それでは本編どうぞ!
NO SIDE
対抗戦の緒戦、なのはVSシュテルはあらたなフォーム〈早乙女〉により近接戦で圧倒したなのはに凱歌があがった。
SIDE:一夏
『勝者、高町なのは!』
観客席で試合を観戦していた俺たちは呆気にとられていた。
「え~っ、シュテルんがあんなに簡単にぃ?」
「…マジかよ…」
なのはさんが強いのは俺たちの世界でもそうだけど、シュテル相手に近接戦でも圧倒するなんて…
「…我が思うに、シュテルの奴は〈理〉に走りすぎたかもしれんな。」
ん?どういうことだ王様?
「…シュテルはこちらの世界のなのはも近接戦を苦手と考えたからあの戦術を選んだ。しかし実際にはあやつは対策を立ててきた…我らの知るなのはとは違う形でな。」
ディアーチェはそう言いながら立ち上がりバリアジャケットを着装する。
「さぁ次は我とユーリの出番だ。シュテルの仇をとるとするかのぅ…なぁユーリ?」
「わたしも頑張りますぅ!…それじゃあ、行ってきます!」
ディアーチェとユーリは入場ゲートへと向かっていく。代わりに帰ってきたのはシュテル。…意外に大丈夫そうだな、シュテル?
「一夏、レヴィ…すいません、負けてしまいました。」
「謝ることないよシュテルん!…そうだよね一夏?」
「あぁそうだな。ってかなのはさん強すぎだよ…なんなんだ、あの〈早乙女〉ってフォーム?」
見たとこ近接特化の形態みたいだけど…
「はい、確かにその通りなんですが…あの時のなのはからは魔力を感じられませんでした。」
えっ?!魔力なしでどうやって?
「…推測でしかないのですがあれは…」
SIDE:リナ
「…咸卦法特化モード?!」
アメリアとゼルが試合のスタンバイに向かった後、帰ってきたなのはと良牙から聞いたのは新フォーム〈早乙女〉の真の姿。
「うん。ほら、わたし良牙くんに咸卦法教えてたでしょ?」
…そーいやそうだったわね。
高い魔力持ってながらリンカーコアの不全のせいで魔法が使えない良牙。
それをカバーするために魔力と闘気を融合して爆発的な力を得る咸卦法をマスターしているなのはが教えてたはずなんだけど…?
「そしたらレイジングハートが『近接戦に使えるように』って構成してくれて…それから良牙くんと2人で秘密の特訓を…♪」
こらそこイチャイチャするなぁ~っ?!まったく暑苦しい…
「でもなんなのよその早乙女って名前は?」
あたしの問いに答えたのは良牙。
「あぁ、それは俺のライバルだった奴の名字だ。バリアジャケットもそいつの服装をイメージしてる。」
ふ~ん…でも咸卦法特化モードって事はその間魔法は…
「うん、簡単な魔法ならともかく砲撃やブレイカーは無理だよ?でもこれから先、魔法が使えない状況で戦うこともあるかもしれないし…ね。」
…そういえばあたしも前世でマゼンダに封印されて苦労したっけ。咸卦法はあたしも使えるし考えてみるのもいーかも。
『まもなくアンコールバウト第2試合が…』
アナウンスが試合の始まりを告げる。…負けるんじゃないわよアメリア、ゼル!
SIDE:アメリア
『それではアンコールバウト第2試合、ゼルガディス・グレイワーズ&八神アメリアVSロード・ディアーチェ&ユーリ・エーベルヴァインの試合を始めるよ~!お互い、握手よろしくっ!』
アリシアさんの指示でわたしと王様、ゼルガディスさんとユーリが握手をかわす。
「我を楽しませてくれよやんちゃ姫?」
「そっちこそ期待してますよ王様っ!」
「よろしくお願いしますっ…え~と…ゼガルディスさん!」
「それを言うならゼルディガスだろうがユーリ?」
「…すまない、ゼルガディスだ。」
「「「「………………」」」」
一瞬にして辺りの空気が凍りついた気がする。
「す、すいません!わざとまちがえたんじゃ…」
「分かっている。…昔からしょっちゅうだ。」
憮然とした顔のゼルガディスさん。
「まぁまぁそう怒らずに…それじゃ2ndバウト・リリカルファイト、レディ…ゴーッ!」
アリシアさんの開始の合図と同時にわたしは王様を、ゼルガディスさんはユーリと対峙する。
「ふん、我の相手はアメリアか。夜天の拳の力、見せてもらうぞ!」
ディアーチェはそう言いながら誘導弾を展開…って何あの凄まじい誘導弾の数っ?!
「貴様らを嘗めてるとシュテルの二の舞になりかねんのでな、最初からとばしていくっ…唸れ!エルシニアダガー、ドゥームブリンガー!」
ディアーチェの放った誘導弾と魔力刃がわたしに襲いかかってくる。
「うわっ、たっ…いきなりこれですか王様っ?!」
わたしはなんとか避けようとしたけど避け損ねた魔力刃が襲ってくる…えぇい、それならっ!
「…霊王結魔弾[ヴィスファランク]!…どりゃあ~っ!」
チュドーン!
わたしは魔力を拳に籠めると王様の魔力刃をぶん殴り粉砕した。
「…?! 相も変わらず常識はずれな…だがまだ序の口だ、覚悟するのだな?」
「それはこっちの台詞です。正義は必ず勝つんです!」
「…ちょっと待て、我は悪ではないぞ?」
(…見た目はまんまラスボスですけどね。)
言葉をのみこんでわたしはゼルガディスさんとユーリの方を見たらとんでもないことになってたぁ~っ!
ユーリは早々に本気の覚醒モードしかも呪文の雨あられでゼルガディスさんが近づけない。
「早く助けに行かなきゃ…(ポコン)あでっ?!な、何よ今のは…げっ。」
後頭部に魔力弾をあてられ振り向くとそこには腕を組んでお怒り顔の王様。
「…対戦途中の相手をほったらかしにして他者の助太刀…我も嘗められたものよのぅ…?」
…ヤバい、こめかみに怒筋が…(滝汗)
「…我を見くびった罪、思いしれ!アロンダイトっ!」
ディアーチェの放った砲撃は一直線にわたしの元へ。
「くっ…防壁[プロテクション]!」
わたしは咄嗟にシールドを張って砲撃を防ぐ。でも…
ゴワンッ!
「うわっ?!」
砲撃を防御したと同時に発生した衝撃波でわたしは地面に叩きつけられた。
「痛たっ…何よ今のは?」
「とどめだ、ダインスレイヴ!」
…あれってなのはさんのA.C.S?あんなのくらったら…でも激突のダメージで身体が痺れて…もうダメッ?!
「諦めるなアメリアっ!」
えっ?!わたしが思わず閉じた目を開くとそこにはゼルガディスさんがシールドを展開してディアーチェの突進を防いでいた。
「なにっ?!ぬぅっ、小癪なっ!」
「ゼルガディスさんっ!」
わたしはなんとか立ち上がるとゼルガディスさんの隣へ。
「アメリア、ラ・ティルト、いけるか?」
「はいっ!」
わたしたちは呪文の詠唱を始める。ディアーチェは攻撃の反動なのか動こうとしない。…今がチャンス!
やがて呪文が完成し…いっけーっ!
『『崩霊裂・重[ラ・ティルト・スクエア]!!』』
完成した呪文は蒼い焔の柱となってディアーチェに襲いかかる。…よし、これなら!
「…と思うたか、甘いわっ!」
ディアーチェはそういうと手に持った〈紫天の書〉を前に翳す。いったい何を…
「見るがいい、〈王の威光〉!」
紫天の書が光を放ったかと思うと、蒼い焔の柱が吸い込まれて消えた。
「えっ…え~っ?!嘘でしょ?!」
「そんな…信じられん?!」
さらにディアーチェが違うページを開くとそこから巨大な魔力の輪が飛び出しわたしたちを拘束する。…これってバインド?!
バインドは強固で振りほどけそうにない。でもディアーチェも地面に膝をついて苦しそう。なんとか脱け出せれば…。
「…確かに我もさっきの呪文は効いた。それは誉めてやるぞ2人とも。だが…忘れておらぬか?この試合は2対2だということを。」
それとどうじに上空が明るくなる。空を見上げたわたしが見たもの、それは…
「…ディアーチェをいじめちゃ、め!ですよ♪」
…絶望の光を放つユーリの姿だった。(涙)
「いっきますよ~!…エターナル・セイバーっ!」
わたしの意識はあっという間に無くなった…
NO SIDE
『勝負あり!勝者…ディアーチェ&ユーリ組!』
ユーリの大技が炸裂し、彼女らの勝敗が決まった時…
「あ~あ、アメりんたち負けちゃった…やっぱユーリは強いよね。」
「まぁぶっちゃけ俺たちの中で1番強いからなユーリは。…それより次は俺たちの番だぜレヴィ?」
「うん!リナリナとししょちょーは強いと思うけど、ボクたちが勝~つ!」
一方のリナたちは…
「…強すぎだよあの2人…」
「…まぁユーリは能力だけならアインスと五分かそれ以上だから…正直ヤバいかなぁとは思ってたんだけどね。」
「ははは…それ、先にアメリアたちにいってあげれば…」
「言ったって聞く子じゃないし。それよりあたしたちよ…一夏とレヴィは強敵よ。ユーノ、あんたの剣技にかかってるんだからね?」
「大丈夫だよリナ、君は僕が必ず護って…ってどうしたの、顔が赤いよ?」
「…やかましい、この天然クラゲ!」
…頂上決戦まであと少し…
次回はいよいよリナ&ユーノVS一夏&レヴィの最強対決!
果たして会場は無事ですむのか?(何を今さら)
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