魔法少女リリカルすれいや~ず!   作:タカヒロオー

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皆さんいかがお過ごしですか?熱中症にならない様に気をつけてくださいね!


五十三、ぶん殴る 正義の巫女の その拳

NO SIDE

 

覇王グラウシェラーと対峙するアメリアはゼルガディスとユニゾン融合を果たし、アリサとすずかも秘密兵器・ユニゾンリライズを解放する。覇王と夜天の巫女の戦いは最高潮を迎えつつあった…

 

SIDE:アメリア

 

ゼルガディスさんと合体したわたしはパワー全開!アリサさんとすずかさんもユニゾンリライズでパワーアップしてるし、これなら勝てる!

 

「ふん、少しばかり強くなったところで所詮は人間風情…早々に始末を…」

 

「油断大敵!ファイアクラスターっ!」

 

「フリーズクリスタル…喰らいなさい!」

 

いつもとは逆にすずかさんが焔の炸裂弾を、アリサさんが氷の貫通弾を放つ。

「ふん、そんな物効かぬと…何?!」

 

グラウシェラーはさっきまでと同じ様に大剣で振り払おうとしたけど、焔は大剣を避け覇王に命中、更に大剣は氷に封じこまれた。

 

「ば、馬鹿な?!」

 

今がチャンス!

 

『『永久と夢幻をたゆたいし 全ての心の源よ 尽きることなき蒼き焔よ 我が魂の内に眠りしこの力 夢幻よりきたりて裁きを今ここに!!』』

 

 

…わたしとわたしの中のゼルガディスさんがシンクロし、魔力が数倍に膨れ上がる。

 

『いくぞ、アメリア!』

 

「はい、ゼルガディスさん!」

 

『『崩霊裂・重[ラ・ティルト/スクエア]!!』』

 

 

わたしとゼルガディスさんの声が重なり放たれた呪文は極大の蒼き柱となってグラウシェラーの真下から吹き上がる!

「グ、グオォワッゥ?!」

 

崩霊裂・重の直撃を受けたグラウシェラーは大ダメージ!…着ていた鎧や大剣にはあちこちヒビが入り体中傷だらけ…確実に弱ってる!!

 

「すずか、[アレ]で一気に畳み掛けるわよ!!」

 

「OKだよアリサちゃん…お願い、スノーホワイト!」

 

『畏まりましてよ、すずか。』

 

「フレイムアイズも頼んだわよ!」

 

『おう、任せときなアリサ!』

 

アリサさんたちもここが勝機と見て、デバイスに魔力を充填していく。…一体どんな技を?

「いくわよこれが!」「わたしたちの全力全開!!」

 

『『ユニゾンアーツ1St…フレイザード・ストーム!!』』

 

アリサさんの剣とすずかさんの槍から放たれた膨大な魔力の嵐が覇王に命中!しかも…

 

「な、何故再生できぬ?!」

 

覇王は魔族の能力で再生を試みたみたいだけど出来なかったみたい。

 

「わたしたちの焔で傷口を焼ききられ氷で細胞を凍死させたのよ、いくら魔族でも簡単には再生なんて出来ないわ!」

 

「今よアメリアちゃん、止めをさして!!」

 

…はい!ゼルガディスさん、こないだテレビで見たアレ、やってみません?!

 

『アレって…まさかアレか?!…駄目だ、流石に恥ずかしすぎる!!』

そんなこと言わないで…いきますよ!!

 

「さぁ、最後の仕上げです!」

 

『あぁ…(…恥ずかしいが仕方ない…)。』

 

わたしは魔力を右の拳一点に集束させていく。

 

そしてわたしの中でゼルガディスさんも魔力を集束、わたしの拳に充填させる。

 

「『2人の拳が真っ赤に燃える!幸せ掴めと轟き叫ぶ!!』」

 

「…ちょっとすずか、あれってまさか…?!」

 

「…突っ込んだら負けだよ、アリサちゃん…」

 

アリサさんとすずかさんの視線が生暖かい気がするけど気にしません!

 

「『ばぁ~くねつ!ゴッド…ナックル!!』」

 

「石!」『破!』「『ラ~~ブラブッ!!覇王クラ~ッシュ!!』」

 

わたしは最大加速でグラウシェラーに突貫する。

 

「……………!!」

 

覇王は諦めたのか避けようともせずその場に立ち尽くす。

 

わたしは加速したまま全ての力を集束した拳で覇王のどてっ腹を撃ち抜いた!

 

覇王は無言のまま塵となって消滅した。

 

「やったわねアメリア!」

 

「ゼルガディスさんも凄いです!」

 

アリサさんとすずかさんが寄ってきた。わたしとゼルガディスさんはユニゾンを解除した。

「はい!わたしたちの正義と愛の力の勝利です!」

 

「まぁそれはおいといてだ…まだなのはは闘ってるみたいだしリナのことも…心配はしてないが気には掛かる。応援に向かうぞ!」

 

ゼルガディスさんの言葉にわたしたちは頷くと新たな戦場へと向かう。

 

…ただ、ひとつだけ気になる事が…覇王グラウシェラーが消える瞬間、笑ってたような気がするのはわたしの気のせいなのかな…?

 

NO SIDE

 

こうして外の世界で次々と決着がつく中で、夜天の書の中でも動きを見せていた。

 

SIDE:はやて

 

う、う~ん…なんや騒がしいなぁ…ってリナちゃんとユーノ君、それにあんたは…?!

 

「我が主?!…よかった、目を覚まされましたね…。」

 

「はぁ~、これで一安心ね…気分はどう、はやて?!」

 

…気分がどうというか、わたしいったいなんでこんなとこに…ここはどこなん?!

 

「覚えてないのですか?ここは夜天の書の中です。…貴女は暴走を始めた夜天の書に吸収されたのです。」

 

…!! 思い出した、何もかも。わたしは目の前で騎士たちを殺されたのを見て、それで気を失って…

 

「大丈夫です。騎士たちは夜天の書にコアとして吸収されただけ…取り返すことはできます!」

 

ほんまか?!いったいどうすればええんや?!

「そのためにはナハトに一定のダメージを与え、私の管理者権限を取り戻さなくてはいけません。」

 

「それはあたしたちでなんとかするわ。ね、ユーノ?」

 

「あぁ、僕とリナ、そして表で頑張ってるなのはがいればなんとかなるよ!」

 

そういうとリナちゃんとユーノ君は立ち上がる。

 

「…というわけで先行くわね。あんたたちも早くくるのよ、まってるから!」

 

次の瞬間、リナちゃんたちの姿が消える。

 

「…我が主、申し訳ありません。私の為に危険な目に…」

 

落ち込んだ表情で話すクロハネ。…そうや!わたしには大事な役目があったんや!

 

「…心配いらへん、リナちゃんやなのはちゃんたちがなんとかしてくれる。それより約束を守らんとな。」

 

「約束?」

 

訝しげに聞き返す彼女の頬をさすりながらわたしは言葉を続ける。

 

「そうや。約束したやろ、あんたに素敵な名前を付けたげるって。」

 

「……………!!」

 

「…よう聞きや。『…夜天の主の名において 汝に新たな名を送る…強く支える者、幸運の追い風、祝福のエール…リインフォース。』…それがあんたの名前や。」

 

「リイン…フォース、ですか?」

 

戸惑いながら聞き返すリインフォースにわたしは頷いた。

「そうや。あんたを二度と闇の書なんて呼ばせない為に一生懸命考えた名前や。…もうあんたは呪われた魔導書なんかやない。今日からはわたしの大事な家族やで、リインフォース♪」

 

わたしがそういうとリインフォースの赤い瞳が翠色へと変化し、大粒の涙が溢れ落ちる。

 

「ありがとう…ございます…ですが主はやて、外にいるナハトを止めないと私達は脱出出来ません。あの小さな勇者たちの力を集めても…」

 

「うん…それはなんとかしよ。…リナちゃんとユーノ君が脱出するタイミングでナハトに干渉するで!」

 

そういうとわたしは夜天の書を胸に抱え瞳を閉じた。…あとはリナちゃんたちと力を合わせてナハトの暴走を止めるんや!!

NO SIDE

 

こうしてリナとユーノ、はやてとリインフォースはそれぞれ脱出を目指し動き始めた。

 

しかし、そのナハトと闘い続けるなのはたちは次第に劣勢にたたされていた…

 

SIDE:なのは

 

はぁ、はぁ、…わたしと使い魔たちは追い込まれてた。

 

ディバインバスターを直撃させても大したダメージにならないし、ヌクヌクやくおんの攻撃は全く効いてない。

 

「じり貧だね、こりゃ…。」

 

「ヌクヌク、もうつかれたよ…。」

 

お願い、もう少し頑張って!!…他のみんなも頑張ってるし、リナちゃんも必ず帰ってくるから!!

「無駄だ…最早この結末は誰にも変えられん…そろそろ終わりにしよう。」

 

ナハトさんはそういうと再び攻撃を始める。

 

無数に展開する誘導弾にくおんとヌクヌクが弾き飛ばされ、わたしもシールドで防御したけど…

 

ピシッ…パリン!!

 

「きゃあ!」

 

シールドが限界を越えて消滅し、わたしは海の上をまるで水切りのようにはね飛ばされる。さらに…

 

「ふんっ!」

 

ナハトさんの放ったチェーンバインドに捕らえられちゃった…もしかしなくてもこれってピンチ?!

 

弾き飛ばされたくおん達は動けないみたいだし…

 

ナハトさんはバインドに縛られたわたしの上空で夜天の書のページをめくり、ある処で止めた。

 

「…ここまでよく戦った、小さな勇者よ。敬意を表して最大の技で葬ってやる…出でよ、[対艦槍・ダークバベル]!!」

 

 

ナハトさんの呼び掛けに応える様に、雲の中からわたしの頭上に具現化したのはとてつもなく巨大な槍だった。

 

「いかに君が丈夫でもこれを耐える事はできない…。」

 

…うん、そんなの見れば一目で判ると思うな。っていうかあんなの無理むりムリMURI?!いくらわたしが頑丈でもひとたまりもないの!

 

「これで最期だ。闇に…沈めぇぇっ!」

ナハトさんが槍を降り下ろす…というより押し込むと、槍はまるでドリルのように回転しながらわたしの頭上に墜ちてくる。

 

わたしはバインドから逃げようと必死にもがいてみるけど…あぁ、もうダメ?!

 

『いいえ、なのは!来ましたよ、救世主が!!』

 

えっ…レイジングハート?!

 

『神滅斬[ラグナ・ブレード]!!』

 

『切り裂け烈光!…ゴルンノヴァ・ザンバー!!』

 

わたしに対艦槍が激突する直前に目の前に魔方陣が展開し、現れた人影が対艦槍を十字に切り裂いた。

 

「…大丈夫、なのは?怪我はない?」

 

「リナちゃん!!それにユーノ君も?!」

そう、わたしの窮地を救ってくれた救世主、それは夜天の書に吸収されたはずのリナちゃん!…あれ?リナちゃん、なんで髪の毛と眼が金色…ってまさか?!

 

『あ~、大丈夫だよなのは。確かに[金色の魔王/あたし]の力は解放してるけど、あたしが完璧に制御してるから。…ただリミットオーバーしてるんで多分明日から身動きとれないと思うよ…多分。』

 

L様…

 

「ま、シャブラニグドゥ相手に戦うなら備えは万全に…ね。だからあとはあたしらにまかせてなのはは…。」

 

「レイジングハートっ?!」

 

『は、はい…何ですかなのは?(嫌な予感しかしませんが…)』

 

「レイジングハートもできるんだよね、[白輝の聖王/あなた]の力を解放させること。」

 

『…はい。でもそれは幼い貴女の身体に多大な負担がかかります。』

 

「わたしは頑丈だから大丈夫なの!!それよりナハトさんが地球を壊滅させたら一緒だよ!」

 

少しの沈黙のあと、レイジングハートは心を決めてくれた。

 

『…判りました。私の力を解放し、なのは、貴女に委ねます。ただ無理はしないで。それだけは約束してください。』

 

ボワッ!!

 

次の瞬間、わたしの身体にレイジングハートから不思議な力が注がれる。

 

と同時にわたしの身体にも変化が訪れる。髪の毛が茶色から鮮やかなハニーブロンドに、瞳の色が紅と翠のオッドアイに変化して…す、凄い、魔力が身体からどんどん湧き出てくるよ!!

『当然です、神の力ですよ?!…まぁ明日はポンコツ間違いなしですけど。』

 

「あう~。それでもいいもん、友達を助けるためだから!!」

 

「早速だけどナハトを止めるわよ。…魔方陣展開、術式スイーフィード!…出でよ、金色の魔王…の右腕!」

 

リナちゃんの声に応える様に魔方陣の中央から現れたのは…一本の巨大な腕。あれは…

 

『や~、腕だけでも具現化できるとなんか嬉しいねぇリナ?!』

 

そう、あの腕の正体はL様。正確にはL様の一部らしい。リナちゃんによるとラグナ・ブレードとかと理屈は一緒らしいんだけど…まぁL様だからなぁ…

 

「なにぼうっとしてるのなのは?!早く魔力のチャージして!」

いけないいけない、わたしはレイジングハートを掲げ魔力を集束する。そして…

 

「…よし!リナちゃん、L様、あとは任せたの!」

 

わたしが集めた元〇玉…じゃなかった、魔力の塊をL様の手が握り締めた。わたしの桜色の魔力玉にリナちゃんの暗い蒼色、さらにその上にL様の金色が重なっていく。

 

「いくわよなのは!」

 

「いつでもいけるよ?!」

 

ナハトさんには悪いけど、これで決めてみせる!…この極大殲滅コンビネーション、「アストラル・グレース」でね!!




はい、今回は他作ネタが所々入ってます。最後のリナとなのはの技はパチンコネタですね。わかる人はぜひ感想の方ください。(笑)

さぁ次回からはいよいよラストバトルへと突入です!!A´S編もあと少し、頑張りますので応援よろしくお願いします!

次回「五十四、復活す 夜天の主と 管制騎」

次回も見てくんないと…

「お仕置き確定やな?!」

「当然です、我が主。」

(BYはやて&リインフォース)

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