でもお色気はありません(笑)
NO SIDE
ノーヴェが初遭遇したホラーに竜破斬[ドラグ・スレイヴ]をぶちこみ、タカヤを呆気にとらせていた頃、他のエリアでも…?
SIDE:リナ
『…神滅斬[ラグナ・ブレード]!』
あたしの虚無の刃がホラーを切り裂き…
「フリード、レイ・ブラスト!」
「ワギャァ!」
キャロの指示でフリードの火炎弾がホラーを焼滅させる。…どうやらこの辺りのホラーは全滅したみたいね。
「よくやったわキャロ。フリードもお疲れさん。」
「ありがとうリナお姉ちゃん!」
「ワギャ!」
こら、任務中は「お姉ちゃん」は無しって言ったでしょ、もう…
「あ…ごめんなさい…」
ま、別になんて事は無いんだけどさ。
「あ、リナ!」
「2人とも大丈夫だった…ようだね。」
声のした方を見ればアリサとすずか…あんたらこそ大丈夫なの?
「あん?〈烈火の武偵〉と〈怪異殺しの後継者〉を舐めんじゃないわよ?」
「あの程度だったらアリサちゃんの焔の弾丸とわたしの氷の刀で瞬殺だよ♪」
そりゃそうよね…アリサとすずかはAAAクラスの空戦魔導師。下級の魔獣なんかじゃ相手になんない。
「でも気を付けて。もしホラーがアイツをベースに作られたのなら…魔導師にはキツい相手だから。」
前世でもアイツの魔法防御には苦戦したからなぁ…。
「ま、なんとかなるでしょ?それより…」
「必殺、『平和主義者クラーッシュ』!」
「頑張ってくださいアメリアさん。陰ながら応援してますから。」
「任せてください!悪しき存在はわたしが一掃しますっ!!」
…いや、仕事しろよゼロス…そんでアメリアも調子に乗らないの!
「タカヤが言ってたでしょ、ホラーの返り血を浴びたら危険だって。…よく普通に殴れるわね?」
「そんな呪い正義の心があれば平気ですっ!」
平気なわけあるかぁ~っ?!…いや、アメリアに限らずセイルーン王家の人間って色々チートだしなぁ。ナーガあたりなら毒の海でも普通に泳げそうだし。
「どうやら今日の処はあちらも様子見の尖兵、といった感じの様ですね。肝心の写本の気配が感じられません。」
え、そうなんだ?じゃこれ以上の探索は無意味か
「…タカヤ、ユーノ、聞こえる?こちらナイトメア01、リナよ。」
『こちらタカヤ。どうしましたリナさん?なにかありましたか?』
『こちらユーノ。どうやら今日は空振りみたいだね。』
そうね…ま、初日から成果が出るとは思ってもないし、一旦翠屋の前に集合ね。
『了解、直ぐに戻るよ。』
『僕もすぐに…あ、ノーヴェ、一度離してくれないかな?』
『…は~い…』
なんでタカヤの背中に抱きついてんのよ、ノーヴェ?
で、翠屋に集まってみると…あれ、母さんと桃子さん?
「お帰りリナ、キャロ?」
「他の子達もお疲れ様。」
母さん、珍しいじゃない…なんか用でも?
「あんた達にこれを渡したくてね。…はい、スーパー銭湯の特待券♪」
あ、これ最近オープンした…どうしたのこれ?
「この間商店街の福引きで当たったんだけど行く機会がなくてね。ちょうど人数分あるから入ってきたらと思ってさ。」
「サンキュー母さん。ありがたく使わせて貰うわ。」
「リナお姉ちゃん、銭湯って何?」
「あたしも初めてです…」
フォワードの2人は聞きなれない言葉に戸惑う。…そっか、ミッドチルダには無いもんね、銭湯。
「銭湯ってのは皆で入る大きなお風呂屋さんのことですよ!わたしも久し振りですっ!」
アメリアもなんだか嬉しそうだ。
「父さんは引率者で…男4人女6人か。タカヤは銭湯行った事ある?」
「いや、実は行った事ないんです…基本、旅をしてる間は野宿なんで川で水浴びとか?」
『俺もスーパー銭湯ってのは初めてだな…ずっと昔に湯屋には行った事あるんだが…』
あら意外…でも、それだったらちょうどいいじゃない。今日は任務終了、皆でスーパー銭湯行ってゆっくりしましょ?
「「わ~いっ!」」
「ち、ちょっとリナさん、そんな悠長な…?」
タカヤが難色を見せるけど…
「まぁいいじゃありませんかタカヤさん。恐らく親玉のホラーは今日は出て来ませんよ。…辺りに気配を感じませんでしたからね?」
「むう…分かりましたよ。」
ゼロスにあしらわれ敢えなく撃沈。それじゃ父さん…
「ちょっと待ちなさい、もうすぐ…あ、来たわ!」
「お待たせいたしましたアリサお嬢様。」
そこに現れたのは超高級クラスのワゴン車…運転してるのは勿論「バニングス家のスーパー執事」、鮫島さんだ。
「お久しぶりですリナ様、アメリア様。」
「こんばんは鮫島さん!」
「ご無沙汰してます!」
「さぁ、話はあとあとっ!湯上がりのコーヒー牛乳がわたしを待ってるんだから!」
アリサが他の皆を急かせる。ちなみにあたしはフルーツ牛乳派だけどね。
「俺はもちろんビー…」
「それは義父さんだけでしょ?」
ま、運転しないからいいけど…飲み過ぎないでよ父さん?
「わーってるって…リナ、お前近頃ほんとに時雨に似てきたな…」
父さんの戯言は放っといて…みんな乗った?じゃ、スーパー銭湯「海鳴スパーランド」へしゅっぱーつ!
SIDE:キャロ
なんやかんやでやって来ましたスーパー銭湯!
「ふぇ~っ…」
「凄く広い…」
初めて銭湯に来たわたしとノーヴェさんは呆気に取られてしまった。
「こらこら、ぼーっとしてるんじゃないの。まずは大浴場に行きましょ?」
「うん、それがいいかも、初めての子達もいるしね。」
アリサさんとすずかさんに連れられたどり着いたのは大きな浴槽のある大浴場。
「まずは身体を洗って湯船に入るのはその後よ。いい?」
「は~い!…おいでキャロ、背中流したげる。」
「あ、お願いしますノーヴェさん!」
わたしとノーヴェさんは身体を洗いっこしたあと、湯船に浸かる。
「は~っ…甦る~っ♪」
「ほんと、いい気持ち…♪」
アリサさんとすずかさんは先に湯船に入ってまったりしてる…あれ、リナお姉ちゃんとアメリアさんは?
「…あの2人ならサウナに行ったわよ。汗かいた後の水風呂がいいんだってさ。」
「あ、いいな~あたしも行ってこようかな?キャロはどうする?」
う~ん、行きたいのはやまやまなんだけどなぁ…
〈サウナ…10歳以下の方はご遠慮願います。〉
「それじゃキャロちゃんはわたしと露天風呂に行こっか?」
「すずかさん…はいっ!」
「アリサちゃんはどうするの?」
「あたしはもう少しまったりしてるわ…風邪引かないようにしなさいよ?」
そう言って湯船に浸かったままのアリサさんを置いてわたしとすずかさんは露天風呂へ。
「うわ~っ、星が綺麗…」
「今日は風が無いからそんなに寒くないかもね。」
わたしとすずかさんは湯船に浸かり星空を見上げる。
「ねぇキャロちゃん、機動六課はどう?訓練とかついていけてる?」
「はい。わたしやエリオくんはまだ成長途上だからって、リナお姉ちゃんやなのはさんが別メニュー組んでくれてるので。」
一見スパルタな2人だけどフォワード陣それぞれに適したメニュー組んでるから。
「そう、ならよかった。じゃそろそろ上がろうか?」
そうですね…あ、流れ星!
「ほんとだ珍しい…キャロちゃんは何かお願い事した?」
「へへっ、内緒♪…さ、上がりましょ。」
でも流れ星が見れるなんて…何か良いことあるかも?
NO SIDE
こうして魔法少女たちがスーパー銭湯で戯れていた頃…
「…キュルゥ…」
スーパー銭湯の駐車場に舞い降りた光の中から現れたのは、狐と栗鼠の中間みたいな小動物。毛色は白銀…間違いなくこの世界の生き物では無い。
小動物はふらふらと浮き上がり、1台のワゴン車の空いている窓から侵入する。
運転手の老人は運転席で仮眠を取ってるのか、うつらうつらしていて侵入に気が付いてないみたいだ。
果たしてこの小動物の正体はいったい?…キャラ増やしすぎじゃねーのか作者(タカヒロオー)よ?
次回も風呂場回だよ!
来週末には本土に帰れそうなので宮古島からの投稿は今回が最後かな?
やっと帰れるぞ!