魔法少女リリカルすれいや~ず!   作:タカヒロオー

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今回は短編集13巻収録の「仰げば鬱陶し」と、その続編「君のゆく道は…」のパロディです。

活動報告に応えてくださったstanさんありがとうございました!


はいすくうる〈10〉 仰げば鬱陶し、…いのは教師じゃない?!

NO SIDE

 

リナたちが入学してからはや2ヶ月が過ぎ、6月も半ばをを迎えようとしていた頃…

 

SIDE:なのは

 

キンコン カンコ~ン…

 

「起立…礼!」

 

 

『…それでは…ごきげんよう。』

 

…あ~、今日の授業も無事に…ってあれ、どうしたのリナちゃん?頭抱えて…?

 

「なのは…あんたたちよく『ごきげんよう』なんて素に言えるわね…なんか寒気が走るんだけど。」

 

にゃはは…確かにリナちゃんには合わないかも。でも、わたしやフェイトちゃんは大丈夫だよ?

 

「あたしも平気だな。…ってか、周りのみんなから『ロリ可愛い~』って言われるのが理解できね~が。」

「わたしはそもそも前世が王族ですから、ね。…もっとも、似合ってないのは分かってるけど。」

 

「わたしも違和感は無い…思てたんやけど、たま~に『ほな、ごきげんさん』って言いそうになるわ…。長年の癖やな。」

 

う~ん、人それぞれなの。…まぁ無事今日も1日終わった事だし、街に買い物に…

 

「おうおぅ可愛いねぇ?!」

 

「…いいから俺たちと遊ぼうぜ?!…へへっ。」

 

「そ~そ~っ!大人しくついてきた方が身のためだぜ?」

 

…あ~、こりゃまたお約束すぎるシチュエーションなの。どうする、リナちゃん?

 

「…そんなの決まってるじゃない!憂さ晴ら…じゃなかった、降りかかる火の粉は払うのが当たり前じゃない?」

…今「憂さ晴らし」って言いかけたよね…

 

「うるさいわね…いくわよ、ディル・ブ…」

 

ドッカーン!

 

「…へっ?!」

 

リナちゃんが呪文を唱えようとしたその瞬間、不良2人が突然吹っ飛んだ。…いったい何で…

 

「ほっほっほっ!危ないところでしたわねっ!!」

 

ふと声のした方を振り向くとそこにはスーツに身を固めた女性がいた。見た目は20代後半位かな?

 

「あ、ありがとうございま…す?」

 

一応は助けられた形(?)なので、わたしはペコリと頭を下げた。

 

「いやいや、礼には及びませんわ。わたくしはただ職務を遂行しただけの事ですから。」

…?…すいません、意味が解らないです。…貴女はいったい…?

 

「何はともあれ、此れからよろしくお願いしますね?…逢魔リナ、高町なのは、フェイト・テスタロッサ…そして八神はやてとその家族さん?」

 

えっ?!どうしてこの人わたしたちの事を…?

 

「…失礼、申し遅れましたわ。わたくし、キョシー・ヤバイースと申します。…この度、貴女方の教育係を仰せ付けられたからよろしくお願いいたしますわね♪」

 

………はいぃ~っ?!

 

 

 

 

 

…という訳で、わたしたちとキョシーさんはオープンカフェにて絶賛面談中!…キョシーさん、いったいわたしたちの教育係って何の事ですかっ?!

「…貴女方のお噂はわたくしも耳にしていますわ、良い噂・悪い噂両方ね。」

 

キョシーさんはそう言うと紅茶を一口含んで話を続ける。

 

「ただ、ご活躍は認めてもやりすぎなのでは、とわたくしの所属しているSt.ヒルデ同窓会の会長も危惧されてますの。このままではSt.ヒルデの品位まで墜ちてしまうのではと…という訳で、このわたくしが貴女方をSt.ヒルデ魔法学院の生徒に相応しい淑女に再教育すべく、派遣されたわけですわ。」

 

「なるほどなぁ…ってアホか?!」

 

おおっ、はやてちゃんのノリツッコミっ?!

 

「ええか、わたしらはSt.ヒルデ魔法学院の生徒であると同時に時空管理局の魔導師や。やんちゃしとる子らを懲らしめるんの何処が…」

「懲らしめ方が間違ってると言ってるんですっ!もっと穏便にSt.ヒルデの学生らしくしてくださいませんか?」

 

「…つまり謝ってきたら許せと?…残念、あたしたちのモットーは『悪人に人権は無い』なのよね。それにあんたもさっき…」

 

そうだ!この人もさっき不良たちを吹っ飛ばしてたよね。

 

「愚問ですね。わたくしが依頼されたのは貴女方の教育係であってわたくしが攻撃するのは問題なしですわ!」

 

…いや、それは十分問題なのでは…(汗)

 

「…とにかくっ!貴女方が品行方正な人間に改心するまでわたくしが付きっきりで教育しますわ、覚悟なさい!」

 

どうしよう…こんなめんどくさい人付きまとわれたら…

 

「あ、みんなここに居たんだ?!」

 

「なんだ、井戸端会議か?!」

 

後ろから声をかけられ振り向くと、そこに居たのは予想通りユーノくんと…良牙くん♪

 

「お疲れ~ユーノ。それと良牙、井戸端会議はオッサン臭いわよ、ガールズトークって言ってくれる?」

 

にゃはは…良牙くんは修行一筋だったからこういう所があるの。でもそこがまたカッコいいんだぁ…(デレッ)

 

ってあれっ、キョシーさんが急に静かになったと思ったら…

 

「や、やだ…2人ともイケメン…」

 

「「…はあっ?!(怒)」」

わたしとリナちゃんが怒気を放った途端、はやてちゃんたちはもちろん、周りのお客さんたちも避難を始める。

 

「…というか貴方もしかして無限書庫司書長の筆頭候補の逢魔・S・ユーノさん?!こんな所でお逢いできるなんて…こちらの方はご友人?こちらには何用で?!」

 

すっかりミーハーと化してナンパを始めたキョシーさ…もうキョシーでいいの。

 

ユーノくんと良牙くんは苦笑いしながら答える。

 

「僕たちはそこにいる友達…それに恋人と一緒に帰ろうと思ってね。な、良牙?!」

 

「あ、あぁ…ちょっと恥ずかしいけどな…。」

 

照れくさそうにいう2人がとってもぷりちぃなの。

それにひきかえ…

 

「恋人ですって?!そんなガキンチョほっといてわたくしとどこか遊びに…」

 

ギュイン!

 

キョシーの両手両足を拘束したのはわたしのバインド。そして…

 

「…あのさぁ…あんたのいってるガキンチョって、あたしとなのはの事なんだけど…覚悟はいい?」

 

「えっ…ムグっ?!」

 

追加でそのめんどくさい口も拘束…うん、静かになったの。

 

「ムグっ、ムググっ?!」

 

…人の恋路を邪魔する輩はお星さまになるの♪

 

「…少し、頭冷やそうか?リナちゃん、おねがい♪」

 

「お~け~。…爆裂陣[メガ・ブランド]!!」

ちゅど~んっ!

 

「あ~れ~っ?!」

 

リナちゃんの呪文で真上に吹っ飛んだキョシーはカフェの側の噴水に落下した。…これで頭が冷えたかな?

 

「…はあ~っ、ユーノと良牙にちょっかいかけるなんて…知らないって怖いね…」

 

「あぁ…ほんとバカだよなぁ。」

 

「わたしだってゼルガディスさんに色目使われたら鉄拳制裁確定ですよっ!!」

 

「まぁアメリア落ち着き。…これでわかってくれたらええんやけどなぁ…」

 

はやてちゃんたちは離れた場所でぼそぼそと。…と、キョシーさん、目が覚めたようなの。

 

「痛たたっ…流石管理局の〈エース・オブ・エース〉と〈魔を滅せし者/デモン・スレイヤー〉。…わたくしでは到底敵いませんわ…」

うん、わかってくれたらそれで…

 

「しかぁしっ!所詮わたしは同窓会で底辺のしたっぱ。この先は…それっ!」

 

キョシーが何か空に放り投げた。それは天高く舞い上がり、無数の鳩になって四方八方へと飛び散っていく…まさかっ?!

 

「そう!今のは特別に飼育された伝書鳩よ。これで同窓会の先輩方…『St.ヒルデ176人衆』が招集されるわ。」

 

…はいっ?それってもしかしなくても…めんどくさいパターン?!

 

「ふっふっふ…歩が3つ。」

 

リ、リナちゃん?何その某プロレス漫画の敵みたいな笑い方は?!

 

「…なんとなくよ、なんとなく。…それよりキョシー、あんたらの本部ってどこにあるの?」

 

「そ、それはクラガナンの中心部に…って何をするおつもりですのっ?!」

 

怯えながら答えるキョシーにリナちゃんは満面の笑みで答える。

 

「決まってるじゃない?あんたらのリーダー…同窓会長に直談判すんのよ!」

 

「それはナイスアイデアなのっ!フェイトちゃんたちもいくよね?」

 

わたしの問いにうなづくはやてちゃんたち。

 

わたしたちはバリアジャケットに着替えると高速飛行で目的地へと向かう。

 

暫くいくと立ちはだかる数人の男女。皆手に手にデバイスを持って構えてる。

 

「よく来たな!しかし此処からはこの『グロさの求道者』、ドブガー・ワクセがお前たちを教育し直してやる、覚悟するがいい!」

「…何を言ってるんですか?この子たちはこの『エロの風紀委員』、エロカ・ワイスが育て上げて…」

 

「馬鹿な事を言うんじゃないよ!ここはこの『制服を極めしもの』、ドレッシー・フォーマルドが…」

 

…次々と変なやつがでてくるんだけど…

 

「どうする、みんな?」

 

「いうまでもあらへん、薙ぎ倒して一直線やっ!!」

 

……………(しばらくおまちくださいなの♪)

 

 

それから数十分後、襲ってきた刺客をすべて薙ぎ倒したわたしたちは無事にStヒルデ魔法学院・同窓会本部にたどり着いた。

 

「ば、馬鹿な…我ら同窓会の精鋭がこうも簡た…(ぶみっ)」

ふうっ、やっと静かになったの。

 

「それじゃあ…入るわよ?」

 

リナちゃんはわたしたちがサムズアップで返事したのを確認して思いっきりドアを蹴り破る。

 

「…頼もぉ~っ…ってあれっ?」

 

ドアの先は応接間だった。そしてそこにいたのは…

 

「あらはやて…それに皆さんどうしてこちらに?」

 

そこでソファーに座り紅茶を飲んでいたのは聖王教会の騎士、カリム・グラシアとその側近のシスター・シャッハ…どうしてここに?

 

「それはこちらの台詞です。わたくしたちは同窓会が聖王教会に寄付してくれるとの事なので…」

 

はぁ…

「そんなことよりここのトップは誰っ?一言文句言わないと気がすまないんだけどっ?!」

 

わたしたちはカリムさんに事情を説明する。

 

「…成る程、事情は把握しました。同窓会の会長、エミイルさんは席を外されてますがもうすぐ…」

 

「やぁ、お待たせしました騎士カリム。…おや、そちらの方々は?」

 

…!まさかこの人わたしたちの事…

 

「…多分ね。…申し遅れました、あたしはSt.ヒルデ魔法学院の在校生で逢魔リナと申します。本日はエミイル会長さんにお話が…というか、分かってるわよね用件は?」

 

エミイルさんはリナちゃんが名乗った途端、青白い顔が更に青くなり…

 

「うわ来たごめん謝る僕が悪かった。」

 

まさかいきなりの土下座っ?!

 

「あんたねぇ、謝って済むと…」

 

「あぁ騎士カリム、どうかお助け…」

 

「そうは言われましても…これは当事者同士の問題ですしねぇ…」

 

そう言ってカリムさんは顔を背ける。そりゃそうだよね…

 

「…解りました。寄付額を倍に…」

 

「…もう一声。」

 

「…ええぃ、3倍でどうですかっ?」

 

「リナさん、ここは私に免じて赦してやってもらえませんか?」

 

ズコッ?!

 

「…変わり身はやっ?!」

「ごめんなさいね…聖王教会もここの所信者が減少気味でね…何かと物要りなのよ。」

 

…どうする、リナちゃん?

 

「…騎士カリムに感謝することね。でも今度やったら…?」

 

「ひいっ、もうしませ~んっ?!」

 

…やれやれ、これで一件落着?なんだけど…

 

「あ~、なんかムシャクシャする~っ…ちょっと異世界で呪文ぶっぱなしてくるわ。」

 

「あ、わたしもついてっていいリナ?!」

 

「別にいいわよアメリア。それじゃあなのは、ご飯いらないって寮母さんにいっといて。」

 

うん、わかったの。…でもこの時はまさか、リナちゃんとアメリアちゃんが他の平行世界に迷い込んで大暴れするなんて想いもしなかったの…(笑)。




はい、このあとリナとアメリアは現在荒潮提督さんの「マテリアルズ・ストラトス」で展開中のコラボ回に巻き込まれた、ということになります。

ちなみに次回は2人とも帰ってくるのでご安心を。

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