活動報告にて引き続きあとがきの質問を募集中です。ちょっとしたおまけもあるのでよかったら是非ご参加ください!
NO SIDE
ようやくナハトヴァールからバグを切り離すことに成功したリナたち。はやてとその騎士たちも復活したが、切り離したシャブラニグドゥのバグは復活・暴走を開始する。
今まさに海鳴最終決戦(ウミナリ・ハルマゲドン)の火蓋が切られようとしていた…
SIDE:リナ
「…始まる…いよいよ最後の闘いよ。みんな、準備はいい?!」
あたしの掛け声にみんなは頷く。
「あ、でもその前に…シャマル?!」
「はい、みなさんの治療と回復ですね!…クラールヴィント、お願い。…風よ、癒しの恵みを運んで!」
『ya。』
と、ここでシャマルが負傷者全員に回復魔法を…ってこれは?!
「す、凄い…!」
「身体だけじゃ無くてデバイスやバリアジャケットまで…!」
うん、これなら思う存分戦える…ありがと、シャマル!
「どういたしまして。…湖の騎士シャマルとクラールヴィント、癒しと補助が本分です♪」
そう言ってにこっとはにかむシャマル。
「…来るぞ!」
ゼルの声に一同が振り向くと、海上の黒い澱みからシャブラニグドゥが姿を現す。
『…クハハハハッ、ワレハムテキダ!セカイハワレガスベテハカイスル!』
えっ、どうして脱け殻のはずのシャブラニグドゥがしゃべっ…いや、まさか!
『そんな馬鹿な!あいつは所詮バグ、意思などないはず?!』
「まさかバグじゃなくて本物の魔王…?!」
アイツが喋ったことにリインフォースとプレシアさんが驚愕の表情を見せるけど、あたしは騙せないよ?
「ねぇそうでしょ、覇王グラウシェラー…いいえ、グラウシェラーの残りかすといった方がいい?」
『…ドウシテワカッタ?』
やっぱり…というより少しは否定しろよ。まぁいいけどさぁ…
「…簡単なことよ。基本的に魔族は魔王シャブラニグドゥには絶対忠誠。それなのにあんたはバグとはいえ自分のご主人様に対等な態度をとった。まずはそこだったわ…」
あたしは魔王を指差すと言葉を続ける。
「…そう考えるとね、昔に似たような話があったのを思い出したのよ。…ゼルとアメリアは覚えてるでしょ?水竜王が仕掛けた細工で魔族から人間に転生し、魔王から離反したアイツの事を…」
「「…………!!」」
あたしの言った意味を理解したゼルとアメリアはピンときたみたい。
「…リナ、その話ってまさか…」
「…魔竜王ガーヴの事…か。」
そう、かつての世界であたしやガウリイたちと死闘を繰り広げた魔竜王ガーヴ…アイツは人間に転生したことにより魔王への忠誠心が無くなり離反に至った…
「だからあんたもそうじゃないかと思ったのよ。」
『シ、シカシ、ソレガドウシタ!ワレハサイキョウノチカラヲテニイレタ!コノチカラデセカイヲホロボシ、ワレラガシハイスル!』
ばれてもなお、虚言をはる魔王モドキ。でも…。
「…もうそんなの関係ないの。」
「…私たちの海鳴を護るため…」
なのはとフェイトがデバイスを構える。
「お前のせいで主はやては…もはや生かしてはおけん、我が剣で倒す。」
「はやてを泣かせたテメーは絶対に許せねー、メチャクチャに叩き潰してやる!」
シグナムたちヴォルケンリッターも気合い十分!
「…なにより魔族はわたしたちの世界の存在、わたしたちが退治します!」
「ほ~ほっほっほっほっほっ!このナーガにかかれば魔王モドキなんてコテンパンにしてあげるわ、覚悟することね!」
アメリアやナーガ、他のみんなも準備万端、問題なし!
『グヌヌヌ…ナラバセメテワガテデホウムッテクレヨウゾ…シネ!』
魔王の残滓(これからはこうよぶ)はいきなり魔力砲を連発してきた。
「みんな、回避!」
みんな散開してそれぞれのポジションに散った。
「さっき打ち合わせた通りでいくわよ。ザフィーラ、ユーノ、アリシア足止めお願い!」
あたしの声に応える3人。
『ケイジングサークル!』
『チェーンバインド!』
『うおぉ~っ、鋼の軛!』
ユーノのバインドが胴体を、アリシアのは足を拘束し更にザフィーラの放った魔力の軛が魔王の残滓を縫いつける。でも…
『ガッハッハ、ソンナモノキカヌワ!』
さすが残りカスといっても魔王、チェーンバインドと鋼の軛はぶち切ってしまう。
でも動きは鈍ってるから…予定通りいくわよ!…先陣はフェイト、ヴィータ、アリサ、頼むわよ!
「了解。ヴィータ、アリサ、しっかり合わせてね。」
「…はい、フェイトさん!」
「わたしたちに任せなさい!」
ヴィータはフェイトと組めてとても嬉しそう。
「…いきます!フォトンランサー・マルチプルシフト!」
フェイトが無数の光弾を展開、射出すると前方に先行するヴィータをすり抜けて魔王の残滓に全弾命中!
「すっげ~っ…こっちも負けてられねー…いくぞアイゼン!」
『ギガントフォーム!!』
続けてヴィータはグラーフアイゼンを変形させ魔方陣を展開、カートリッジで魔力をチャージする。
その反対側ではアリサがスタンバイしてる。ということは…
『豪・天・爆・砕…ギガント・シュラーク!』
まずはヴィータが巨大な鉄槌を…って縮尺おかしくない?明らかにおおきすぎるわよねそれ?!…とにかくヴィータの鉄槌が一枚目のシールドを破壊、二枚目ごと魔王の残滓を沈める。
「続けていくわよ…タイラントレイブ!」
『くらいやがれ、デカブツ!』
続けてアリサの紅蓮の一閃が二枚目のシールドごと触手を薙ぎ倒す。
『グオオッ…?!』
よし、効いてる!それじゃ第二陣…なのは、シグナム、すずか、頼むわよ!
「よし行くよ…シグナムさん、すずかちゃん!」
「承知しましたなのは嬢!」
「フォローは任せて!」
なのはとシグナムが左右に展開、それぞれ魔方陣を展開して大技の準備を始める。
「…烈火の将・シグナムが魂…レヴァンティン。刃、連結刃に続く3つ目の姿、今ここに!」
『ボーゲンフォーム!』
シグナムはレヴァンティンを大弓に変型させ…
「わたしたちもいくよ!レイジングハート!」
『はい、なのは!…エクセリオン・ランチャーモード!』
なのはもレイジングハートを変型…ってもうあれ、杖じゃないわよね…どう見てもカノン砲にしか見えないわ…
そんな2人を見て魔王の残滓が触手を再生、攻撃を阻止しようと襲いかかる。
「2人はやらせない!…スノーホワイト、アイスバインド!」
『お任せくださいまし、すずか!』
でもそこはすずかがバインドを発動させ動きを封じる。今がチャンス!
「駆けよ隼!『シュトルム・ファルケン!!』」
「いっけぇ~!『エクセリオンバスター・フォースバースト!!』
シグナムの放った矢は迷うこと無く一直線にシールドを貫き残滓に命中!さらになのはの砲撃が続けて襲いかかる。これで決まればいいんだけど…
『ガハッ…ダガ…マダマダダ…!!』
…やっぱりそんな甘くないか。魔王の残滓は破壊された足を切り離し空に浮かび上がると再び多重シールドを張り、無差別に砲撃を放つ…えぇい鬱陶しいたらありゃしない!
「ゼルガディスさん、もう一度ユニゾンを!」
「あぁ…『ゼルガディス・グレイワーズ』、ユニゾン・イン!!」
ここでアメリアとゼルがユニゾンで能力を底上げ…
「うおぉ~っ、喰らえ、鋼牙!」
「『正義の一撃、平和主義者クラァァッシュ!!』」
ザフィーラとアメリアの拳が多重シールドを全て粉砕…どころか前面の装甲をボコボコに!
てかアメリアはともかく、ゼルもノリノリね…いっけない、次はあたしの番ね。
「はやて、リインフォース、プレシアさん…一気にいくわよ?」
あたしが上空を見上げるとそこにははやてとプレシアさんの姿が。
「『…彼方より来たれ ヤドリギの枝 銀月の槍となりてうち貫け!』」
「貴方はここに居てはいけない存在…裁きの雷、とくと味わいなさい!」
あたしも…
『…無の具現たる深淵よ 深き暗黒の刃の嵐で 我が前にある敵を滅せよ!』
3人の呪文が同時に放たれる!
「『石化の槍、ミストルティン!!』」
『サンダー…レイジッ!』
『…冥魔槍嵐[ヘルブラストストーム]!』
あたしたちが放った槍はそれぞれ石化、感電、腐敗の効果を発揮、魔王の残滓の動きが目に見えて落ちた…今よクロノ、アリサ、すずか!!
クロノはデバイス・デュランダルを展開、魔力の充填を開始。アリサとすずかもユニゾンリライズで魔力の底上げを図る。
「凍てつけ!『エターナル・コフィン!!』」
『『ユニゾンアーツ2nd…アブソリュート・クライシスっ!!』』
クロノの放った凍結魔法は海面ごと魔王の残滓を氷漬けにし、更にアリサとすずかの一撃が追い討ちをかける。
『グッ…コ、コレハ、ミウゴキガトレヌ…』
…さぁ、最後の仕上げね…
「なのは、フェイト、はやて、アメリア!」
あたしたちは魔王の残滓の上空に配置する。それは残滓を中心とした逆五芒星…スイーフィードの魔方陣。
「それじゃとどめをさ…」
『ちょっと待ったぁ?!』
…ここで待ったをかけたのは…L様?!
『…このまま総攻撃したら結界が決壊して海鳴壊滅だよ?!…あんた[アレ]使うつもりなんでしょっ?!』
「…あ、やっぱり無理かな?まぁ前世で試し撃ちしたときはプライベートビーチが死の入り江と化したからなぁ…(遠い目)。」
「…リナちゃん、まさかアレ撃とうとしてたの?!…アレはダメだよ!」
…なのは、心配ないわよ。撃つのは改良版のブレイカーバージョンだから。
「あぁそれなら…ってもっとダメーっ?!」
『…仕方ない、それじゃ招待しますか、[あたし]の中に♪』
L様がそういった途端、周りの結界が変質し始める。…やっぱり行くしかないのね、…数多の世界の下にあるという混沌の海…[L様の胎内]に…。
NO SIDE
魔王の残滓を中心に展開したリナたちをも飲み込む形で結界が変質していく。
「な…リナ、大丈夫なのか?!」
クロノが慌てた様子でリナに声をかける。
『大丈夫よクロノ。それよりコアの摘出と転送の準備、お願…』
念話の途中でリナの声が途切れる。
「リナ、リナ?!」
「心配いらないわクロノ君。私達はリナさんたちを信じて待ちましょう…。」
プレシアはクロノに落ち着くように言うと残滓を包み込む結界を見つめて呟く。
「…必ず無事で戻ってくるのよ、リナさん、なのはさん、フェイト、はやてさん、アメリアさん…。」
いよいよ次回は5連ブレイカー!…魔王の残滓、最後の時です。
次回「五十六、戦いの 〆はとことん ブレイカー!」
それでは次回もリリカル、マジカル…
「出番が無い…解せぬ。」
「済まん…忘れてた。」
(BY アルフ&作者)