魔法少女リリカルすれいや~ず!   作:タカヒロオー

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投稿遅くなってすいません。

あとこの場を借りて、スペシャルサンクスを。

ゼロスの素敵な(?)偽名を考えてくださった西瓜第二(すいかだいに)さん、どうもありがとうございました!




三十九、「秘密です♪」 謎の神官 黒い影

SIDE:リナ

 

…うん、あたしがこの世界に転生し、ゼルやナーガ、アメリアもこっちに来た。

 

でもネームセンス無しのKY娘も出てきた(どーも本人ではないらしいけど)から、あんたが出てきてもおかしくはないんだけど…

 

「お久しぶりですね、リナさん。こっちの世界でははじめまして、ですけど。」

 

「…まさかあんたに助けられるとはね、[獣神官]ゼロス。」

 

「「ゼロスだと」だって?!」」

 

あたしの言葉にシエラとユーノが同時に声をあげる。

 

「リナ、ゼロスって確かリナの前世の世界の高位魔族…」

 

「バカな、我が主以外にこの世界に魔族なんて…」

あたしは2人の呟きを無視し、ゼロスと話を続ける。

 

「…で?あんたはあたし達の敵なの、味方なの?」

 

あたしの問いにゼロスは人差し指を顔の前でちっちっちっとふり、

 

「私はしがない中間管理職ですからね…ま、今日のところはあなた達の味方ですよ、リナさん。」

 

その時、空の上にホログラフィーの映像が映し出される。

 

その姿は壮年の男性。年相応に渋さを感じる…はっきりいえばイケメンの部類だ。でも、この邪悪な気は…

 

『久しいな、獣神官ゼロス…また幼い姿に転生したのだな。』

 

「…貴方こそなかなかお似合いですよ、覇王[ダイナスト]様。ご無沙汰してます。」…やっぱり!!

『もう1人そこに懐かしい顔がいるな…まさかこんなところで合間見えるとは思わなかったぞ、リナ・インバース!』

 

「…あたしは会いたくは無かったわよ…あと、今のあたしの名前は逢魔リナよ、間違えないでDX絶対覇王…」

 

『我は覇王グラウシェラー!そんな超合金みたいな名前ではない!』

 

…自分で名前言っちゃったよこの人(人?)…せっかくゼロスが名前伏せてくれたのにさ。

 

『…まぁいい、ここは引き揚げろ、シエラ。』

 

グラウシェラーの命令にシエラは不服そうだ。

 

「ですがグラウシェラー様!この者達は我らの災いとなります!ここで始末した方が…」

 

「ゼロスはお前とグラーヴを合わせても互角かそれ以上。それにそこの少年もかなりの実力を持っているようだ。すぐに管理局の援軍も来るだろう…もう一度言う、ここは引けシエラ。」

 

「…くっ、ここは見逃してあげるけど、今度会ったら只じゃ済まさないわ、覚えてなさい!」

 

シエラは悔しげに呟くと、転送魔法でどこかに消えた。

 

『では我もここで失礼するとしよう。シエラも言ったが、今度我らの前に立ち塞がるならば容赦はせん!ではさらばだ…』

 

ホログラフィーが消え、辺りの広域結界も消滅していく。

 

「…なんとか助かったみたいね…ありがとうゼロス、今日のところは礼言っとくわ。」

「…リナさんに礼を言われると何だかむず痒いですね。似合わないというか…」

 

「あ~、分かるよなんとなく…」

 

うっさい。…あとユーノ、要らないことゆーな。

 

そんなこと話してると急に体から力が抜けていく。

 

「あ…あたしも限か…い…」

 

そのままあたしの意識は闇に落ちていった…

 

SIDE:ユーノ

 

「あ、あたしも限か…い…」

 

リナはそう呟くと、なのはを抱き抱えた状態で落下していく。まずい、気を失ってる?!

 

僕はゴルンノヴァを待機状態に戻すと全速力で墜ちていくリナ達を追いかけるけどなかなか距離がつまら…えっ?

 

突然、リナたちの落下スピードが緩やかになり、そろっと地面に着地した。見るとゼロスが風の結界を張ってくれたみたいだ。

 

「はぁ、はぁ、…ありがとうゼロスさん。おかげでなのはと姉さんが大怪我せずにすんだよ。」

 

「ははは、お気になさらずに。リナさんとは前世からの付き合いですから。…それにしても、貴方リナさんの弟さんですか?」

 

「うん、義理のだけどね。でもゼロスさ…」

 

「あ、呼び捨てで結構ですよ。リナさんもそうですしまぁ呼びやすいように。それより…」

 

ゼロスはそういうと、倒れているリナとなのはの元へ近づいていく。僕も慌てて駆け寄る。

 

「リナ、なのは?!」

 

近寄ってみると、2人は寝息をたてて眠っていた。どうやら疲労による昏睡みたいだ。

 

「はぁ、よかった…」

 

「さて、それじゃ私はここで失礼させて頂きます。」

 

ゼロスはそう言うと転送魔法だろうか、身体が消え始める。

 

「それではまた明日、学校でお逢いしましょう…リナさんによろしく…」

 

そしてゼロスの姿が完全に消えると同時に…

 

「リナ~助けに来たよ!」

 

「あぁ、フェイトは無事なの?!フェイトは何処?!」

 

「ユーノ!リナやなのはは無事か?!」

 

アリシア、プレシア、クロノの3人が救護班を連れてきてくれた。

 

「クロノ!リナたちはこっちだ。…外傷は大したことないけど全員リンカーコアがダメージを受けて気絶してる。すぐに治療を!」

 

「わかった、救護班!すぐに治療室に搬送だ!」

 

そうして搬送が進むなか、アリシアは辺りをキョロキョロ。

 

疑問に思った僕は彼女に尋ねる。

 

「どうしたのアリシア、何か気になる事でも?」

 

「いや~、さっき転送してきた時に顔見知りが居たような気がしたんだけど…勘違いかな?」

 

顔見知り?!アリシアたちがこっちに来る前に居たのって…えっ、まさか?!

「でもそんなわけないよね、こんなところに名薗森くんが居る訳…」

 

あれ、名薗森?誰それ?

 

「アリシア、名薗森って誰?僕たち知らない人だよね?」

 

「うん、名薗森 寛(なぞのもり ひろし)くん。わたしと同じ日に転校してきた子なんだ。」

 

ふ~ん、転校生か……あっ、そういうことか!

 

「アリシア、その子って黒い髪のおかっぱ頭の男の子?」

 

「うん、そうだよ…じゃあやっぱり?!」

 

「そうだね、多分その子だよ。…アリシア、明日の昼休みにごはんを食べるときにその子を連れてきてくれる?多分来てくれるから。」

 

「わかった!必ず連れてくよ。」

 

うん、お願い。…リナたちは治療室に搬送されたみたいだね。

 

それにしても魔族…それも魔王の側近クラスが出てくるなんて…夜天の書を狙ってるのは間違いないみたいだから、何か対策を練らないと。

 

…このまま無限書庫に戻ろう。クロノに伝言を頼むか。僕はバリアジャケットを解除すると、無限書庫に転送を開始した。

 

SIDE:なのは

 

…んんっ、あれ…ここは何処?わたしいったい…確か暴走したリナちゃんを止めに入ったところまでは覚えてるんだけど…

 

「なのはさん目を覚ましたのね!よかった…。」

 

声の方に顔を向けると、リンディさんが心配そうに見つめていた。

 

「リンディさん…そうだ!リナちゃんとフェイトちゃんは?」

 

「…フェイトさんはまだ眠ってるけど、リナさんはさっき目を覚ましたそうよ。ただ、あなたもそうだけど3人ともリンカーコアにダメージを受けてるから暫く魔法は使えないわ。」

 

えっ、そうなんですか?!

 

「それにレイジングハートとバルディッシュもかなりの損害を受けてるわ。今、デバイス技術室で修理中だから、明日にでもお見舞いにいってあげて。」

 

「はい…(ごめんね、レイジングハート…)」

 

わたしが落ち込んだ表情を見せるとリンディさんが励ましてくれる。

 

「…親御さんには連絡しておいたから明日の朝まで休むといいわ。学校に行く時間にはリナさんと一緒に転送してあげるから。」

 

「ありがとうございます、リンディさん。」

 

リンディさんが部屋を出ていくと辺りは静かになった。

 

…リナちゃん、フェイトちゃんも無事だったんだ、よかった…でもあんな人達(魔族)相手にするとなると、わたしたちもレイジングハートももっと強くならないと…ね。

 

NO SIDE

 

こうして一夜を過ごしたリナ、なのはとフェイトは一度自宅に戻ってから学校へ向かった。

 

SIDE:リナ

 

「それじゃ母さん、行ってきま~す。」「リナ大丈夫?今日ぐらい休んだ方がいいんじゃない?!」

 

母さんが心配してくれるけど、正直そうもいってられないのが現状なのよね…それに…

 

「リナちゃ~ん!準備できた?」

 

「早く行かないと遅れるよ?」

 

…あたしよりダメージの大きい2人が大丈夫なのに、泣き言なんていってらんないわよ?

 

「お待たせ、じゃ行こっか?」

 

「「うん!!」」

 

あたしがなのはたちと学校につくと、アリサやすずか、はやてたちが寄ってきた。

 

「聞いたわよリナ、変な奴等が出てきたって。」

 

「覇王グラウシェラーとその配下って本当なの?」

アリサとすずかの言葉にあたしは頷いた。

 

「…ごめんなみんな、わたしのせいでこんな目に…」

 

「気にしないではやてちゃん。こうして無事だったんだから。」

 

「うん、魔法はしばらく使えないけれど身体は何ともないから。」

 

落ち込むはやてをなのはとフェイトがなぐさめる一方で、アメリアは首をひねってる。

 

「…ねぇリナ、わたしは覇王グラウシェラーって闘ったことないんだけど、冥王フィブリゾや魔竜王ガーヴと比べてどっちが強いの?」

 

な~る、そういうことね。

 

「はっきりした事は言えないけど、多分ガーヴ以上フィブリゾ以下じゃない?…ま、ガーヴは人と融合してたから能力出せてなかったとは思うけど。」

 

まぁ、みんなの力を合わせればなんとかなるっしょ?!それよりも気になるのは…

 

NO SIDE

 

その日の昼食タイム、いつものように屋上にリナたちは集合した。

 

「あとアリシアだけ?」

 

「仕方ないよ、学年が違うんだから…あ、来た!」

 

フェイトが指差す方を見ると、手を振りながらアリシアが駈けてくる。そして…

 

「ちょっと待ってくださいよアリシアさん、みなさん逃げたりはしませんって…」

 

「…むしろあんたが逃げるのが心配なのよ、名薗森 寛くん。…それとも、獣神官ゼロスって呼んだほうがいい?」

 

「せっかく考えたんだから名薗森さんって呼んでくださいよリナさ~ん…アメリアさんは久しぶりですね。他の人達にははじめまして、名薗森 寛こと獣神官ゼロスと申します。以後お見知りおきを…」

 

アリシアに連れてこられたのは通称パシリのゴキブリ中間管理職・獣神官ゼロスだった…。

 




…とうとうゴキブリ神官も聖祥大付属小に来てしまいました。(笑)

この先大丈夫か?と思うのは作者だけでしょうか?

まぁ、いざとなればアメリアの必殺「耳元で愛の讃歌」を炸裂させればなんとか(笑)。

ゼロスの偽名の真意は次回の冒頭で。解る方は感想にでも書いていただけると幸いです。

次回「四十、なんとまぁ ヤバい代物 夜天の書」

それじゃ次も見てくんないと…

「暴れちゃうぞ?!」

「…まさかのまんまパクり?!」

(BY シエラ&リナ)

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