オリ主が再びIS世界でいろいろと頑張る話だけど…side:ASTRAY《本編完結》    作:XENON

62 / 89
「だああ!また、負けた!無理ゲーだろが!!」


がンッとサブアームレイカーを殴るアレックス…正面モニターには無残な姿を晒すアスタロト・ブレイジング、回りにはHiν、ナイチンゲール、クスィー、デストロイ、ディビニダド、コルグニス………歴代最強。最悪のMSが取り囲むよう立っている


「負け犬の遠吠えか?アレックス」


「ルセディス、こんな奴等に勝てるかよ!!」


「オレなら勝てる……阿頼耶識を使わないと勝てないのか?」



そう、アレックスが負けた原因…阿頼耶識システムとの接続をカットしていたからだ。アレスいわくシステムに頼れば楽にはなる。しかし頼り切ることは己自身の技量を著しく落とすことになる

最初は渋っていたが…


ー阿頼耶識システムに頼り負けたのは誰だ、野良…アレックスー


ー野良犬じゃない!ああ、やってやるよ!阿頼耶識システムに頼らなくても勝ってやるから見てろ!!ー


……等々があり今にいたる。しかし少しずつだかアレックスの技量はあがりつつあるのがログで知っていた


(アレックス・ウォーレン、五反田弾か……これならばアレを使いこなせるか)


再びシミュレーターに熱を上げるアレックスから視線を外し見たモニターにはアスタロトのプロテクトを一部解除したた映像データ


瞳を赤く輝かせ、無数の巨大MAから撃たれた誘導兵器を残像を残し躱し、悪魔のようにねじ伏せ。潰しまわる姿


「悪魔の力……つかいこなしてみせろ……アレックス・ウォーレン」












 PHASE:98.9 Duelー王子VS復讐鬼ー side:ASTRAY NEW!! 

ボスコロフ級潜水艦…ザフトが誇る高深度潜水艦。現在、ラスベガスを離れ一路ミネルバが寄航しているへヴンズベースへと進路を取り深海を進む

 

 

「ハイドリックシール、クリア。組成式構築、クリア、ミラーリンク……0.2″Sec……オペレーティングシステム、マッチング…」

 

 

薄暗い格納庫に声が響く…辿る先には黒みががった濃紺に彩られたワークス・ザクウォーリア。そのコックピットには本来の記憶を取り戻した復讐鬼《アレス・ルセディス》の姿

 

サイドボードを指がせわしくキーを叩く音と共にMS用OSの最適化、指が止まるとOS起動画面がモニターに映る

 

「……最終調整完了」

 

サイドボードを収納し、ハッチをあけ懸架ワイヤーを使い降り、ふと隣を見るオレンジ色の装甲をもつザクファントム…ロランツィーネ・ローランディフィルネィ専用ザクファントムが固定され整備の真っ最中

 

明日、このボスコロフ級潜水艦が補給のため明朝08:00に小さな島へ浮上する…半日擁する補給の合間に、そしてアレスの部下である月読調、暁切歌をロランから守るために模擬戦形式の決闘をする事になったからだ

 

 

もちろん艦長には許可を貰った。時計を見ると02:00を廻っている。ここに来てからアレスは余り眠っていない…火星圏のプロジェクト・エデンの最終PHASE時期。リアクターの移植及びエクシェスとの同調、出力調整、マリア達のVS/GSの改修、アスタロトブレイジングの新武装マッチングと機体のプロテクト解除、アレックスの教練、不完全な偽装艦ミストルティンの火器管制プログラム作成等々があった

 

 

(ロランツィーネ・ローランディフィルネィ…オランダ出身、ミネルバに新たに補充されたパイロット…パイロットとしての技能、体力、戦術は高い水準を収めている…しかし)

 

 

「君、一緒に紅茶でもどうだい?」

 

 

「あ、あの困ります。まだ整備が…」

 

 

「心配ないさ。勝つのはこの私だからね」

 

 

 

(……これさえなければ優秀な人材か……………)

 

 

 

整備中なのにかかわらず女性メカニックを腰に腕を回し絡め取るように頬に手を添える姿…軽いため息をついて格納庫の脇に備えていた寝袋に潜り込み目を閉じた…宛がわれた自室はあるが火星にいた頃から泊まり込みの時はこうして眠っている。もちろん拳銃をすぐ抜けるようにして

 

 

PHASE:98.9 Duelー王子VS復讐鬼ー side:ASTRAY

 

 

 

朝日が昇り、豊かな森を暖かく染める…しかし少し離れた場所には不釣り合いな二体の巨人、いやMS…ザクファントム《》、暗めの色に塗られたワークスザクウォーリアが対峙している

 

 

「ふふ、逃げずに来たみたいだね。麗しき二姫を悪しき魔王から救ってみせよう」

 

 

 

自信満々の声が朝焼けに染まる中で響く…対するアレスはただ静かに口を開いた

 

 

「……魔王…か……ならばどうする?」

 

 

「きまってるさ!」

 

 

ソレを合図と言わんばかりにロランツィーネ・ローランディフィルネィのザクファントムが加速、距離を取りつつ手にしたビール突撃銃の砲口からビーム弾が浴びせられる。が、ソレを左右へと躱し迫るワークスザクウォーリア…機体性能的な差は無い、しかし武装が取り外されているアレスが不利だと、ソレを観戦する者たちは感じていた

 

 

 

「湊、なぜここに私とアリシアを…」

 

「彼の実力を見るいい機会だと思って。ソレに興味ありますよね」

 

 

「でも、彼って…ソレスタルビーィングにいたんだよね?」

 

「ああ……だからといって、コイツらまで来る必要ないだろ」

 

チラリと目を向けた箒…世界的トップアーティスト《DiVA》にして対Gspirit隊用に生み出されたVS/GSシリーズを駆る《サーカス》、マリア、切歌、調の姿

 

 

ただ無言でアレス、ロランのMS戦に意識を向ける彼女たちに箒の言葉に気づいていない。ただわかるのは勝利を信じて疑わない絶対的な信頼の眼差し

 

それに気圧されたのが気に入らないように、不満げにプイっと視線を背けた。ビーム弾を慣性機動とバーニアによる最小限な動きで躱し、迫るアレスにただ者でないことをMSのハッチにいるロランは肌で感じ取る

 

 

「なかなかの動きだね!でもコレならどうだい!!」

 

 

「……………!」

 

 

ザクファントムのバックパックにあるファイヤビーのコンテナが一斉解放、蜘蛛の子を散らすようにミサイルがワークスザクウォーリアに肉迫する…武装の無いザクウォーリアが防ぐ手だては無い。例え抜けれたとしてもダメージを受けてしまえば負けは確実。二段構えの布陣だ

 

 

「これで終わりだ!」

 

しかし、ザクウォーリアのコックピットに俯き加減に座るアレスの口が微かに動き、スロットペダルを一気に踏み込んだ。迫るミサイルの雨の中へと加速した事に箒、アリシアは明らかに無謀だと息をのんだ時だ

 

「いい腕だ…ロランツィーネ・ローランディフィルネィ………ミサイルによる前方位からの足止め、例え攻撃を抜けたとしても、間隙を縫っての追撃で撃破される。こちらの機体に武器が搭載されていない事を踏まえた戦術だ。しかしオレには通用しない」

 

 

サイドボードを引き出し高速タイピング、サブモニターに機体ディスプレイが開き、バックパックが赤い表示しキー強く叩いた

 

「な、なに!」

 

ガクンとザクウォーリアのバックパックが動きだし見えたのは巨大なアームマニピュレータ。ソレが大地を殴ると瓦礫と土煙が巻いあがりロランのザクファントムのモニターから姿が2機を飲み込んだ。ミサイルが爆発し轟音がひびく

 

 

「く、消えた……高速接近反応、熱源も!?」

 

 

無数の熱源、高速接近反応、さっきまで対峙していた相手が増えたかのような錯覚にとらわれるロラン、しかし冷静さを取り戻し神経を研ぎ澄ませ、装甲越しに相手の気配を探る。鋭いナイフのような殺気を感じビームトマホークを抜きはなつと何かに防がれた

 

 

「………やるな」

 

 

煙が晴れていき見えたモノ…ザクファントムのビームトマホークをワークスアームマニピュレータで受け止めるワークスザクウォーリア…ビームの刃を無傷で防いでる

 

 

「これは対ビームコーティングしたワークスアームマニピュレータ!?」

 

 

「…さすがだなロランツィーネ・ローランディフィルネィ……ふふふ、あははっ…」

 

 

接触回線こしにコックピットにひびくアレスの笑い声…ソレは二人の戦いを観戦している箒、湊、アリシア、マリア、調、切歌にも届いていた

 

 

「な、なにを笑って……ん?」

 

 

思わず声を漏らす箒…しかしマリアたちは何故か呆れてるようにも見えた。アリシアは恐る恐る一番話しやすそうな切歌にたずねてみることにした

 

 

「あ、あの……あの人。あなた達の隊長なんで笑ってるの?」

 

 

「あ、アレはデスね…アレス隊長の悪い癖です!とにかく聞いたらダメでデ~~ス!!」

 

「え?ちょっと…」

 

「アリシアにさわるな!」

 

 

耳を押さえようとする切歌、しかし箒がアリシアの前に出た。時すでに遅かった…

 

 

 

「あははっ…気に入ったぞロランツィーネ・ローランディフィルネィ、オマエが欲しい」

 

 

「はあ!?な、なにを言うんだキミはぁ!?」

 

 

「いった通りだ、オマエの全てが欲しいと…」

 

 

あまりの発言にしどろもどろになるロラン。もちろんMSで戦うのを止めずに…ビームトマホークをワークスアームで受け止め、ソレを軸し回転まわし蹴りでビームトマホークを蹴り上げた

 

 

「私は、女の子しか……」

 

 

「そんなのはどうでもいい。オレはオマエの血、肉、魂の全てが欲しいんだ、ロランツィーネ・ローランディフィルネィ」

 

 

「な、な、な、……そ、そんなこといきなり、私のこと知らないだろ!」

 

 

「答えはすぐ出さなくていい、ロランツィーネ・ローランディフィルネィ、オマエの返事を部屋で待っている…全てを知るのはソレからだ」

 

 

「き、きみは……そんなこと言われても!」

 

 

直球かつドストレートな言葉の数々に色んな意味で翻弄され力任せに殴りかかる…が、ソレを右へ躱し腕を掴むと一本背負いし、ザクファントムはそのまま地面へと叩きつけられ、コックピットにいるロランを激しく揺らした

 

「く、は…」

 

 

意識がもうろうとする中、ロランが見たのは逆行を背にし膝をつくワークスザクウォーリア…そのハッチから出たアレスがこちらを見る姿、ソレを目にしたのを最後に意識を失った

 

 

ーーーーーーー

ーーーーー

 

 

「な、なんなんだアイツは!?」

 

 

いきなりの決着にアリシアは顔を真っ赤にし「告白だよ。あれ」、湊は「議長、彼は貴女の必要なピースなのですか」等々、その空気を振り払うかのよう上擦った声を上げる箒に答えるようマリアたちは口を開いた

 

「私たちの隊長、気に入った相手にはあんな風にかんゆうするの……敵であっても有能ならば男性なら問題ないんだけど…女の人が聞いたら」

 

 

 

「タチの悪い口説き文句にしか聞こえない…これもキアラって歩く快楽天のせい……」

 

 

「海賊の女の子もこれで落としたはず………あとでスゴく落ち込んでましたデ~ス……」

 

 

 

「つまり、アイツはスカウトしてるのか!あんな言葉で!!まさかお前達も…」

 

 

「違うわ、勘違いしてるようだから教えてあげる………アレス隊長は生きる目的を無くした私たちに生きる力をくれた恩人で家族よ………さあ、いくわよ調、切歌」

 

 

「うん」

 

「ハイです!」

 

 

ソレだけ言うとマリアたちは箒たちから離れていく…そんな中、アレスはザクファントムのコックピットを解放。ぐったりとしたロランを抱きかかえた。いわゆるお姫様抱っこで器用におり、艦長に機体回収を要請を告げ停泊しているボスコロフ級へ歩き出した

 

 

「ロランツィーネ・ローランディフィルネィ………オマエが欲しいのは本当だ……オレにはオマエが必要だ」

 

 

と駆けながらもらした言葉、しっかりとロランがきいていた事を知らずに…

 

 

 

PHASE:98.9 Duelー王子VS復讐鬼ー side:ASTRAY

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




続きはシャルロッ党さんの最新話で!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。