オリ主が再びIS世界でいろいろと頑張る話だけど…side:ASTRAY《本編完結》    作:XENON

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PHASE:98.8 Revengerー悪魔と契約せしモノーside:ASTRAY NEW!!

「………以上が隊長が不在の間の火星圏の状況です」

 

 

「………マリア、タスクは穏健派に拘束されているのは事実か?」

 

 

「はい。私たちを匿ってオーストレル統政局に…あの隊長?」

 

 

「なんでもない…切歌、調は?」

 

 

「……あの、それがロランが……甘い御菓子や食べ物で……二人を食堂に」

 

 

「………オレがむかえにいく。マリア、報告たしかに受け取った…」

 

 

「あの隊長、コレから私たちはどうしますか?」

 

 

四年間の火星圏の現状報告を受け取り切歌、調を迎えにいこうとする足が止まる…コレからどう動くか。思考を分離、ヴェーダからアップされた此方の世界状況を整理していく

 

現在の情勢…連合、ロゴスは先のへヴンズベース攻略戦で敗退してから弱体化。世論もザフト支持に回っている

 

天の軍神ロンド・ミナ・サハクの《天空の宣言》がきっかけとなり、天空の宣言を支持する国家、ザフト同盟国、連合支配下にある一部の国家が独立を声明。さらにはザフトの最高評議会議長を脅威と考える龍財団、タントテンポ、テイワズを含めた一部政財界の重鎮が反ザフトを掲げる組織ATAGを結成…

 

 

しかも組織の立役者はアイツ…オレの二人の仇の一人《大東貴一》……余計な事を。イギリスにあるテイワズの秘密ドックにはソレスタルビーイングのプトレマイオス2が修復作業中…もう一人の仇《綾崎翔真》が帰還したことから再び動き出すのは間違いない

 

 

軍神の矢計画は失敗したがソレも織り込み済みだ。マリア達の報告から判断しプロジェクト・エデンは第三段階に移行した

 

この世界にはあの日、オレからすべてを奪った綾崎翔真、大東貴一、Gspirits隊がいる…ならば

 

 

 

 

「……まずはザフト最高評議会議長とあってからだ…そして…」

 

 

「私たちのガングニール、イガリマ、シュルシャガナからリアクター移植作業は何時でも可能。復元したエイハヴリアクターは偽装艦に」

 

 

「…わかった。ソレまで機体を守っていろ…すぐに戻る」

 

 

 

ソレだけ告げ、オレはMSハンガーから離れた…だが途中で違和感を感じ顔をあげた。ソコには真紅に白に塗り分けられた装甲を持つMS…細部が違うが、間違いない。この機体は火星で見つけたVS/GSシリーズのベースとなった悪魔の名を持つ機体

  

 

「………ガンダム・フレーム……」

 

 

 

「あんた、オレの機体になんの用だ」 

 

 

PHASE:98.8 Revengerー悪魔と契約せしモノー

 

 

 

赤い髪を無造作に伸ばし、鋭い目を向ける男が機体から降りオレを睨むように見て歩いてきた

 

 

「オマエがこの機体にパイロットか?ずいぶんとやられたみたいだな」

 

 

「ち、見ていたのか…」

 

 

吐き捨てるように言葉を吐き背を向けた。機体ダメージを見るからにナノラミネート装甲の弱点を突かれた、そして阿頼耶識システムに何らかの干渉があったかだ

 

背中にある膨らみ。かつて火星圏にあったとされる先史文明期、PD時代に存在した言われるMS操縦、空間認識能力を拡大をもたらす有機デバイス《阿頼耶識システム》。本来ならばこのように体外にピアスは出ない。恐らく非合法に流出した《不完全な阿頼耶識》施術を受けたとわかる。この場合はピアスが三つあってようやく普通にMSを動かせる

 

 

下手をすれば半身不随になる危険性をもつ不完全な阿頼耶識施術を五回も受けたとわかる膨らみ…なぜ目の前にいるコイツが危険極まりない死と紙一重かつ激痛を伴う不完全な施術に挑んだかが気にかかった

 

 

「……あんた、あの子らの知り合いかよ」

 

 

「そうだ…と言っ……?」

 

 

風斬る音に反射的に体を捻る…拳が右頬を掠めた

 

 

「あんな子に、年端もいかない子に阿頼耶識施術したのか!こんな体になるってのを知ってるだろうが!!」

 

 

何度も殴りかかる。当たれば間違いなくオレでもただ者すまない。だが次の言葉が動きをとめた

 

 

「まだ、まだ……俺の妹と歳が変わらねえだろ!!」

 

 

     ーアレスにいにー

 

 

妹……ハーティの顔と声が浮かび聞こえた時、左頬に鈍痛が走る。半ば閉じかけた瞳に見えたのは拳を叩きこんだヤツの怒り、哀しみ、痛み、憎悪の炎を燃やす瞳だ

 

 

「……あんな子に、阿頼耶識なんてやんなよ……くそ、全部、アイツらが居なくなってからだ。世界がこんなにおかしくなったのは……」

 

 

「…アイツら?オマエ…」

 

 

「オマエじゃない、オレは五反……アレックス・ウォーレンだ……」

 

 

コイツ…アレックス・ウォーレンは拳を下げた…

 

 

ヴェーダにアクセス、キーワードはウォーレン。

 

 

この世界に古くからつづく名門貴族ウォーレン家の落胤、不祥事で没落する寸前に執事だった五反田巌に生まれてすぐに代々受け継がれてきたMSと共に孫として引き取られ、以降《五反田弾》として育つ

 

しかしISが生まれてから女性至上主義団体、地球蒼生軍により戦火に見舞われ、終戦後に祖父、父、母を喪い妹と生き別れ連合の非合法研究施設に拉致同然で監禁された

 

世界でISを動かした男達…綾崎翔真、織斑一夏といた人物ならばISを動かせるはず、長年にわたる人体実験の果てに不適格と判断、MS台頭により不完全な阿頼耶識施術を受けさせられ、接収されたガンダムフレームを改造した機体に乗ってここにいる理由は……

 

 

「……復讐か…」

 

 

「!!」

 

 

瞳に軽い動揺が見え、機体にもたれかかりながら

 

 

「…爺さんと親父、お袋を殺された…妹もゴタゴタではぐれたっきりわかんねぇ。連合の奴等にこんな体にされた……こんな世界に変えちまった姿をくらましたアイツら…一夏と翔真がこんな世界にしたんだ!だからオレは復讐する、このガンダムアスタロト・ブレイジングで!」

 

 

「………だから連合の極秘研究施設から脱走し、あのガンダムフレームと共にザフトにか」

 

 

「……なんの後ろ盾もない、人ですらなくなったオレにが生きていけると思うか?」

 

 

「……思わない…」

 

 

コイツは、 アレックス・ウォーレン(五反田弾)はオレと同じだ…あたりまえのモノを酷たらしく奪われた。大事な家族を

 

織斑一夏(かつての親友) 綾崎翔真(オレの仇)に……

 

 

「………ならば強くなれ…」

 

 

「いわれずともなってやるさ……」

 

 

「………少し借りるぞ…」

 

 

「な、待て…あんた!俺の機体は……」

 

 

アレックス・ウォーレンの声を背にしながらアスタロトの整備端末を開く…見るのは先の戦闘データ

 

ナノラミネートを焼き払う弾頭使用、さらにはエイハヴリアクターより生まれる波動を照射し阿頼耶識システムを受けたパイロットの脳へ負荷を与え焼き切るエイハヴウェーブ照射兵装《スティング》…

 

 

コレを使ったのはGspirits隊と繋がりを持ち、マリア達と交戦したghost隊隊長機……

 

 

スティングはマリア達の機体に残され復元した戦闘データにもあるモノだ…コレを再現でき詳細を知るのはオレを含めて二人だけ

 

 

元・火星圏急進派派閥幹部ジェダ・パパスィ。ヤツが連合に寝返ったか、いや拉致したのか

 

 

…ジェダの持つ技術は火星圏の未来に必要不可欠…寝返りはしないはず。ならば拉致されたと判断する

 

 

拉致した相手の目的は知らないが……相応の報いは受けてもらう。ジェダも同時に奪還し火星圏へ強制送還する

 

 

さて、余計な思考はここまでにして、スティングの対策を考える

 

エイハヴリアクターから生まれるウェーブには個性がある。太陽炉同様に…ならばこのアスタロトのリアクターから生まれるウェーブでスティングから照射されるウェーブを相殺する

 

「おい……」

 

このガンダムフレーム、アスタロトには特殊兵装があるのが武装を閲覧してわかる…相反するエイハヴウェーブをぶつければ相殺可能だ。その為にはコイツにかけられたプロテクトを解除、偽装艦ミストルティンにアクセス。ビルダー起動……

 

 

アレックス・ウォーレンの戦闘データを参考に対スティング用専用特殊武装データ入力…作成完了には10時間か、妥当だな

 

「おい、聞いてんのかよ」

 

 

……ふう、うるさいな野良犬か」

 

 

「な、誰が野良犬だ!オレはアレックス・ウォーレンだ、名乗っただろうが!なら名乗り返すのが礼儀だろ」

 

ったく、よく噛みつく犬だ……いやたしかに礼儀がなってないか

 

 

「………アレスだ、アレス・ルセディスだ…これでいいか野良犬、いや飼い犬」

 

 

「く、この……アレス…オマ「この機体、碌な整備がされていない、OSも各出力調整も無茶苦茶だ……」……ああ、たしかに整備出来てねぇよ…ザフトのやつらは触りたくないんだろうな」

 

 

「……あとでコイツの整備を暇つぶしやってやる。ソレまでにコレをこなせ」

 

 

 

ディーンから半透明のメモリーバーを投げ渡す。コレにはマリア達の訓練に使ったメニュー…ソレより効率的かつ効果あるモノだ

 

この野良犬…飼い…ウォーレンがやりこなせるかだ。少しやる気を起こさせてやるか

 

「オマエの妹…五反田蘭……オレはその居場所を知ってる」

 

「な、ドコにいる!おしえてくれ…頼む!!」

 

 

「……知りたければさっき渡したのをこなしてみろ…期限は議長とやらがいるミネルバと合流するまでだ……」

 

 

「ち、わかったよ……あとで必ず聞かせろよ!!」

 

 

……そのまま踵を返して、ガンダムフレームのコックピットにかけだしていく…妹か…情に流されてしまったか…

 

 

さて当初の目的に戻るか…

 

 

「な、なんだ!コレ?MA1000体、アムロ・レイ?シャア?ハマーン・カーン……ま、までファンネルはヤメロ!!」

 

 

 

………オレ用のを間違えて渡したみたいだな…まあいいか。艦内の狭い通路を歩いてると声がひびいてきた。調と切歌か…何やら焦ってるみたいだ歩を早め食堂入ったオレは見たのは

 

 

 

 

「い、イヤです。私にはタスクがいるです!?」

 

 

「また、タスクかい?今はいないんだから少しぐらいは…」

 

 

切歌を壁にし顔の横にまるで逃げないように手を置くロラン…調が引き剥がそうとしている姿にため息をついた

 

「何をしている」

 

 

「アレスにい…隊長!」

 

 

「あ、隊長、これは……」

 

 

「おやおや、邪魔が入ったみたいだね……」

 

 

やれやれと離れるロラン…切歌と調がオレに駆けてくる…静かに目を細めた

 

 

「………オレの部下にちょっかいを出さないで貰いたいが…」

 

「いや、こんな可愛い女の子がいたら、彼女にしたいってね…」

 

 

「悪いが二人には付き合っているヤツがいる…諦めろ」

 

 

「ふふ、そうかい。ならますます欲しくなったよ…男より女の子同士がいい、楽しめるからね」

 

 

………火星にもこの手合いはいたが、イノベイターの直感が危険だと警告している…特に彼氏がいる相手に露骨なモーションをかける輩は碌なヤツがいない

 

 

「……これ以上部下に手を出すならば、それ以上やるならば」

 

 

「やる気かい。なら私が勝ったら二人を貰うけど。まあ君がどんなヤツか知らないけど負ける気は無いよ。MSだとしてもね」

 

 

……自信満々に此方を見てくる…明らかに下に見ているとわかる…なによりオレでなく、切歌、調を見ながら話していることからわかる

 

 

「いいだろう…その勝負、受けよう」

 

 

「いいよ。じゃあミネルバに寄航する前にある島でやろうか。私が勝ったら二人をもらうよ」

 

 

勝利宣言とも取れる言葉を残し食堂を軽やかに出て行く…姿が消えたのをみて調、切歌が不安そうな眼差しを向けている

 

 

「アレス隊長…どうしてあんな事を」

 

 

「……あの手の輩は中々諦めない。ならば実力で黙らせればいい…ソレにタスクだったらオレと同じようにする」

 

 

「そうデスよ!ソレにアレス隊長は負けるはず無いで~す!タスクも何時も《火星圏最強のパイロット》って。だから信じるデス!」

 

 

切歌、調が力強く肯く…タスク、そんなこといったのか…しばらく当たり障りもない話をして切歌、調をマリアのもとへ連れて行き、ロランとの切歌、調を護るために使用可能なMSを探しにデッキへ向かった

 

 

エクシェスは今の状態じゃ使えない…ならば

 

 

「コイツは使えるな」

 

 

見上げた先にあるのは、ザフトニューミレニアムシリーズ、ザク《ホスピタル》仕様を前に断りを入れて作業に取りかかった

 

 

 

 

 

 

PHASE:98.8 Revengerー悪魔と契約せしモノー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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