リリなの短編倉庫集   作:オウガ・Ω

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………仮面の下の涙を拭え!


魔法少女リリカルなのはstrikers/ブレード
魔法少女リリカルなのはstrikers・after/テッカマンブレード


………ミッドチルダで起きた空港大火災事件、親友たちと共に救助活動に参加したフェイト・テスタロッサ、フェイトが保護した少女ギンガ・ナカジマは見てしまった

 

 

『…………逃がすかブレード!!』

 

 

『ダガー!!』

 

 

 

燃え盛る炎の中で弓を構えた灰色の全身装甲に包まれた戦士《ダガー》が打ち出す矢を切り払い接近する白色の装甲に身を包んだ騎士《ブレード》が両手に剣で弾き切り払い凌ぎを削る戦いを

 

 

『やるなブレード!……だがお前の負けだ!!』

 

 

『!』

 

 

 

目を細めダガーは弓をブレードではなくフェイトとギンガがいる場所へ向け打ち放つ…無数の光弾が迫るのを目にしプロテクションを展開しようとバルディッシュを構えようとする前に白い影が割り込んだ

 

 

 

『う、うおおお!!』

 

 

無数の光弾が白い騎士……ブレードに突き刺さり着弾と同時に爆発、背後にいるフェイトとギンガを護りきると膝をつき肩で息をした時、額の六角形のクリスタルが点滅をはじめたことに焦りの色を見せる

 

 

『(く、これ以上は…)…………ぐ』

 

 

『どうしたブレード?力尽きたか?……膝が笑っているぞ?うん?』

 

 

 

「あ、あの…あなたたちは一体」

 

 

 

『………お前たちには関係ない…………ダガー、今日こそ決着をつけてやる!!』

 

 

『減らず口を……死ねブレード!!』

 

 

 

痺れを切らした灰色の戦士…ダガーが迫る中、静かに立ち上がったブレード。両肩が勢いよく開きクリスタルがせり出し凄まじい光が溢れ出した

 

 

『二人とも目を閉じろ!…オオオオオオオオオッ!ボォォォォルテッカアアアアアアアアアアッ!!』

 

 

『な、なに!ボルテッカだと………ウワアアアアアアーーーーーーーーーーーーーー』

 

 

凄まじい閃光…体内で蓄積された反物質素粒子《フェルミオン》の輝きに包まれたダガーの身体が対消滅を起こし断末魔の叫びを響かせ消え、勢いは止まらず空港の壁を貫いた…圧倒的破壊力にフェイト、ギンガはただ無言のまま立ち尽くしていた。両肩が閉じ彼《ブレード》は振り返った…

 

 

『………今見たことは悪い夢だと思って忘れるんだ……………』

 

 

 

「あ、あなたは一体……」

 

 

 

『!?…………とにかく忘れろ…いいな……クラッシュ!イントゥルゥゥゥゥド!!』

 

 

 

ギンガを見て一瞬、言葉を詰まらせるも叫びと共に緑の光に包まれ先ほど穿たれた穴へと飛翔、まさに光の軌跡といわんばかりの速度で二人の前から消え去った

 

 

 

コレから数年後…新暦74年、六課解散まで後わずかと迫った時。ギンガ・ナカジマ、フェイト・テスタロッサは再び彼と出会う

 

 

…ベルカ諸王時代、聖王連合を壊滅寸前までに追い詰めた狂皇ラダムが生み出した呪われし騎士の力…

 

しかし、白き騎士の裏切りにより狂皇ラダム以下六騎士は討ち滅ぼされ、聖王連合を率いる聖王、覇王、冥王、クロゼルク、エレミアの手でラダム王の生み出した禁忌の術は闇に葬り去られた

 

 

 

しかし禁忌の術は人の好奇心により蘇り一人の少年に地獄と喪失、逃れられない宿業を与え、怒りと共に伝説の白き騎士へと身を変えさせた

 

 

 

「……テック!セッタアアアアアアア!!テッカマン・ブレード!!」

 

 

光と共に現れ、六課のメンバーの前でラダム王の僕たるラダム獣を手にしたランサーで貫き通し、切り捨てる様はまさに鬼…返り血のように浴び殲滅しおえると、光が砕け散り、ソコには大小様々な切り傷から血を流しまみれの少年が倒れ伏していた

 

事態を重くみた八神はやての指示により六課のメンバーに保護された少年。しかし意識が回復するやいなや花を換えにきたキャロを人質にし隊舎を逃げ回りヘリポートへ向かおうと脱走を図ったがシグナム、ヴィータ、スバルが立ちはだかり大立ち回りの末、ようやく捕らえられた

 

 

 

「…なんて奴だ…私の刃を凌ぎ一撃を与えるとは………」

 

 

 

「コイツ、まるでDボゥイだな……」

 

 

 

「ヴィータ副隊長、何ですDなんたらって」

 

 

 

 

「ああ?………デンジャラス・ボゥイ、略してDボゥイだ!なんではやてはこんな危ない奴を保護したんだか…」

 

 

かたや新たなライバル、警戒心むき出し、納得したようにベッドに眠る少年…Dボゥイ

 

 

「えと、君のなまえはなんていうんか?」

 

 

「……わからない…オレはだれなんだ…」

 

 

 

 

はやてとの話をした少年は記憶喪失?らしい…何かを隠していると感じながらも次元漂流者として保護することが決まった…そして

 

 

「はじめまして。私が今日からアナタの身元引受人になるフェイト・T・ハラオウン執務官です……何か困ったら何でもいってね、名前を教えてくれるかな」

 

 

「………Dボゥイ………あと…オレに関わるな」

 

 

 

明らかな拒絶の色と意志を感じさせる言葉を口にしフェイトを残し離れていくDボゥイ…スターズ、ライトニング、ロングアーチのメンバーと距離と壁を作り続ける…しかし少しだけ距離と壁がなくなりかけた時だった

 

 

「久しぶりだね、お兄ちゃん…」

 

 

「深優(ミユ)………」

 

 

「ラダムに戻ってよ。タカヤお兄ちゃん…みんな待ってるんだよ家族なんだから…いやだと言っても力付くでつれて帰るよ……テック!セッタアアアアアアア!!」

 

 

 

六課に突然現れるやDボゥイをタカヤ、兄と呼ぶ少女ミユ、手に握られた赤いクリスタルを翳し叫び赤いクリスタルフィールドに包まれ弾け飛び、漆黒の堕天使《テッカマン・エビル》へ姿にかわり手にテックランサーを構え切りかかる、寸前でテックランサーの刃で受けながら打ち合う

 

 

 

『アハハハハハハハ楽しいね?楽しいよね?もしお兄ちゃん♪♪私たちテッカマンはソコにいる機械人間や凡人の下等種より優れた種だから子供を作ろ。だって血の繋がりはないし大丈夫だよね?愛してるよお兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん………ワタシダケノオニイチャンノコドモヲツクロ♡♡』

 

 

『……ミユ…オレは』

 

 

 

愛の告白をしながら切り結ぶエビル、ブレード……愛憎混じる二人の過去、そしてタカヤに課せられた運命が加速していく

 

 

 

 

『シデン・シドウ……オレの家族、仲間、親友を弄んだ貴様だけは殺す………殺してやる!!』

 

 

 

 

魔法少女リリカルなのはstrikers・after/テッカマンブレード

 

 

 

『……ラダム、ラだむぅぅぅぅ…らだああむううううッ!!』

 

 

 

「お願いです。神様…彼は沢山の大事なモノを失い続けました……兄も、恩師も、親友も、妹も、義姉も……彼から、もう…これ以上なにも失わせないでください」

 

 

 

 

 

 

 

仮面の下の涙を拭え!!




連載はやらないよ

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