オリ主が再びIS世界でいろいろと頑張る話だけど…side:ASTRAY《本編完結》    作:XENON

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新たなる鼓動……クアンタ

ギガフロート

 

 

ジャンク屋組合が有する移動拠点、ココにあるMS工廠の際奥で、剥き出しのフレーム姿のMSが固定された姿。その前で髪を逆立たせた作業着姿の青年が複数のモニターを開きキーを叩きながら睨めっこしている

 

 

 

「ん~新型粒子発生機関から生成される粒子量なら……予測値を遥かに超える粒子量が必要か……」

 

 

 

「ロウさん、どうしたんですか?」

 

 

 

「ん?ああ千夏か……実はこのクアンタの外装と装備を考えてんだけどさ……なかなか纏まらないんだ……」

 

 

 

「こいつのですか?普通にクアンタの外装をつければ……」

 

 

 

「そうはいかないんだ……動かすにはツインドライヴじゃまともに立ち上がれない。んでだ、思い切って太陽炉…あくまでデータ上で三基同時に相乗稼働させて起動に必要な粒子量を生成までは上手くいったんだけど各部GNコンデンサーが耐えきれない事がわかってな………コンデンサーを新規で作るとなると木星にいかないと」

 

 

「太陽炉三期同時に相乗稼働?むちゃくちゃですよ。ほうっておいてもいいんじゃ…」

 

 

 

「あのなあ~目の前に未完成の機体があるんなら放っておけないだろうが?ジャンク屋魂がソレを許さねえし、それにコイツを必要とするパイロットがいるってセツナに聞いたからさ…ああ~こんな時にマルスが居たらなあ…あ!そうだ!確か……」

 

 

 

「え?ロウさん?」

 

 

 

「確か、ココのドライブに…………あったあ!!」

 

 

 

無数に浮かぶ空間投影モニターをスライド、すごい早さで開いていくロウに戸惑う千夏に見せたのはマルスから届いた複数のメール、迷わず開くとGN粒子に関する様々な視点からの考察、そしてツインドライヴから生成される粒子特性と理論式を含めたタイトルがぎっしりと圧縮されたデータ…それから一つを開いてみる

 

 

ー●月×日、任務と依頼がないので前々から調べてみたかったGN粒子圧縮と特定環境下における性質実験をしてみた。GN粒子には特定環境下では粒子色が変わること、そして毒性を持つことが知られている。トランザムバースト時には超高密度GN粒子広域散布、イノベイターの脳量子波がさらに高次に純度を上げ意識共有空間形成維持を各段に上げ相互理解を可能とするのは知ってるとは思います。でも今日の実験でGN粒子の新たな性質変化を目にしたんですー

 

 

データファイルに添付されていたのはきらきらと蒼く輝くGN粒子…瞬く間に青みがかった緑色の透き通った物質へ変わるのを見た千夏は驚きを隠せない…ロウは真剣にモニターを見つめている

 

 

ーGN粒子結合物質…GN粒子を粒子、反粒子に生成することで自然結合し生まれるコレを《GNマテリアル》と仮に名称します。強度はガンダニュウム合金と同等、それ以上で重量は半分以下になる…刃などに加工すればGNソード、ブレイドを上回る切れ味をもつ武器、それ以外の用途としてはGNコンデンサーとして装備しつトランザム終了後、瞬間的に粒子に戻すことで粒子チャージを短期間ですませること、さらに瞬間的出力を向上も可能になると考えてる……現在、コレが可能な機体候補はクアンタ、三基の粒子発生機関を搭載可能な新たな機体を製作する事が望ましいって考えてます。三基の粒子発生機関は新規に製造、制御には独自構築したOSの基礎を送りますー

 

 

 

淡々と語るも声から驚きと歓喜にも似た想いが溢れているのを感じながらもロウは提示されたデータに目を通していくのを隣でみる千夏の胸中は穏やかでない……表向きはジャンク屋として来ているが実はGspirits隊メンバーでマルス・レディーレ…アレス・ルセディスの調査するために赴いていた

 

 

マルスのメールを見て感じたのは、MS理論と実証データは明らかに先を行き過ぎてる。かつてGspirits隊に協力していた技術者にして博士、ディートリッヒと同じ類…天才だと感じ取っていた

 

 

 

ー今回、生成出来た《GNマテリアル》の試片を送ります。ロウさんからみてどうでしょうか?僕もできる限り協力したいので連絡をお願いしますー

 

 

 

ソレを最後に映像は消えロウは千夏と共にマルスから送られてきたコンテナがある場所へ向かうと暗証コードを入力、ロックがひらく

 

 

「コレがGNマテリアルか………うんうん…確かに軽いし強度もある………」

 

 

「金属の質感もあるし、でも透き通ってる……」

 

 

 

「コレなら出来るぜ!クアンタの装甲をこうして、GNマテリアルを新武器を………」

 

 

「あ?間ってくださいロウさん?………ほんとジャンク屋ってスゴいや」

 

 

 

座り込むと凄い勢いでキーを叩くロウに呆れながらもGNマテリアル生成に必要な機材を揃えていく……千夏はマルス・レディーレが送られてきたデータを手早くコピーしGspirits隊メンバー……chameleon隊へと転送しながら作業を見守る

 

 

やがてモニターに映されたのは新たなクアンタ、三基の粒子発生機関の内一基ずつを刀身部に内蔵したGNブレイド、脹ら脛にはGNカタール兼バーニアが配置されている

 

 

 

「こんなもんかな。あとはGNマテリアル発生機関のシステム構築と粒子発生機関だな~《上》に頼むしかないかな。でもマルスと連絡取れないし…ま、出来る範囲はやっとくか」

 

 

そう言葉にしながらモニターに示された新たなクアンタを見ながらロウは千夏と共に作業をはじめる

 

 

………天上人に相応しき力を持ち変革者である刹那・F・セイエイに託された機体は静かに完成の時を待つ

…いずれ相対する魔女により演出された復讐鬼が駆る《漆黒の悪魔《エクシェス》》との刃を交える時を……

 

 

 

 

 

parts:02  新たなる鼓動………クアンタ

 

 

 

 

 

 

 


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