魔法少女リリカルすれいや~ず!   作:タカヒロオー

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前回に引き続き無印組と騎士たちの出逢いの話です。今回いよいよリナとはやて&アメリアがご対面します。それでは、どぞ!


三十四、騎士たちと 魔法少女が 出逢うとき(後編)

SIDE:アリシア

 

『ん~、いい天気だねアリシア♪』

 

「そうだねアルフ。…うわぁ~、人がいっぱいだ!」

 

わたしとアルフが訪れた公園は、家族連れやペットと散歩する人達であふれてた。

こんなに人が多いのはお休みのせいかな?

しばらく散歩していたわたしたちは、ベンチで休憩することにした。えっと、空いてるベンチは…あ、あった!

 

「あの~、隣座ってもいいですか?」

 

わたしは先に座っていた女の人に声をかけた。金髪のショートカットの優しそうな人だ。その足元にはアルフと同じくらいの大きさの子犬がいる。

 

「えぇ、どうぞ。あなたもお散歩?」

「はい!…可愛いワンちゃんですね、オスですか?」

 

わたしはベンチに座りながら金髪のお姉さんに聞いてみた。

 

『犬ではない、狼だ。』

 

えっ?今の念話だよね?

 

「ザ、ザフィーラ…?!」

 

『…もしかしてあんたも使い魔かい?』

 

アルフが念話で尋ねる。

 

『正確には守護獣だ…まぁ似たようなものだかな。』

 

『ふぅ~ん…じゃ同族同士、向こうで話さない?アンタに興味がわいた。…ダメかな?!』

 

『…構わんか、シャマル?』

 

ザフィーラの対応にシャマルと呼ばれた女の人はちょっと驚いた表情を見せた。意外だったのかな?

 

『いいわよ、いってらっしゃい。』

 

『アルフも気をつけてね~!』

 

2人(2匹?)は頷くと林の中へ。わたしは金髪のお姉さん…シャマルさんとお話を続ける。

 

「…まさかザフィーラが、闘い以外に興味を示すなんて思わなかったわ…やっぱりはやてちゃんの影響かしら?」

 

「うちのアルフもこっちの世界で同族と会えるなんて予想外だから…ま、仲のいいのは良いことだと思いますよ?」

 

「そうね…あっ、ごめんなさい。わたしは八神シャマル。シャマルでいいわよ。」

 

「アリシア・テスタロッサっていいます!改めてよろしく~!」

 

お互いに自己紹介をしたあと、わたしはシャマルさんに疑問をぶつけてみた。

 

「シャマルさん、あなたも魔導師さんですか?」

 

「…えぇ、そうよ。正確には古代ベルカの騎士だけど。そういうアリシアちゃんも、魔導師なんでしょ?」

 

「はい、魔導師になったのはつい最近ですけど。」

 

…まぁ、隠す必要もないしね。

 

「そう…じゃあなたはミッドチルダ式の魔導師なのね?」

 

「いえ、わたしの術式はスィーフィード式といって、ちょっと特殊なんですよ~。」

 

「スィーフィード式?初めて聞くわね……どんな術式なの?」

 

「んっと…こんな魔方陣なんですけど…」

 

わたしは魔力を込め、てのひらに小さい魔方陣を形成する。スィーフィード式の魔方陣は破邪を意味する六芒星…ってナーガが言ってた。

 

「…これは?!アリシアちゃん、この術式のこと、詳しく教えてくれない?」

 

おっ?!何故かシャマルさんが食いついた?!

 

SIDE:シャマル

 

ザフィーラを連れて散歩に来た公園で知り合った魔導師の少女、アリシア・テスタロッサちゃん。

 

彼女の連れていた使い魔とザフィーラが仲良くなったのもびっくりしたけど、それ以上に驚いたのが彼女の術式だった。

 

彼女曰く、スィーフィード式というその術式は私たちの新しい仲間であり家族でもある、アメリアが使う術式そのものだったから。

「ど、どうしたんですかシャマルさん?」

 

…いけない、彼女を警戒させてしまったかも…

 

「ごめんなさい…わたしの家族にその術式を使う人がいて…」

 

「………え~~~~~~っ?!まさかその人、小説の登場人物だったりする?」

 

彼女の放った言葉に私の思考が一瞬ストップした。…どうしてその事を?

 

「半年前に仮死状態だったわたしを蘇らせてくれた魔導師の友達がいるんだけど、その子には前世の記憶があってそれが「スレイヤーズ!」っていう小説の主人公なんです。実はわたしが呪文を教わっているデバイスの人格もその世界の出身なんです。」

 

そんなことが…というか、仮死状態からの蘇生なんてわたしにもできないわよ?

「で、アリシアちゃん?その友達のお名前はなんていうのかしら?」

 

「その子の名前は逢魔リナ。でも前世での名前は…」

 

「「リナ・インバース。」」

 

わたしとアリシアちゃんの声が重なる。

 

やっぱりアメリアは異世界から来た人間だったのね…ん、ちょっと待って?逢魔ってどこかで聞いた気が…あっ!

 

「アリシアちゃん!もしかしてそのリナちゃんのお家って雑貨店だったりしない?」

 

「えっ、どうして知ってるんですか?リナの家は[逢魔堂]っていう雑貨屋さんですけど…。」

 

…これは運命なのかしら。じゃあ今頃、はやてちゃんとアメリアはもしかすると…

 

NO SIDE

 

アリシアとシャマルが公園で知り合った頃、夜天の主である少女・八神はやてと新たな守護騎士、アメリア・ウィル・テスラ・セイルーン改め八神アメリアは、雑貨店[逢魔堂]を訪れようとしていた。

 

一方、その頃リナはというと…

 

SIDE:リナ

 

「ありがとうございました、またのお越しをおまちしてま~す!」…今日は結構忙しいわね。

 

「やっと落ち着いたか。リナ、母さんちょっと用事で出かけるから1時間ほど店番頼める?」

 

お母さんがエプロンをはずしながらあたしにお願いしてきた。

 

「ん~、別にいいよ。元々今日はそのつもりだし。」「ありがと。帰りに翠屋のシュークリーム買って帰るから楽しみに待っててね。それじゃ行ってきま~す!」

 

そういうとお母さんは出かけていった。さぁ、それじゃ商品の整理でも…

 

カラカラカラーン♪

 

「あれ?お母さん忘れ…えっ?!」

 

ドアが開いて、中に入ってきたのは車椅子に乗った同い年ぐらいのショートカットの女の子。

 

でもあたしが驚いたのは彼女の後ろで車椅子を押していたもう一人の少女。

 

見た目はあたしと同い年ぐらい、黒髪のボブカットに大きな瞳…見た目は幼くなっても共に旅をした仲間を間違えたりなんかしない。

 

「あ、あんた…アメリアなの?!」

 

SIDE:アメリア

 

はやてさんと一緒にお買い物の途中に見かけた雑貨店、[逢魔堂]。おしゃれな外装に惹かれたはやてさんが一度寄りたいというので、店内に入ると…

 

「あれ?お母さん忘れ…えっ?!」

 

わたしたちと同い年ぐらいの、茶色の髪をポニーテールにした女の子がこっちを見て驚いた表情になった。あれ?休憩中だったのかな?

 

でも彼女の次の言葉でわたしは全てを理解し思い出した。

 

「あ、あんた、アメリアなの?」

 

えっ、どうしてわたしの名前を…あれ?…ま、まさか!

 

「…その癖のある茶髪といい、お金に目ざとそうな目付きといい…」

 

「ちょい待てや」

 

「何よりその大草原の小さな丘は!もしかしなくてもリナ!久し…」

 

「判断材料はやっぱりそこか~~っ!」

スパパーン!!

 

「ふぎゃ?!」

 

彼女は何処からかスリッパを取り出すと、わたしの頭を一閃!店内に乾いた音が響き渡った。

 

「まったくもう…でも久しぶりねアメリア。」

 

リナはそういうと右手を差し出してきた。わたしは握手を交わすと言葉を続ける。

 

「本当に久しぶりね。わたしが転生してるんだから可能性はあるとは思ってたけど…」

 

「あの~、アメリア?大体は察したけど、わたしも話に混ぜてくれん?」

 

…あ。盛上がっててはやてさんの事を忘れてた。

 

「あ、すいません。リナ、こちらは八神はやてさん。わたしの主様で、大事な家族でもあります。」

「あ、主様?!…それに家族って?」

 

「その説明は後で。だからわたしの今の名前は八神アメリア。改めてよろしくね、リナ。」

 

「…了解。あたしの名前は逢魔リナ。アメリアの事を知ってるんだったらあたしの前世も知ってるよね、…はやてさんだっけ?」

 

「はやてでええよ。あなたの前世はライトノベル[スレイヤーズ!]の主人公にして、アメリアの親友のリナ・インバースってことでええか、リナさん?」

 

「あたしもリナでいいわよ。それじゃはやて、アメリア共々よろしくね。…で、どうしてあんたこの世界に転生してきたの?」

 

あ~、やっぱり聞かれると思ったんだ…

 

「アメリアはわたしが小さい頃から持っていた本…[夜天の書]っていう魔導書らしいんやけど、その本の主であるわたしを護る守護騎士として生まれ変わったらしいんや。」

 

「守護騎士?!」

 

「話続けんで?でもな、守護騎士はアメリア含めて5人おんねんけど、前の主まではアメリアはおらんかったらしいんや。これにはなんか意味があるんやろか?」

 

はやてさんの言葉に、わたしは今思い付いた予想を2人に話してみる。

 

「…それなんですけど、もしかしたらわたし、リナに引き寄せられたのかも…。」

 

「あたしに?」

 

「わたしは齢90まで生きて天寿を全うしたんですけど、息をひきとる時に最期に頭をよぎったのは、『みんなに逢いたい』だったの。リナ、ガウリィさんにゼルガディスさん、父さんに母さん、それにグレイシアお姉さま…一緒に旅をした仲間や大好きな肉親に逢いたかったけど、それは果たせぬまま死んじゃったから。」

 

「アメリア…それはあるかも。あたしの周りにあっちの世界の人間やアイテムがこんなに現れるのはそういうことかもしれないわね。」

えっ?他にもこっちの世界に来た人がいるの?

 

「人と言えば人なのかな…アメリア、これを見て。」

 

そういうとリナは胸元から翠色の宝珠がついたペンダントを出した。

 

「こら、照れ臭いのはわかるけど声かけてあげたら?」

 

『…………久しぶりだな、アメリア。元気そうでなによりだ。』

 

今の声…まさか!

 

「ゼルガディス…さん?本当にゼルガディスさんなんですか?」

 

『あぁ、事情があってこんな姿をしているが、間違いなくゼルガディスだ。』

 

信じられない…リナと同じ旅の仲間にしてわたしの初恋の人。もう2度と逢うことはないと思っていた人。こんな形で逢うことになるなんて…

 

「おーおー、顔赤らめて可愛え~なぁ、アメリアは。」

 

わたしの様子を見て、はやてさんがからかう。

 

「まぁ、今日のところはこれでお暇しよか?シグナムたちも待っとるし。明日からいくらでも話せるしなぁ?!」

 

「明日になれば話せるってどういうこと?あたしは明日は学校よ?」

 

腑に落ちない顔で尋ねるリナにはやてさんが得意そうな顔で答える。

 

「リナちゃんの着てる制服、聖祥大附属小のやろ?わたしとアメリア、それにヴィータって子と3人、明日から編入するんよ。よろしくしたってな~!」

 

「「え~~~~っ?!」」

 

わたし、学校に行くんですか?…でも、はやてさんやヴィータ、リナやその友達となら仲良くできそうだし楽しみかも♪

 




はい、原作よりも早くクラスメートになるはやてたち。テスタロッサ姉妹も同時なので先生たちは大混乱でしょうね。

次回「三十五、この時期に 何でこんなに 転校生?」

それでは次回も見てくんないと…

「平和主義者…クラ~~~ッシュ!!」

(BYアメリア)

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