七、魔法との 不思議な出会い 始まるの
SIDE:リナ
朝日が差し込んできて、あたしは眠たい目をこすって目を覚ます。
「ふわぁ~よく寝た…って、え!もうこんな時間!?」
目覚まし時計をふと見ると、そこには絶望的な数字が…あたしはあわてて学校の制服に着替え、階段を駈け降りる。そしてキッチンにいくと、お母さんがエプロン姿でいた。
「あら、リナ。どうしたの、慌てて…」
「何落ち着いてんの!どうして起こして
くんなかったのよ!?」
「あれ?学校今日からだっけ?ごめんごめん、すっかり忘れてたわ。朝ごはんどうする?」
「間に合わないからいらない!いってきまーす!」
あたしはそういうと、なのはが待っているであろうバス停へ猛ダッシュで走った。
「あ、やっと来たの。リナちゃんおはようなの。」
「…はぁ、はぁ、おは、よう、なのは…
間に合わないかと思ったわ…」
「またお寝坊さんなの?」
「あたしは悪くない!全ては政治のせいよ!」
「それは関係無いと思うの…」
とまぁ、2人で出来の悪い掛け合い漫才をやってると、バスが到着する。乗り込むと後部座席からあたしたちを呼ぶ声がする。
「やっほ~!なのは、リナ、こっちこっち!」
アリサが自分の座ってる座席のとなりをバンバンと叩きながらあたしとなのはを呼び込む。
「おはよう、アリサ。朝から相変わらず
テンション高いわね…」
「すずかちゃんもおはようなの。」
「おはよう、なのはちゃん、リナちゃん。」
あたしとなのはは、アリサとすずかの間の席に座る。
あたし逹4人が友達になって、はや2年が過ぎ、あたし逹は小学3年生になった。
今では4家合同で旅行をするほどの付き合いをしている。
「それはそうと、なのはとリナは宿題ちゃんとやってきたの?『将来の夢』の作文…」
「当たり前でしょ!ねっ、なのは?」
「もちろんなの!アリサちゃんとすずかちゃんもやってるよね?」
「当然!授業の時に教えてあげるわ、私の壮大な夢をね!」
「皆の夢、楽しみだな~」
はは、アリサはいつも自信たっぷりね。
でも、3人共多分予想がつくんだよね…
なのはは翠屋の跡を継ぐんだろうし、アリサはお父さんの事業を手伝いたいって前に聞いた事がある。ああ見えて機械いじりが好きなすずかは工学系の専門職…みんな
しっかりしたビジョンを持ってるわ。
そうこうしてる内に、学校にたどり着いて授業が始まった。作文の発表は名前順だから、すぐに順番がきた。
「リナちゃん、がんばなの!」
なのはの声援を背に受けて、あたしは作文を読み始めた…
「…と言うわけで、あたしは将来お父さんに弟子入りして、トレジャーハンターとして世界中を駆け回ることです。以上、
逢魔リナでした。」
あたしが発表を終えると、一瞬の静けさの後にあちこちから歓声があがった。そう、これがあたしの今の夢。結局前世と同じ
なのよね…ま、お父さんの影響もあるんだけどね。ちなみになのは逹の夢は予想通りだったわ。
時間が過ぎて放課後、あたしたちはみんなと一緒に帰り道。今日はアリサとすずかも歩いて帰るって。アリサが近道を教えて
くれるっていうんで公園の中に入り、池の方へ行くと…
「な、なにこれ…」
池の周りの施設がボロクソになってた。
「ああ、駄目だよ入っちゃ!」
近くにいたお巡りさんに注意される。
「あ、ごめんなさい!なにかあったんですか?」
「いや、昨日の夜に何者かによってボートが壊されたみたいだね。危ないから離れてて…」
いや、何者かがってこんなの人力じゃ無理よ!?それこそ魔法でもないと…って魔法?はは、まさかね…
その時、あたしの頭の中に男の子の声が響く。
『…お願い…助けて…』
今の声は一体…って、なのはが周りをキョロキョロしたかと思うと、突然走り始めた?もしかしてなのはも今の声が?
あたしもなのはを追いかけ、すぐに追い付く。
「なのは!なのはも聞こえたの、今の声?」
「うん!リナちゃんも?」
「えぇ、男の子の声で『助けて』って…」
2人で辺りを探すと、草むらの茂みの影になにか転がっている。
「これって…フェレット?かな…」
「たぶんね…だいぶ弱ってるわ。お医者さんに見せたほうが…」
やがて、アリサとすずかが追いついてきた。
「やっと追いついたわ…ってなに、どーぶつ?」「ケガしてるの?」
「とりあえずお医者さんに連れて行きましょ!」
その後、アリサの行き付けの獣医さんに見て貰ったら、弱ってはいるけど命に別状はないって。とりあえず1日預かってもらうことになって、今日は家に帰ることになった。
…只今メールで相談中…
なのは:あの子、どうする?
アリサ:うちは、犬飼ってるから…
すずか:私の家もねこたちいっぱいだし…
なのは:うちも喫茶店だから、ペットは無理だよね…
リナ:あたしの家は大丈夫だよ?明日お父さんに聞いてみる。
なのは、アリサ、すずか:お願い!
はい、メール終了っと…さて、今日のところは、ってまた声が?
『聞いてください…僕の声が聞こえる方…力を貸して…お願い…』
あの時と同じ声…もしかしてあのフェレットが?すると窓の外から物音がした。
外を覗くと、なのはが外へ飛び出していく所だった。なのはも今の声が聞こえたのね…落ち着いている場合じゃ無いわ!あたしもすぐ追いかけるわよ!
次回いよいよリナ&なのはが変身、そしてリナのデバイスも初公開!果たして中身は誰なのか…って、みんな予想されてるとは思いますが。
では次回「八、お待ちかね リナとなのはが Set Up!」
それではせーの、「「魔法少女リリカルすれいや~ず!〈無印×2編〉、始まります!!」」 (BYリナ&なのは)