魔法少女リリカルすれいや~ず!   作:タカヒロオー

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…やっと、ラストバトルにこぎつけました。無印編も今回入れてあと3話(予定)!
早くA´S編に入りたい…


二十五、白と黒 海鳴の空 大激戦

NO SIDE

 

遂に訪れた、魔導師ランク測定を兼ねた

なのはとフェイトの模擬戦。アースラの

ブリッジではその準備が着々と進んでいた…。

 

SIDE:クロノ

 

「エイミィ、戦場の構築は順調か?」

「大丈夫、結界は最大出力で張ってるし、レイヤー建造物も完成。あとは試合を待つだけだよ、クロノ君!」

 

「…その[クロノ君]はよしてくれ。一応

上司だぞ?」

「いいじゃない、訓練校じゃ同期なんだし。それより…どっちが勝つと思う?」

 

エイミィの問いかけに、苦笑いしながら

僕は答える。

 

「そうだな…砲撃能力と防御力ならなのは、近接戦闘力とスピードはフェイト、と

いった所か。経験があるぶん、フェイトが有利とは思うが五分五分だな。」

「ふぅ~ん…あ、今日の主役がご到着だよ!!」

 

エイミィの声にふとモニターの方を見るとなのはとフェイトが到着したみたいだな。2人共すでにバリアジャケットに身を包んで準備は万端のようだな。

 

「クロノ~!こっちは準備OKよ!そっちはどうなのよ?!」

 

…今の声はリナか…いったいどこに…あ、あのビルの上か?!

 

「…こっちの支度は出来た。あとはそっちに任せる。…なのはもフェイトも、悔いの残らないようにな。」

 

「うん!ありがとうクロノ君!」

「精一杯戦うよ!」

…これなら大丈夫だな。後はリナに任せておいて、僕達はここから見させてもらうとするか。

 

SIDE:リナ

 

「なのは、フェイト、準備いい?それじゃ簡単にルール説明するよ?…呪文は非殺傷設定にする事、勝敗は相手が気絶するか、あたしが戦闘不能と判定するまで。

時間は無制限よ。OK?!」

 

あたしのルール説明に2人は頷く。

 

「いくよなのは!今日は全力を出しきって私が勝つ!」

「それはわたしの台詞なの!フェイトちゃんとの全力全開バトル、目一杯楽しむの!!」

 

…今更ながら2人共テンションMAXね…これはいい戦いが期待出来そうだわ!

 

「2人共ポジションに着いた?!それじゃ…Ready…Go!!」

 

SIDE:なのは

 

『マスター、気を付けてください。フェイトは近接戦を仕掛けてくるはずです。』

 

「うん、ありがとうレイジングハート。

さぁ、いくよ!」

 

リナちゃんの合図と同時にわたしはレイジングハートを身構え…ってフェイトちゃんが消えた?!いったいどこに?

 

と思った次の瞬間、目の前にフェイトちゃんが!わたしはあわててラウンドシールドを展開する。

 

フェイトちゃんはそれに構わずバルディッシュを大鎌形態にして斬りかかってきた。ラウンドシールドはそれを受け止めたけど衝撃に耐えられずに破壊され、わたしは吹き飛ばされてビルに激突して突き抜け、ビルが破壊された粉塵が舞い上がり視界がさえぎられた。

わたしはレイジングハートに魔力を溜め、反撃の一撃を狙う。

 

「ディバイーン…バスター!!」

 

わたしの放った砲撃は粉塵を突き抜け、その先のフェイトちゃん向かって一直線!

 

フェイトちゃんはとっさにシールドを張って防御したけど、バスターはシールドを

破壊して、その衝撃でフェイトちゃんを

弾き飛ばした。

 

わたしはこれをチャンスとみて、ディバインシューターを展開しつつフェイトちゃんとの距離を詰めた。狙うのは近距離航空戦(ドッグファイト)。

 

フェイトちゃんの背後を取ったわたしは、展開していた誘導弾で仕掛けてみる。

 

「ディバインシューター、シュート!!」

 

でもフェイトちゃんは難なくそれをかわすとスピードを一気に減速、一瞬で背後に

回り込まれちゃった。

 

「フォトンランサー、ファイア!」

 

フェイトちゃんのフォトンランサーが迫ってくるけど、わたしはビルに突っ込んで

直前で方向転換・急上昇!回避に成功し、そのまま雲の上で幾度となく切り結ぶ。

 

「やるね、なのは!あれからまた強くなったんじゃない?」

 

「当然!フェイトちゃんこそ体調は万全みたいだね!」

 

言葉を掛け合うと、お互いに距離をとって体勢を立て直す。

 

フェイトちゃんの方を見ると、まだ余裕がありそうだ。

わたしの方はというと…実は…

 

SIDE:クロノ

 

「いやぁ~、予想以上の接戦だねぇ…」

 

エイミィの呟きに僕は頷きながら言葉を

返す。

 

「全くだ。特になのははであった頃から

格段に進歩してる。2人共AAAランクは間違いないな。」

 

…もっとも、気になることもある。

なのはの魔力消費が激しいのだ。フェイトは魔力残量は70%前後だが、なのはのそれは50%を切っていた。

 

(今までより使い方が荒い…?!いや、意図的に魔力を消費している?でも何故…?…!!…まさか、な…。)

 

その理由を考えるうちに、1つの可能性に思い当たるがすぐに打ち消した。なのはには確かに才能はあるが[あれ]はSクラスのエクストラスキルだ。簡単には習得できないはず…。僕が再びモニターを見上げると、対峙していた2人が動きをみせた。

 

SIDE:なのは

 

わたしは背後から襲ってくるフェイトちゃんのランサーを避けつつ、レイジングハートと念話で相談する。

 

『このままだとまずいかも…切り札使う前に、一勝負いくよ!』

 

『解りました、マスター!』

 

わたしは最大加速で距離をとると、振り向いて魔方陣を展開、魔力の充填を始める。

多分フェイトちゃんは近づいて接近戦を

狙って来るだろうから、そこを狙う!

 

…と思ったらフェイトちゃんも足を止めて大型呪文狙い?でもここは相討ちでも削りにいくよ!レイジングハート、防御はお願いね?

 

『了解しました、マスター。』

先にフェイトちゃんの呪文が完成する。

 

「サンダーッ…レイジ!!」

 

詠唱終了と同時に上空から雷が襲い掛かってくる。レイジングハート!!

 

『プロテクション!!』

 

わたしの周囲にバリアが張られるのと同時に雷撃が当たり、バリアを貫通した余波がバリアジャケットを焦がす。

 

(…!! 痛! でも、これなら撃てる!!)

 

わたしは改めて構えに力を込め、呪文を放つ!!

 

「ディバイン…バスター!!」

 

チャージ充分のディバインバスターFB

[フルバースト]、絶対に逃がさない!

 

SIDE:フェイト

 

わたしが放ったサンダーレイジはなのはに命中した。でも…あれはプロテクション?ということは…来る!

ドゴォーン!!

 

物凄い轟音と共になのはのバスターが…

って何あれ?!

 

わたしの前に迫ってきたのは桜色の砲撃…じゃなくピンクの壁!!…駄目だ、あれは避けられない!

 

『ラウンドシールド、展開。』

 

咄嗟にバルディッシュがシールドを張ってくれたけど、ピンクの壁は容赦なく魔力を削っていく。それどころかその余波が防護服にまで…。

 

わたしは必死に耐えたけど、かなりの魔力を削られてしまった。バリアジャケットもぼろぼろだ。でも、なのはにもダメージを与える事ができた。

 

『マスター、今が好機です。[あれ]を使いましょう!』

 

バルディッシュの提案にわたしは頷きながら応える。

 

『そうだね。それじゃバルディッシュは、ライトニングバインドの準備をお願い。』

 

わたしがバルディッシュをグレイブフォームに切り替えている間に、バルディッシュは罠を仕掛けていく。後は思惑通りなのはが動いてくれたら…。

 

わたしは切り札になる呪文の詠唱を始めた。

 

SIDE:なのは

 

フェイトちゃんはわたしの砲撃を耐えるとそのまま呪文の詠唱を始めた。

 

『大地の底に眠り在る 凍れる魂持ちたる覇王…』

あれはカオス・ワーズ!海の時に唱えた

雷撃呪文に似てるけど…。とにかく止めないと!

 

わたしは距離を詰めようと加速して近づく。でも…

 

空中に小さな魔方陣が現れ、わたしの右腕と両足、それに胴を拘束する。

 

「せ、設置型のバインド…?!」

(あ~ん、ズルい!先にやられた~!)

 

でも、フェイトちゃんの詠唱は続いてる…何で?!

 

『やられましたね、マスター。バインドはデバイスが処理していたみたいです。』

 

『ど、どうしようレイジングハート?』

 

『…マスター、罠には罠です。防御とバインドは私に任せて、マスターは切り札の準備をお願いします。』

 

!!とうとう使う時がきた。レイジングハートと考えて、リナちゃんにカオス・ワーズ教わって完成したあの呪文を!!

 

「わかったよレイジングハート!知恵と戦術…『そして勇気の』…最後の切り札!」

わたしはバインドを振りほどく振りをして術式の制御を始めた…

 

SIDE:フェイト

 

…ふぅ、うまくいったみたい。ありがとうバルディッシュ。

 

『…汝の蒼き光以て 我らの前を塞ぎし存在に…』

 

詠唱が進むにつれ、わたしの前方に光球

[スフィア]が大量に出現する。この術の原型は、今はいないリニスが教えてくれたフォトンランサー・ファランクスシフト。

それをナーガさんと母さんでカオス・ワーズを組み込んで改良した、最強呪文!

 

『…我と汝が力以て 雷光の槍にて敵を撃て!!』

 

呪文の完成と同時に無数のスフィアが蒼く輝く。これで決める!

 

「撃ち、くだけぇーーー!覇王雷光炮[ダイナスト・ファランクス]!!」

 

わたしの叫びにスフィアが一斉にランサーを射出する。その数、秒間7発×スフィアが38個=1064発!

いくらなのはの防御が堅くても、全てを

削り取る!

 

放たれたランサーはなのはに残さず命中、その視界は爆煙に遮られて何も見えない。でも油断は禁物、止めの一撃!

 

わたしは残った魔力を右手に溜め、雷光の槍を造り出す。

 

「スパーク…」

 

放った槍は爆煙の中に飛び込むと大爆発!

「…エンド。」

 

わたしは荒い息を整えながら、爆煙を見つめていた。自分でやっておいてなんだが、なのはは無事だろうか?

 

すると次の瞬間、信じられない光景が目に入ってきた…。

 

霧が晴れたその先、なのはは意識を保ち

魔方陣を展開していたのだ。しかも…

 

キン!

 

あっというまに、フェイトの左腕と両足が拘束された。

 

SIDE:なのは

 

…うまくいったの。ありがとう、レイジングハート。

 

『どういたしまして、マスター。』

 

…わたしのこの手は小さいけれど、この手にあるのは撃ち抜く魔法…涙も、痛みも、運命も!

 

全てを撃ち破ってこそ、本当の友達になれる!

 

いくよ、知恵と戦術・最後の切り札、星光集束斬[スターライト・ブレイカー]!

 




…なのはちゃんの最後の台詞はどうしてもいれたくて…後悔はしてません!

それでは次回「二十六、激闘の 〆はやっぱり ブレイカー」

次回もリリカル、マジカル…

『ブレイカーーーッ!!』
(BYなのは)

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