それでは、お楽しみください!!
NO SIDE
とある日曜日、突如現れた転生者・跡原剣壱(あとはらけんいち)。
彼の目的はこの物語本来のヒロイン、高町なのはを我が物にするためだった。
しかし、イレギュラーヒロイン・逢魔リナの存在がこの世界を変革していた事に、
剣壱は全く気づいていなかった…。
SIDE:ユーノ
僕はリナから借りたゼルガディスを構えて剣壱と名乗った少年に逢向かう。
何者かは知らないけど、なのはやリナ姉さんに手を出したのは許せない!僕が成敗してやる!
僕は構えた剣を腰に帯刀し、素早く抜刀出来るように構え直す。いわゆる[居合い]の構えだ。
「ほぅ…居合いか。だがにわか仕込みの居合いなど、この俺には通用しない!」
さぁ、それは見てのお楽しみだよ?!
「ゼルガディス、お願い。」
『わかった。魔皇霊斬[アストラル・ヴァイン]!/身体強化[フィジカル・ブースト]!』
ゼルガディスが魔力付与を自らに、身体強化を両足にかける。これで準備は万端、さぁ勝負だよ!
SIDE:剣壱
ユーノが居合いの構えを取ったのをみて、俺はほくそ笑んだ。
いくら恭也に剣を教わったとしても、学者畑のユーノに抜刀術なんて出来るわけがない。
どうせ格好いいからとかいう真似事だ。俺はそう考えてた。しかし…
「いくぞ!天剣一刀・雲切[てんけんいっとう・くもきり]!!」
次の一瞬ユーノは一瞬消えたかと思うようなスピードの抜刀術!俺はかろうじて剣で受け止めた。
「な…?!」
「受け止められた?!高町家と逢魔家の人以外で止めたのは君が初めてだよ、やるね…!」
…高町家って士郎と恭也、美由希あたりか?逢魔家というのがよくわからんが。
…そんな事をいってる場合じゃない!!
俺はユーノの腹を横蹴りし、距離を取ると剣を正面に構えて追撃する。スピードには驚いたが、一撃で決められなかったのは
残念だったな?!これで決めて…何?!
俺の剣先はユーノの目の前で止まる。俺の両手両足はバインドで拘束されていた。
「くっ、設置型のバインドか、汚いぞ!」
あまりに単純な罠に引っ掛かってしまった俺は悪態をついた。
「何言ってるの?!直接攻撃以外の魔法は使って構わないって恭也さんもいったじゃないか。」
ユーノは動けない俺に近づくと剣先を突き付ける。
「これで勝負有り、かな?」
…この俺が、最強転生者のこの俺がユーノごときに負けるだと?!…ふざ…けるな!!
俺は魔力をバーストさせ、拘束を破壊した。
「こうなったら仕方ない、秘密兵器だ。
シャイニー・ブレード、[光だ!]」
俺がそう叫ぶと、デバイスの形状が変化して、圧縮魔力刃が展開された。
「…!!…あれってまさか?!」
「リナちゃんどうしたの?」
「なんでもないわ、なのは…ユーノ、その光の刃には気をつけて!魔力強化したゼルでも油断できないかも…」
ほほぅ、リナにはこの力が判るみたいだな。
「大丈夫だよ姉さん、なのは。力の使い方を間違ってる人間に、僕は負けないよ。」
「ユーノ君…(ポッ)」「ユーノ…(ポッ)」
…なに2人とも顔赤らめてんだ?!もう容赦しねぇ、ぶちのめしてやる!
俺は剣を大きく振りかぶるとユーノに斬りかかる。しかし…当たったと思ったその瞬間、またもユーノの姿が消えた!
「くそ!一体どこに消えた!」
「…ここだよ。」
背後に突如現れた気配に寒気を感じ、振り向くと、そこにはユーノが!そしてその瞬間に俺の意識は無くなった…。
NO SIDE
剣壱の背後に回り込んだユーノは、首筋に魔力を込めた手刀を叩き込み気絶させた。
「ふぅ、なんとかなったね。」
「ユーノ君すごいの!わたしは何とか見えたけど…」
「…あたしは見えなかったわよ…ユーノ、あんたも人外目指してるの?!」
なのはとリナはユーノの動きにただただ
驚いていた。
「人外は酷いよリナ!…まぁいいや、それよりどうする、こいつ?」
ユーノは気を失った剣壱を指差して聞く。
「仕方ないわね…ユーノ、どこか誰もいない管理外世界に転送してくれる?!なのはもついてきて。」
「…了解。」「わかったの!」
SIDE:剣壱
…ん、んっ……
俺が目を覚ますと、そこは何も無い野原。そして俺は空中にバインドで磔にされていた。
「うわっ、なんだこりゃ?!でもこんなもの…」
俺は再び魔力をバーストさせて拘束から逃れようと試みた。だが…
「外れない?!ナンデ?!」
「やっと目が覚めた?待ちくたびれたわよ、まったく…」
目の前にリナとなのは、そしてユーノがいる。
「あんたのせいでせっかくの休日が台無しよ!!どうしてくれんのよ?!」
「…リナちゃん、O・HA・NA・SHIの準備、出来たよ?!」
よくみるとなのははレイジングハートを左手で空に掲げてる。そしてその上には…
元気玉?!
もしかしなくてもあれはスターライト・ブレイカーだ…駄目だ、俺死んだかも…
「…ねぇ、あんたのデバイスをユーノに
譲ってくれたら、ブレイカーは勘弁してあげるわ。どうする?」
ここでリナから文字通り悪魔の提案が…
デバイスを失うのは痛いが、あのデバイスのマスターは俺だ。ユーノに使える訳がない。
「…わかった、好きにしろよ。」
するとユーノはポケットから俺のデバイス、シャイニー・ブレードを取り出した。
「あのさ、剣壱って言ったっけ?」
「…あぁ。」
ユーノは申し訳なさそうにこっちを見ながら言葉を続ける。
「…君、よくこのデバイス使えたね?」
…?、どういう事だ?!…あ、デバイスのチート能力にビビったか?
「…君、デバイスにマスター認証されてないよ?」
…はい?俺の聞き違いか?そんな馬鹿な話が…
「ユーノ君、それって…」
「そう、このデバイスは起動してないって事。…まぁ僕も、レイジングハートを起動できないまま封印に使ったりしたけど…
起動してないのに限定的とはいえ能力を
使えるのは凄いと思うよ。」
なのはの問いにユーノが説明する。なるほど、道理で喋らなかったわけだ。しかし、なんで起動しなかったんだ?
「そもそも君、デバイスの名前間違えてるし…」
「「「はい?」」」
デバイスの名前が違う?俺は神様がくれた[光の剣]を直訳してつけたんだ、間違いは無い!…はずだ…。
「…はは~ん、あんた『スレイヤーズ』の事、あまり知らないでしょ?」
呆気にとられている俺にリナはつっこむ。
「その剣は確かに[光の剣]と呼ばれてるわ、一般的にはね。でも、正式な名前は別にあるの…ユーノ!!」
リナに促されたユーノは頷くと、デバイスを空に掲げ起動の呪文を詠唱する。
『空を隔たる魔王の刃よ、此度は我に力を与えん。降臨せよ、烈光の剣・[ゴルンノヴァ]!』
ユーノの身体が眩い光と共に新たなバリアジャケットに包まれていく。戦国時代の陣羽織をイメージしたような白いジャケット。頭部には鉢金、スカートがショートパンツに変わった以外はほぼ某戦〇乙〇の将軍様だ。
剣もそれに合わせてか俺の時より細身のロングソードに変化している。
『ありがとうございます、我が主。あの似非マスターのせいで一生力を発揮できないところでした。』
「うん、宜しく頼むよゴルンノヴァ。」
…俺は言葉を失うしかなかった。なんでこいなったんだ、俺は最強の男だったはずなのに…
「さて、あとはあんたね…ま、約束だからブレイカーは勘弁してあげるわ。でもあたしたちに余計なことしたのは許せないから…なのは、バスター準備よろしく。」
リナの言葉になのはは無言の笑顔でサムズアップ!ブレイカーのチャージをバスターに切り換える。
「き、汚ねー!約束が違うぞ?!」
「あたしが約束したのはブレイカーの解除。全てを許すなんて訳ないじゃない!なんなら竜破斬[ドラグ・スレイブ]もいっとく?」
「…バスターでお願いします。」
「よろしい。じゃなのは、いっちゃって!!」
なのはがバスターを放った瞬間、意識を失いながら俺は思った…
(もうこんな世界いやだー!!)
お楽しみ戴けたでしょうか?
いよいよ次回からA´S編突入します!
5人目の騎士・アメリアはどうしてヴォルケンズに?リナたちのパワーアップは?
そしてユーノはリナとなのは、さぁどっち?!(笑)
それでは次回は時間を戻してはやてと騎士たちの出会い…NEXT‐A´S編序章!
「三十二、騎士たちが はやてと出会う …あれ5人?」
それでは…
「魔法少女リリカルすれいや~ず! NEXT‐A´S はじまります~」
「お見事です、我が主!」
(BYはやて&シグナム)