オリ主が再びIS世界でいろいろと頑張る話だけど…side:ASTRAY《本編完結》 作:XENON
二年八ヶ月前、火星…急進派閥所有コロニー宙域
「……マリア、調、切歌、用意はできたか」
『はい』
『イエスです』
『わたしも』
「これより、トライアルシステム使用時においての戦闘教練を開始する。VS/GS-01、02、03はトライアルシステム起動。アグレッサーであるオレに当ててみせろ………」
抑揚もなく淡々と告げアレスは自身の機体《ワークスジン》、そして自身の設計した対Gspirits隊MS《VS/GS》にアサルトライフルを構え接近し、すり抜け様に反転、弾をばらまく…無数の弾が迫るも散開、フォーメーションを組みながらビーム弾を浴びせ、切りかかり、巨大なビームランスが装甲を滑るようにかすり筋が残る
Mars-day:04ーサーカスー
(……腕をあげたなマリア…調、切歌はまだなれてはいないようだ。だが飲み込みは速い)
『そこです!切ちゃん!!』
『…アレス隊長、覚悟』
左右から迫る切歌、調の機体を軽くバーニアを噴かしスレスレで頭に迫るビームチャクラム、胴をなごうとするトライビームシザーズを回避と同時に銃撃を叩き込む。装甲に火花が生まれるも弾かれる。今、四人は武器にリミッターをかけておらず攻撃が当たれば間違いなく機体はダメージを受け、確実な死が待ち受けている
アレスが乗る機体はザフトのジンを作業用に改修したワークスジン、それに対して三人が乗るのは最新鋭のMS…装甲も機動性、武器も明らかに凌駕しているのに関わらず一撃もうけていないアレスの技量は常軌を逸している
『調、切歌……トライアルシステムを仕掛けるわ。フォーメーション!』
「………」
散開した三機の瞳が赤く輝いた。次の瞬間、センサーを始めとしたありとあらゆるモノが遮断されワークスジンのモニターには砂嵐のみが流れ耳障りなノイズが流れ木霊する
『成功です!マリア!!』
『油断したらだめよ!調、切歌……最大出力で攻撃を仕掛けるわ』
『『了解です!』』
各々の武器を構え身動きすらしないワークスジンに迫る…微動だにしないことに違和感を感じながらも一気に接近、ビームの刃で貫こうとした時、モノアイが光り突き出した刃を持つ腕を掴み上げ、切歌のビームシザーズを受け、調のビームチャクラムをマリアの機体を楯のよう前へ突き出され刃が止まった
まばたきすらも出来ずに起きた事に三人はパイロットスーツ越しに冷や汗を流しながらもワークスジンをみてさらに驚いた
コックピットハッチが大きく開かれノーマルスーツに身を包んだアレスが見えた事で悟った…MSの目と各種装甲にもうけられた外部および内部センサーを含めた計器に頼らずに自らの目と気配を宇宙に晒すことで感じ取り自分たちを制したのだと
「…………マリア、調、切歌…トライアルシステム使用し常に優位性は保てるわけではない。オレのようにOSをカットし目と肌で感じ取れる輩もいる。この場合は遠距離からの攻撃でしとめるのが妥当だ………」
『は、はい…』
「……だが技量はあがりつつある。今日の敗北を糧にしオレにかってみせろマリア……切歌、調」
『な、なにです…にぃ…アレス隊長』
『き、切ちゃん』
「さっきの攻撃、良かったぞ…………現時刻で本日の起動テストおよび訓練を終える、レポート提出を忘れるな…ジェダ、帰投する」
『わかった…………あとでその機体について説明してもらうからな……アレス・ルセディス』
通信が切れ操縦桿を傾け急進派閥所有コロニーのドックへ進路を取るアレス、それに追従するように三機もついてくる
「マリア、アレスにぃ……アレス隊長、はじめて誉めてくれたです!」
「お、落ち着いて…でも初めてだよね…」
「そうね…でも私たちはもっと強くならないといけないわ。アレス隊長の期待に応えられるように……」
モニター越しに頷く切歌、調…マリアも頷きスロットルペダルを軽く踏み誘導灯に導かれデッキへと降り立った
それから一年、アレスは行方不明になりマリア、調、切歌は独自に行動を開始した