本年もリナ&なのはと突っ走るので、よろしくお願いします!
※スピンオフのリリすれスピンオフ・スレイヤーズも今日始まりました。こちらもよろしくお願いします。
SIDE:リナ
はやて覚醒計画(仮)が発動して1週間。なのはとフェイトははやてのお家で魔力の蒐集。
そんであたしはユーノと一緒に[無限書庫]ってとこに来てみたんだけど…
「な、なんなのよ此所は?!」
無重力空間にそれこそ無限に漂う書物の数々…
「…此処が時空管理局のデータベース・無限書庫だ。…と言えば聞こえはいいが…」
あたしたちを此処まで案内してくれたクロノが頭を掻きながらぼやく。
「…見ての通り書物の整理が全く出来ていない無法状態だ。
ここから目的の本を探しだすのは至難の技だぞ?!」…確かに、砂漠に落とした金貨1枚探すようなもんだわ、これ…
「ねぇ、大丈夫なのユー…ひいっ?!」
流石に心配になったあたしがユーノの方を振り向くと、某〇つの傷を持つ男みたく7色のオーラを放つユーノがいた。
「…僕を誰だと思ってるんだい、リナ?探索を生業とするスクライアの出だよ?…まぁ、一族じゃないけどさ。」
「…??? 一族じゃないって、どういう事?」
奇妙な事を言うユーノに、腑に落ちないあたしは疑問をぶつける。
「あれ、言ってなかったかな?…実は僕、いわゆる捨て子なんだ。」
………え~~~~~っ?!
そんなの初耳よ!
「…僕は9年前、とある遺跡の中にあったカプセルの中から発見されたらしいんだ。
その時発見してくれた人達が僕の育ての親さ。
…そして、僕と一緒にカプセルの中に入っていたのが、なのはのレイジングハートとリナのゼルガディスソウル…」
…ちょっとユーノ、そんな重大発表さらっとしちゃ…
でも、話は終わらない。
「…その2つは僕でも起動はできた。文字通り目を覚ましただけだけどね。でも…」
ユーノは胸元のポケットからさらに2つの待機状態のデバイスを取り出した。
1つは青色の宝珠、もう1つは白金の装飾に漆黒の宝珠で飾られたアミュレット…「青色の方は起動はできないけど、名前も分かってるんだ。この子の名前は[ガーディアン]。
…僕の魔力に反応はしてるから多分僕のデバイスなんだと思う。」
…ガーディアン…[守護者]か…
「アミュレットの方は分かってる事は壊れていないって事だけ。いくら魔力を注いでも吸収するだけで反応しないんだ。」
「ふ~ん…ね、ユーノ?そのアミュレット、見せてもらってもいい?」
「うん、いいよ。…はい。」
あたしはユーノからアミュレットを受け取った。その途端にアミュレットが強烈な光を放つ。
「?!リナ、大丈夫(か)?」
あたしは一瞬目が眩んだけど、異常は無さそうだ…多分。だけど今のってまさか…
「恐らくそのデバイスがリナをマスターと認めた、という事だね。リナ、デバイスは起動したの?」
ユーノの問いにあたしは頭を振る。
「ううん、反応は無いわ。でもあたしの魔力に反応はしてるからあたしが貰っていい?ユーノ。」
「うん、使える可能性がある人が持ってた方がいいからね。
でも、ゼルはどうするの?」
「…まぁ、こいつが使えるようになるまでは頼りにしてるけど、そうなったらアメリアに譲ろうと思って。前世では結局結ばれなかったんだし、この世界ぐらいね。」
「「……………………」」
な、何?!何で呆気に取られてるのよ?
「「リナが人に物をあげる?…しかもタダで?熱でもあるんじゃないの(か)?」
「おい待て。あんたたちはあたしをなんだと思ってるのよ?」
あたしの怒りの問いに2人は揃って一言。
「「食べ物(主に肉)と財宝にがめつい最凶魔術師。」」
…確かに。でもこれは本当に思ってるのよ?
アメリアって、あたしたちと旅をしてた時はまだしも、そのあとはフィルさんの跡継いでセイルーンの女王になっちゃったからね。(主にナーガのせいで。)
そんでもって、せっかく転生して自由を手に入れたんだから、思い人と結ばせてあげたいじゃない?
「まぁ、リナの気持ちもわかるがな。…ユーノ、いけそうか?」
クロノが尋ねるとユーノは頷いた。
「うん、やってみるよ。人手は貸してくれるんだろ?」
「あぁ、段取りはつけてある。すまないがよろしく頼む。それはそうとリナ、妙な噂か流れてるんだが…」
「妙な噂?何よそれ?」
「…実は近頃、ミッドを中心に魔力を持ってる者が連続して狙われる事件が起きてるんだ。
犯人は被害者の魔力を死なないギリギリまで奪っているんだが…」
クロノは言葉を濁すが…
「…まさかそいつら、夜天の騎士をかたってるんじゃ…?!」
「あぁ、全くその通りだ。だが僕たちは本物の騎士達を確認してる。こいつらは偽者だ!
だがリナも気をつけてくれ。被害者の中にはAランク以上の魔導師も含まれてるんだ。
…もっともなぜだろう、そいつらが君にボコボコにされている図しか思い浮かばないんだが…。」
そりゃ当然でしょ?!そんなやつフルボッコ以外の選択肢は与えないわ!
ピーッ!ピーッ!
ん、緊急通信…プレシアさんから?!なんかやな予感する…。
『こちらプレシア…あ、リナさん此処にいたのね、ちょうどよかったわ。そちらにフェイトが行ってないかしら?!』
あれ?フェイトはなのはと一緒にはやてのお家に…ってまさか?!
「クロノ!至急…」
「わかってる!!エイミイ!!」
「ちょっと待って…海鳴公園一帯に広域結界確認!!…!
これは…術式、スイーフィード!!」
「何ですって?!くっ…」
「リナ、僕もいくよ。僕の転送魔法なら一瞬だ。」
ユーノ…うん、お願い。
「僕たちははやての家を確認してみる。もしかしたら騎士達も動いてるかも。」
わかった。…待っててなのは、フェイト!すぐに助けに行くから!!
だけど、結界内へ辿り着いたあたし達を待ってたのは…
「なのは、フェイト?!」
傷付き倒れるなのは、フェイト、くおん、アルフたち。
バリアジャケットはズタズタに裂け、レイジングハートやバルディッシュもひびが入ってる…
身動き一つしないなのはたちの前に立ちはだかってるのは、長い黒髪を三つ編みにして、漆黒の鎧を身に纏った若い女性。
ん…どっかで見たような気がすんだけど?…それより!
「あんたが[自称]夜天の騎士ね?あたしの友達になんていい度胸じゃない?!覚悟はできてんでしょうね?!」
女騎士はあたしの声に一瞥すると言葉を返す。
「…新手か。…なるほど、このカスよりは楽しめそうだわ。」
カス…?!
「酷い、なんてこと言うんだ!」
ユーノが非難するのもまるでどこ吹く風。彼女はなのはたちを罵倒するのを止めない。
「フン、カスをカスと言って何が悪いの?…使い魔以下の魔力しか持ってない癖に一人前に抵抗して…大人しくしてれば痛い目見ずにすんだのに…ね!」
彼女は足元に転がっているなのはの背中を踏みつける。なのははうめき声をあげるが身動きひとつしない。
…
…プチッ
その時、あたしの中で何かが切れ、あたしは意識を手放した。
NO SIDE
「…どうかしたの2人とも?
まさか怖くなったのかしら、坊や。」
黒騎士がユーノを挑発する。
「…バカにするな、お前なんか怖くない!」
…嘘である。ユーノは全身の震えが止まらない。
(まずいな…こいつ、ほんとに強い。)
「あらあら強がっちゃって。…後ろの子みたいに大人しくしてたらいいのに。」
「…リナ?!」
ユーノが振り向くと、リナは顔を伏せたまま動こうとしない。
「そのまま大人しくしてたら、このカスみたいに痛い目…」
『ダマレ。』
「は?今なんて…」
『ダマレッテイッテルノヨ、コノブス。』
「なっ…?!これでもくらいなさい!」
黒騎士が剣を振るうと剣先からとてつもない衝撃波がリナを襲った。衝撃波はリナを直撃し、爆煙を吹き上げる。
「あらあら…非殺傷設定忘れちゃったから、死んじゃったかもね。」
「リナーーーーーっ?!」
ユーノが叫ぶが返事はない。
やがて爆煙が消えたその後には…
「リナ!」
リナが無傷で立っていた。
リナの身体は何層ものバリアみたいな物に包まれていた。
『フン、ソレガオマエノゼンリョクカ?…ツマラン。』
「そ、そんな馬鹿な?!」
黒騎士は予想外の出来事に驚きを隠せない。
一方、ユーノはリナの異変に気づいた。リナの髪は赤と金が混じったような色に染まり、反転した瞳も同じ色だ。
さらに、首に掛けているユーノが渡したアミュレットも同じ色の光を放っている。
(リナの様子がおかしい…もしかしてあのアミュレットのせい?)
「この夜天の騎士・シエラの攻撃を受けて無傷なんて…きさま、何者だ?」
『オマエノセンスノナイナマエナンテキョウミナイ。…オマエハケッシテヤッチャイケナイコトヲシタ。…ダカラコロス。』
リナは自らを纏うバリアをシエラと名乗った黒騎士に放つ。シエラは身をかわした…はずだった。
「な、な…」
避けたはずのシエラの左腕が丸ごと消し飛んでいた。
『カンタンニハコロサナイ…セイゼイナノハタチノイタミヲアジワエ!』
クゥォォォォォーーーーン!
リナはそう言うと雄叫びをあげる。それは人間のものでは到底なく…ユーノとシエラはただ呆然と立ち尽くすだけだった…。
新年早々詰め込みすぎました。
果たしてぶちギレたリナを一体誰が止めるのか?はっきしいって僕は嫌です。(笑)
次回「三十八、誰なんだ ぶちギレ魔王 止めるのは」
それじゃ次もみてくんないと…
「もしかして…暴走?!」
(BY某特務機関の司令官?)