魔法少女リリカルすれいや~ず!   作:タカヒロオー

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ネームセンスがない上に空気も読めない新たな敵…フルボッコの姿しか見えないのは作者だけでしょうか?(笑)

さらに最後にはとうとうアイツが現れます。アイツ?誰かはお楽しみに。

ではどうぞ!


三十八、誰なんだ ぶちギレ魔王 止めるのは

NO SIDE

 

プレシアからの一報によりリナとユーノは、突如海鳴市内に現れた広域結界へと向かった。

 

そこで見たのは、デバイスを破壊されぼろぼろになって倒れるなのはたちと、謎の女騎士・シエラ。

 

シエラはなのはたちを踏みつけ罵倒するが、その行為がリナの逆鱗に触れアミュレットの力により暴走、リナは異形の存在と化す…

 

SIDE:ユーノ

 

シエラと名乗る女騎士になのはやフェイトを罵倒されたリナが豹変、謎の力でシエラの左腕を消し去った。

 

でも、リナの様子が明らかにおかしい。髪の毛は赤と金が混ざったような色、眼も同じ色でしかも反転してる。しゃべり方も声も変でなにかにとりつかれたよう…

 

「ま、まさか?![金色の魔王]なのか?」

 

それだったらあの桁外れな力も納得だ。だけど、前世の時と違って今のリナは身体が未発達だからあまり長くはもたないんじゃ…

 

「ふ、ふん?!ちょっとばかし力を持ったからって、いい気になるんじゃないわよ!このくらいの傷、…むんっ!」

 

気を取り直したシエラが気合いを入れると…な、これは?!

 

リナの攻撃で吹き飛んだはずの左腕が再生した?…まさか、こいつは…いや、リナやアメリアさんが転生してるんだ、あり得ない話じゃない!

 

「シエラ…君は…魔族なのか?!」

 

「へぇ…魔族の存在を知ってるの…。じゃ、わたしがどれくらいの力があるかもわかるわよね?!」

 

 

…確か魔族は人間の姿に近いほど高位だって「スレイヤーズ」に…シエラは見たとこ15~6歳の少女にしか見えない…ということは!

 

「気づいたかしら?わたしは魔族の中でも最高位クラスの魔族。人間なんて相手にならないわ!」

 

…なんてこった…このままじゃやられてしまう。

 

『ナニヨソミシテルノ、コノブス。コレデケシトベ!』

 

リナがさっきと同じように身に纏ったバリアをシエラに向かって放った。

 

「くっ、何度も同じ技を喰らうものか?!ドゥールゴーファ!」

 

シエラは右手に持った大剣でバリアを切りつける。バリアは2つに割け消滅したが…

「?! …ドゥールゴーファの刃が消滅した?バカな、ドゥールゴーファはこう見えて上位の魔族、そんな簡単に…」

 

『…ナルホド、オマエアノセンスナシノブカカ。モシカシテマタ、ドーリョーニグラウダカナンダカイウヤツガイル?』

 

リナ(?)の呟きにシエラは何故かひきつった表情を浮かべる。

 

「ど、どうしてそれを…ってなにか遠い昔にもそんな事いわれたような…」

 

『マアドウデモイイカ、ソンナコト。ドーセテキトーニツケタンダロウシ。』

 

「!!そ、そんな事ないわよ!きっとなにか由来のある名前に違いないわ!…多分…」

 

自信無さげに言い返すシエラ。…あれ?どこかでこんな状況見たような…

 

『…ナンダカアキチャッタ。ソロソロキエテクレル?』

 

そういうとリナの右腕が異様に伸びて、シエラの首根っこをつかむ。

 

「なっ?!何だ、これは…体の力が…入ら…ない…?」

 

…まずい!シエラの正体はともかく、このままじゃリナはシエラを殺してしまう!

 

『ゼルガディス、リナはどうしたんだ?!話は出来ないのか?』

 

僕はリナのデバイス、ゼルガディス・ソウルに念話を送る。

 

『…駄目だ。何度呼び掛けても何の返事もない。…それどころか機能自体があのデバイスに奪われてる。』

 

そんな…どうする?一か八かゴルンノヴァで突っ込むか?でもあのバリアに勝てるのか?!僕が思案していると、視界の外から白い光が走った。白い光?…まさか?!駄目だ、なのは!

 

SIDE:なのは

 

「…ううっ…わたし一体…」

 

ものすごい魔力を感じわたしは意識を取り戻した。

 

確かフェイトちゃんと、はやてちゃん家で魔力の蒐集をして…(因みに無茶苦茶痛かった)

帰り道の途中で騎士の格好をした女の人に襲われて…

 

ってあれはリナちゃんとユーノくん?!そっか、助けに来てくれたんだ…でも何だろ、この違和感…

 

『…オマエハケッシテヤッチャイケナイコトヲシタ。…ダカラコロス。』

 

えっ?!今の声…リナ…ちゃん…なの?!全然感情こもってなくて、まるで別人なの。

 

それに…コロス?いくらこの騎士さんが非道いことしたっていっても、命を奪う必要まで…

ズイウゥゥーン!

 

その時、ものすごい轟音と同時にリナちゃんを包んでいたバリアが騎士さんを襲う。そして次の瞬間…

 

「な、な…」

 

にゃ~?!リナちゃんが放ったバリアで騎士さんの左腕が消し飛んじゃった?!これには騎士さんもユーノくんも、もちろんわたしも呆然なの…

 

と思ったら騎士さんが腕を自己再生した?しかも…

 

「シエラ…君は魔族なのか?!」

 

魔族って…あの魔族?って魔族でシエラ?まさかと思うんだけど…

 

『…ナルホド、オマエアノセンスナシノブカカ。…モシカシテマタ、ドーリョーニグラウダカナンダカイウヤツガイル?』

 

リナちゃん(?)の呟きにシエラは硬直してる…ってことはやっぱりこの人の上司はあの魔王の側近さん?

 

『…ナンダカアキチャッタ。ソロソロキエテクレル?!』

 

…!!駄目だよリナちゃん!!その人は人間じゃないかもしれないけど、それでも命を奪う必要なんてない!

 

『レイジングハート、もう一頑張りできる?!』

 

わたしの呼び掛けにレイジングハートは答えてくれる。

 

『私はマスターが望むならいくらでも。それに…あのデバイス…まさか…』

 

『レイジングハート?』

 

『…いえ、何でもありませんマスター。全力でいきましょう!』『うん!!』

 

わたしはそう言うと最後の力を振り絞ってリナちゃんに突貫した。絶対リナちゃんはわたしが止める!!

 

NO SIDE

 

なのはがリナへの突貫するのを見たユーノは、なのはの死すら覚悟した。

 

いくらなのはが頑丈でも、あの力は強大すぎる。よくて吹き飛ばされ、悪ければ跡形もなくなる。ユーノの脳裏には最悪の結末が過る。しかし…

 

リナのバリアに突貫する瞬間、なのはの体が白い光に包まれてバリアをすり抜けたのだ。

 

(な、何だ今のは?!)

 

ユーノが驚く間もなく、なのはがリナの身体にしがみつき、大声で呼び掛ける。

 

「リナちゃん!!お願い、元に戻って!!ほら、わたしは大丈夫だから?!」

その呼び掛けにリナは視線をなのはの方に向けると…

 

『グググ…ナ、のは?…」

 

リナの髪と瞳が元の色に戻り、纏っていたバリアも消えていった。

 

「リナちゃん、元に戻ったんだね!!よか…っ…」

 

限界だったのか、リナの胸の中でなのはは気を失う。

 

SIDE:リナ

 

「なのは…無事だったのね。…ありがとう。」

 

「リナ、大丈夫?!身体はなんともないかい?」

 

ユーノ…大丈夫、問題な…って、えっ?!

 

…身体が思うように動かない、まるで力が入らない!なんで?!

 

「やっぱり…リナ、君は魔力の暴走でリンカーコアが一時的に麻痺(スタン)状態に陥ってるんだ。時間がたてば元に戻ると思うけど…」

ユーノはそう言うとゴルンノヴァを構えてシエラとリナの間に立ちはだかった。

 

「…そこを退きなさい坊や。このシエラ、ここまで虚仮にされて黙ってられないわ。」

 

「そうはいかないよ。リナは僕が護る!…例え貴女が魔族でもね。」

 

…魔族?!…ちょっと待って?魔族で名前がシエラってまさかあいつもこの世界に転生してきてるの?

 

でも、こりはまづい…全く身動きとれないあたしと気絶状態のなのは、さらにフェイトたちをユーノ1人でカバーなんて無理な話だ。

 

「そう…じゃあみんなで仲良くいっちゃいなさい!」

 

シエラはドゥールゴーファを振りかざし衝撃波を放ってきた。

 

あたし達は直撃を予感した。だけど…

 

「やれやれ、短気ですねぇ…お肌に悪いですよ?!」

 

突如目の前に現れた人影が、その衝撃波を防御魔法で受け止めた。

 

「えっ、え~っ?!あんた、どうして此処に?」

 

あたし達の前に現れたのは、艶のある黒髪をおかっぱ頭にし、(ただし後ろ髪に一房の尻尾)いわゆる神官衣に身を包んだ少年…年はあたし達より1~2歳上だろうか。

 

「お久しぶりですねリナさん。こちらの世界でははじめまして、ですけど。」

 

「…お前は何者だ?!」

 

シエラの問いに少年は…

 

「そ・れ・は、秘密です♪」

 

…間違いない、この人を小馬鹿にした口調、そしてこの台詞…

 

「…まさかあんたに助けられるとはね、[獣神官]ゼロス…」




はい、とうとう現れた謎のゴキブリ神官(笑)。彼の目的は?そもそも彼は味方なのか?

次回「三十九、秘密です 謎の神官 黒き影」

それじゃ、次回も…

「リリカル、マジカル、ひ・み・つ・です♪」

「OK、意味わかんない。」

(BYゼロス&リナ)

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