SIDE:リナ
あたしとなのはが私立聖祥大付属小学校に入学してから、はや一週間が過ぎた。その間にも、身体測定でなのはに身長で1cm負けたとか(次は勝つ!)、なのはに近寄ってきた銀髪オッドアイをスリッパで叩きのめしたりと色々あったわ。
「それにしてもアイツ、気持ち悪かったわね。『なのはは俺の嫁』とか言って…」
「本当に寒気がしたの…でも、リナちゃんが守ってくれて助かったの。」
「でも、次の日に頭黒く染めて丸刈りにしてきたのはびっくりしたわ…カラコン入れたのか両目とも黒だったし。」
「もうどの子だったのかもわからないの。そんなことより、リナちゃん一緒にお弁当食べよ?」
おっと、昼ごはんは早く食べないと休憩時間がなくなってしまうからね。それじゃ、中庭にでも…って、ん?誰かこっちに来る?
SIDE:なのは
リナちゃんとお弁当食べようと、中庭に行こうとしたら、知らない女の子が近寄ってきた。誰だろ?
「あの…高町なのはちゃんだよね?」
にゃ、わたしにご用事!? 一見おっとりした、お嬢様っぽい感じの子だけど…
「う、うん。私がなのはだけど…」
「わぁ、やっぱり!はじめまして、月村すずかっていいます。お兄さんから聞いたことありませんか?」
月村?お兄ちゃんからって…あ~!そう言えば最近お兄ちゃんに恋人ができたって言ってたけど、確か月村…忍さん!
「それじゃ、あなたが忍さんの?」
「えぇ、妹です。恭也お兄さんから妹さんが同じ学校に通ってると聞いてたので、
会えるのを楽しみにしてたんです。それでいきなり失礼かもしれないけど、お友達になってもらえませんか?」
すずかちゃんはそう言って、右手を差し出してきた。わたしはその手を握りかえす。
「うん、こちらこそよろしくなの。あ、それと…」わたしはリナちゃんの方に向き直り、すずかちゃんに紹介する。
「すずかちゃん、紹介するね。わたしの
友達の逢魔リナちゃん。わたしの大親友なの。リナちゃんとも仲良くしてほしいの。」「逢魔リナよ。リナって呼んで。」すずかちゃんは満面の笑みで答える。
「こちらこそよろしくね。」
「あ、すずかちゃんはお弁当食べた?良かったら一緒に食べない?」「うん!」
そうして新しく友達になったすずかちゃんと3人でお弁当を食べたの。やっぱり大勢で食べると楽しいの!
SIDE:リナ
今日はすずかっていう子と友達になった。ってか、あの恭也さんに彼女ができたのが驚きだわ。なにせあの人、名前からしてKY(恭=K、也=Y)な人だから、他人の 恋愛感情なんて気付かないって思ったんだけど…その忍さんってイケイケな性格の人なんだろうな…だとしたらすずかも意外に芯の強い子かもね。
それで今日は一緒のバスで帰ろうって事で玄関前で待ち合わせ。でもすずかがなかなか来ない。どうしたのかな…って、校庭の方をぼ~と見ていたなのはが、突然どこかに走り出す。あれは…すずか!?前を走ってる女の子を追っかけてるみたいだけど…とにかく行ってみましょ!
SIDE:なのは
わたしはすずかちゃんから逃げ回っていた女の子の前に立ちはだかった。その手にはすずかちゃんのカチューシャがにぎられている。
「待って、カチューシャ返してよ~!」
「やだよ~誰が返すもんか…って誰よあんた?そこを退きなさい!」
その女の子は怒鳴りながらわたしをにらんでくる。でも、負けないの!
「そのカチューシャ、すずかちゃんのだよね。返してあげて。」
「…いやだ、っていったら?」
次の瞬間、わたしはその子に張り手をくらわせていた。彼女は少しの間あっけにとられてたけど…
「何すんのよ!」「わかんない子には、おしおきなの!」
その後は揉みくちゃの喧嘩になった。その争いはすずかちゃんとリナちゃんが間に割ってはいるまで続いたの…
「はぁ、はぁ、なんなのよあんた、馬鹿じゃないの?」
息を切らしながらいじめっ子がわたしに声をかけてくる。
「友達がいじめられてて、見ないフリが
できるほど頭よくないモン!」
「いじめてなんかないわよ。ちょつとおふざけが過ぎたかもしれないけど…」
「でも、すずかちゃんは泣いてたよ。
泣くほど大切な物を取られたら、あなたはどう思う?きっとものすごく心が痛いと思うよ…」
わたしの言葉に黙り込んだ彼女。そして…
「…あんた、名前は?」
名前を聞かれてわたしは、まだ名乗ってなかった事に気がついた。
「あ…ごめん。わたし、高町なのは。なのはって呼んで。」
「なのは…ね。わたしはアリサ・バニングス。アリサでいいわ。」
アリサ…ちゃんはそういうと、右手を差し出してきた。
「なのは、わたしに喧嘩売って来たのは
あんたが初めてよ。あんたをわたしの友達と認めてあげるわ…」
顔を赤らめながらもじもじしてるアリサちゃん。…ちょっと可愛いの。これがツンデレってやつかなぁ?わたしは苦笑いしながら握手に応じる。
「いいよ、友達になっても。でも、その前に、すずかちゃんに謝ってあげて。」
「ん…悪かったわね、すずか。これはかえすわ。ごめん…」
アリサちゃんは、カチューシャを手渡し、謝った。すずかちゃんは、カチューシャを受け取ると、その手を取って握手する。
「もういいよ…だから、これからは私も友達!」
「…あんたたち、ちょっと変だって言われた事ない?」
「「今初めて言われて、少しショック(なの)…」」
私達は思わず顔を見合せ、そして大笑いしたの。そこにリナちゃんがやってきた。
SIDE:リナ
…なんだかよく解らないけど、どうやらうまくまとまったみたいね。でも、仲間外れも嫌だから…
「こらっ、あたしだけ仲間はずれ?あたしもそろそろまぜてくれる、なのは?」
「あっ、ごめん。この子はアリサ・バニングスちゃん。けんかの末に今お友達になりました。アリサちゃん、彼女は逢魔リナちゃん。5歳の時から、1番の大親友なの。2人共、仲良くなってくれたら嬉しいの。」
そうお願いしてくるなのはに、あたしとアリサはサムズアップで応える。
「もちろんOKよ!よろしくね、アリサ。あんたとはいい喧嘩友達になれそうだわ。」
「こっちこそよろしく、リナ。でもあんたと喧嘩しても勝てそうにない気がするのはわたしだけ?」
あ、アリサの発言になのはとすずかが頷いてる。あたしって、そんなに強そうに見えるのかな…ま、アリサも友達になって、これまで以上に学校生活が楽しくなりそうね。
冒頭に転生者とおぼしきキャラが出ていますが、リナのスリッパ・ストラッシュにより転生プラグを折られたため、モブになりました(笑)。
それでは次回「七、魔法との 不思議な出会い 始まるの」
いよいよ無印×無印編、始まります。
「えっと…リリカルマジカルがんばります!」(BYすずか)
なのは「すずかちゃん上手なの~。」