魔法少女リリカルすれいや~ず!   作:タカヒロオー

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説明回&独自設定満載です。

では本編どうぞ!


コラボ編7 オーバードライブ、その名は…

SIDE:リナ

 

『…ナ、リナ…』

 

…どこからか呼ぶ声がしてあたしは目を覚ます。

 

「…?…こ、ここは…?」

 

あたしが目を覚ますとそこは何もない世界。でもあたしにはこの世界に心当たりがあった。

 

『目が覚めたよーだね、リナ?』

 

そこにいたのは、金色の髪と瞳、そして3対6枚の翼を纏った…あたし。

 

『…この姿見せたことはなかったよね、リナ?』

 

「…うん、L様…いや、〈金色の魔王/ロード・オブ・ナイトメア〉ルシフェリア…で良かったんだっけ?」

 

あたしが改まって言うとルシフェリアは、はらはらと手を振りながら応える。

 

「あ~、いつも通りL様でいいよ?正直、畏まれても…ね。」

 

あたしもその方が助かるわ。で、ここって…〈混沌の海〉よね?

 

『そ。アンタの精神だけをナイトメアハートの中に連れてきた、って訳。ちょっと大事な話があってさ。』

 

「大事な話?」

 

真剣な顔で話すL様の様子にあたしも表情を引き締める。…いったいなんの…

 

『ん~、ちょっと待って、もうすぐ…あ、来た。』

 

突如空間に黒い次元の狭間…まさか?

 

「…お待たせしましたねリナさん。それにL様…でよろしかったんですよね?」

 

「…ゼ、ゼロス?!」

そこに現れたのは元・獣神官、自他共に認めるパシり魔族ゼロスだった。

 

「…一応〈名薗森 寛/なぞのもり ひろし〉って人間名があるんですけどね…僕もよく忘れますけど。」

 

「『忘れるんかいっ?!』」

 

思わずシンクロして突っ込みをいれるあたしとL様。

 

…で、アンタはなんでここに?

 

「貴女も知りたい事があるんでしょう?そう…〈冥王〉様の事とか。」

 

…!

 

「アンタがそう呼んだってことは…やっぱりアイツなの、ゼロス?」

 

あたしの反応を見てゼロスは薄ら笑いをして頷く。…ほんといい性格してるわよねコイツ…

「…はい。僕としてもお付き合いは遠慮したいんですがね…とはいえ、まだ復活の痕跡が見えるだけで、これが本人なのか覇王様の時のように残滓的な物なのかは分かりません。」

 

え?居場所とか知ってるんじゃないの?

 

「『携帯電話は繋がるけどGPSがない』っていったらわかります?…まぁそんな感じです。」

 

な~る、分かりやすい例えだわ。で、そんな冥王様がなんで全く異世界のしかも転生者の秋羅に力を貸すのよ?

 

「貴女もご存知でしょう、我々魔族が何を糧に生存しているかを。あの織斑秋羅という男は一夏さんとその家族、そしてリナさんとアメリアさんに怨みがある…そこにつけこんだんでしょうね。」

またはた迷惑な…そんなの只の逆怨みじゃない!いいわ、懲りてないんならもう一度消滅させてあげ…

 

『それがそうもいかないんだリナ。アンタ、気を失う前に秋羅に何かされたの覚えてる?』

 

あぁ、そういえば…結局あれってなんだったの?

 

『あれ、厄介な代物だったんだよね…あれは…』

 

SIDE:なのは

 

「魔力結合阻害薬?!」

 

聞き慣れない言葉にわたしたちは戸惑いを見せる。

 

ここは時空管理局の会議室。謎の襲撃者に襲われたリナちゃんを治療室に運び込んだわたしとユーノくん、一夏くんはリナちゃんを診察、治療したシャマル先生の説明を受けていたんだけど…?

「えぇ…リナちゃんはまだ意識は戻ってないけど、命に別状はないわ。ただ、その敵に投与された薬によってリンカーコアが不全を起こしてるの。…そう、良牙くんと同じ状態ね。」

 

そんな…それじゃリナちゃんは呪文が…?

 

「…もっとも、薬は即効性のもので効果は一時的だから…だけど明日の正午には間に合わないわね。」

 

そうですか…それじゃ今回はリナちゃんは…

 

「くそっ?!」

 

ドガンッ!

 

わたしの後ろで壁を殴り呻く一夏くんは悔しそう。

 

「俺の…俺のせいでレヴィは拐われ、リナもこんな目に…あの似非兄貴め、この間確かに消滅させたはずなのにどうしてこんなことに…?!」

「一夏、君の気持ちはわかるけどいまさら悩んでも意味がないよ。それよりもこれからどう動くかだよ。」

 

うん、ユーノくんのいう通りなの!

 

「でも事は深刻やで、なのはちゃん。」

 

「なのは!リナの容態は?!」

 

「はやてちゃん!フェイトちゃん!それに良牙くんまで!」

 

「シャマルから連絡受けてな…リナの容態は?!」

 

「それが…」

 

シャマル先生はさっきわたしたちにした説明をし、さらに一夏くんが今度の敵について話してくれる。

 

「まず今回の事件を起こしたバカだが…名前は織斑秋羅。神様転生だかなんだかで俺の兄貴に成り済まし、世界を自分の思うがままにしようとした男だ。」

「なっ…どこにでもおるんやなそんなやつ…。」

 

「続けていいか?秋羅は神様からもらったという力で俺やレヴィたちが通うIS学園を牛耳ろうとしたんだが、最初の1回目は未然に防ぎ、やつは拘束されたんだ…だが…」

 

「再び現れたんだね、そいつ…」

 

フェイトちゃんがそう言うと一夏くんは言葉を止め頷く。

 

「あぁ、やつは再び現れた。消滅したはずのナハトヴァールの力を宿して…な。」

 

…い、今とんでもない事聞いたような…

 

「最強の力を得た秋羅は、俺を逆怨みして殺そうと挑んできた…でも、復活したリインフォース…アインスさんや白雪、それにみんなの力を借りて倒す事に成功したんだ。」

「…で、捕らえたやつを粛清する時に参加したのがリナ…というわけだな、一夏?」

 

王様、それにシュテルやユーリも!

 

「みんな来てくれたのか?!」

 

「当たり前だろうが!あの変態転生者、どうやって復活したか知らぬが…」

 

「今度こそ必ず滅殺します。」

 

「ぶっとばしますよぉ~!」

 

家族であるレヴィちゃんを拐われてみんな怒ってるみたい(シュテルちゃんは解り辛いけど)。

 

「…つらい戦いになるぞ…これを見てくれ。」

 

わたしたちは一夏くんが差し出した手紙を読んでみる…こ、これってそんなっ?!

 

「アリサちゃんやすずかちゃん、ククリちゃんが敵方に?」

 

「しかも行方不明になった女生徒たちまで…ということは?」

 

「あぁ、おそらくレヴィも操られてる覚悟はしといた方がいいだろうな。」

 

「…という訳やから、シグナムやザフィーラにも出てもらうわ。」

 

「あとナーガとアリシアもね。レヴィは私たちにとっても家族同然、絶対に赦さないわ…ねぇ母さん?」

 

みんな気合い十分…これならやれる!

 

「残念ながらリナちゃんは今回はドクターストップね。目が覚めたら言っておくわ。」

 

「シャマル先生、リナちゃんをよろしくお願いします。」

「はい、任されました!」

 

…リナちゃん、馬鹿転生者は必ず倒してくるからね!

 

SIDE:リナ

 

『…という訳。どうやらこの薬、〈冥王/あのばか〉が造った特製らしくてさ…あたしでも解呪はできないんだ。』

 

あたしはL様の説明を爪を噛みながら聞いてた。

 

こんちくしょー、あんな方法でやられるなんて…でもアイツ…

 

『そ、アイツもボロ出してる。…本気で一夏潰すだけが目的なら1人だけ呼び出せばいいんだから。それを王様たちまで倒そうと欲張って「助っ人OK」って…あいつバカでしょ絶対?!』

 

うん、なにを今更。

 

でも魔法使用不可は痛いな~。こんな事になるんだったら、なのはの〈早乙女〉みたいなモード用意しとくんだった…ってどうしたのL様?

 

『…ねぇリナ?!あたしの新モード試す気はない?』

 

新モード?!それって一体…?

 

『モード名は反魂〈オーバーソウル〉モード。魔力の代わりに魂の力を使って起動するフルドライブを越えたオーバードライブモードだよ。』

 

魂の力?!それってまさか…?

 

『…そう、このモードの欠点は使用者の生命力を使うって事。まぁいきなり死ぬとかいうんじゃないから安心して。ま、せいぜい1年とか?』

 

「いいわよそれぐらい。あと何年ってわかってる訳じゃないんだし。」

『ま、そう言うと思ったよ。…判った、今回は魔法使用不可だから…うんリナ、あたしと手を重ねて目を閉じて…。』

 

「う、うん…?」

 

あたしはとりあえずL様のいう通り目を閉じる。

 

『心を開いて…〈ナイトメアハート・ルシフェリア〉モード・オーバーソウル…リリース!』

 

L様の詠唱と同時にあたしの身体…いや、魂から力が抜けていくのが分かる。少し重破斬[ギガ・スレイヴ]を唱えた時に似てるかも。

 

『形態変化…フォーム・修練闘士〈セヴァール〉!…覚醒、影技〈シャドウ・スキル〉っ!』

 

L様の声に反応するかのようにあたしは新たなバリアジャケットに包まれる。

黒と赤を基調とした軽鎧タイプのコスチューム…両手両足にはハードシェルタイプの装甲。

 

『うん、これでOK!これなら魔法なしでも戦えるよ。リナ、あとはこの子…セヴァール・フォームの管制人格・エレが教えてくれるから…』

 

…L様?姿がぶれてるんだけど…

 

『悪いね、オーバードライブ中は管制人格が入れ替わるんだ…そんじゃあとは頼んだよリナ、エレ…』

 

L様の姿がかき消え代わりに現れたのは大柄な女性。身体は極限まで鍛えられあげていながらも愛らしく憎めない顔立ちの美人だ。

 

『…てな訳であんたがリナかい?アタイの名前はエレ・ラグ。これからあんたにアタイの戦闘術〈武技言語〉を伝授するよ!』…武技言語?聞き慣れない言葉に戸惑ってると…

 

『ま、目覚めるまでまだ時間はあるし、みっちり仕込んでやる…覚悟しとけよ?!』

 

 

上等よっ!その武技言語ってのがよくわかんないけど、あの変態転生者をぶっとばせるんならなんだってやってやるわ!!

 




次回からいよいよバトル開始です。

なるだけ早く仕上げるつもりなので皆様応援よろしくお願いします!

なおコラボ先の『マテリアルズ・ストラトス』の荒潮提督さんの方で恒例のイベント(笑)を活動報告で募集されてますのでよろしければご参加お待ちしています。(うちからもリナとユーノが参戦します!)

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