では、どうぞ!
NO SIDE
ここはとある無人の次元世界。
今日はここでフェイト・テスタロッサと、アルフの嘱託魔導師の試験が行われてようとしていた。
SIDE:フェイト
『…それじゃ、嘱託魔導師の採用試験を
始めるよ!まずは自己紹介から!』
「はい!フェイト・テスタロッサ、9歳です。よろしくお願いします。で、こっちが使い魔のアルフです。」
「よろしく~!」
エイミィのアナウンスにわたしとアルフは返答した。今日は私たちが嘱託魔導師として働くために必要な資格を取るための試験だ。これがあれば、リンディさんやクロノの手伝いができるようになる。
『試験内容は午前中に儀式魔法、午後からは実技試験だからしっかりね。大丈夫、フェイトちゃんだったら問題ないよ!』
「うん、ありがとうエイミィ。」
わたしはバリアジャケットを着装し、バルディッシュをグレイブフォームに展開する。
「それじゃいってくるよ、アルフ。」
「うん、がんばれフェイト!」
わたしはそう言ってアルフに小さくガッツポーズすると、試験開始の合図を待つ事にした。
SIDE:リンディ
「ふ~ん、あの娘が貴方のオススメ?…
使い魔持ちのAAAランク、逸材ね。」私に話しかけてきたのはレティ・ロウラン。私の古い友人で時空管理局の実力者でもある。
「でしょ~!しかも数少ないスィーフィード式の使い手だし、優良物件間違いないわ!」
…まぁ、海鳴にはこの子以上の[超]逸材が2人もいるんだけどね…
「まぁ、リンディの推薦だったら問題ないでしょ?実力、見せてもらうわよ。」
「フェイトちゃん、アルフ、試験始めるよ!準備はいい?」
『はい!いつでもいけます!!』
『わたしもOKだよ!』
どうやら準備はできてるみたいね。まずは儀式魔法からね…2人とも頑張って!
SIDE:フェイト
こうして始まった嘱託魔導師試験。フェイト達は午前中の儀式魔法の試験を難なくこなし、食事休憩に。
「ねぇフェイト、午前中は楽勝だったね!!」
「うん、クロノに教わって予習したからね。」
わたしは母さんに作ってもらったベーグルサンドを頬張った。
「午後からは何だっけ?」「えっと、確か…」
「午後からは戦闘実技試験だよ~!」
わたし達の話に試験オペレーターのエイミィが割り込んだ。
「ほんとはクロノ君が試験官をする予定だったんだけど、ちょっと急な仕事が入っちゃったらしくて。…で、代わりにスペシャル試験官が今、そっちに向かってるから…頑張ってね…。」
えっ?今の励まし方は何?
「試験官てだれだろね?」「さぁ…誰だろ?」『あ・た・し・よ!!』
え…?今の声、まさか?
目の前に蒼い光が降りてきて、その光の中から現れたのは…
「「リナ?!」」
「ヤッホー、元気にしてた、フェイト?…あたしが今日のあんたの相手よ!」
嘘でしょ?!だってリナだってまだ嘱託魔導師の資格もってないんじゃ…
「それがね、あたしは何か特例らしくて、今回あんたの試験官したら試験パスってクロノに言われて。」
え~っ、そんなのズルい!…でもリナなら仕方ないのかな…
「まぁ、AAAクラスの魔導師の相手できる人間なんてそうそういないからね~。
ただ友達とはいっても、手を抜く気は全くないから。全力でおいで!」
…そうだ、何も怯むことなんてない。なのはやリナに教わったこと、それはいつでも全力全開!
「リナ、わたしはいつでも!」
「OK!それじゃ始めましょ!」
NO SIDE
空に浮遊すると、フェイトは無数のランサーを展開して機動戦をしかける。
しかしリナは冷静に炎の矢[フレア・アロー]を展開して応戦、序盤は互角の展開に…
「やるじゃない、フェイト!スピードはあたしより上かも…」
「当然!!スピードは母さんとリニスがくれた、わたしの最強の武器だから!」
戦いは佳境に入り、リナはゼルガディスを構えると魔力を充填、フェイトもバルディッシュに魔力を込め…
「魔竜烈火咆[ガーヴ・フレア]!」
「サンダーァ…スマッシャーァ!!」
同時に呪文を発動!本来はリナの呪文の方が威力が上だが、詠唱なしの為互角の激突、爆風が2人の視界を奪う。このチャンスに先に動いたのはフェイトだった。
SIDE:フェイト
わたしは砲撃がぶつかり、視界が遮られると同時に加速してリナの背後を狙う。
爆煙を突き抜け、リナのバックに回り込めたわたしはバルディッシュをサイズフォームに変型させ斬りかかった!
「当たらなくたって、体勢が崩せれば!」「…そうよね、体勢が崩せれば、ね…。」
えっ?!
「風魔咆裂弾[ボム・ディ・ウィン]!」
攻撃が当たる直前リナが振り向き、暴風の呪文を発動、わたしは見事に吹き飛ばされた。
「きゃあ~~~~~!!」
「これで終わりよ!獣王牙操縛[ゼラス・バインド]!」
すぐさま放たれた誘導式のバインド弾で拘束されたわたしに、リナはゼルガディスを突きつけた。
「…近接の読み合いとイレギュラーの対応が今後の課題ね。…とりあえず勝負あり、かな?」
あ~あ、勝てなかった…やっぱりリナは強いなぁ…
「じゃ、これで実技試験は終了ね。」
「うん…でも合格したかったなぁ…」
「フェイト…」
泣きそうな顔をして落ち込むわたしを見てアルフがオロオロしてる。
でもリナはそんなわたしに何故か苦笑い。
「あのさ、フェイト…?まさかと思うけど『負けたら不合格』って思ってる?」
えっ?どういう事?!
『試験は戦闘技術を確認するのが目的だから、勝敗は関係ないよ?』
エィミイから説明があってわたしは早とちりしていた事に気づく。
「そうなの?じゃあ…」
「いまの戦闘だって悪くないし、試験は続行よ。もう、うっかりさんねフェイトは…。」
リナの言葉に恥ずかしくなったわたしは頬を赤らめる。もう…恥ずかしい!
「それじゃ、使い魔込みの2ON2よ!…おいで、ヌクヌク!」
『リナ、よんだ~?』
リナが使い魔のヌクヌクを呼び寄せる。
「フェイト、次こそは勝つよ!さぁ!」
アルフ…うん!絶対合格してみせるよ!!
そして試験は予定通り進行し…
『え~、魔法技術・使い魔との連携は申し分無し、戦闘技術も合格点。…嘱託魔導師として問題は無さそうね。』
それじゃ…
『おめでとう、フェイトさん。これでAAAランク嘱託魔導師として認定よ。あとは認定証の交付時に面接するだけよ。』
「はい!ありがとうございます!」
次の瞬間、もうひとつホログラフが開き…
『『おめでとう、フェイト!!』』
…母さん、それにアリシア!
『あぁフェイト、流石私の愛娘だわ!早く戻ってらっしゃい、今日はお祝いよ!』
『もう、ママったら…でもすごいよフェイト!お姉ちゃんも頑張らないと、だね!』
母さん、アリシア…
「…さて、あたしも海鳴に戻るかな?
なのは達にこの事教えてあげないとね?
じゃ、またね!!」
リナはそう言うと光に包まれて消えた。
「フェイト、さぁ帰ろ!今日はごちそうだぁ!!」
「…うん!!」
わたしはアルフにうなづくと、決意を新たにする。なのは、もうちょっと待ってて、もうすぐ会えるから!
お楽しみ頂けたでしょうか?
次回はユーノメインのオリジナル回です。モブな転生者VSユーノの一騎討ち、勝つのはどっちだ?!(棒読み)
それでは次回、「三十、こんにちは 逢魔ユーノと 申します」
じゃ次回も…
「リリカル」「マジカル」「リナ達は僕が護る!!」 「ユ、ユーノ?!……………………(ポッ)」
(BYユーノ&リナ)