シリアスはしばらく封印です。
NO SIDE
無事?高校生活初日を終え、ククリという金魚の糞(笑)を得る事となったリナと仲間たち。
ククリの案内によりクラガナンのレストランにランチを食べに訪れたのだが…
SIDE:リナ
「…あの~っ…?本当にご注文は以上で…?」
注文を取りに来たウェイトレスさんが顔をひきつらせてる。
「そっ、あたしとアメリア、ヴィータはランチセットのAからDまで3人前ずつね。」
「あと、この舌平目のムニエルとフォアグラのソテーもお願いします!」
「…えぇい面倒だからメニューの端から順番に持ってこいっ?!」
あたしとアメリア、ヴィータの大食い3人組は一気に注文する。ここはククリの奢りだからガッツリ食べないとね?
「…わたしはAセットがいいの。」
「…じゃわたしもそれで。」
「…わたしもそれでええわ。」
なのは、フェイト、はやてはランチセットのみ。そんなので足りるの?
「…逆にどこにそれだけ食べ物が入るか聞きたいんだけどリナ…(汗)」
ん~っ?前世で旅をしてた頃はもっと食べてたからね。
「…あ、シャトーブリアンと鳥の丸焼き追加ね♪」
「「「マジかっ?!」」」
…そうこうしているうちにテーブルの上は料理で一杯に。…支払いは大丈夫なの、ククリ?
「心配ご無用ですわ!わたくしにはこの…」
そういうとククリは財布から一枚のカードを取り出した。
「…ピース・ファイナンスの虎柄カードがあるのですからっ!」
…なによ、その決済する度に「キュイン♪」って音が鳴りそうなカードは…。
ま、まぁそれなら大丈夫でしょ。それじゃ、いただっき…
「…やっと見つけたわよ、高町なのはっ!兄さんの敵…覚悟っ!!」
ほえっ?!
ドガシャァ~ン!
物騒な台詞とともに空から少女が襲来!…お料理はテーブルと共に木っ端微塵に…
「あ~っ、あたしのシャトーブリアンちゃんが…誰よっ、こんな極悪非道な事すんのはっ!」
そう言って惨劇の起きたテーブルを見るとそこには、槍型のデバイスを持った少女。年の頃はあたしたちと同じくらい?
「おにょれ~、罪の無いお料理たちを…何の恨みがあるっていうのよ!」
「そうですっ!ムニエルさんとフォアグラさんに謝ってくださいっ!!」
「…あたしのストロベリーサンデーっ?!…ぶっ殺すっ!」
あたしに続けてアメリアとヴィータも思いの丈を叫ぶ…解る、解るぞぉっ2人ともっ!
でも彼女はあたしたちの存在を無視しなのはを指差した。
「…ふっ、あんたたちに用は無いわ。用があるのは高町なのは、兄のかたきであるあなただけよっ!!」
…そーいえばそんな事言ってたっけ。でもあたしやアメリア、ナーガならともかくなのははそんな事…あっ?!
「ねぇ、あんたのお兄さんって強盗とかなにか犯罪犯したって事は…」
「失礼ねっ、兄さんは管理局勤めよ!」
管理局勤めということは同僚か…そっちの線は薄いわね。
「じゃあわたしに告白してブッ飛ばされたとか?」
あ、それはあるかも。あたしもだけどしつこい連中が多いからなぁあの手は。
「そうじゃなくてっ!…兄さんは数日前の帰宅途中に家の前で襲われたのよあなたにっ?!…わたしが駆けつけた時には兄さんはもう…」
…おいおい、洒落にならない話に…
「…たんこぶ作って気を失ってたわ。」
ズコッ?!
「その時暗闇の中にいた人影が言ったのよ!…『わたしは高町なのは、敵がとりたくば何時でもかかってこい』って…!」
…ちょっと待って!あんた名前は?
「…キャミー。キャミー・ソールよ。」
謎の少女はキャミーと名乗る。…ん?昔そんな名前の子に会ったことなかったっけか?
「…じゃあキャミー、1つ確認するけどあんた、お兄さんを襲撃した相手を目撃したの?」
「もちろんよ!あれ以来脳裏から離れないわ。…金色の髪のショートカット…」
なのはは茶色の髪のポニーテール。
「赤色の半袖にショートパンツのバリアジャケットに身を包み…」
なのはは白と青のフレアスカート。
「…真っ白な仮面で顔を隠し…」
…ん、んんっ?!
「手には短銃型のデバイスを持った…」
「待てやコラ。なのはのレイジングハートは杖型だし…今話した中の何処になのはの要素が…」
あたしはジト目でキャミーを睨みながらクレームをつける。
その言葉にキャミーは…
「…そういえば似てないわね…全然。」
「最初から気付け~っ?!」
そう言ってあたしが投げた小さな瓦礫がキャミーの頭を直撃し、彼女は気絶した。
NO SIDE
リナたちは気絶したキャミーをとりあえず近くの公園に運んだ。(ちなみにレストランの損害はククリが立て替えた。)
SIDE:なのは
「う…うう~ん…」
…あ、気がついたみたいなの。
「…大丈夫?頭痛くない?」
一応アメリアちゃんが治癒[リカバリー]の呪文をかけてくれてはいるんだけど…。
「…大丈夫よ。…ごめんなさい、わたしの勘違いだったみたいね。」
…どうやら誤解も解けたみたいで何よりなの。
「でも、そのお兄さんを襲った犯人はなのはちゃんに成り済まして悪いことしとるんやろ?」
はやてちゃんの言う通り、犯人はわたしの名をかたってる…あ、なんか腹がたってきた。
「…仕方ないわね。ここで知り合ったのも何かの縁、みんなで探してフルボッコ…ってのはどう?」
リナちゃんの提案に全員がサムズアップ!いつもながら息ぴったりだ。
「あ、ありがとう…でもそいつが何処にいるのか、ましてや名前も…」
そっか、「高町なのは」は当然偽名だから本当の名前は…
「おいキャミー、ちょっといいか?」
…ん、どうしたのヴィータちゃん、ひきつった顔して?
「お前の兄ちゃんを襲った相手って、金髪のショートカットで赤色の上下、白い仮面だったよな?」
「えぇ、そうだけど?」
キャミーちゃんはきょとんとしてる。
ヴィータちゃんはそれに構わずある方向を指差して…
「…それって、あそこ歩いてる奴じゃねーのか?」
…えっ?…わたしたちが指差す方向を見てみると、そこには赤色の上下で金髪のショートカットの仮面をつけた…多分少女が買い物袋を提げて歩いていた。
「…見つけたっ、あいつよ。間違いないわっ!」
…まさかこんな街中をそんな格好で出歩くなんて…しかも買い物帰りっ?
とにかく呼び止めて話を聞くのっ!
「そこのあなたっ、高町なのはでしょっ?!」
ズコッ?!
…さっきまでの話は何処にいったのかなキャミーちゃん(怒)?
「…いいえ、わたしはフェイト・テスタロッサって名前だけど?」
…って今度はフェイトちゃんになりすましてる?!
「…あらっ?もしかして人間違いかな…」
アホなの?キャミーちゃんはアホの子なの?!
「…えぇい、あんた数日前にこの子のお兄さん襲ったでしょう?正直に白状なさい!」
リナちゃんの指摘に仮面の少女は無い胸を張り答える。
「…?! アンタはあいつの…敵討ちってことね。…笑止っ!アンタごときがこの八神はやてに敵うと思っているのかしら?」
うが~っ?!今度ははやてちゃんっ?
「…偽名はもう聞きあきたから本名を名乗ってくれないかな、本名を!」
わたしの心からの叫びに帰ってきた答えは…
「ふっ![万の偽名を持つ女/ザ・ミリィオネア]と言われたこのわたしに本名なんて…」
「~~~~~~~?!」
…あれ?リナちゃん頭を抱えてどうしたの?
「なんでもないわなんでも?!」
仮面の少女は買い物袋を地面に置くとデバイス(短銃)を取り出す。
「わたしの邪魔をするものはみんな敵よ!さぁ、かかってきなさい!」
「…皆さん、こいつは兄さんの敵、わたしに任せ…」
キャミーちゃんが一歩前に踏み出したその時。
『…[炸弾陣/ディル・ブランド]。』
チュド~ンッ!
「りぞらば~っ?!」
…後ろから(こそっと)放ったリナちゃんの呪文に仮面の少女はブッ飛ばされた。
「…あの~っ、わたしの立場は…」
「…いいじゃない、あっちが「みんな敵」っていったんだし。…それより気になる事があるのよ。」
気になる事?
リナちゃんは気絶してる仮面少女に近づき、何処からともなく取り出したロープでしばりつける。
「リナちゃんは一体どこにあんなもん隠しとるんかな…謎やわ。」
それは言っちゃ駄目だよはやてちゃん。
縛ったあと仮面を取ると…可愛らしい顔の美少女が!
「…ま、お約束よね。ほら、起きて!」
リナちゃんが少女の身体を揺すると、すぐに目を覚ます。
「うっ、う~んっ…ひ、ひぃ~っ?!」
少女はリナちゃんの顔を見た瞬間青ざめて、尺取り虫みたいに座ったまま後ずさる。
「…大丈夫よ、大人しく聞いた事に答えてくれたら…」
「話しますっ!だから命だけは…」
「…アンタ、あたしを何だと思ってるの?(怒)」
…多分、黒い魔王の影が見えてるんじゃないかなぁ?(苦笑)
「…なのは…なんかいった?!」
…何もいってないよっ?!
「…まぁいいわ。それで…まずアンタの名前は?嘘いったら…わかってるわね?」
リナちゃんの魔王の微笑みにビビりまくりの(元)仮面少女。
「は、はいっ!わたしの名前はミリィオネア…」
「本名を言えって言わなかったっけ?!(怒)」
「だ、だから本名がミリィ・オネアーなんですぅ!ホントです!…ほら、学生証!」
出された学生証を見ると確かにミリィ・オネアーと書かれてた。
「…ふざけた名前だけど、本当のようね。さて、本題なんだけど…ミリィ、あんたなんで人の名前勝手にかたってるのよ?…なのはもフェイトもはやてもここにいるんだけど?」
リナちゃんの言葉にミリィちゃんの表情が変わる。
「へっ…あなたたちが…じゃあポニーテールのあなたが高町なのはさん?!」
「うん。どうしてわたしの名前を…」
ミリィは持っていたポーチから手帳とサインペンを出してきた。
「…わたし、あなたたちのファンなんです、サインしてくださいっ!」
…えっ?!意外なミリィの言葉に戸惑いながらもわたしたちは順番にサインを書いた。
「もう…最初から名乗って下さったらすぐに謝ったのに…。」
残念だけど少なくともわたしはいきなり名乗る趣味はないから。
「あ、好きな言葉もあればいっしょに書いてもらえますか?」
す、好きな言葉?え~っと…『全力全壊』…とまぁ、こんな感じかな?
「ありがとうございます、家宝にしますっ!…ところで、逢魔リナさんもお友達なんですよね?今日は別行動なんですか?」
「…逢魔リナはあたしよ。」
ミリィちゃんはリナちゃんを見て驚きの表情。…なんで?
「え~っ、意外と普通なんですね…てっきりつり目で大きな胸に角3本の大柄な人だと…」
「…あんた、それ誰に聞いたの?」
こめかみに青筋たてながらリナちゃんが確認すると、
「え~と、長い髪の毛で巨乳のボンテージを着た女の人が高笑いしながら言い触らして…」
「あいつ…あとで〆る。」
リナちゃん…目からハイライトが消えて危ない目付きなの。(汗)
「あと、あなたどうしてキャミーのお兄さんを?一応理由はどうあれ犯罪だからね?」
執務官でもあるフェイトちゃんが尋ねる。
「…実は…あの子のお兄さん、わたしのストーカーなんです。あまりにずっとつきまとうから仮面かぶってみたりしたんですけど効果がなくて…」
あ~~っ、そういうことか。…キャミーの顔がみるみるうちに青ざめてく。
「…あの~それじゃわたしはこれで…」
「…帰れるわけないでしょ?!」
一瞬にしてキャミーが金色のバインドに拘束される。
「…あとで一緒にお家にいこうね♪」
「…はい…(涙)」
キャミーはうなだれたままフェイトちゃんに説教されてる。
結局…キャミーちゃんはただの逆恨みだった…って事?
「はぁ…やっぱりね…前世でもこんなことあったからまさかとは思ったけど…。」
リナちゃんの呟きがこの事件の奥深さを物語ってたの…。
お楽しみいただけたでしょうか?
ちょっと事情がありまして今回は次回予告は無しです。
詳しくは活動報告にて。