続々現れるあの大家族の姉妹たち、今回はあの2人…?
NO SIDE
卒業旅行中に管理局から要請を受け、空港火災の救援に向かったリナたちだったが管理局のミスにより、指揮系統は混乱を極めていた。
事態を重く見たはやては自ら指揮を申し出、消火と救助を開始する。
そのはやての指示により、なのはは炎上する空港内で逃げ遅れた少女、スバル・ナカジマを救助する。
しかし、落盤した天井がなのはとスバルめがけて墜ちてきて2人は窮地に立たされる。
しかし次の瞬間、謎の少年が現れ瓦礫を指一本で粉砕した。なのははその少年を見て驚きを隠せなかった。
少年の名は響良牙。…10年前になのはと出逢い、なのはが生まれて初めて恋心を抱いた相手だったのだ。
SIDE:なのは
は~っ、吃驚だよ…もう少しで瓦礫に潰されそうだったところを助けてもらっただけでも驚いたのに、助けてくれたのが10年前に出会ったきり音沙汰のなかったりょうがくんだなんて…今日の夢って予知夢なの?
「ひ、久しぶりだねりょうがくん!」
「あ、あぁ…かれこれ10年ぶりか?…あの時は済まなかった、約束を破ってしまって…」
わたしは謝るりょうがくんを止める。
「いいよもう。こうやってピンチに来てくれたんだから…って話してる場合じゃないみたいだね。」
そうこうしている内に周りの炎は更に強くなってきてる。スバルの顔色もよくないし、早く脱出しよう!
「…でもどうやって?逃げ道なんて何処にも…」
「逃げ道は今から作るよ?…でもその前に…レイジングハート!」
『…はい、なのは。…プロテクション!』
わたしの願いに応えるように、りょうがくんとスバルの廻りを魔法の防御壁が包み込む。
「なんだっ?熱くなくなったぞ?!」
「…その中にいれば炎も大丈夫だからそこで待っててくれる?すぐに終わるから。」
わたしはそういうとレイジングハートを構える。狙うのはさっき崩れた天井の辺り。
『バレル展開、ロードカートリッジ!』
わたしの足元に魔方陣が現れ、レイジングハートはカートリッジの薬莢を排出する。
「…地上まで、一気に抜くよレイジングハート!」
『もちろんです、なのは!』
「…ディバイーーン…バスタァーッ!」
わたしの放った桜色の砲撃は、天井を撃ち抜き空いた大穴からは夜空が見えていた。
「これでよしっ…と。さ、脱出…ってあれ、どうしたのりょうがくん?」
「…はっ?!い、いかん…これは夢か?なのは、今のはなんだ?!さっきのバリアみたいな奴といい、今のビームといい…」
う~ん…説明すると長くなるから後でね?
「なのは~っ!」
あ、アリサちゃん!…ちょうどよかった。この子…スバルを救助隊に連れてってくれる?わたしはこの人を連れてくから。」
「うん…って誰よそいつ。こんなところにTシャツ腕捲りにリュックサックなんて怪しすぎるわよっ?!」
まぁその辺は後で説明するから…それじゃ先行くよ!
わたしはりょうがくんの手を取ると全速力で空へ飛び出した。
「あ、ちょっと待ちなさいよなのはっ?!」
続けざまにアリサちゃんもスバルを抱えて飛び出してきた。
「うぇっ、空を飛んでる…だとっ?!…なのは、お前いったい…」
「うん…わたしは魔導師…分かりやすくいえば魔法少女かな?…その辺りも含めて聞きたい事も話したい事もあるし、わたしと一緒に来てほしいんだ…ダメかな?」
りょうがくんは少し考えて答える。
「…まだよく事情がつかめんが、一緒に行く方が良さそうだな。世話になるがいいか?」
「もちろんだよっ!そうと決まれば早く終わらせるよ。」
とりあえずりょうがくんとスバルを届けたら捜索を続けよう!
わたしとアリサちゃんは頷きあって救助隊のいるキャンプへ向かった。
NO SIDE
こうしてなのはが運命の出逢いと再会を果たしていた頃、別の場所を捜索していたフェイトとリナもまた…
SIDE:フェイト
『フェイトちゃん聞こえるか?…8番ゲート付近に生体反応発見、お願いできるかなぁ?』
はやての通信にわたしは即座に返答する。
「了解。…バルディッシュ?」
『ルート検索完了。…目標まであと1分。』
わたしはバルディッシュのナビゲートに従い、目の前の壁を撃ち抜いた。
「管理局の救助隊です!どなたかいません…居た?!」
辺りを見渡すと奥まったところに2、3人の女性がプロテクションの中でうずくまっていた。
「もう大丈夫ですよ!」
「あ、あの…実は…小さな魔導師の女の子がこのプロテクションをかけてくれたあと、『妹たちを探しに行く』ってあの奥へ…」
そう言って女性の1人は扉の方を指差す。「わかりました。あなたたちをキャンプにおくった後、救助に向かいます。」
小さな女の子か…お願い、わたしが助けに行くまで無事でいてね…
SIDE:???
はぁ、はぁ…いったいどこに行ったの?
「スバル…ノーヴェ…どこ、どこなの?!…きゃあっ?!」
わたしは爆風にあおりを受け転倒してしまった。
父さんのところに妹2人を連れて遊びに来たらこんなことに…おまけに妹たちとははぐれてしまう始末。
「…この階段を昇れば外には出れると思うんだけど…」
…だめだ、足に力が入らない…わたしが諦めかけたその時…
「…そこの女の子!今助けに行くから動かないでっ?!」
管理局の魔導師さん?!…よかった、助かった…そう思った次の瞬間足元の階段が崩壊、わたしの身体は放り出された…
SIDE:フェイト
捜索に戻ったわたしはすぐに女の子を発見した。遠目にだけど怪我はないみたい。よかった…
と思った次の瞬間、女の子の足元の階段が崩れて墜落…まずい、バルディッシュ?!
『ソニックムーヴ!』
わたしは瞬時に加速して落下する彼女を救助した。…ふう、間一髪だった。
「大丈夫?!もう心配ないよ。」
「あ、ありがとうございます。お陰で助かり…あっ、スバルとノーヴェ…妹たちがまだ中に?!」
…やっと自分が助かったところなのに、もう妹たちの事を心配してる…優しい子なんだなぁ。
「大丈夫、わたしの友達も皆で探してるから必ず…」
『…フェイトちゃん、こちらなのは!スバル・ナカジマちゃんはわたしが保護して、無事にキャンプに送ったよ!』
『…こちら救護班ベースキャンプ。ノーヴェ・ナカジマちゃんは現在のところ保護の報告は…いや、たった今逢魔リナ一等空尉がそれらしき少女を発見、すぐ保護に向かうとの連絡が!』
続けざまに入った吉報を聞き、彼女に笑みが浮かぶ。あれ、そういえば…
「そういえば聞いてなかったね、名前。」
「あっ、すいません…ギンガ・ナカジマ13歳、陸士候補生です。」
彼女…ギンガははにかみながら答えた。
「陸士候補生か…将来の同僚だね。」
「き、恐縮です…」
そんな事を話しながら、わたしとギンガはベースキャンプへと向かった。
SIDE:リナ
んっと、はやての指示にあったのは確かこの辺…あ、あれかな?!
あたしが見つけたのは赤い髪の毛の小さな女の子。炎に囲まれて動けなくなったみたいね。
「熱いよぉ…ギンガおねーちゃん、スバルおねーちゃん、助けて…」
「…おねーちゃんじゃないけど、助けに来たよ?」
「ふぇっ?!…おねーちゃん、だれ?!」
女の子は突然現れたあたしに驚いたみたい。
「あたしはリナ…助けに来たよ。あんた、名前は?」
「…ノーヴェ…ノーヴェ・ナカジマ…です。」
…やっぱりこの子がノーヴェか…随分大人しい子ね…。
「ほ~ら、元気だしなさいっ!…あんたのお姉ちゃんたちはもう救助されたって。あとはあんただけだよ!」
「…ほんとっ?!よかった~、はぐれちゃったから怖かったんだ。」
ようやくノーヴェは笑顔を見せた。さて、と…
「L様、バリアお願い。」
『あいよっ!さぁ、入ってきな!』
L様が張ったバリアにノーヴェが入るのを確認して、あたしはナイトメアハートを構える。
足元にスィーフィードの魔方陣を展開させ、カートリッジを使って魔力を増幅させる。
『準備はOKだよリナ!』
よっしゃあ!そんじゃ、いっちょぶちかますとしますか!
『黄昏よりも昏きもの 血の流れより紅きもの 時の流れに埋もれし 偉大なる汝の名において 我ここに闇に誓わん 我らが前に立ちふさがりし すべての愚かなりし者に 我と汝が力持て 等しく滅びを与えん事を!』
いっけぇ~っ!!
「竜…破斬[ドラグッ…スレイーーブッ]!!」
ズガガガッ!!
う~ん、きれいさっぱり跡形もなく道が拓けたわね。
「さ、こんなとこはさっさとお別れよ!…行くわよ、ノーヴェ?!」
「は、はい、リナさん!」
…ん?心なしかノーヴェの瞳がキラキラ輝いてる気が…多分気のせいね。
あたしはノーヴェを抱え、救護班のベースキャンプへと飛んでいった。
SIDE:ノーヴェ
ふわぁ…リナさんって無茶苦茶カッコいいよぅ…
わたしも真似したらリナさんみたいに強くなれるかなぁ?
それにリナさんのあの呪文…何っていったか全然わからなかったけど…絶対マスターして、次に会うときにはびっくりさせるんだから!
一応空港火災は次回で終わり、六課設立フラグが立つ予定です。
また近々活動報告でなんかする予定なのでお楽しみに!
次回、「はいすくうる〈3〉はやての夢、みんなの夢」
それでは次回も見てくんないと…
「乳揉むで?!」
(BYはやて)