でも執筆頑張ります!
NO SIDE
リナ達の故郷・第97管理外世界〈地球〉の一都市、海鳴市に発生した異質な魔力を探知した機動六課はそれを調査するためリナ率いる特務班〈チーム・ナイトメア〉を派遣する。
一方、海鳴市にある事情で滞在していたユーノは異世界から現れた謎の少年・秋月タカヤと邂逅していた…。
SIDE:タカヤ
な、何でユーノさんがここに?確かにここは地球上のどこかではあるはずだけど…
『…?!…おいタカヤ、もしかしてここは平行世界の地球なんじゃ?』
「平行世界?そうか、それなら…」
平行世界なら同じ人物がいても不思議は無いか…
「…どうやら君達、訳ありみたいだね。僕の名前は逢魔・スクライア・ユーノ。君の名前は?」
逢魔?何処かで聞いたような…
『逢魔だって?!もしかして古より〈退魔の一族〉としてあの有名な逢魔家か?』
…!
「そうか、思いだしたよ…遥か遠い昔、平安時代に九尾の狐に呼ばれたご先祖さま(四代目・睛狼/セロ)と一緒にホラーと闘った魔を封じる一族…」
「…その話を知ってるとは…お前、〈魔戒騎士〉だな?」
「義父さん?!」
鋭い声に下を見下ろすとそこにはベストに半袖のTシャツ、ジーパン姿の壮年の男性が。
(いつの間に…キリク、気づいてた?)
『い~や全く解らなかったぜ。それでいてこの鋭すぎるオーラ…ヤバいぜこのオッサ…』
「こら、聞こえてるぞそこのメガネ。…せめてお兄さんと言え」
『ひいっ?!』
はははは…でもこの人、間違いなく強い。それにユーノさんのお義父さんって…?
「紹介するよ。この人は逢魔神威。逢魔家の現当主で僕の義理の父、そして…越えるべき壁だよ。」
「逢魔神威だ…まぁよろしく頼まぁ。」
神威さんは右手をかざして挨拶する。
「はじめまして…僕は秋月タカヤ。お察しの通り魔戒騎士です。それで…」
『俺はキリク。タカヤの相棒の魔導装具だ。』
僕とキリクは自己紹介をすると神威さんに尋ねる。
「神威さん、魔戒騎士の存在を知ってるって事は僕達が追い続けている存在についても…?」
「ああ、勿論知ってるさ。ホラー…確か人間の〈負の感情を依り代として魔界から現れ、その人間に取り付いて他の人々を襲う魔獣で良かったんだよな?」
神威さんの答えは的を射たものだった…概ね間違っていない。
「へぇ…スィーフィード世界の魔族でいうとレッサーデーモンと近いところもあるけど、似て非なるものなんだろうね。」
スィーフィード?…聞き慣れない言葉に尋ねようとした僕の言葉を神威さんに遮られる。
「まぁ今日はウチに泊まれよ。ご先祖さまから代々受け継がれてんだ、〈魔戒騎士〉さまは大事にしろってな。」
(…どうする、キリク?)
(そうだな…ここはお言葉に甘えるとするか。いくらここが平行世界の地球上だとしても相違点が多すぎる…ユンユンみたいにな。)
確かに…僕達の世界のユーノさんは一流の魔戒騎士だけど、目の前のユーノさんは逢魔流の退魔剣士。どちらが強いとかは比べられないけど、計り知れない実力の持ち主には違いないはず。
「…分かりました、此方としても情報は欲しいですからね。」
「そう言ってくれると助かるよ。ところでタカヤくん…」
「タカヤでいいですよ、ユーノさんの方が年上なんだから。」
「そうかい?じゃあタカヤ、さっき初めて出逢ったのに驚いた顔してたのはそっちの世界にも僕がいるからかな?」
流石ユーノさんは鋭いな…ま、隠す事でもないか。
「はい。僕と同じ魔戒騎士です。」
「そうか…うん、納得だよ。」
「それはそうとユーノさん、今は新暦何年なんですか?見たところ僕の知ってるユーノさんより若く感じるんですけど…」
「うん?今は新暦74年、僕は19歳だよ。」
やっぱり。話に聞くJS事変の頃か…って事はノーヴェはまだスカリエッティの元に…?
『もしもしユーノ、聴こえる?』
「あ、通信だ…ごめん、出てもいいかな?」
「あ、はい。お気になさらずに。」
聞いた事のない声だけどやけに存在感を感じるなぁ…
「ここにいるよリナ。なにかあったの?」
ユーノさんが返事すると現れたのは栗色の髪をポニーテールにした女の子…意志の強そうな顔つきをしてる。
『あ、父さんも一緒なんだ…ん、そこの彼は何者?』
「彼は秋月タカヤくん。…次元航行者だよ。」
「はじめまして、秋月タカヤといいます。しばらくユーノさんのお世話になる事になりました。どうかよろしくお願いします。」
僕が自己紹介すると彼女…リナ?さんも返してくる。
「そりゃご丁寧にどーも。あたしは逢魔リナ。そこにいる逢魔神威の一人娘でユーノの義理の姉…そんでもって婚約者(フィアンセ)よ♪」
…?????…
えっ、え~っ?!
「ユ、ユーノさん、フィアンセって…?!」
「…ま、色々あってね。でも僕とリナは前世でも夫婦だったみたいだから。」
ぜ、前世って…でもなのはさんとは…?
「なのは?なのはは確かに大事な友達だけど僕が愛しているのはリナだけだよ。」
『…バカ、カッコつけるなっ?…恥ずかしいじゃない♪』
リナさんは照れて顔真っ赤だけどまんざらでもないみたい。
『…あ、話が逸れちゃったわね。あたしとアメリア、それにうちのチームで明日から海鳴市の異常魔力について調査しにいくからあんたも協力してくんないかなと思って。』
異常魔力?!…それってもしかしなくても…?
『あぁ、間違いなくホラーだな。…おい、ユンユン?』
「…できればユーノって呼んで欲しいところだけど…もしかして君たちの追っている存在と関係が…?」
僕はユーノさんと目を合わせ頷く。
「えぇ、恐らくは。…リナさん、もし差し支えなければ僕達も協力させて貰えませんか?」
「そりゃいいや!おいリナ、この話俺も絡ませてもらうぞ…構わないな?」
『父さんも?!…どーせダメだって言っても無駄なんだろうし、いいわよ。…タカヤだったっけ、後で知ってる情報提供してもらうかんね?』
「はい、よろしくお願いします!」
リナさんは悪戯っぽく笑って受諾してくれた。
この世界の管理局の状態は解らないけど、やっぱり理解してくれる協力者がいてくれるのは有難い。
「ところでリナ、今回の任務は君のチームと僕達だけかい?」
『うんにゃ、民間協力者って事でアリサとすずかにも頼んどいた。2人とも二つ返事でOKだってさ。』
え?アリサさんとすずかさんって…?!
「あの~、アリサさんとすずかさんってアリサ・バニングスさんと月村すずかさん…ですよね?」
僕は恐る恐るリナさんに尋ねる。僕の世界の2人は魔法の存在は知っててもただの一般人だったはず。そんな2人をホラーとの戦いに巻き込むのは…
「そうだけど…あ、もしかしてタカヤたちの世界の2人も魔法が使えないの?」
「『…はい?』」
「タカヤ、この世界の2人は嘱託の空戦魔導師なんだ…なのはたちと同じ頃からね。」
「『…………』」
…ユーノさんの言葉に思わず絶句する僕とキリク。それでもキリクは反論する。
『…ま、魔導師って言ってもどれくらいの実力…』
『2人とも空戦AAAよ。あたしやなのはたちには届かないけど戦力としては申し分ないわ。』
『……………』
(き、キリク大丈夫?)
(…なあタカヤ、お前の魔導師ランクっていくつだった?)
ちなみに僕の魔導師ランクは総合B。魔戒騎士としての力は加算されてないから仕方ないんだけどね。
どうやらこの平行世界、思った以上に違いがあるみたいだ…ね。
『そんじゃ明日のお昼に翠屋で打ち合わせしましょ?うちの子達もユーノお兄ちゃんに会いたがってるから。』
「わかったよ。じゃあ。」
ユーノさんがそういうとリナさんが画面から消えた。あの人がユーノさんの思い人か…
『でもユンユン、さっきリナが言ってたうちの子達ってのは何なんだ?』
「リナが隊長をしてる部隊のフォワードの子達だよ。2人いるんだけどどっちも可愛らしいけどしっかりした子達だよ。」
へぇ、ユーノさんがそこまで言うなんて…会うのが楽しみだな。
でも僕は知らなかった。 その内の1人が僕の世界で一番大事な人だって事を…
次回はリナたちも合流…そして運命が動き出す?