振り返ると着崩した軍服?に似た上着をきた黒髪に白髪が目立つ40手前ぐらいの男の人が軽く頭を押さえる姿。なぜかわからないけどサンダルを履いてるし

 

 

 

「時間ギリギリだぞ?昨日はあまり飲まなかっただろ?」

 

 

 

「いやあ、昨日は少しハメをはずしすぎたかな~もう若くもないからね~」

 

 

 

「まだワシよりも若いだろうが。っとマルス、御門、紹介がまだだったな…今日の会合に出る管理局地上本局《Gspirits》隊を率いる大東貴一だ」

 

 

「はじめましてだ。私は大東貴一だ。今日の護衛をしてくれる……えとサーペントテールの」

 

 

 

「……あ、マ、マルス・レディーレです。今日はしっかりと務めさせていただきます(……………大東貴一、確かP・Tさんからの依頼にあった部隊の指揮官で提督。実際に会えるなんて………見極めをするには丁度いいかな)…大東貴一提督」

 

 

 

「ああ、肩苦しいのは抜きでいいよ…いちおうはお忍びだからね(こんな所で会うとはね…奇妙な星の巡り合わせとでもいうかな……アレス・ルセディスくん)……で、隣のお嬢さんは?」

 

 

 

「マルスの妻の涼子・M・レディーレです♪」

 

 

 

「ち、ちょ!涼子!?まだ僕ら、け、け、け、結婚は」

 

 

 

「おやおや?式をあげてないのかな?ならおじさんがいいチャペルを紹介しょう。なら私の世界にある聖王教会がオススメだよ~歴史を感じさせる造りと…」

 

 

 

「待て貴一、式をあげるならテイワズの教会でだ……御門はウチんとこの人間、いわば家族だからな。いいだろマルス?」

 

 

 

「い、いや……まだ戦争が終わっては」

 

 

 

「いいじゃない。ならクリスちゃん、ハルちゃん、ノーヴェも一緒に式あげちゃいましよ」

 

 

 

「涼子!?ていうか!時間がないから!?マクマードさん、大東さんも早く会合会場に急いで~」

 

 

 

 

………結局、なんとか二人を会合会場に時間ギリギリで入らせたんだけど、クリス、アインハルト、ノーヴェの名前を聞いたマクマードさんが「名瀬と同じだな、ならばお前の義母のソーナ・シトリー、叔母セラフォールと話しをつけないとな」って耳打ちされた

 

 

 

……とにかく、涼子と一緒に護衛を頑張ろう…うん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「平行世界のイオリアの爺の遺産か………あげゃあげゃあげゃあげゃ!マルス・レディーレ……いやアレス・ルセディス。オレにお前のすべてをみせてみろ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後編に続く

 

 

 


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