ぼっちだけがいない街   作:stright
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よろしくお願いします。


リバイバル

「行ってきまーす」

 

「あ。お兄ちゃん、いってらっしゃーい」

 

桜舞う4月。俺、比企谷八幡は今日から高校生である。入学式の朝、珍しく早くに目が覚めたので早めに学校に行こうと思った俺は、妹の小町に見送られて家を出た。

 

らしくもなくこれからの高校生活に思いを馳せて、ワクワクした気持ちで学校の通学路の途中にある桜並木の下を自転車で通っていた。

 

 

それがいけなかったのだろうか。

 

 

桜並木を通り過ぎた後、俺はある現象に襲われた。

 

「…はあ。またか...」

 

そしていつの間にか俺は先程通り過ぎた筈の桜並木の入り口に戻っていた。

 

--------リバイバル

 

俺はこの現象をそう呼んでいる。これは正確には理解していないが、さっき俺が通り過ぎた場所の時点で起こったであろう何かの出来事の数分前に戻るというものである。そしてその出来事の原因を取り除く、またはそれを防がない限り何度もループするというくそったれな現象だ。

 

この現象に巻き込まれるようになったのがいつからかは覚えていない。しかしこいつのせいで中学の時俺は色々な黒歴史を生み出して来た。俺をぼっちにした大きな原因の一つである。しかもこれはハイリスク・ローリターンであり、危険度が高い割に得られるものなど殆ど無く、得られるのは自己満足のみということも多い。

 

--------それだけじゃあなかったけどな。

 

ひとしきり心の中で嘆いたあと、大きなため息を一つつき改めて自転車を漕ぎながら周りを観察する。

 

この道はそれ程広くはない。並木の入口まで戻ったってことは出口までの俺が進んでいて見える範囲内で何か原因がある筈だ。そして前方には誰も歩いていなかった。

 

「…てことは向こう側か」

 

そう呟いた後、反対側の車道と歩道を見た。今の時間帯はそれ程車の通りは多くはなく、人もあまりいない。それならば簡単にその要因が見つかる筈だ--------そう思い観察していると

 

「ん?あれは...」

 

反対側の歩道の向かいから同い年位の女子が飼い犬にリードを引っ張られる形でやってきていた。見るからに危なっかしい動きでそのまま通り過ぎようとして

 

 

ふと、その犬と目が合った。

 

 

あ。ヤバいわ、これ。

 

 

その予感は正しく、その犬は何を思ったのかこっちに向かって走り出した。

 

飼い主である女子はその急な動きについて行けずにリードを手放してしまい

 

 

そしてその先の犬の飛び出した車道からは黒いリムジンがやってきていた。

 

 

--------くそったれ!

 

 

気が付くと俺は自転車を乗り捨て、そこに向かって走り出していた。

 

犬はやってきたリムジンに驚いたのかその場に座り込んでしまっていた。

 

 

--------間に合えよ、畜生!

 

 

そしてその犬を守るように抱き抱えた数瞬後、

 

 

俺はリムジンと衝突した。

 

 

吹き飛ばされてゴロゴロと道路を転がる。それでも抱き抱えた犬だけは離さないように力をこめる。勢いが収まり体が止まってからやっと力が抜けた。

 

犬は状況が分かっていないのか、腕の中から抜け出して俺の顔をペロペロとなめていた。

 

 

--------本当に割に合わないな。

 

 

薄れゆく意識の中で悲鳴や安否を聞くような声を聞きながら思ったのは

 

 

--------これでまたぼっち確定か

 

 

ということだった。

 

 

そして俺は意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

   




多分続かないです。







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