本年もご愛顧よろしくです!
NO SIDE
学院祭準備に追われるリナたちに降りかかった幽霊騒動。その元凶は異世界で出会ったフェイトそっくりの少女、レヴィ・ラッセルだった。
リナは一夏たちと合流を目指すレヴィを保護し、学院祭の助っ人をさせる事にしたのだった…。
SIDE:リナ
「は~っ、この子がレヴィちゃんかぁ…」
「ほんとフェイトちゃんにそっくりなの…」
あたしがレヴィをみんなに紹介したら、予想通りの反応。まぁ、簡単にいったらフェイトの分身だからね?でも…
「どうしたのレヴィ、なんか疲れてるみたいだけど…」
「…ありしあとぷれしあのおばちゃんが寝かせてくれなかった…」あ~~~っ…なんとなく風景が目に浮かぶ…
「そういえばレヴィって性格的にはアリシアさんよりだよね?」
アメリアのいう通り、レヴィはフェイトというよりアリシアっぽいイメージがする。
「もしかして、ママが最初からあんな感じだったらフェイトもこうなってたかもね~♪」
あ、アリシアだっ!久しぶり~っ!
「やっほ~リナ!助っ人に来たよ。」
「今日はよろしくなぁ、アリシアさん。衣装はこれな?」
はやてがケースからコスプレ衣装をアリシアに手渡す。
「今日のテーマはずばり、『チーム・アニマるん』…動物系コスやっ!」
はやてのいう通り、あたしたちは皆動物をモチーフにしたコスに身を包んでいる。
因みにあたしは赤いキャップに赤のスカジャン、オーバーオール…までは普通なんだけど、この耳と尻尾は…猿っ?!
「それはデ〇ー〇ィーコ〇グの格好やな。ちなみにド〇キーコ〇グは良牙くんにお願いしたわ。」
…やっぱり〇天堂の子猿さんだったか…でもなんで良牙なの?なのはが拗ねそうな気がすんだけど。
「ん~?イメージ以外のなにもんでもないなぁ?なのはちゃんは今日は厨房でホットドリンクの担当や。」
「はやてちゃ~ん…」
厨房の中からなのはが出てきた…のはいいんだけど、なによそのコスプレはっ?!
簡単に言っちゃうと黒ウサギのイメージ(なのセンツ1巻のコス)なんだけど…異様なのは何故かお腹からでてる臓物。
「お~、よう似合っとるわ~!やっぱりハラキリクロウサギはなのはちゃんで正解やったわ!」
は、ハラキリクロウサギっ?!なにその尖ったキャラ選択は?
「えっ、リナちゃんも宇宙怪獣とかの方がよかったか?それならそーと…」
「いいえ結構ですっ?!…ほら良牙、客引きに行くわよっ!」
「お、おいリナっ待てよ…」
このままいたらヤバいっ!あたしはゴリラ姿の良牙の手を引っ張り廊下へ行こうと…
「あ、リナちゃん、忘れもんやっ!…はいっ!」
そう言ってはやてが投げ寄越したのはフェレット …もしかしてユーノっ?
『や、やぁリナ…』
ユーノは念話で話しかけてきた。…まぁここはミッドだから普通にしゃべっても大丈夫なんだけどなぁ?
『ははっ、つい昔の癖がね…一緒についていっていいかな、リナ?』
…?! …し、仕方ないわね~今回は特別よ?
ふと後ろを見ると生ぬるい目のはやてと、ハンカチを噛みながら涙目のなのは…
「良牙くんだけじゃなくてユーノくんまで…リナちゃんズルいの!」
「まぁまぁ…明日はなのはちゃんも良牙くんとデートできるよう段取りしとくから我慢しといてんか?」
「ほんとっ?!…じゃあ我慢する…」
…なんか近頃のなのはって良牙が絡むと人が変わってる気が…(汗)
「…それじゃあ行ってくるわ。レヴィ、あんたも来る?」
「何か食べさせてくれるっ?」
仕方ないわね~、今日は奢ったげるわ。で、なにが…「もちろんカレーっ!」…聞くまでもなかったか。
「それじゃ他の喫茶店を偵察がてら覗くとしますか。良牙とユーノもそれでいい?」
「あぁ、それでいいぜ。」
『僕もそれで構わないよ。リナと一緒に食事するのも久しぶりだし。』
…そ~言えばユーノって最近無限書庫に籠ってたのよね。…何調べてたのよ?
『…実は最近、次元漂流者が異常に増えてるんだ。…良牙やレヴィみたいにね。』
…確かにそうかも。あたしは中学の卒業の日にゼロスに聞いた話を思い出す。
『平行世界の次元の壁が脆くなっています。イレギュラーが発生するかも…』
(一度ゼロスと話しておいた方が…ん、通信…ゼロスから?!)
あたしが回線を開くと、そこには何故かコックコートに身を包んだゼロスの姿。
『あ、リナさん。よかった、出てくれないかと思いましたよ…』
いつになく真剣なゼロスの表情にあたしたちにも緊張が走る。
「なにがあったのゼロス?アンタがそんな顔するなんて…」
「…僕が単独でレストランを開いてるのはご存知ですよね?」
ゼロスの言葉にあたしは頷く。…ゼロスはあたしたちの〈MIDORI‐YA〉には参加せず、単独でレストラン〈ZEROS〉を開いていた。
なんでも突然料理の騎士が舞い降りたとか…う~ん、意味が分からん。
『…幸い、店は大繁盛で人手が足らなくなりまして…そんな時に「リナさんの知り合い」という方が手伝いに来られたのですが…』
ん、知り合い?…思い当たる人がいないんだけど…?
『…その方が「ハンバーグを焼かせて欲しい」というのでお任せしたら…爆発するんですよ、ハンバーグが。』
…はいっ?!
「…ハンバーグってこっちの世界では爆発するものなのか、リナ?」
「そんなわけないでしょーがっ?!ゼロス、その子の特徴教えてっ?」
あたしはゼロスにその子の事を尋ねる。
『…金色の長髪で、小柄なおとなしい少女ですよ。確か名前は…』
「その子の名前って…ユーリだよねっ、ゴキブリくん?」
『ゴ、ゴキブリっ?!…っていうか貴女は?』
相変わらずストレートな物の言い方ね、レヴィ…ゼロスにそんな口聞けるの、あんたぐらいよ?
『確かにユーリさんと名乗っておられましたが…リナさん、その方はいったい?見たところフェイトさんの縁者の方とお見受けしますが…?』
さすが鋭いわねゼロス。
「当たりよゼロス。この子の名前はレヴィ。前に話したとは思うけど、あたしとアメリアが迷い込んだ平行世界にいるフェイトを素体にした〈力〉のマテリアルよ。」
「お~、よろしくな~ゴキブリくん?」
『…ゼロスですってばぁ…とにかくお知り合いでしたら迎えにきてあげてくださいませんか?』
…だってさ。ユーリって怖がりだから慣れないところで怯えてるはず。
「ゼロス、あたしたちの食事はアンタ持ちね?…もちろんOKよね?」
『仕方ありませんね…それじゃお待ちしていますよ。』
よっし、ただ飯ゲット!ゼロスの奴、大食いはあたしだけとたかくくってるだろうけど、レヴィも相当なもんだから…ね♪
「よかったぁ~♪ユーリが見つかって。さぁ迎えにいくよリナリナっ!」
あたしたちはレヴィにひっぱられつつゼロスのお店に向かった。
NO SIDE
一方その頃、〈MIDORI‐YA〉でも事件が起きていた。開店早々、突如として猫が大量発生、猫カフェの様相を呈していたのだ。
SIDE:はやて
「…なんやこれはっ?!…何が起きたんや!」
「は、はやて、落ち着いて…」
…フェイトちゃん、それは無理な相談やで?…今の店内はそれぐらい猫が溢れている。それも野良猫だけじゃなく飼い猫らしきのまで…
「まぁみんなおとなしいのが救いやけどな…原因は何や?!」
わたしは店内を見渡す。ちなみにわたしのコスは某〇田信〇の野望の松〇〇康。…いわゆるタヌキの扮装やな。
フェイトちゃんが選んだんはチワワのコスプレ。なんでそれにしたんやろ…謎や。
「…主はやて、猫が、猫がとまりませんっ!」
落ち着きやアインス、ナハトヴァールやないんやから…
…でもほんと、これっていったい…ん?
よく見ると、猫たちのほとんどは一定の方向…というか、奥の席に向こうとるな?…何かあるんか?
わたしとフェイトちゃんが恐る恐るその席に近づくとそこにいたのは…えっ?!
「な、なのはちゃん?」
そこに居たんはなのはちゃんにそっくりな赤い髪の女の子。猫に包まれとるけど…重くないんやろか?
「あの~、どちらさんやろか?」
わたしが尋ねるとその子は…
「八神はやてにフェイト・テスタロッサ…〈こちらの〉世界でははじめまして…ですね。私の名前はシュテル・スタークス。…こことは別の世界の高町なのはを素体として生まれた〈理のマテリアル〉です。お見知りおきを。」
…! そんじゃこの子がリナちゃんやアメリアが迷いこんだ世界の…
「…で、なんでこんなに猫が寄ってくんねや?」
「?…いつもの事ですが…別に普通では…」
いやいやいやいや?!
「普通はこんなには寄ってこんで?!」
「なんと?!」
全然表情変えんまま答えるシュテル。レヴィといいオリジナルとは性格は正反対みたいやな?
「突然開いた次元の穴に吸い込まれ、気が着いたらこの世界に…ミッドチルダなのはわかったのでサーチをかけたらあなた方がこの学校に通っていて、リナやアメリアの存在も確認できたので…情報収集と家族を探しにきました。」
なるほどなぁ…さすが〈理のマテリアル〉、やる事が理にかなってるわ。
「そうか…レヴィは保護できてるから安心し。」
「…!感謝します、はやて、フェイト。」
「気にすることないで。そっちの世界じゃアメリアたちが世話なったんやさかい、今度はわたしらの番や。」
「…そうですね。お世話になります。」
それじゃ今日はこのまま〈アニマルコス&猫カフェ〉で営業やな…ふう。
次回も誰かと出会いますよ~
(BYユーリ)