魔法少女リリカルすれいや~ず!   作:タカヒロオー

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すいません、タイトルを予告から一部変更します。




四十五、ご光臨 悪魔と魔王(?) その力

NO SIDE

 

封鎖結界の中、神官グラーヴ率いる覇王軍を相手に奮闘するアメリアとヴォルケンリッター、そして恩師であるリニスと相対するフェイト達だったが、将軍シエラの参戦により戦況は覇王軍へと傾きかけていた。

 

しかしその時遥か天空より舞い降りた救世主2人…いうまでもなくリナとなのはだ。

 

2人は砲撃魔法で結界を撃ち抜くと内部へ突入、リナはフェイトの、なのははアメリアの援軍に向かった。

 

SIDE:リナ

 

ふぅ、どうにか間に合ったみたいね。大丈夫フェイト、アリシア、アリサ?

 

「なんとかね…助かったよリナ。」

 

「遅いわよリナ!!5分遅刻よ!」

 

「悪かったわねアリサ。この埋め合わせはきっちりするわよ♪…さて、よくもあたしの友達をいじめてくれたわね十万倍にして返してあげるから覚悟しなさい!!」

 

まずは後ろのレッサーデーモン達がうっとうしいわね?

 

「いくよL様!…獣王操牙弾…拡散陣[ゼラス・ブリッド…アラウンドシフト]!」

 

『あいよ!…いっけ~!!』

 

あたしの呪文に応えるように背後に現れた無数の光弾は軌跡を描いてレッサーデーモン達に命中、あっという間に全滅させた。

 

「「「「「……………!!!!!」」」」」

 

「どんなもんよ!!…ってあれ、どーしたのみんな?」

 

ふと周りを見るとみんな呆気にとられた顔をしてる。

 

「な、な、なに今の?!確か獣王操牙弾は単発でしか撃てなかったんじゃ?!」

 

アリサの問いに答えたのはL様。

 

『あん?!…まだ20%とはいえ、これぐらいの制御は楽勝、楽勝!…流石に重破斬[ギガ・スレイヴ]はまだ無理だけど。』

 

ま、そういうことよアリサ。

 

「そんじゃ次はあんたらね…覚悟なさい!」

 

「そうはさせな…はぁっ?!」

 

リニスがあたしとシエラの間に入ろうとしたけど、フェイトはバルディッシュを鎖鎌に変形、鎖でリニスの腕を拘束して動きを止める。

「リナ、リニスは私たちでなんとかする!あなたはシエラを!」

 

…へぇ~、あれがフェイトの新デバイスか…器用なあの子らしいわね。

 

『…あたしだったら100種類ぐらい楽勝だけど?…ハンマーと五寸釘とか、糸ノコギリとか…?!』

 

…怖っ?!なによその武器の選択は…って、[後書き]で作者や部下SしばいてたわねL様…

 

「それじゃこの前の続きといきますか…覚悟なさい、シエラ!!」

 

「新たな力を手に入れたからっていい気になってるんじゃないわよ!覇王将軍の実力、思い知るがいいわ!」

 

シエラは魔剣ドゥールゴーファを正眼に構え突進してきた。

あたしはナイトメアハートで受け流すと、その勢いを利用して体をスピンさせて空いた左手で裏拳を放つ。…まぁ当たんないとは…

 

メゴッ!

 

(えっ、嘘でしょ?)

 

見るとあたしの左拳はものの見事にシエラの顔面を捕らえていた。

 

「………」

 

「………」

 

気まずい空気が流れる。あたしは飛び退いて構えを仕切り直す。

 

「…な、なかなかやるわね…この覇王将軍シエラに、こうも容易く触れるなんて…」

 

…い、いや、どっちかというとあんたが勝手に突っ込んできたような……

 

あまりな展開に戸惑うあたしをよそにシエラは魔剣を振るい、衝撃波を放つ。

 

『はぁっ…障壁[プロテクション]!』

 

だけどL様の防御壁に衝撃波は霧散する。…これならいける、高位魔族とだって互角に戦える!

 

「いくよL様、あの馬鹿将軍をコテンパンにしてやる!」

 

一方、アメリア達ヴォルケンリッターを救助しにいったなのはの方は…

 

SIDE:なのは

 

結界に突入したわたしがまず向かったのはすずかちゃんの元。

 

「すずかちゃん、シャマルさん、大丈夫ですか?!」

 

「あ、なのはちゃん!…うん、わたしたちは大丈夫。」

 

「リンディさんとアルフも私の癒しの風で治したから…リンディさんはアースラに転送したし、クロノ君が援軍連れて来るって。」

 

だったら安心だね。…あれ、ところでアルフさんは?

 

「アルフさんは『ザフィーラが心配だから』って援軍にいったわ。私もヴィータちゃんのサポートに回るわ。」

 

「わたしはシグナムさんのところに…なのはちゃんはアメリアちゃんを!」

 

うん、あの神官さんが一番強そうだからね。いくよ、レイジングハート!

 

『はい、マスター。わたしの新しい力…マスター?』

 

レイジングハートはわたしの様子に疑問を感じたみたい。

 

「…なのはって呼んで。」

 

『えっ…でもそれは…』

 

「わたしとレイジングハートは主人と道具じゃない、パートナー同士だよ?あなたもわたしの事をパートナーと思ってくれるなら…名前で呼んで?」

 

『…私は幸せ者です。やはりあなたは最高の…わかりました。それじゃ行きましょうなのは、新しく生まれ変わったわたしの力、存分に振るわせていただきます!』

 

「…うん、うん!」

 

わたしはレイジングハートを握りしめ、アメリアちゃんの元へ。

 

「アメリアちゃん、大丈夫?!」

 

「なのはさん?!」

 

「…援軍か…小娘が一人増えたところで…まとめてかかってこい!」

 

それじゃ遠慮なく!わたしはレイジングハートをカノンモードに変化させ、バスターを連発する。

 

飛んできた砲撃にグラーヴとアメリアちゃんは回避、わたしは魔力を展開する。

 

「いっけ~!アクセルシューター!」

 

わたしが放った魔力弾はきれいな弧を描くとグラーヴに襲いかかっていく。グラーヴは避けようと回避運動をとるけど…逃がさないよ?!

 

ズドドドドッ!!

 

「ぬおっ?!な、なんだ今の誘導弾は?!」

 

威力はリナちゃんのゼラス・ブリッドに負けるけど、誘導性能はわたしの方が上だよ?それにこれにばっかり気をとられてると…

 

「でぇりゃ~、スーパー・イナヅマ・キ~ック!!」

 

…ほら、アメリアちゃんのきっつい一撃がくるよ?…それとアメリアちゃん、それはガ〇バ〇ターの攻撃じゃ…

 

「こないだ見てたアニメに出てたやつを貰いましたっ!…カッコいいでしょ?」

 

うん、ほんとに雷撃まとってたのにはびっくりしたけど。

 

「ええぃ、夜天の巫女といい、お前といい…この世界の魔導師は化け物か?!」

 

化け物は酷いなぁ…せめて悪魔って呼んで?因みにリナちゃんは魔王だよ♪

 

あ、アメリアちゃんもうなづいてる。やっぱりリナちゃんは…

 

『あたしは魔王じゃないっ?!』

 

…今リナちゃんの声が聞こえた気がしたけど…多分気のせい、気のせい…

 

「アメリアちゃん、一気にいくよ!!」

 

「はい、なのはさん!!」

 

わたしとアメリアちゃんがかかろうとしたその時、空に悪い顔した中年の男性が大画面で映った。

 

「グラウシェラー様?!…一体どうなされたので…?」

 

…!!この人(?)が…あの覇王グラウシェラー?確かに悪者オーラを漂わせてるの…。

 

『…グラーヴ、シエラよ!もうすぐ管理局の援軍が来る…ここは引け。』

 

「くっ、仕方ない…少女たちよ、勝負はひとまずお預けだ!次に会うときは容赦せん!!」

 

グラーヴと三騎将はそういうと強い光を放ち、姿を消した。…どうやら逃げちゃったみたいなの。

 

「あぁ?!逃げられちゃいました…。」

 

アメリアちゃんがぼやいてると、シグナムさんやヴィータちゃんが寄ってきた。

 

「なのは嬢、アメリア、無事でしたか?!」

 

「…どーやら問題ねーみたいだな…」

 

うん、わたしたちは大丈夫だよ?!…あ、すずかちゃんたちも…ってアルフとザフィーラ、どうして腕組んでるの?それに顔真っ赤だよ?!

 

「こ、これは…」「い、いいじゃんか、別に…」

 

あれ、これってもしかすると…あとで質問タイムなの。(笑)

 

…リナちゃんたちはどうなったのかな…

 

SIDE:リナ

 

…せっかく押しぎみに戦ってたのにまた出てきたよ、あのKY覇王…

 

『グラーヴ、シエラよ!もうすぐ管理局の援軍が来る。ここは引け。』

 

シエラは前回に続いての撤退命令に不満そうな顔を見せたけど…

 

「くっ、仕方ない…リニス、ここは引くわよ!!…次こそは決着をつけてやるわ、覚えてなさいリナ!」

 

負け惜しみを言うと、シエラは光を放ち姿を消した。そしてリニスも…

 

 

「…残念ですが、勝負はお預けですねフェイト、アリシア…また逢いましょう。」

 

「待ってリニス、まだ話したいことが…?!」

 

フェイトが呼び止めたけど、やっぱり光と共に姿を消した。

 

「リニス…どうして……」

 

「フェイト…」

 

フェイトはリニスが消えた後を呆然と眺めてた。まぁ死んだと思ってた恩人が敵として現れたんだから当然か。

でもあたしとしてはここは…

 

「な~に落ち込んでんのフェイト?!」

 

あたしはそう言いながらフェイトの背後に廻り背中を小突く。

 

「リ、リナ?!」

 

「…どういう経緯でリニスが覇王に仕えてるのかはわかんないけど、それでも彼女は生きてる。だったら取り返せばいいのよ、フェイト、アリシア!」

 

フェイトは一瞬ポカンとしてたけど、アリシアと視線を交わすとお互いにうなづく。

 

「リナ、お姉ちゃん…うん、そうだよね、まだ終わったわけじゃ…」

 

「そうだよフェイト!リニスは絶対に連れて帰るんだ、あたしとフェイトで!」

 

その意気よ2人とも!

 

「リナ、なのは、無事か?!」

 

そうこうしていると、クロノが管理局の援軍を連れてやって来た。

 

「遅いわよクロノ、もう逃げちゃってどこにもいないわよあいつら…」

 

「…やっぱり間に合わなかったか…済まない。とりあえずエイミイがサーチをかけてくれてるが無理だろうな。」

 

まったく…あたしたちも積極的に夜天の書を覚醒させてしまわないといけないのかも。でないとなんかやな予感がするのよね…。

 

 

『リナさん、なのはさん!…フェイトとアリシアも大丈夫?!』

 

…その声はプレシアさん?!

 

『どうやら皆無事みたいね…。クロノ君も含めて、一度時の庭園に集まってくれないかしら?リニスのこともあるし、今後のことも相談したいの。』

 

「…了解しました。リナ、君たちも…」

 

「OKプレシアさん。すぐに戻るわ。」

 

やれやれ…こりゃ一筋縄じゃいかないわね。

 




はい、次回からはいよいよ「悪夢の聖夜」へ向けて動き始めます。

次回「四十六、訪れる 破滅の前触れ 刻々と」

それでは次回も…

『リリカル、マジカル!』『頑張るぞ~っ!』

「あんたらいつの間に?!」

(BYザフィーラ&アルフ&はやて)

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