暫くは〈導入編〉って感じになると思います。
SIDE:なのは
お父さんが大ケガをしてから、わたしは
ずっとひとりぼっちだった。そうだとおもいこんでた。でも、違ったんだ。わたしは1人じゃない。わたしには家族が、そしてそれを気付かせてくれた〈友だち〉、リナちゃんがいる。もうさびしくなんかない。待っててね、お父さん。すぐにいくよ!
なのは逹が病院にたどり着き、士郎の病室に入ると…
「お父さん!」
士郎は、ベッドの上に身体を起こし、桃子や神威逹と語らっていた。
SIDE:リナ
「お父さ~ん!よかった、目をさましたんだね!!」
なのはが、ベッドに座ってる頭に包帯を巻いた男性の胸に飛び込んで、顔を埋める。
「あぁ、なのは。心配かけてすまなかったな…もうお父さんは大丈…痛!」
「ほ、本当にだいじょうぶ?お父さん…」「こら、なのは。お父さん目をさましたばかりなんだから。」
ははっ、勢いよく飛び込みすぎて、桃子さんに注意されちゃった。でも、これが本来のなのはなんだろうけど。
「おっ、リナ、お前も来たのか。士郎、
紹介しとくわ。俺の娘のリナだ。ほら、
あいさつしとけ。」
「逢魔リナ、5歳です。よろしくお願いします。」
「ほぅ…高町士郎です。こちらこそよろしく。それにしても神威、お前の娘にしては礼儀正しい子だな。」
「お前のってだけ余計だよ、ったく…
ま、嫁さんの教育の賜物だよ。」
こう見えて、中身は大人ですので。でも、士郎さんの意識が戻って本当に良かったわ。でも、あれ…士郎さん、なのはをあやしつつもあたしをみてる?
SIDE:なのは
お父さんの手、やっぱり大きいな。なんだか安心するよ…やがて館内にアナウンスが流れ、面会時間が終わろうとしてる。
「それじゃ士郎さん、わたしはお店の準備があるから、一度戻るわね。美由紀、なのはもそろそろ帰るわよ。」
「はーい…」
あぁ、残念だなぁ。でも、お父さんも目をさましたし、いつでもお見舞いにこれるよね!
「そんじゃ、俺達もそろそろ帰るわ。まだ引っ越しの荷物もほどいてないしな…」
あ、リナちゃんたちも帰るみたい。そういえばリナちゃんたちの家ってどこなんだろう。近所だといいんだけどな~
「あ、神威!5分だけ時間をくれないか?2人きりで話したいことがあるんだ。」
「おぅ、それなら時雨、車の鍵渡しとくから先行っといてくれ。ほれ!」
神威おじさんが時雨さんに鍵を投げ渡す。そしてわたしたちはお父さんと神威おじさんを残して、病室を出ていった。
NO SIDE
2人きりになって静かになった病室。士郎が口を開く。
「神威、お前に聞きたい事がある。お前の娘のリナちゃん、あの子、一体何者なんだ!?」
「何者ってどういう意味だ!?人の娘を
化け物みたいに言うなよ…」
「それはすまない…だがお前もわかっているんだろう!?一流の退魔剣士である逢魔神威、お前なら!」
士郎の言葉に神威は大きく溜め息をつく。
「あぁ、わかってるさ、あいつの中にはとてつもないものが眠ってる…でも俺と時雨は信じてる。あいつは必ず乗り越えてくれると。」
「そうか…解っているならいいんだ。引き留めて悪かったな。」
「別にいいさ…あ、後これはあくまで俺の勘だけどな…」「ん?」
「お前んとこのなのはちゃんな、あの子も何か大きな力に目覚めそうだな。それこそリナに匹敵するぐらいのな。」
「な、なのはがか!?」
動揺する士郎に、神威は苦笑いしながら
言葉を続ける。
「ま、俺達の娘だ。2人いれば互いに乗り越えてくさ。じゃあ、また来るわ!」
士郎は出ていく神威の後ろ姿を見送り、ぼそっと呟く。
「やれやれ、5歳の子供に威圧されそうになるなんて…こりゃ、ボディーガード辞めて、翠屋のマスターでもするかな?」
人知れず稼業引退を決意した士郎だった…
はい、決意したのは士郎さんでした。
それにしても歴戦の剣士に引退を決意させる5歳児って…
そんじゃ、次回も見てくんないと…
あ「あばれちゃうの!!」なのはにとられた!?
(BYリナ&なのは)