オリ主が再びIS世界でいろいろと頑張る話だけど…side:ASTRAY《本編完結》    作:XENON

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漆黒の魔人、顕現…


全てを覆す魔人…アレスの狂気を知れ


やり過ぎてしまいましたので改訂版と差し替えました


PHASE123? イギリス防衛戦XX─Tiefschwarz・Teufel(漆黒の魔人・顕界)─side:ARES─

「何が言いたい!」

 

『私に復讐すると誓った癖にこの程度なのか?ヴェーダを取られたらはいお終いなのか?もしそうなら期待外れだよ』

 

「っ!言わせておけば!」

 

粒子鋼刀ハウルスブレードを構え斬りかかるが、蹴りで刃の側面を蹴りつけられ。弾かれるがなんとか踏みこたえた…各部サーキットの反応が鈍い。ち、別なバイパスに繋ぐ

 

気づけば綾崎翔真のダブルオーライザーの姿が無い…ツバサのバルバトスも……オレの仇の一人がいない

 

 

『戦略とは頭で考えるものだ。君ならヴェーダに頼らず、私の予想外な策を一つや二つ隠している事は分かっている。だが、其れをしても無意味だ。君は無駄な努力をしているに過ぎない事を気付くべきだよ』

 

「巫山戯るな!お前とGspirits隊に復讐するためにに今まで準備をして来たんだ!」

 

『無意味だと言ったのが分からないかい?我々に精神攻撃をしても無駄だよ。少なくとも復讐だけが行動原理で、プレシアに利用されている今の君如きじゃあ私を殺せないよ』

 

耳障りな声がコックピットに響く中、怒りを静め深呼吸する……グングニルを使うのは想定していなかったが問題ないと判断…機体コンディションはメイン武装は予備システムに切り替え、VEDAとのリンク再構築に5分かかる。

 

 

VEDAを掌握した?ふん、わざとに決まってるだろ?ソレにだこうして話してるのは時間稼ぎだ

 

『それじゃあ...少し遊ぼうか(……なにかな、この違和感は……)』

 

オレのエクシェスを見下ろす百式ベースのカスタム機のコックピットから大東は哀れみを向けてるのだろうな?…何も気づかすに…さて、オレも少し遊ばせてもらおうか

 

アームレイカーを握り占めた

 

PHASE123? イギリス防衛戦XX─Tiefschwarz・Teufel(漆黒の魔人・顕現)─side:ARES─

 

 

同時刻、英国保有高出力レーザー砲《エクスカリバー》…コアに組み込まれたエクシア・カリバーンを救出したGhost隊は無力化の為に内部構造の解体作業に取りかかる中、微かな振動が響く

 

「お、おい、なんだこれは?」

 

 

「エクスカリバーが動いてるぞ!エネルギーチャージが始まってる!回線とバイパスを切断しろ!急げ!!」

 

 

コアルーム内が喧騒に満ち、Ghost隊と解体チームは慌ただしく動きコンソールを操作するもチャージが止まらない…ネェル・ヴェーダにより掌握されたハズなのに関わらず

 

─攻勢防壁及びプロテクト解除……ネェル・ヴェーダとのリンクを強制排除及び霊子ハッキング…霊子領域制圧術式宝具《ロード・キャメロット》展開!─

 

 

ネェル・ヴェーダとエクスカリバーとリンクしたサイバー空間内に巨大な城が展開、ネェル・ヴェーダを完全排除しプログラム言語が光へ変わる中に人影が見える

 

白髪に赤のメッシュが目立つパイロットスーツの少年《アレス・ルセディス》の姿…サイバー空間内にそびえる巨大な城の城壁に腰をかけ躰を奮わし笑いはじめた

 

 

─さて、掌握完了だ……大東、貸していたオレのヴェーダも返して貰うぞ。ハッチ全てをロック、硬化ベークライト注入。コイツらを利用して第三の矢を撃つ。オリジナル、あとは手はず通り進めてくれ─

 

 

───────────

       ─────────

 

 

 

 

「(………わかった……)……どう遊ぶつもりだよ?」

 

 

『さあね。とにかく君は口で言ってわかるような子じゃない。子供だ。ならお仕置きするのが大人の仕事さ!(……なにか引っかかる…まさかね)』

 

 

ビームサーベルを抜き、バーニア全開で迫る。灼熱の刃が胴を薙ぐよう迫る、粒子鋼刀ハウルスで防ぎ、何度か切り結び蹴りを交えた応酬を繰り返すしながらサイドボードを引き出し片手でキーを叩く。ち、まだ焼き切れた回路があるか…思考100に分散し並列思考!戦場にいる《オレたち》を呼ぶ

 

 

「く!(VSGS全機、シンフォギアシステムによる対消滅バリアコーティングによりEMP無効化、フルスペックで稼働可能………現戦況を打開、海上及び海中に展開する艦隊へ対処ミッション実行指示!)」

 

 

『アレスくん、ヴェーダがない、本来のスペックではないその機体じゃ私には勝てないよ?さあ降伏するんだ(…ヴェーダをハッキングしたから焦ってるのかな…いや。これは…)』

 

 

「降伏?んな事するかよ!(ブレイジングはミネルバで簡易メンテナンス完了、ウーンドウォート・ラー、対Emp問題なし。────召喚と同時に上空部隊へミッションプランをロランに提示!!)」

 

 

ビームサーベルの切っ先が手首を切り裂く、粒子鋼刀ハウルスが手から離れ、胴へ蹴りが入り揺れるコックピット。アームレイカーを握り耐えるもビルに叩きつけられ。孤を描きビルに突き刺さる…

 

 

『さあ、これでチェックメイトだ(…………おかしい、こうも簡単に下せるのは……)』

 

 

メインモニターに百式…いや機体識別データが更新され千式がビームライフルの銃口をハッチに突きつける姿が見える…ダメだ、もうガマンできない…滑稽すぎてな!

 

 

「くくく、アハハハハハハ!チェックメイトだと……笑わせて来れるな」

 

 

『ふう、状況が見えてないのかな?現に君たちザフトは……(………ネェル・ヴェーダから緊急通信?………こ、これは…まいったね。ヴェーダを掌握されちゃったか。しかも裏コードは無効化されてる。ま、予想通りだけど。アレス君はまだナニかを仕掛ける気かな?)』

 

 

「甘いな……」

 

 

─メーデー、メーデー!なんだ、あれはうわあああ!!─

 

ノイズ混じりに響いた通信がブツリと途絶え。イギリス上空を桃色の閃光に染まり航空部隊の半数が光に飲まれる…生き残った編隊に円盤にも似た何かがビームを発射纏めて落としていく…

 

 

「ふう、コレがウーンドウォートの強化ユニット《インレ》か。凄まじいモノだね」

 

 

巨大な半円形スラスターユニット両サイドにMAビットを懸下、戦艦の半分ほどある巨大なビーム砲《ハイパー・ロングレンジ・ビームキャノン》を構えるウーンドウォート・ラー《インレ》のコックピットに座るロラン…グングニルによるダメージを受けず、ストライクノワールとの戦闘の最中に新たに指示されたミッションプランを受け取り、離脱と同時に量子空間より現れた巨大な半円形ユニット《全領域制圧戦闘拡張装備インレ》とドッキング、航空部隊への大出力ビーム砲撃を撃ったのだ

 

その威力はコロニーレーザー出力の半分、巨大ながらも加速性能と機動性に航空部隊は追いつけない、半自立行動型MAキハールにより接近する前に撃墜される

 

「こ、この回避性能……無人機か!だがやりようはいくらでもあるんだよ!」

 

 

 

キハールが後から迫る。フラップを展開、エンジンを切る…キハールが追い抜く。同時に再点火、ミサイルを切り離し、進行方向へ機関砲斉射する。回避行動を取るキハールにミサイルが着弾、爆発四散する

 

 

「はあ、はあ、こちとら何年も空を飛んでるんだよ…」

 

 

酸素マスク越しに叫ぶ…彼のように対処出来るパイロットもいる…キハール部隊と戦闘機部隊がドッグファイトを繰り広げて、閃光と共に魂が散る。さらにインレ下部にある複数のウェポンベイからコンテナが複数降下、弾けた

 

「な、なんだ!タンク?いやバクゥ、MAだと!」

 

優勢を誇っていた戦車部隊の前に降下したコンテナから小型MAダンディライアンが複数展開、瞬く間に戦車を踏み潰し、ガトリングガン、ビームカノンを斉射の前に沈黙していく…火の粉舞う地上を進軍する様にちりぢりとなり逃げるもビームに焼かれ、押し潰され戦車乗り魂は跡形もなく砕け無残な骸を晒すも、ダンディライアンのコックピットが撃ち抜かれ爆発する

 

 

「っしゃ!一機落とした!」

 

 

「各車両に継ぐ、空のヤロウ共と戦ってるやつと同じ無人機だ!……だが油断するな。戦列を乱さず当たれば怖くはない!」

 

 

無人機だと見抜く戦車部隊の隊長が指示を飛ばし、再編成し、砲檄で牽制し関節部分を狙い体勢が崩れたところで三秒間に5連射により撃破。直ぐにその場を離れる

 

無人機と言えMS、戦力比は痛いほどわかる…しかし燻っていたとはいえ一流の戦車乗りだからこそ陸の事は熟知しているのだ

 

 

無人機と有人機…一進一退の工房が空と陸で繰り広げられていく

 

 

 

 

 

ソレは海上艦隊も同じだった…歌が響き、空母、戦艦が切り裂かれ、巨大な戦輪、ヨーヨーがブリッジに深々と突き刺さる

 

「EMPでMSは動けないんじゃないのか!」

 

「敵機接近!弾幕を張れ!!」

 

 

「これで真っ二つで~す!」

 

「ソコ!」

 

 

ブリッジが深緑のギロチンに切り裂かれ沈黙、爆発する…物理法則を完全に無視した物質再構成、構築による質量増大した獲物を震う二機、VS/GS-02EX、03EXの姿は海をステージとした演舞に見える

 

 

─強くなりたい、守られるだけだと…─

 

 

 

─強くなる勇気を、心に秘めて…─

 

 

 

シンフォギアシステムは起動すれば対消滅バリアコーティングシステムにより電子機器全てが保護される…その特性に気づいていたのは共同開発者であるウェル博士、キャロル、エルフナイン。制作依頼したマルスことアレスのみ…ウェルを抱き込み、キャロル、エルフナインを拘束したのはシステムの詳細な情報漏洩を防ぐためだったのだ

 

歌が重なるユニゾンの相乗効果によりフォニックゲインは上昇し、装甲が変化して出力向上によりアームドギアが変化していく

 

イガリマの肩部バーニアが増築再構成、大釜を二つに重ね広範囲に幅広く分厚い刃、数隻の艦隊の後方にすでに沈んだ艦に撃ち込んだアンカーが撃ち込まれた

 

 

「纏めて首切りサイクルデス!」

 

 

 

断殺・邪刃ウォttKKK!(だんさつ・ジャバウォック!)

 

バーニアで加速された分厚い刃が回頭行動をとる複数の艦隊のブリッジを撫でり

 

 

「背後から来るなんて……許さない!」

 

手にしたヨーヨーが巨大化、側面に荒い鋸歯が展開し回転、そのまま伸ばし迎撃に出てきたMS、戦闘機、海面に潜む潜水艦へ撃ち込む

 

β式・巨円断(ベータしき・きょえんだん)

 

 

MSと戦闘機が無残に切り裂かれ、海を深々と割るヨーヨーに真っ二つに潰し斬られていく。リーンホースⅡのブリッジに座るジュディスは次々と消えていく僚艦の識別信号に唖然となる

 

空はウーンドウォート・インレの制空権及び地上掌握。海上、海中は開放されたシンフォギアシステムの恐ろしいまでの機動力と破壊力は通信越しで耳にする大東にも届いた時、エクシェスのマニピュレータがビームライフルの銃身を掴みあげ、接触回線が開いた

 

 

「空の覇者、陸の覇者か。ここまで持ちこたえるとは賞賛に値する…だがオレがヴェーダに依存している?お前達への復讐が行動原理?全てが無駄だと言ったな………ソレは間違ってるぞ、大東貴一!」

 

 

『間違ってる?何を……(これは参ったね。してやられた訳だ……さて次は何を企むアレス君?)』

 

アームレイカーに力を込め機体を立ち上がらせた…コンディション、クリア。JewelSeeddrive…良好。スロットルを最大に引き上げ銃身を握りつぶし殴り抜いた

 

 

「…今からソレを証明してやる。なぜオレのMAがないか気づかなかったのか?………今のお前たちは対岸に結ばれた紐だ。それはやがて限界を超えた時千切れる…コレはお前に相応しい裁きだ!」

 

 

VLを展開し崩れ落ちたビルの上に立ち、左手を翳した時、全世界に向け映像が発信された見えたのは檀上に立つプレシアの姿…ゆっくりと閉じた眼を開いた

 

 

『皆様、我々ザフトは現在、身に覚えの無い罪状にて《ある組織》による攻撃を受けてます…彼等によれば四年前に英国が保有する軍事衛星エクスカリバーにエクシア・カリバーンを我々ザフトが組み込んだと。同時にこのような証拠を提示したのです(………やってくれたわね大東貴一。エクスカリバーの件が暴露されたのはヒヤヒヤしたわよ)』

 

 

画面が切り替わる。映されたのはエクシア・カリバーンが組み込まれた機器の前に並ぶ白衣姿の科学者達…その中の一人が拡大された

 

 

『かの人物がザフト関係者であり、組み込みを指示したと、彼等はあろう事か今回のカルガナン基地、海洋基地へ我々ザフトの自作自演だと。しかしながら矛盾があるのです。彼女エクシア・カリバーンがエクスカリバーに組み込まれたのは八年前も前であり、先の画像は第三者である彼等による加工が行われたモノです(あなたが技術士官としてではなく戦術面でも優れていたのを隠し通してた実力は計り知れないわ)』

 

 

─我々は当時のオルコット財団総帥と彼女エクシア・カリバーンの姉チェルシー・ブランケット女史から彼女が不治の病であることを知り延命の為に研究中だった生体融合型ISエクスカリバー組み込みました。ですがイギリス軍部により強制接収されたんです。国防の為にと…八年前ことを四年前にやった?どう見ても無理です。この写真の人物も知りません─

 

 

『ここまで言えば誰もが理解するはずです。真実を隠蔽しねじ曲げ、我々ザフトを『世界の敵』『倒すべき敵』として仕立て上げようとする存在がいたのです……(……アレスがこの情報を掴み事実を隠蔽するのが遅ければ、危なかったわ……ミネルバへの総攻撃もそうていしてなかった)』

 

 

プレシアの映像の下に新たに映されたのは大東貴一をはじめとした面々だ

 

 

『彼の名は大東貴一、Gspirits隊と呼称する部隊はじめghost隊、chameleon隊を指揮下にし、「この事実」をねじ曲げ、我々ザフトを世界の敵として仕立て上げよ、ATAGなる武装集団を組織、我々ザフトが連合より離脱するも治安維持が著しく悪化した国家の為に派兵した部隊へ攻撃を仕掛ける理由は一つ。この世界を彼が属する上層組織が支配するための布石として派遣されたのです…………その組織の名は時空管理局。次元世界の平和維持を掲げながら、実体は新たな世界を見つけては管理という名において現れて、魔法と呼ばれる技術と次元を渡る技術力を見せつけ、同様のやり方を繰り返し支配する事を良しとする組織なのです。その尖兵だという証拠がコレです!(……肝を冷やしたわ。本当に……でもコレで詰みよ)』

 

 

 

その直上にあるのは英国軍事衛星エクスカリバー。エネルギーが限界まで蓄えられ砲身は放電現象を起こしながら方向修正、内部に閉じ込められ孤立したghost隊は砲口が向けられた先は何もない虚空

 

「な、何もない?ドコに撃つ気だ!?大東提督、ハルバートン提督に繋ぐんだ!」

 

 

コンソールを操作し通信を繋ごうとしたと同時にエクスカリバーの砲口から最大出力のレーザーが迸り漆黒の宇宙を奔り現れた影が三つの転移魔方陣を展開、吸い込まれた

 

 

同時刻、次元の海に浮かぶ無数の円筒形構造物で構成された時空管理局《本局》。XV級次元航行艦を要するに

次元航行部隊の拠点…無数の幾何学的転移魔方陣が開きエクスカリバーから放たれたレーザーが本局を飲み込んだ…爆発と共に無残な姿を晒し崩れ落ちていく。

 

第一管理世界ミッドチルダ、首都クラナガン地上本部も数千の職員もろとも極光に飲まれ蒸発…荒れ狂う熱と衝撃波は首都クラナガンの高層ビルの分厚いガラスを吹き飛ばした

 

 

そして…大東貴一の出身世界である地球。連合本部も文字通り、多くの軍人を蒸発させ拡大し光と共に消滅キノコ雲が大気圏まで立ち上る

 

 

その光景は千式のモニターに本局、ミッドチルダ、出身世界である地球(別世界)…レーザーで灼けていく人々の叫びと共に溢れ木霊する中、アームレイカーを握りつぶす勢いで掴む

 

(ヴェーダを再掌握するのは予想してたけど、まさか…ここまでやるなんてね)

 

 

 

 

 

特務艦ミネルバへATAG艦艇による総攻撃の指示を飛ばしていたリーンホースⅡの戦闘ブリッジに座るジュディスは身を乗りだしわなわなと震えだした。プレシアは言葉をつむぎ出す

 

 

『今のを見ましたか。彼等、時空管理局は自らに帰順しない世界に内乱を幇助し猜疑心を煽り、内戦を引き起こし疲弊したところで隣人の顔を装い手を差し伸べ懐柔し管理世界として組み入れた歴史を持つ組織です。今回のエクスカリバーによるカルガナン基地及びオーストラリア海上基地への攻撃は《私たちの地球に住む方々》に猜疑心を煽る為に彼等が起こしたモノなのだと明白の理…彼等の譲渡手段。この世界は今、時空管理局の悪辣な手が内政干渉が迫ろうとしてる。私たちがどうすればこの世界を護れるのか?……………』

 

 

微かに間を置き。プレシアは手を前にかざした。世界中の人々に対して力強い言葉が響く

 

 

『今こそ、私たちは一つとなり時空管理局から私たちの世界を護る為に立ち上がる時なのです!…ソレスタルビーイングはもとより、その尖兵であり卑劣な手段を用い世界を手中に収めようと暗躍する大東貴一率いるGspirits隊、ghost隊、chameleon隊、そしてATAGを排する事が時空管理局より世界を護る事になるのです。私は強制はしません……全てはコレを見た世界の人々の意志に任せます』

 

 

プレシアの全世界に向けた中継は波紋を呼び、ATAG内にも浸透する、イギリス領海でリーンホースⅡ、ATAG艦艇による総攻撃を受けるミネルバ、後方からのリゼル部隊による波状攻撃により至る所が被弾し、艦が斜めに傾くも維持し応急的修理をしたザクファントム、ザク、バビが迎撃に当たるもニックのバスターゼータのビーム砲撃が上半身を融かし、西住まほのストライクMarkⅡのビームサーベルがバビを真っ二つに斬り捨てていく

 

 

「艦長!弾幕を抜けられました!」

 

「くっ…」

 

「ミネルバ………悪いが落とさせて貰うぜ!!」

 

 

バスターゼータが弾幕を抜け、変形と同時にミネルバのブリッジへハイメガランチャーを構え、かつての乗艦への想いを押し殺し、砲口に光が集まるのを目にした唯依は歯ぎしりした刹那

 

 

─強くなる為には 何がいるかを求め続けるだけだと─

 

 

「な、歌?」

 

 

突然、少女の歌声が響いた。ニックは本能的にアームレイカーを引き、 数秒遅れてハイメガランチャーが緑色の巨大な刃に真っ二つに斬りとばされた…深緑の装甲を纏う巨大な鎌を持つガンダム・イガリマ

 

「ミネルバはやらせないデスよ?ここで立ち往生デス!!」

 

「こんな時に新型か!!」

 

 

火花を散らすハイメガランチャーを投げ捨て、ビームサーベルを抜刀しせまる。相手の武器は大きく懐に潜り込めば勝機はあると。振るわれた碧刃を躱し胴を薙ごうと振るうも、バーニアを上方に向け回避する

 

 

「やるな…」

 

「そっちも!このイガリマを…アレス隊長が作り上げたシンフォギアを舐めたら酸っぱい目に合うデスよ!」

 

 

─双斬・死nデRぇラ《そうざん・シンデレラ》─

 

 

アームドギアである鎌を分離、巨大なハサミに変え、再び歌を紡ぎバスターゼータを挟み切ろうと向け迫る。ビームサーベルと翆刃が交差しスパークしぶつかり押し合う

 

 

「ニック!……また歌だと!?」

 

 

─伏せり刻みことない 世界に夢を抱きキスをしましょう─

 

 

ニックの援護に向かおうと、まほはストライクMarkⅡとリゼル部隊に指示を飛ばす…が、再び響いた歌声と無数の小型鋸がリゼル一機を貫き巨大な円刃が孤を描きながら胴と下半身を切り裂き遅れて爆発、爆発の中に浮かぶのは鋸歯が付いた戦刃輪アームドギア《禁月輪》のガンダム・シュルシャガナ…

 

 

「ミネルバにはいかせない……」

 

 

「そうか…なら押し通る!残ったリゼル隊は左右に展開!アローでいく!!」

 

 

正面にまほのストライクMarkⅡ、左右に展開するリゼル部隊…アローフォーメション、戦術教義における機動戦術。正面に敵の注意を引きつけ左右に広がった僚機が左後方、右後方に回り込みΔ(デルタ)の陣形をとる戦術。まほは未知の性能を秘めたシュルシャガナに対して確実な戦術(ドクトリン)をとったのだ。左右後方に回り込んだリゼル部隊が迫る

 

 

 

─強くなりたい、守られるだけど─

 

 

シュルシャガナの頭部にあるツインテールにも似たウェポンコンテナが左右に開き、上下に分かれ先端に巨大な円鋸が勢いよく回転、まほは直感てきになにかすると感じリゼル部隊へ叫ぶ

 

 

「各機、目標から離れろ!!」

 

 

─γ式・卍火車《ガンマしき・まんじかしゃ》、裏γ式・滅多卍切《うらガンマしき・めったぎり》─

 

先端に生成された二枚の巨大な円盤鋸が左右に迫る二機のコックピットを抉り削り斬りパイロットが見たのは血と肉が潰れる音、歌を最期に機体は爆散、伸縮アームを最大延長、機体ごと回転しがら四枚の巨大な円鋸が縦横無尽に残るリゼル四機を撫で切り捨てた

 

 

「…あとはあなただけ……」

 

 

「なるほど、油断できない相手だ」

 

 

ビームサーベルを抜き、ビームライフルを左手に構えたストライクMarkⅡ、まほは倒さなければならない相手と認識しシュルシャガナへバーニアスロットを全開にしせまる

 

 

イガリマVSバスターゼータ、シュルシャガナVSストライクMarkⅡ…空に軌跡を残しながら刃の打ち合う音、ビームの光が煌めく

 

 

ザフト、イギリス、ソレスタルビーイング、ATAGの攻防状況は一進一退、アレスのエクシェスの粒子鋼刀ハウルスをビームサーベルで受けしのぎ、振るう千式。そのコックピットサブモニターには各戦線の状況がリアルタイムでネェル・ヴェーダから送られてくる

 

 

「っと!危ないね(………消耗率が少しヤバいかな…まさかあんなのを投入してくるなんてね…ライブラリにも無いな。ソレに)」

 

 

「………」

 

 

粒子鋼刀ハウルスとビームサーベルがぶつかり押し合う…エクシェスの腰部スペインティルが伸び穿とうと死角から迫る。とっさにバーニアを引き上げ後へ跳び距離をとる

 

戦線の状況、レーザー砲が撃ち込まれたミッドチルダ、時空管理局本局、クラナガン地上本部、自身の出身世界の連合軍本部が気に掛かるも片隅に追いやる…しかし緊急通信が鳴り繋いだ

 

『大東貴一だな』

 

 

「なんだい、今取り込み中なんだけど?」

 

 

小さなウィンドウが開き映されたのは左右に広がるよう逆立った髪にやや神経質な胡散臭さを感じる男だ

 

 

『……オレの名はケナフ・ルキーニ、ロンド・ミナに頼まれたから手短に言うぜ…ザフト加盟国であるアイスランド、ドイツ、フランスからMS部隊、艦隊が出た…意味はわかるな?』

 

 

「……三方向からかい?」

 

 

『……引くならば今だぜ…離脱経路は添付したファイルにある…伝えたからな』

 

 

ソレだけ告げ男、ケナフ・ルキーニは通信を切った…三方向からのザフト加盟国による支援艦隊派遣、ミネルバへ総攻撃しているリーンホースⅡ、ATAG艦艇の背後から来ている。弾薬とパイロットも疲弊してる中で無傷で三方向からとなれば間違いなく不利になる。ネェル・ヴェーダからも同様の回塔が示されたのを見て決断した

 

 

「………ATAG艦艇、リーンホースⅡ及びMS部隊はこの戦域より離脱!!」

 

ネェル・ヴェーダを通し各艦に現在の状況情報を開示し、戦域よりの離脱…撤退に動揺する中で……

 

 

「特務艦ミネルバへ、ソレスタルビーイング。綾崎翔真は旗艦に投降をする……」

 

 

「投降…だと?」

 

 

ミネルバMSデッキに鎮座するダブルオーライザー…その前に立つのは無数の銃口を向けられたパイロットスーツ姿で手をあげる綾崎翔真…

 

ソレスタルビーイング主要人物である彼の投降によりイギリスは辛うじて首の皮一枚繋ぎトレミーへ国外退去を勧告。一方、壊滅的被害を受けたミッドチルダ本局、地上本部、大東貴一の所属する地球統一連合の生き残った首脳陣へある声明が届いた

 

 

『…先のレーザー攻撃は警告だ…もし次に何らかの手を下した時、全ての管理世界を焦土に変えると宣言する…全ては貴君等が派遣した大東貴一提督率いるGspirits隊、ghost隊、chameleon隊を抑えきれない無能さが招いた結果だ。返答及び交渉は一切受け付けない……オレの名はアレス、アレス・ルセディス!お前達の無策を断罪するモノの名だ……』

 

 

漆黒の外套に軍服姿の少年の狂気に満ちた眼、憎悪の炎…彼が本気だと気づいた首脳陣は恐怖しこう呼んだ

 

 

       《漆黒の魔人》

 

 

と畏怖され、ミッドチルダと並行世界の地球における地球統一連合政府、軍部、三つの世界に住む人々から憎悪の眼差しを向けられる事になった

 

 

 

戦いは混迷を極める

 

 

 

 




続きはシャルロッ党さんの最新話で!

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