と言うわけでサブタイ変更してます。それでは本編どうぞ!
SIDE:スバル
今あたしとティア姉、ノーヴェ、ウェンディは管理局魔導師陸戦Bランク目指して昇格試験に臨んでいる最中。
ティア姉とコンビを組むあたしは順調にターゲットを破壊し先へと進んでいく。
「思ったより順調じゃないスバル?このペースだったら余裕で制限時間クリア出来るわよ。」
ホントに?!ま、大型ターゲットが残ってるから油断は禁物だけどね。
「とか言って噂してたら…来たわよ!」
あたし達の進路を邪魔するように現れたのは大型のガシェットドローン。攻撃力、防御力ともに高い強敵だ。けど!
「ティア姉、懐に飛び込むから援護お願い!」
「任せなさい!クロスファイア…シュートっ!」
ティア姉の放った魔法弾はガシェットのバリアに打ち消される…けど、これは想定済み!
あたしは動きの止まったガシェットの懐に飛び込むと右腕のリボルバーナックルに魔力を込める。…この程度の相手、〈アレ〉を使うなんて勿体ない!
「リボルバー…ブラストっ!」
…撃ち…砕けぇ~っ!
メリメリッ…バキッ!
あたしの渾身の鉄拳はガシェットの装甲を容易く撃ち抜き、中枢部のコアを破壊する。
あたしとティア姉が飛び退いた瞬間、ガシェットは煙を吐き出し動作を停止する。
「やったねティア姉…びくとりぃ~!」
「こら、調子乗らないの!…でもこれでターゲットはほぼ全滅ね。あとは…」
あたしとティア姉はハイタッチを交わしながら喜びあって…
『とぉころがそぉはいかないんだな~?』
?!
「誰よ今の声は…『わぁたしだぁよ?』…いつの間に後ろに?!」
突如響いた謎の声に振り向くとそこには…白と青を基調としたバリアジャケットを着た、般若面の…女性?
『どぉうして疑問符がつぅいてるのかなぁ?』
だって顔が見えないし…じゃなくて?!
「あんた一体誰よ!わたしたちは…」
『管理局魔導師陸戦Bランクの昇格試験でしょ?』
あ、しゃべり方が普通になった。…声質は変わらず怖いけど。
『わたしは今回の試験のラスボスだよ。…実はね、今回の試験のメンバーはある意図があって集められたんだよ。』
「ラスボス?…ある意図?」
なんなんだろ?
『あ、ちなみに昇格試験は今のターゲット破壊で合格だから。だからここからはエクストラステージ…やりたくなけりゃ終了でもいいけど?』
「冗談でしょ?こんな面白そうな事見逃せるわけないじゃん…ね、ティア姉?!」
あたしは横にいるティア姉と目を合わせる。
「そうね…意図ってのも気になるしね。で、あんたを倒せばクリアなの?」
ティア姉の言葉に般若さんは手を左右に振って否定する。
『にゃはは、それはそれで面白そうだけど…今回はこれ。』
そう言って般若さんは胸元から1枚のステッカーを取り出し自分のお腹に張り付ける。星の形をした紋章みたい。
『…ルールは簡単、制限時間内にこのステッカーを奪い取れたらあなた達の勝ちで、逃げ切ったらわたしの勝ち。…これは通称〈エンブレム〉。わたしの友達が通ってた学校で行われてる選抜試験なんだ。』
般若さんは空中にタイマーを表示させる…残りは20分ぐらい?
『さ、鬼ごっこしよっか?準備はいい?』
あたしとティア姉は互いを見会うと頷く。
「スバル、気合い入れ直していくわよ、この人…」
うん、分かってる。この人…強いっ!
…というか、あのバリアジャケット…顔は隠してるし声も変えてるけど…間違いない、『あの人』だ!
「ティア姉、全力でいくよ!」
『うん、いい気合いだね?それじゃあReady…Go!』
掛け声と同時にあたしとティア姉は般若さんを襲う。
…必ずそのエンブレムと仮面剥ぎ取って、びっくりさせて見せるよ…『なのは』さんっ!
NO SIDE
スバル達が謎の般若(?)との試練に挑み始めた頃、会場のあちこちで同じような状況…選抜試験〈エンブレム〉が開始されていた。
この昇格試験に隠されたもう1つの意味それは…
「…それにしても昇格試験を利用して新部隊のメンバーを選抜するなんて…相変わらず無茶するね、はやて?」
「いや~、それほどでも♪」
「褒めてないよっ?!」
試験会場の上空に飛ぶヘリコプターの中で明るく話をしていたのはアリシアとフェイトのテスタロッサ姉妹とちびたぬ…じゃなかった、八神はやての3人だった。
「いやな、優秀すぎる逸材はすぐ上に引き抜かれるやん?それやったら試験自体をわたしらが仕切って使える子は芋づる式に引っこ抜いたろう思うてな。」
「またそんな発言を…陸のお偉いさんから睨まれるよ?」
はやての危ない発言に流石にフェイトが注意する。
「ふん、レジアスのおっさんやったら心配要らへん、無問題(モーマンタイ)や。…管理局の創設時の〈陸の英雄〉か知らんけど、あんなカタブツの言うことなんか聞いてたら何も先に進まへん。…幸い、リンディさんやレティ提督、クロノ君も後ろ楯として後見人になってくれてるから大丈夫、心配あらへんわ。」
「そうだね~…ま、それよりこの子達がはやてが選んだ候補生?」
そう言ってアリシアが見詰めるモニターに映っているのはスバルとティア、ノーヴェとキャロ。もう1つのモニターにはウェンディ、そして…
「あれ?もしかして…、ルールー?」
「あの子の事知ってるのお姉ちゃん?」
ウェンディと共に戦う9歳ぐらいの少女を見て何かに気づいたアリシア。
「うん、ルーテシア・アルビーノちゃん…ほら、あたしが保護官の研修でお世話になったメガーヌさんの娘さんだよ。」
「あ、アリシアちゃんも知ってたんや。この子も中々のもんやで…ベルカ主体の召喚術師なんやけど、適性はスィーフィードらしいてな。」
「「スィーフィード?!」」
はやての言葉に驚くフェイトとアリシア。
「そもそもわたしの部隊のフォワードメンバーの選考基準は『わたしらとの縁』やからな。リナちゃんとこのキャロ、わたしらが助けたナカジマ姉妹にその縁者のティアナ…」
「ここにはいないけどうちのエリオもだね?」
「そうや…やけど、それを理由に採用したら縁故採用やってなるからな~…」
「だからこんな回りくどいやり方なの?」
「ま、裏道はいくらでもあるって事やね。…お、こっちも始まるみたいや。」
「リナ、無茶しなきゃいいんだけど…」
3人が見詰めるモニターにはノーヴェとキャロが試験官と対峙していたのだが…?
SIDE:ノーヴェ
『よくここまで辿り着いたわね2人とも♪でも本番はここか…あれ、どしたのよ呆気にとられて?』
…そりゃ呆気にもとられますって…課題の大型ターゲットを倒したあたし達の前に現れたのは「最終課題」だって言う女性なんだけど…
「「なんでキ〇ィちゃんのお面なんですかっ?!」」
思わず2人の声がハモってしまうのも仕方無いと思う。
『え?一応顔隠しとこうと思ってさ。それより昇格試験はさっきのデカブツで終わり。…ここからはエクストラステージ、あたし達の部隊の選抜試験なんだ。』
選抜試験?それって…あれ、キャロちゃんはなんで頭抱えてんの?
「…それならそうと朝から言ってくれてもいいと思うんだけどなぁ…リナお姉ちゃん?」
え?…えぇ~っ?!
た、確かに言われてみれば細部は微妙に変わってるけどそのバリアジャケットには見覚えが…ホントに?!
『あ、こら?…んもぅ、バレちゃ仕方無いわね…』
そう言って取った仮面の下から現れたのは、4年前より少し大人っぽくなった…でも輝くような笑顔の女性。
「もう駄目じゃんキャロばらしちゃ。…4年ぶりだねノーヴェ、元気してた?」
「リナさん…はいっ!」
でも近寄ろうとしたあたしを手で制止したリナさん。
「そっか、元気なら良かった。ホントならここで感動のハグでもしたげるとこなんだろうけど…まだ試験中だからね。」
リナさんはポケットから1枚の紋章を取り出すとバリアジャケットのお腹に貼り付ける…あれって悪魔?
「この〈エンブレム〉を時間内に奪い取るのが最終課題よ。あたしは逃げ回るけどこっちからは攻撃はしないから。制限時間は…20分。」
リナさんは空中にタイマーを表示させる。
「…キャロちゃん、あたしが突っ込むから牽制お願いできる?」
「はい、わかりました!」
あたしたちは頷きあうとリナさんの方に向き直り構えを取る。
「…準備はできたみたいね。それじゃあ…」
「Ready…Go!」
「〈氷結弾/フリーズ・ブリッド〉!」
「いくよリナさんっ!リボルバー…スパイクっ!」
開始と同時に放たれたキャロちゃんの氷結弾の合間を縫ってあたしは先制の蹴りをかます。でも…?
「…ふぅん、ストライクアーツか…なら?!」
リナさんが蹴りを受け止めた瞬間光を放ったかと思うと、リナさんのバリアジャケットが格闘型に。…これって?
「お姉ちゃん、オーバーソウルモードはやり過ぎだよ?!」
「大丈夫よ、今回はジャケットだけだから。ノーヴェが格闘型なんならあたしも合わせないとね。…ミッドチルダ初代修練闘士・逢魔リナ。本気は出さないけど、手は抜かないわよ?」
「当然ですよ、でも必ず勝ちますよリナさん!」
「んもぅ…でもわたしも頑張りますっ!」
あたし達のエンブレム(部隊証)をかけた戦いが幕をあけた…憧れのリナさんと同じ部隊に入れるチャンス、絶対見逃せない!
ウェンディー&ルールー
「「出番は~?!」」
すまん!次回はあるから我慢してくれ!
それでは次回「六十八、起動する みんなの夢の 部隊なり」
いよいよ六課起動、チーム分け発表です。原作とはだいぶ違うのでお楽しみに。