無印編ラストバトルもフィナーレです。
お楽しみください!
NO SIDE
フェイトが必勝を期して放った覇王雷光炮[ダイナスト・ファランクス]。
しかしなのはは全てを受けきったうえで、フェイトをバインドで拘束、逆襲の準備が今始まった…。
SIDE:クロノ
…僕は一瞬目を疑った。フェイトの強烈な直射砲撃をくらい、撃墜確実と思われた
なのはが爆煙の中から現れたのだ。
しかも、フェイトをバインドで捕らえ自らは魔方陣を展開、大型砲撃の準備中…!
「エイミィ、今の攻防をスローで見せてくれ。」
「了~解。…これは?!」
…なるほど、射出する前にバインドを設置、その後多重シールドを張るのをデバイスに委ねたか。だから素早く準備ができたんだ。
「また無茶な…どんだけ愛機[デバイス]を信頼してる訳?!」
…まぁエイミィのつぶやきはわかる。
だが生き残り切り札を使うためにはそれしかなかった…。
「切り札?でも、なのはちゃんの魔力はもう…」
「確かになのはの魔力はもうほとんどないはずだ。だが…。」
SIDE:リナ
「…どうやら、なのはは賭けに勝ったみたいね。」
あたしは離れたビルの上から2人の戦況を眺めながらそう呟いた。
まさかフェイトもカオス・ワーズで呪文を強化してくるとは思わなかったけどね。
さぁ、見せてもらうわよなのは!あたしが教えたカオス・ワーズで構築した、あんただけのオリジナルスペルを!!
SIDE:なのは
わたしはふぅ、と息を吸い込むとカオス・ワーズの詠唱を始めた。
『…常世を守りし白輝の聖母よ…』
わたしが力を借りるのは、以前ゼルガディスさんがアリシアちゃんを蘇らせるときに使った[白輝の聖母]。
人を蘇らせるほどの力を持った存在、わたしに使いこなせるかな?と思ったけど…
うまくいくもんだね~。
『闇に潜みし咎人達に 星光集いし滅びの力を…』
…戦いの中でばらまかれたわたしたちの
魔力を再び集めて再利用する。それがわたしとレイジングハートの秘密兵器・集束砲撃スターライト・ブレイカー!
レイジングハートはカオス・ワーズに対応してないけど、魔力は集め直すから問題ないの。
どう、フェイトちゃん?覚悟はできた?
SIDE:フェイト
「まさか…集束砲?!」
…空中に散らばった使用済みの魔力を集めなおして、そのまま直接使用する集束砲撃。これってSランクのエクストラスキルじゃなかった?
『これを見て、フェイトちゃん!』
カオス・ワーズ詠唱中のなのはが、念話で話しかけてきた。なのはがレイジングハートを掲げた頭上には、集まった魔力が直径5mぐらいの巨大な光の球…
白く輝くその光弾に集まっていくのは、
なのはの桃色の光。しかしその中に金色や蒼色の光が…
「あ、あれって私の魔力?ズルいよっ、そんなの!」
わたしは思わず叫んでしまった。でもなのはの念話が無情に響く。
『ズルくないよっ!!全然ズルくないっ!』
SIDE:クロノ
「いや、アレはずるいだろ…。」
僕としてはフェイトに同意だ。
一瞬頭を過ったが、まさか本当に集束砲撃[ブレイカー]とは…。あれは長期戦になればなるほど真価を発揮する。
しかも、自分の魔力まで持っていかれたんだ、愚痴ってもいいと思うぞ?
「エイミィ、救護班の準備だ。もうすぐ
この戦いも終わるぞ?」
「了解。大丈夫かな、フェイトちゃん…」
エイミィの返事を確認し、僕は再びモニターに映る星光を見つめた…。
NO SIDE
フェイトは絶望的な表情で桜色の光を見つめていた。なのははフェイトに念話で話しかける。
『フェイトちゃん、今日は楽しかったよ!約束通り、これで友達だよ!』
「うん…。わたしも楽しかったけど…、
[これ]、やっぱり耐えなきゃ、ダメ?」
『うん、やっぱり決着はつけよう?!』
なのはがそういうと、光の球は暴発寸前まで膨れ上がった。
「…だよね。でもわたしも最後まで!」
意を決したフェイトは、バリアジャケットを再構築し、バルディッシュにラウンドシールドを重ね掛けさせる。そしてなのはの詠唱が今まさに…
『…我と汝が力以て 全てを撃ち抜く閃光となれ!』
『全力全壊!星光集束斬[スターライト・ブレイカー]!!』
ドッゴーーーン!
なのはがレイジングハートを降り下ろすと同時に、まさに桜色の巨砲がフェイトに
襲いかかる。
フェイトの必死の抵抗も虚しく、バリアは一瞬で砕け散り、フェイトは海に叩きつけられた。
SIDE:リナ
「そこまで!勝者・高町なのは!!」
あたしがなのはの勝利を宣言すると同時になのはは海に落下したフェイトの救出に
向かった。大丈夫かな、フェイト?トラウマにならなきゃいいけど…
とりあえずあたしも地面に降りて、フェイトの様子を確認する。…意識は失ってるけど大丈夫みたいね…。
「なのは、おめでとう!すごいじゃない、あの呪文…」
『なのは!!』
あ、クロノ怒ってる。
『いい試合だった…と誉めてやりたいところだが…』
クロノは一旦言葉を止め、そして…
『それ以前に君の戦い方は危なっかしい!後で説教するから覚悟しておけ。』
「う…は~い…」
なのははクロノに言われて凹んでしまう。
『だいたいブレイカーなんてSクラスの
スキルだぞ?いつどこでおぼえたんだ?』
クロノがなのはに質問する。…まぁ、あたしは知ってるけどね。(笑)
「えっと…何となく?」『何となく?!』
「試してみて、リナちゃんにカオス・ワ~ズを教わって…あ、でもいっぱい練習したんだよ?」
『そうか、一杯練習か、それなら…って
出来るか?!』
「ほぇっ?!」
おぉ、見事な乗り突っ込み。クロノ、なかなかやるじゃない!
『ブレイカーはSランク相当のエクストラスキルだぞ?!どうして魔法初心者の君が使えるんだ?』
「わ、わたしに言われても…」
『まぁまぁクロノ君、そこまでにしてあげたら?…まぁ、なのはちゃんも限界突破で魔力使っちゃったから、暫くは筋肉痛だと思うよ?』
エィミイが助け船をだしてくれたおかげでクロノも落ち着きを取り戻したみたい。
『…まぁいい。とりあえず今日は解散だ。救護班からの連絡で、フェイトは意識を取り戻したが疲労が激しいらしいから、次に会うのはミッドチルダに帰るときだな。』
そっか…フェイト達はしばらく拘束されるんだっけ…
「いつ帰るの?」『…来週の日曜日、だったか…とにかくそちらの休日の早朝だ。』
そうか…って今日土曜だから明日じゃん!急すぎない?!
『仕方ないんだ。別れと言っても半年程度だ。プレシア女史も拘束が解けたらこっちに引っ越すって言ってるし…。』
まぁ役所仕事だからね…
『…理解してくれて助かる。それじゃリナ、なのはを頼んだぞ。…また明日、ここで待ってる。』
そう言うとモニターに映っていたクロノが消えた。
さてと、それじゃあたしたちも帰ろっか、なの…
「zzz~」
あは…疲れてねむっちゃったのね…
仕方無い、士郎さんに電話して迎えにきてもらうか…。
おやすみ、なのは…。
活動報告の方で告知はしましたが、無印編終了後、平行して新シリーズを書きたいと思います。(詳しくは活動報告をご覧ください。)
それでは次回、無印編最終回!「二十七、お別れは 新たな出会いの プロローグ」
見てくんないと…
「暴れちゃうで~!」
(Byは〇て)