魔法少女リリカルすれいや~ず!   作:タカヒロオー

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今回で旅行編は終わります。良牙の大活躍(?)、楽しんで戴けたら幸いです!


はいすくうる〈5〉 獅子の咆哮、子豚の悲鳴(笑)

NO SIDE

 

空港火災の現場でなのはと思わぬ再会を果たした 響 良牙。またも道に迷いながら合流した良牙はなのは、リナと同室で暮らす事が決まる。

 

そしてその日の歓迎会も終わり、今日は旅行の最終日…

 

SIDE:リナ

 

…と言うわけで(どういうわけ?)、あたしたちが今いるのはショッピングモール。目的はそれぞれの土産品!

 

ちなみにあたしはなのはと良牙の3人で廻ってる。フェイトとアリサ、すずかで1グループ、はやてとアメリア、ヴィータがもう1グループね。

 

「…くじ引きの割りに順当というか、なんというか…」

 

「最高の組み合わせなのっ!はやてちゃんところは八神家メンバーだし…」

…まぁ、いいか。何が起きるわけでも無いだろうし…じゃお土産なに買うの?

 

「…そうだな…やっぱり地方の銘菓とか…『はいアウト~っ!』…ええっ?!」

 

予想通りの良牙の返答をあたしが否定した。…こっちの世界のお菓子が不味いって訳じゃないけど、桃子さんのスイーツに勝てるかって言ったら…ね。

 

それが証拠に、じつは今現在翠屋は時空管理局の御用達だったりする。…いやマジで。

 

何でも、リンディさんやクロノがその上の3提督?とかいうお偉いさんにお土産で持っていったら鶴の一声で決まったみたい。…う~みゅ、桃子さん恐るべし。

 

「…それじゃやっぱり定番のペナントとか置物とか?」

「バカねなのは…そんなもんこのミッドにあるわけ…えっ嘘っ?!」

 

なのはが指差す方を見るとそこには何故か漢字で『努力』、『根性』とかかれたタワーの置物に謎のペナント、それに…

 

「なんでミッドチルダに木刀があるのかなぁ…」

 

「…しかも何気にデバイス機能ついてるし。誰得よこれ…」

 

…あ、お父さんこれでいいか?意外と喜ぶかも。

 

「うちもお父さんとお兄ちゃん、お姉ちゃんはこれにしよっと。お母さんは…あ、ニシジン加工のエプロンだって。」

 

…ちょっと待って…何よニシジン加工って?!

もしかして西陣織りなのそれっ?ここってミッドチルダよね、地球じゃないよねっ?

『…落ち着きなよリナ…こんなもんだって思わないと身がもたないよ?』

 

L様が変な慰めをしてくれてる間にもなのはと良牙は楽しそうに(主になのはが)買い物してる。

 

「…ま、いいか♪あたしも母さんにニシジン加工の財布買って帰ろ~っと。」

 

…真似っていうな、真似って?!

 

SIDE:なのは

 

はぅ~~~っ…初恋の相手・良牙くんと一緒にお買い物なんて夢みたいだよ~~。

 

…なんかあっちの方で青汁とコーヒーがバカ売れしてるみたいだけど…気にしない気にしない♪

 

「お、おい、なのは…?!」

 

ん、なにかな良牙くん?

「…なんで俺の手を握ってるんだ、それも恋人繋ぎで…(汗)」

 

…だってそうしないと良牙くんまた道に迷うでしょ?!今シャーリーがマリーさんやプレシアさんと共同で対策練ってるから我慢して?

 

「…あと恋人繋ぎはわたしの趣味だよっ♪」

 

わたしがそういうと良牙くんの顔が真っ赤になる。

 

「…ま、まぁ仕方ないか…今だけだぞ?」

 

良牙くんはそういって手を強く握り返してくる。…やだ、なんだか照れちゃうよぉ…

 

「…ちょっとなのは、それぐらいにしといたら?…周りで独り者の連中が砂吐いてるわよ…大量に。」

 

ほえっ?!なんで砂なんて吐くのかなぁ…別に普通に接してるだけなのに…

「ね、良牙くん?」

 

「し、知らんっ?!」

 

「はぁっ…買い物は済んだ?じゃあお茶しに行きましょ?」

 

リナちゃんはそういうと手に提げたピンクのポーチを振り回しながらわたしたちの前を歩き始めた。

 

…実はリナちゃんはあぁ見えてピンクが好きらしい。服は他の色が多いけど、小物は意外と可愛らしい色だったりする。さすがはピン…

 

『…それ以上言ったらぶっ飛ばすわよ、あんたでも。』

 

…ひぃっ?!…な、なんでわかったの?前世で呼ばれて嫌だった、とは知ってるけど…

 

「…なぁなのは、あのリナってのはそんなに怖いのか?女の子同士だったらお前に敵はいないように思えるんだが…」

 

雰囲気で場を察したのか、良牙くんが声をかけてきた。

 

「…リナちゃんは例外だよ良牙くん。わたしにとってリナちゃんは親友で魔王な存在だから。」

 

「なんだそりゃ?!」

 

…とまぁ馬鹿話してる間にオープンカフェの喫茶店に到着~!

 

「いらっしゃいませ!ご注文は?」

 

「あたしはハーブティとレアチーズケーキね。」

 

「わたしはカプチーノとモンブランにしよっ…良牙くんは?」

 

わたしはメニューをみて悩んでる良牙くんに話しかける。

 

「う~ん、こんなところに来たことがないからなぁ…なのはと同じのにするか。」

 

うん、それがいいかも。あまり変わったの頼んだら失敗するからね。

 

「かしこまりました。それでは暫く…」

 

「おぅ可愛いお姉ちゃん2人も連れて羨ましいなぁ兄ちゃんよぅ~!」

 

「こんなのより俺らと一緒に遊びにいこうぜ~」

 

…もう、人が楽しくティータイムを楽しもうって時にどうして出てくるのかなぁこういう人たちって…あ、リナちゃんは青筋立ててる…もうご臨終確定なの(苦笑)。

 

「…黙れよ、この雑魚が…。」

 

「はぁ?なんか言ったかイケメンの兄ちゃんよぅ?!」

 

「喋るなって言ったんだ、息が臭いから。」

り、良牙くん?…どうやら良牙くんも怒ってたみたいなの。

 

「おぅおぅおぅ、こっちが大人しくしてると思ったらいい気になりやが…うおっ?!」

 

なおも挑発し続ける不良Aを良牙くんは右手1本で吊り上げる。…凄い力なの!

 

「…何しやがる、離せバカ野郎?!」

 

不良の脅しも意に介さず、良牙くんは不良Aをもう1人の不良めがけて投げつけた!

 

「…失せな、今なら見逃してやる。」

 

か、カッコいい~っ!

 

「ふ、ふざけやがって?!」

 

…不良たちは逆上して懐からナイフを出してきた。良牙くんはそれを見てため息ひとつ。

「はぁ…なのは、リナ、離れてろ。…はぁっ!!」

 

良牙くんは構えをとり気合いを溜める…ってリナちゃんこれってまさか?!

 

「えぇ…気合いの中に魔力が混じってる…不完全だけど咸卦法だわ、これ…」

 

そんな話をしているうちに不良たちは良牙くんに襲いかかる!

 

「死ねやオラァ?!」

 

「…バカ野郎が…いくぞっ!奥義っ、獅子…咆哮弾っ!」

 

良牙くんの放った一撃はカウンターで不良たちを飲み込んで…

 

「「あぎゃらば~っ?!」」

 

……………キラーン☆

 

…遠いお空の星と消えたの。

 

「ふぅ…大丈夫だったか2人とも。」

「うん!ありがとう良牙くんっ!!」

 

「なかなかやるじゃない 良牙。でも今の咸卦法、どこで覚えたの?」

 

リナちゃんの問いに首を傾げる良牙くん。

 

「は、カンカホウ?なんだそれは?俺は気合いを溜めて技を放っただけだが。」

 

えっ、それじゃ今のは無意識に?…凄い、凄すぎるよ良牙くん!

 

「…本当に凄いわね良牙…なのは、あんた咸卦法教えてあげたら?…父さんにはあたしから言っとくからさ。」

 

えっ、わたしが?…うん、今のを見ても良牙くんが正しい心を持ってるのは間違いないし…何より良牙くんと2人きりに…

 

「…なのは?…お~い、なのは~っ?!」

…はっ?!いけない、いけない…もう少しで違う世界へ行くとこだったの。

 

…あ、そろそろ集合の時間なの。

 

「本当だ…さぁ駅に向かうわよ!」

 

今日は良牙くんのカッコいいところも見れたし、最高の旅行だったの!…1日休んで明後日からはいよいよ高校生活が始まる…St.ヒルデ魔法学院高等部での毎日、楽しみっ!!

 

NO SIDE

 

…こうして新たな出会いと再会…波瀾に満ちた卒業旅行は終わりを告げた。

 

…だが良牙となのは、そしてリナの3人にはこのあともう1つ事件が待っていた。…そう、良牙のもう1つの秘密が今暴かれる…

 

SIDE:リナ

 

「はーっ、やっと帰って来たわね…なのはは初めてだっけ、この部屋に来るの?」

 

あたしは旅行カバンをソファーに放り投げるとやかんに水を入れ火にかける。

 

「うん。…リナちゃんは下見に来てたんだよね?」

 

あたしとなのは、そしてしばらく居候が決まった良牙はミッドチルダにあるSt.ヒルデ魔法学院高等部の学生寮のあたしたちの部屋に戻っていた。

 

あたしは春休みに入ってすぐに下見に来てたけど、なのはは今日が初めて。更に…

 

「良牙、あんまりキョロキョロしないでくれる?恥ずかしいじゃない…」

 

「あ、あぁ済まん…女の子の部屋に入るなんてそんなに無いから…」

…まったくもう…さっきまでの凛々しさはどこに…仕方ないなぁ…

 

「それじゃ良牙、先お風呂いってきたら?あたしらは入ったら長いからさ。」

 

あたしの提案に良牙はほっとした表情を見せる。

 

「い、いいのか?…それじゃお言葉に甘えさせてもらうぞ、色々あってもうクタクタだ…」

 

良牙はそういいながらリュックサックから下着とパジャマを取り出した…準備万端ね、アンタ…

 

「一度道に迷ったら三連泊位ざらだからな…それじゃお先に!」

 

良牙はタオルと着替えを持ってシャワールームへ。…と言うか、なんとかしないとまずいわよね、あの方向音痴…。

ピーーッ…

 

「あ、お湯が沸いたみたい。…なのははコーヒーでいい?」

 

ティーセットの準備をしながらなのはに尋ねる。

 

「うん、ありがと。…ねぇリナちゃん、ポストに何か入ってるよ?…『連絡…今日点検でお湯が出ません』だって。」

 

ふーん…ってじゃあ良牙?!

 

『…冷たっ…ブキッ?!』

 

あ~あ、遅かったかぁ~…って「ブキッ?!」って何?なんか可愛らしい声が聞こえたんだけど…

 

「大丈夫良牙く…きゃあ?」

 

なのはが声をかけようとしたらシャワールームから黒い影が飛び出してなのはにぶつかってきた。…黒い子豚?「うわぁ~かあいいよ~お持ち帰りしていい?」

 

…なのは、それ中の人違うから。それより良牙っ…ていない?一体何処に…

 

あたしはふとなのはに抱き抱えられた子豚を見る。…じたばたもがいてるけど、あれ…首に巻いてあるのって良牙のバンダナ…えっまさか?!

 

「…まさかアンタ、良牙なの?」

 

「ブヒッ!ブヒブヒッ!!」

 

あたしが聞くと子豚は必死に首を縦にふる。

 

「え~っ、これが良牙くんっ?!」

 

なのはもびっくりしてるけどあたしも驚くしかなかった。

 

どうやら方向音痴の他にもうひとつ、厄介な事があったみたいね…

 




良牙の災難はまだまだ続きます。

次回「はいすくうる〈6〉いよいよ始まる新学期」

次回もみてくんないと…

「丸焼きにして食べちゃうわよ♪」

「ブヒッ?!」

(BYリナ&良牙)

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