魔法少女リリカルすれいや~ず!   作:タカヒロオー

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今回ちょっと長めです。バトル前の中休み、それではどうぞ!


二十四、それぞれの 決戦前夜 どう過ごす?

NO SIDE

 

リナとナーガの魔力の衝突の余波で現れたアリシアの魂。復活を望む母と姉妹の希望に応え、リナのデバイス、ゼルガディス・ソウルに秘められた蘇生魔法により、アリシアは再びこの世に蘇る。

 

そしてテスタロッサ家の一時拘束が告げられたそのあと、フェイトからでた提案は…

 

SIDE:なのは

 

フェイトちゃんからでた提案、それはわたしとの模擬戦。そしてその立会人にリナちゃんを指名って…。でもなんで今?

 

「わたしとなのはが出会ってから、なのははずっと全力でぶつかってくれた。だからわたしも前に進む事ができたんだ。

でも、わたしはまだなのはと全力を出して戦っていない。だからお互いまっすぐぶつかったそのうえで、初めて友達になりたいから、だから…」

フェイトちゃん…うん、わかったの!

 

「わかったよ、フェイトちゃん。その挑戦受けてたつの!」

「お、おい、勝手に話を進めないでくれ。それには…」

 

『あら、それはこちらからお願いしたいくらいだわ。』

「か、艦長?!」

 

慌てるクロノ君を尻目に、リンディさんのホログラム映像が現れた。

 

『なのはさんたちには魔導師ランクの測定をさせてほしいのよ。この間魔力ランクは測定したけど、貴女逹はこの短い間にも

技術は向上してるから測定の一環として

なのはさんとフェイトさんの模擬戦、許可します。』

「「ありがとうございます!!」」

『ただし今日は皆疲れてるだろうし、そうね…3日後にしましょうか?舞台は此方で用意させてもらうわ。貴女逹も身体を休めて、模擬戦に備えてちょうだい。フェイトさんたちはとりあえず、アースラへ。それじゃクロノ、お願いね。』

「…了解です。それじゃフェイト、アルフ、アリシア、それにプレシア女史。アースラへ案内します。」

 

「わかった。それじゃなのは、3日後に。」

 

「うん!!」

 

フェイトちゃんはそういうとクロノ君に連れられ、プレシアさん逹と一緒にアースラへ戻っていった。そしてわたしたちもそれぞれの家に戻る事に。

 

「それじゃまた明日ね、なのは、リナ!」「今日はゆっくり休んでね。おやすみなさい!」

 

アリサちゃんとすずかちゃんが鮫島さんの迎えの車で帰ると、わたしとリナちゃんの2人だけ(くおんとヌクヌクはいるけどね…)。

 

「…さっ、あたしたちも帰ろうか、なのは?」

「うん…あ、あの…リナちゃん?」

 

「ん?何、なのは?」

「…リナちゃん、わたしにカオス・ワーズを教えてほしいの!」

 

わたしは思いきって考えていた事をお願いしてみた。

 

「カオス・ワーズ?!教えるのは構わないけど簡単じゃないわよ。それにあたしの

呪文は魔力消費が半端ないから…」

 

「あ、違うの!実はわたしとレイジングハートで前から考えてた呪文があるんだけど…それを完成させるためにカオス・ワーズを教えてほしいの。」

『わたしからもお願いします。私とマスターの力だけでは完成は難しいかもしれません。』

 

わたしとレイジングハートのお願いにリナちゃんは頬を掻きながら、

 

「…まぁ、教えてもいいけど、その代わりどんな呪文なのか教えなさいよ?」

 

と言ってくれた。わたしはリナちゃんの

耳元に口を近づけると小声でおしえてあげる。

 

「…あのね、ゴニョゴニョ…」

「…!面白いじゃない!!解ったわ、基礎だけは教えてあげるわ。」

 

「ありがとう、リナちゃん!!」

「ただし呪文を完成させるのはなのは、

あんた自身よ、あたしは立会人だから余計な事はいえないからね…」

 

わたしはリナちゃんの言葉に頷いた。

 

「それじゃ明日、あたしの部屋に来なさい。いいわね?!」

「うん!それじゃおやすみ、リナちゃん。」

 

リナちゃんが家に戻り、わたしは決意を

新たにする。絶対に新呪文、ものにして見せるの!

 

NO SIDE

 

それから2日が過ぎ去り、いよいよ明日が模擬戦となった夜、フェイト、なのは、そしてリナはそれぞれの夜をすごしていた…

 

SIDE:フェイト

 

あれからわたしたちはアースラで家族の

一時を過ごしていた。

 

わたしはアルフやクロノと模擬戦に向けて調整、母さんとお姉ちゃんは身体に異常がないか検査を受けたんだけど…

 

「…まさか私の病気が完治してたとは思わなかったわ…」そう、母さんを蝕んでいたはずの病は何故か完治していた。母さん曰く、

「ナーガさんの影響でしょうね…彼女の魔力は計り知れないわ。」

 

っていってたけど。あとお姉ちゃんも検査の結果、生前は持っていなかったはずの魔力が宿っていた。しかも術式適性はカオス・ワーズに向いているらしい。

 

「アリシアもリハビリが終わったら本格的に魔法の勉強ね。ナーガさん、頼むわよ。」

 

『ほーほっほっほっほっほっ!わたしに

任せなさい!!最強の魔導師に育ててあげるわ!』

 

「…教えるのは魔法技術だけよ。もし余計な事教えたら…虚数空間に放り込むわよ?!」

『…はいっ?!』

 

…ははは、ナーガは相変わらずだなぁ…

 

でも、この2日の間でわたしの調整は万全。対なのは用に秘密兵器も用意できた。

 

なのはは確かに強いけど、今回はわたしが勝つ!そしてなのはと友達になるんだ!

 

「がんばれ、フェイト!お姉ちゃんも応援してるからね~!!」

「うん、ありがとうお姉ちゃん。絶対勝ってみせるから!」

 

今頃なのはは何してるのかな…。

 

SIDE:なのは

 

明日に模擬戦を控えた前夜、寝付けない

わたしは道場で瞑想していた。

 

やれる事はすべてしたと思う。この2日間夕方はお兄ちゃん、お姉ちゃんに稽古を

つけてもらい、早朝は魔法の特訓。

リナちゃんに教わったカオス・ワーズで

[最後の切り札]の新呪文も完成した。

 

でも相手はフェイトちゃん。経験では

間違いなく負けてるし、1対1で戦うのも初めて…どんどん不安が強くなっていく。

 

…こんなんじゃ駄目!やっとフェイトちゃんが全力でぶつかってくれるんだ。わたしがフェイトちゃんのためにできる事、それは自分も全力で相手する事、それだけなの!

 

想いが決まり、わたしが目を開くとそこには…

 

「…吹っ切れたようだな、なのは?」

 

にゃ?!お、お父さん?!目を開けた目の前に座りこんでわたしを見つめていたのはお父さんだった…まったく気配を感じさせないなんて相変わらずチートなの。

 

「ん、なんか言ったか、なのは?」

「ううん、なんにも!それよりお父さん、なのはが迷ってること知ってたの?」

 

「それは当たり前だろ?お父さんはお父さんだぞ!家族ってそんなもんだ。」

「お父さん…」

 

「明日、模擬戦だってな?父さんは魔法の事はよく解らんが、相手の子に遠慮せず

全力でぶつかっておいで。…がんばれよ、なのは。」

「…うん、ありがとうお父さん!」

「それじゃ早く寝るんだぞ。おやすみ。」

 

そういうとお父さんは道場を出ていった。わたしも道場を出て、夜空を見上げる。

 

「リナちゃん、今頃何してるかな…。」

 

SIDE:リナ

 

模擬戦の前夜、あたしは1人自宅の屋根の上で星空を眺めていた。

 

「いよいよ明日か…。」

 

模擬戦は海鳴海浜公園付近の海上に結界を張って、特殊な戦場を造るらしい。

 

あたしがぼーっと思いにふけってると、顔に冷たい感触が…

 

「ひゃっ?な、何?!」

「ここにいたんだ、リナ?」

 

思わず身体を起こして振り向くと、そこに立ってたのはユーノだった。全く気づかなかったわ…

 

「ユ、ユーノ?!びっくりさせないでよ、まったく…」

「ごめんごめん、はい、ジュース。」

「あ、ありがと…」

 

 

ユーノはあたしに缶ジュースを渡すと、あたしの隣に座った。

 

「いよいよ明日だね、なのはとフェイトの模擬戦。」

「そうね。まぁ、どっちが勝っても友達になる事は決まってるんだし、後はお互いに悔いの残らないよう全力でね。」

 

「リナはどっちが勝つと思う?」

「あたしは立会人よ?あたしが予想するのはおかしくない?…ただ聞いたところでは2人共この戦いに向けて新呪文を準備してるみたいよ。」

「新呪文?!この短期間で?!」

 

ユーノの驚きは当然だ。本来呪文というのは術式を構築するのに時間がかかる。

ましてや新呪文ともなれば…

 

「…多分フェイトの方はプレシアさんか、ナーガが教えたんでしょうね。でもなのはは…あたしが教えたカオス・ワーズの基礎を理解して、レイジングハートの力を借りてとはいえ独学で新たな呪文を完成させた…」

「ち、ちょっと待って!独学でって…本当に?!」

「えぇ、あの子みたいなのを天才っていうのかもね…少なくとも前世のあたしは同い年の頃にはできなかったわ。

ま、強さは互角だから後は気持ちの強い方が勝つと思うわ。」

 

あたしはそう言うとジュースを一口飲む。

 

「それよりユーノ、あんたこの一件が終わったらどうすんの?やっぱりミッドチルダに戻るの?」

 

「…それなんだけど、実は君のお父さんから、「うちの養子にならないか」って言われてるんだ。」

ブブッー!!

 

あたしは思わず飲もうとしていたジュースを吹き出した。

 

「だ、大丈夫、リナ?!」

「…何それ、初耳よ?!てかどうしてそんな話になったのよ?」

「この間、神威さんに剣術を教えてもらったんだけど、なんだか筋がいいらしくて…養子になって跡継ぎになってほしいって。」

「マジで?!父さんが筋がいいって言うなんてなかなかないわよ?」

 

あの恭也さんにすら言わなかったのに…

 

「…で、どうするつもりなの?」

「うん、受けるつもりだよ。神威さんも

時雨さんもいい人だし、リナっていう姉さんもできるし…」

「?!?!…ね、姉さん?!」

「あれ、妹の方がいい?」

 

狼狽えるあたしにユーノはいたずらっぽく微笑む。その笑顔にあたしはドキッとしてしまった。

 

「…もう!姉さんでいいわよ!!さぁ、

明日も早いしもう寝るわよ!!」

「そうだね。立会人頑張って、リナ姉さん!!」

「だ~か~ら~!!ん、もう!」

 

…なんか最後は予想外の展開だったけど、明日はすごい戦いになるのは間違いないわ。

あたしも気合いを入れて立ち会わなくっちゃね!!




はい、ユーノ君のサプライズ、如何だったでしょうか?

ユーノ君は多分1番設定が原作ブレイクしていく予定です。(なのは逹もだけどね。)
それでは次回、「二十五、白と黒 海鳴の空 大激戦」

次回も見てくんないと…

「暴れちゃうぞ~!」
「駄目だよ、姉さん!」
「…本気でそりはやめて…」

(BYリナ&ユーノ)

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