魔法少女リリカルすれいや~ず!   作:タカヒロオー

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今回も説明回&独自設定です。

そして後半は…では本編どうぞ!




コラボ編8 血戦直前!一夏の想い、秋羅の悪意

SIDE:一夏

 

チュンチュン…

 

「ん…いつの間にか眠ってたのか…?」

 

昨日の夜はみんなと一緒に遅くまで秋羅対策会議していたはず…ふと周りを見ると王様やシュテル、ユーリ…フェイトさんやはやてさんも寝息をたてて眠ってる。

 

時間を見るとまだ早朝4時、まだ薄暗いはずだ。

 

「ん…?そういやなのはさんがいないな…どこいった?」

 

俺は着替えを済ませるとドアをそろっと開けて表へと出た。

 

「ううっ、さすがに朝は冷えるな…さて、ちょっと身体でも…あれ、なのはさん?」

 

一夏が見つめた先には射撃訓練をするなのはの姿。

空き缶をシューターで落とさないように撃ち続ける…初歩的な訓練だ。

 

(…流石なのはさん、こういう訓練があの強さに繋が…)

 

「9998、9999…」

 

?!…今何て言った?

 

「10000!…よし、ノルマ終わりっ!!」

 

…やっぱり聞き違いじゃなかったか…俺はなのはさんに近寄り声をかける。

 

「なのはさん、おはようございます!」

 

「あ、一夏くん!…おはよう、少しは寝れた?」

 

昨日は拐われたレヴィの事が気になって寝付けなかった。ま、少しは寝れたけどな…

 

「…そう。…ちょっと話そっか?」

俺となのはさんはベンチに腰かけた。

 

「…こうやって2人で話すのはじめてだね?」

 

そういえばそうかもな…自分の世界じゃなのはさんは「歳上の先輩」だから、こんな風に話すこともなかったから。

 

「やっぱりレヴィちゃんの事が心配?」

 

「ま、そうっすね。いままで秋羅とは何回も戦ってきたけど、こんな搦め手使ってきたのは初めてだから…」

 

ふとレヴィの事が頭に浮かぶ。アイツ、ひどい目にあってるんじゃ…?

 

「…アリサちゃんやすずかちゃんも操られてるみたいだし…もしレヴィちゃんが敵に回ったら、一夏くんは戦える?」

 

「…正直わかんないっす。レヴィと俺が戦うなんて考えたこともなかったから。…でも、必ず取り返します!」

俺の言葉になのはさんは嬉しそうに頷く。

 

「うん、頑張ってね!わたしたちもアリサちゃんたちや他の女の子をなんとかしないと…」

 

「…そういや、こっちの世界のアリサさんやすずかさんは魔導師なんですよね…俺の知ってるお2人は普通の一般人だからビックリしましたよ。」

 

俺はこの機会に疑問に思ってた事を聞いてみる。

 

「うん、2人ともジュエルシード事件の時に魔導師になったから…もうベテランさんだよ。」

 

「お2人の魔導師ランクってどれくらいなんですか?」

 

俺たちの世界のユーノさんやアルフが確かAランクだったよな?それぐらいは…

「えっと…確か半年前(中学卒業時)に調べた時は2人ともAAAだったよ?

 

ブッ?!

 

俺は思わず吹き出してしまう。あの2人がAAA?!

 

「アリサさんたちとヴィータ師匠が同じランク?」

 

それだけでも驚きなのに…

 

「…え、そっちのヴィータちゃんって闇の書事件の頃と変わってないの?こっちのヴィータちゃん、S-だよ!」

 

な…

 

「…参考までに他の方々は…?」

 

「えっと…シグナムさんとアメリアちゃんがS+で、わたしとフェイトちゃん、ユーノくんがSS。はやてちゃんが総合でSSSでリナちゃんが空戦SSS…アインスさんは測定不能だって。」

「…あれ?ヴォルケンリッターって魔力ランクは一定以上には上がらないはず…」

 

「にゃはは…夜天の書が復活したときに防衛プログラムのなはと(ナハトヴァール)、それにL様が干渉したからね。」

 

そんなチートな…あ、通信…はやてさんからだ。

 

『おはようさんなのはちゃん。…お、一夏くんもそこにおるんか、ちょうど良かったわ。確か指定場所はフラナガン郊外の海の上…やったな?』

 

そう、秋羅とアリサさんたち操られた人たち…そしてレヴィもそこに現れるはず。

 

「はい…すいません、折角の学園祭の最中に…」

 

『それは言ったらあかんで一夏くん!…別にあんたらが悪いんちゃう、悪いのはその秋羅とか言う変態さんや。ましてやウチらもアリサちゃんたちを拐われてリナちゃんもあの状態やしな?』

そうだった、もうこっちの世界とも無関係じゃないんだ…

 

『とりあえずウチらも1度部屋に戻って身支度整えるわ。…ほな現地でな!』

 

そう言ってはやてさんは通信を切った。

 

「それじゃわたしも1度部屋に戻るね?…一夏くん、必ず勝つよ!」

 

「はいっ!」

 

(レヴィ…待ってろよ、たとえお前が敵にまわったとしても、俺は必ずお前を取り戻す!そして…)

 

なのはさんが去って1人俺は決意を新たにしたのだった。

 

SIDE:リナ

 

『さて、戦い方を教える前に改めて簡単にアタイの事を説明しとくわ。…アタイの本名はエレ・ラグ。元は古代ベルカ時代の一王国、「傭兵王国クルダ」の闘士さ。』

「傭兵王国?なによその物騒な国名は…。」

 

あたしとエレはウォーミングアップをしながら話を続ける。

 

『クルダは住む住人すべてが傭兵で、「クルダ流交殺法」という格闘術を習得してる。…で、その根幹になるのが「武技言語」ってわけだ。』

 

それなのよ…なんなの、その武技言語って?

 

『ま、自分の目で見るのが一番いいか?…はあぁっ!』

 

エレが気合いを入れると辺りの風景が…これは森の中ね。

 

『いいか、よく見てろよ?』

 

エレは自然体に構える。…いったいどんな技を…?

 

『…我は無敵なり…我が影技に敵うもの無し…』

な、なに…エレの気が膨大に膨れ上がって…これって自己暗示?…いやこれは…

 

『…我が一撃は無敵なり…クルダ流交殺法影技・裂破(レイピア)っ!!』

 

エレの蹴りと同時にとてつもない衝撃波が放たれ…

 

ズガガガガガッ…!

 

森の大木を粉砕して薙ぎ倒した…これが武技言語?!

 

『いっとくけどまだ本気の10%も出しちゃいないかんね?』

 

あれで10%以下…いける、これなら魔法無しでも戦える!

 

「でも…自己暗示の類いかと思ってたけど、どちらかといえば〈言霊〉だよねこれって。」

 

『まぁそうかもね?自分の言葉をどれだけ信じれるかが技につながるから。』

 

 

あたしは拳を構えると1本の樹を見据える。

 

「あの『我が…』ってやつは決まった文句があるの、エレ?」

 

『ん…?いんや、別に言葉に力を籠めるためのものだから自分の好きなようにしたらいいよ。』

 

彼女は手をぱたぱたとさせて答える。

 

「そう?じゃあ…」

 

『…我が一撃は虚無なり…虚無の前には全てが無力、虚無の力は無敵なり!』

 

言霊と共に構えた脚に力が籠る…いっけぇ~!

 

『クルダ流交殺法影技・爪刀/ソード』!

 

あたしの放った蹴り一撃で目の前の巨木がへし折れた…やったぁ!

 

『へぇ…見よう見まねでそこまで…お前素質あるよ。これだったら頑張れば時間内に完成できるかもな…リナだけの〈奥義〉を!』

 

奥義…あたしだけの?

 

『あぁ。それとお前の字名(あざな)もな。…ま、それは後でな。それじゃ残された時間はアタイが相手してやる…気合い入れろよっ!』

 

そう言って構えた瞬間…

 

ドガッ!

 

「うわわっ…?!な、何すんのよいきなりっ!」

 

エレのいきなりの奇襲をあたしはギリギリ手甲でガードする。

 

『…おい、これはおままごとじゃない…命をかけた実戦だと思え!でないと…命はないぞ?』

 

そう言うエレの表情は真剣そのもの。

 

「そうね…。わかった、全力でいくわよ!」

 

あたしは目を閉じると両の掌に力を集中させる。

『右手に気、左手に魔力…なんとか使えそうね。合成、咸卦法!』

 

…どうやらアイツの薬ってのは〈呪文結合の阻害〉だけみたいね。あたしの身体に爆発的な力が宿る。

 

『お、珍しい技じゃねーか?』

 

まーね。ただなのはみたいに格闘の師匠はいないから…ということはアンタが師匠って事になるのかなエレ?

 

『そうなんのか?人に教えるのって義弟のガウ以来だかんなぁ…』

 

えっ、アンタ弟居たんだ…?ま、時間も惜しいし、修行お願いします…エレししょー!

 

こうしてあたしが精神世界で修行を開始した頃…

 

NO SIDE

 

「ふひゃはははっ!とうとうやってきたぜこの時が!」

 

下卑た笑い声をあげるのは…言うまでもなく異端者・織斑秋羅。

 

その傍らにはアリサ、すずか、ククリをはじめとする秋羅の人形と化した少女たち。そして…

 

「こいつもそろそろだな…」

 

秋羅が右を振り向くとそこには漆黒の魔力球。…あまりの黒さに中はうかがい知れない。

 

「…さぁ、そろそろ目覚めて貰おうか…〈俺の花嫁〉?」

 

秋羅が魔力球に触れると魔力球はスッと消え失せ、中から現れたのは…レヴィだった。しかし様子がおかしい。

 

その姿は薄い布一枚に包まれ、瞳には意志が感じられない。口許には虚ろな笑みを浮かべている。

「…さぁ、最後の仕上げだ…レヴィ、お前の相方を返してやるよ。」

 

そう言って秋羅がポケットから出したのはレヴィのデバイス・バルニフィカス。だが本来の色ではなく紫に鈍い光を放っている。

 

「…お前用に調整した特別製だ。さぁ、セットアップしろよ?」

 

レヴィは虚ろな表情のままコクンと頷くと、デバイスを受けとり胸の前に掲げ、そして…

 

『…ドゥンケルハイト、セットアップ…!』

 

次の瞬間レヴィの身体を紫色の光が包み込み、新たなバリアジャケットへと変化する。

〈レヴィのスプライトフォーム(色は紫)にパレオ風のミニスカート(色は透明)〉

さらに髪型はいつもの水色のツインテールではなく、紫色のロングヘアー。

 

「…くくく…さぁ、生まれ変わった気分はどうだレヴィ?」

 

秋羅の言葉に応えるように開いたその瞳には先ほどまでとは違い、紫色の邪悪な光が宿っていた。

 

「うん…とってもいい気持ち…♪」

 

まるで一夏を見るようなうっとりした表情で秋羅を見つめるレヴィ。

 

「それじゃ教えてくれよ…お前の新しい名前、お前が倒すべき敵、そして大好きなご主人様の名前をな!くくく…」

 

「はい♪…〈ワタシ〉の名前はレヴィ・ツェアシュテールング。大大好きなご主人様の秋羅サマの為に、憎き愚か者の一夏は〈ワタシ〉が殺します。…そしたら秋羅サマ、誉めてくれる?」

無邪気な…しかし邪悪な笑みを浮かべ話すレヴィの姿を見て秋羅は満足そうにレヴィの頭を撫でる。

 

「あぁ、上出来だ!自分の元恋人に殺され、絶望しながら死んでいけよイチカっ!!…ひゃ~っはっはっはっはっはっ…!」

 

運命の対峙まであと少し…果たして一夏やなのはたちの運命は?…そしてリナは間に合うのか?!

 

それは、次回の講釈で…

 




はい、いよいよ次回から(本当に)バトル開始です。

あとコラボ先の荒潮提督さんの活動報告で募集されてるイベントはこちらのコラボ終了後に掲載されますのでお間違えなきよう。(なるだけ早く頑張ります!)

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