オリ主が再びIS世界でいろいろと頑張る話だけど…side:ASTRAY《本編完結》    作:XENON

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歌姫の声が戦場に木霊する


PHASE123? イギリス防衛戦7~8・5─Tiefschwarz・Teufel(漆黒の魔人・序章)─side:ARES─

「………(予定通り食いついたか)」

 

瞳を赤金に輝かせながらナガスミ、ツバサいやバルバトスルプス、リナーシタと距離を取りながら内心で呟いた…思考を分離し接続したヴェーダ、衛星軌道上にある全ての監視衛星から送られてきたのは最大望遠で捉えられた高出力レーザ砲内蔵軍事衛星エクスカリバー。その周りに展開する部隊のヴィジョンが脳裏に投影された

 

(………別働隊を率いてエクスカリバーを制圧するために大東は宇宙に上がったわけか…………コレで《全てのピース》が揃った)

 

 

幾つも分離した思考を一つに戻し、赤金の瞳が一際輝かせヒートグロゥヴを構える…エクスカリバー制圧は予想していたからだ。ヴェーダを使わず自身の魔術回路(サーキット)を使い分離した思考人格を霊子化(プログラム)、各種衛星を掌握(ハッキング)しおのが目とし監視のみに務めていた。まさか、あの世界で学んだ魔術知識(メイガス/ウィザード)を使うとは誰が予想できただろうか?

 

オカルトであろうと使えるモノは使う、そう彼女から学んでいたのもある

 

 

 

─坊や、相手が様々な手練手管を使うのを得意とするならば、その相手が取るべきであろう戦術、戦略を予想し逆手に取り利用できるように組み上げなさいな─

 

 

─逆手にとり利用出来るように……か?─

 

 

─ええ、さあコレも課題にしますわ。坊や?─

 

 

 

 

自分にとって師とも言えるユーナ・クロスハートとのやりとりを思いだしながら、最期のピースを嵌める時を伺う

 

 

後に《漆黒の魔人》と畏怖され、憎悪の目を集めることになるまで、あと僅かな時を擁する

 

 

 

 

PHASE1??イギリス防衛戦XX─Tiefschwarz・Teufel(漆黒の魔人・序章)─side:ARES

 

 

ビームと実弾、ミサイルがイギリスの空を彩り街が火に包まれMSが無残な骸をさらす中、白と黒が空を駆ける

 

 

「やるね!」

 

 

「…ち、速い」

 

 

純白の機影はZGMF-124《ウーンドウォート》、対するは漆黒、GAT-X105E《ストライクノワール》だ。コンポジットシールドブースターを構えメガ粒子砲を三度撃つもバレルロールし回避、フラガラッハビームサーベルを抜きはなつも、ヒートブーレド(耐ビームコーティング済み)で防ぎ鍔迫り合い、何度も刃を打ち付けるロラン、スゥエン

 

 

「細身でこのパワーとビーム出力。化け物か!!」

 

 

「さすがは大戦の英雄が駆った機体の後継機なだけはあるね…でもまだだ!!」

 

 

軽くコンソールを叩く。右手に構えたコンポジットシールドブースターが瞬く間に変形、ウサギにも似た小型MAが二方向から迫る

 

 

「っ!MA型の誘導兵器だと!?」

 

 

ビームライフルショーティを構えリニアカノン展開、同時に一斉射でMAを牽制、接近するウーンドウォート・ラーのヒートブーレドをフラガラッハビームブレイドで防ぐ、接触回線がひらいた

 

 

「やるじゃないか…彼と戦った時以来だよ」

 

「彼?こんな時に惚け話か!!」

 

 

「そうとも言えるかな…この機体は私の初めての彼氏…アレスが作り上げたモノだからね」

 

 

「アレス……奴が作った…だと!?」

 

 

ヒートブーレドをバーニアを全開にフラガラッハビームブレイドで打ちつけ離れたルウェン。じわりと汗が頬を伝う

 

「(マルス……いやアレスが作った機体だと?MS設計が出来るのは知っていた…それより戦ってみてわかったが……この機体から何かを、まるで…いや今はトレミーに近づけるわけにはいかない)」

 

 

「へえ、まだやるんだね……」

 

 

声で笑いながらも鋭い眼差しを向けるロラン、しかしルウェンは内心焦る。ウーンドウォートを駆る彼女が口にした言葉が真実で、もし万が一にトレミーに近づいて戦い、音声を拾われたらどうなるか…

 

「ああ……(…雪音、御門、ナカジマ、ストラトス、織斑が鬼になる、ソレだけは避けなければ)」

 

 

ルウェンの脳裏に浮かぶのは、簀巻きにされ吊され冷や汗をだらだら流すツバサ、鬼のようなオーラを浮かばせながら笑顔でオハナシする五人…

 

その空気に耐えられず涙目になるティアーユを必死になだめていた。これ以上火に油を注げばとんでもないことになると、マルスことアレスを軽く恨みながらフラガラッハビームブレイドを構えた

 

─────────

────

 

イギリス防衛戦、湾岸部…ザフトとイギリス防衛軍による戦闘は苛烈さをましていた。ビームサーベルが煌めきミサイルとビーム弾の交錯し一進一退の様相を見せていた

 

その中に巨大な鎌を振り回し、機体を覆うほどの回転円刃で防衛軍を撫で斬る二体のMS…VS/GS-02《イガリマ》、VS/GS-03《シュルシャガナ》の姿があった

 

「もう~うじゃうじゃ大盛り団体さんデスよ!!」

 

 

「切ちゃん…落ち着いて……でも数が多い」

 

 

うんざりとしながらM1アストレイ3体を纏めて巨大鎌を振るい真っ二つに斬り捨てる切歌、背中をあわせるように調もキンゲツリンを解除し見るのは、新たな増援を知らせるアラートに二人は首に掛かるペンダント、シンフォギアシステムを手にした

 

「ならば勿体ぶらずお披露目するデスよ!」

 

 

「うん…いくよ」

 

 

─Zeios igalima raizen tron………─

 

─Various shul shagana tron……─

 

 

聖詠が戦場に木霊し、赤と緑の光がイガリマ、シュルシャガナを包む…光の中で各部装甲が分解、再構築され現れたのは戦女神ザババの刃が一振り《紅刃シュルシャガナ》の名を冠するVS/GS-03EX《シュルシャガナ》、そして二振り《碧刃イガリマ》VS/GS-02EX《イガリマ》が姿を現す

 

 

「行くですよ調!」

 

 

「うん、切ちゃん」

 

 

『危険信号点滅、地獄極楽どっちがいいDeath─』

 

 

『二つ結びの輪廻、お仕置きのスタート─』

 

 

「な、なんだ!これは歌?(痛みが無い?)」

 

 

「こ、これってDiVAの……(なんだろ力が湧いてくる)」

 

 

疲弊したザフトMS部隊の躰に染み渡る歌声…戦陣を切り翆刃の大鎌を振るイガリマ、禁月輪を駆り駆逐するシュルシャガナ…常軌を逸した戦闘力と二人のフォニックゲインが重なり戦場に響く。その姿に鼓舞され再び立ち上がった

 

 

「DiVAが、俺達の為に戦ってるんだ!気合いいれて行くぞ!」

 

 

「胸が熱くなる歌を聞いたならやるしかないでしょう!」

 

 

世界規模のアイドルグループ《DiVA》、その歌と戦う姿はザフト兵の士気を高めていく。アイドルとしてステージに立った二人にとってフォニックゲイン増幅相乗効果となり現れた

 

 

(ち、力が上がって行くデス!)

 

 

(まるでステージに立った時と同じ…ううんこれはあの時と…)

 

 

 

─切歌、調、スゴく上手いよ─

 

 

はにかんだ笑顔で褒めるタスクの姿が浮かぶ…コレが二人がタスクを好きになったきっかけ…その時の想いがアームドギアに変化をもたらし歌に想いが込められ、イガリマの肩部バーニアとアームドギアである碧刃の鎌、シュルシャガナの禁月輪が巨大化、構えた

 

 

「コレでぇ決めるデェス!(タスクといちゃLOVEするために!)」

 

 

「うん、いこ切ちゃん!(一番は切ちゃんに。私は二番目でいいよ)」

 

─災輪・TぃN渦ぁBェル《さいりん・ティンカーベル》!!─

 

 

 

─β式 獄糸乱舞─

 

歌と共に放たれた深緑の独楽、禁月輪から繰り出された必殺の一撃がはイギリス防衛軍MS十数体を切り刻み、断罪していく様は疾風怒涛の嵐でしかない。反面ザフト兵の目には戦場に舞う歌姫と誰の目からでも映る

 

「隊長、このままでは前線が維持できません!」

 

「な、なんてMSを作り上げたんだ……まさに一騎当千だ!!」

 

 

悲鳴にも似た叫びを上げるイギリス防衛軍MS部隊はATAGの面々の増援をくるのを待つしか無い。シンフォギアシステムの恐るべき力には、まだ底をあることすら知らないままに…

 

 

「……この歌?まさか暁、月読までいるのか?」

 

 

新型機を受領した防人とザババの双刃が出会うまであと僅か……

 

 

PHASE1??イギリス防衛戦XX─Tiefschwarz・Teufel(漆黒の魔人・序章)─side:ARES

 

 

 

 

 




続きはシャルロッ党さんのPHASE123? イギリス防衛戦9、ヘルダイバーさんの最新話で!



アレスは世界の憎悪を向けさせる敵たるか?

  • 敵である
  • 敵じゃない

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