魔法少女リリカルすれいや~ず!   作:タカヒロオー

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GW中に書ききれなかった…本当にごめんなさい!


コラボ編10 誕生!新たな修練闘士

SIDE:リナ

 

「はぁ、はぁ…」

 

「…どうしたリナ?アンタの力はそんなものなのか?」

 

あまりの痛みに膝をついたあたしにエレの怒声がとぶ。

 

組手を始めてからもうどれくらいたったかわかんない…エレの放つ交殺法にあたしのダメージは蓄積してる。

 

「…まだまだぁ!」

 

あたしが気合いを入れ直すと全身の傷が消える。ここはあたしの精神世界、あたしが折れない限りは倒れることはない、はずなんだけど…?

 

(やば…回復が追いつかないっ?!)

 

確かに身体の傷は消えてるもんの、残っている疲労感、これって…

「…肉体の方にダメージが与えられてる…?」

 

「そうさ、言っただろ『魂を削る』って。今リナの魂と身体は同調してるからこの世界で受けたダメージはそのまんま身体に受けてる。一応ナイトメアハートがある程度〈回復/リカバリー〉を持続的にかけてるけど…」

 

…自慢じゃないがあたしはその手の呪文は得意じゃない。身体が受けているダメージに回復が追いつかない、ということか。

 

「…それに時間も迫ってる。戦いに参加するつもりなら次の組み手がラストチャンスだね。」

 

…もう時間?!あともうちょっとで完成するのに…

 

 

「ねえエレ…最後の組み手、アンタの最大奥義でお願い!」

あたしの提案にエレは一瞬驚いた表情を見せた後ニヤッと笑う。

 

「アンタならそう言うと思ったよ…でも失敗したら死ぬまでは行かなくてもしばらく寝たきりだよ…それでもいいのかい?」

 

「上等よっ!限界の向こうにしか成功は無い…そんな気がすんのよ、なんとなくだけどさ。」

 

それに必殺技覚えれなきゃなのはや一夏たちの足手まといにしかなんないしね。

 

「…判ったよリナ。それじゃあ構えな…最後の稽古だ!」

 

あたしとエレは互いに一礼を交わし構える。

 

「…クルダ交殺法・影技、エレ・ラグ…」

 

「…Stヒルデ魔法学院1年、逢魔リナ…」

『『参るっ!!』』

 

先に動いたのは…エレ!

 

「…我は無敵なり、我が影技に敵う者なし…」

 

エレの武技言語に反応して彼女の足に闘気が宿る…どうやら蹴り技みたいね。さあて、あたしも…

 

「…我が一撃は虚無なり、虚無の前には全ては無力…」

 

あたしは自分の知りうる最強の武器…前世のパートナーが、そして今は最愛の少年が持つあの剣をイメージし、足に力を籠める。

 

「…我が一撃は無敵なり!クルダ流交殺法・影門『最源流』死殺技…〈神音/カノン〉!!」

 

…? 何も出ない…いや、これは…振動波?!

 

あたしはエレに合わせるように…

「…虚無の力は烈光なり!…クルダ流交殺法・独門奥義…〈烈光剣/ゴルンノヴァ〉!!」

 

振り抜いた右脚は光と化し、エレの神音ごとエレを呑み込んだ!

 

「やったっ?!」

 

今のは手応えあった、これでダメなら…?!

 

「いちちちっ…いや~、今のは効いたぜ、リナ?」

 

爆風の中から現れたのはズタボロになったエレの姿。…決めきれなかった?!

 

「…いや、奥義ごと呑み込まれたんだからアタイの負けだよ。…これでアンタは今日から今世の初代修練闘士〈セヴァール〉だ。やったなリナ!」

 

勝った…なんとかなったみたいね。

 

「それにしても…なんだ今の技は?光の剣って感じだったけど。」

 

「あ~、それで大体あってるわよ。実際巷では光の剣で通ってるし。…さぁ、それじゃあ馬鹿転生者ぶっ飛ばしに行くとしますか!」

 

あたしは元の世界に戻ろうとする。

 

「あ、その前に…アンタの修練闘士としての字名考えたんだけど…聞いてくれないか?」

 

そう言うエレの姿が薄れていく。

 

「…近代クルダ流初代修練闘士・逢魔リナにこの名を贈る…汝が字名は〈虚無/エンプティネス〉也!」

 

虚無…うん、気に入ったわ。ありがと、エレ。

 

「そんじゃなリナ。必ず勝つんだぞ!」

当然!あたしはエレの差し出した拳と拳を重ねる。

 

次の瞬間、意識が反転して…

 

ガバッ!

 

「うわっ?!…リ、リナちゃんっ…目が覚めたのね!」

 

シャマル先生…ずっとついてくれてたんだ。

 

「シャマル先生…今何時なの?」

 

「え…あ、12時を回ってる…もう始まってるわね。」

 

それを聞いたあたしは立ち上がろうとしたが…

 

ズキッ!

 

「くっ…?!」

 

「無理しちゃダメよリナちゃん?!あなたが寝ている間に何をしてたのかは判らないけど…本当にいく気なの?」

 

心配そうな表情のシャマル先生。

「うん…大丈夫。魔法はまだ使えないけど、戦う事はできるから。だから…行くわ、なのはたちを助けに!」

 

シャマル先生はため息をつくとバリアジャケットを身に纏う。

 

「はぁ…わかりました。でもその前に…〈癒しの風〉!」

 

シャマル先生の治癒魔法であたしの傷や疲労が回復していく。

 

「これでよし…こんなことになるんじゃないかと思って、いつでも転送装置を使えるようにはしてあるわ。わたしも一緒にいくけど…いいわね?」

 

シャマル先生の言葉にあたしは頷いて立ち上がり…

 

「ナイトメアハート、オーバーソウルモード・リリース…フォーム・〈虚無/エンプティネス〉!」

新たな力であるバリアジャケットを展開する。

 

『準備は出来たみたいだね、リナ?』

 

うん。…力を貸してねエレ!

 

「さぁシャマル先生行きましょ、皆が待ってるわ!」

 

…待ってなさい織斑秋羅、アンタの陰謀は…叩き潰してやるわ!

 

NO SIDE

 

こうしてリナが目覚めた頃海上の結界内では一夏とレヴィが一騎討ちを繰り広げるなか…マテリアルズとフェイト、ユーノは思わぬ苦戦に追いやられていた。

 

SIDE:ディアーチェ

 

「…パイロシューター!」

 

「フォトンランサー!」

 

シュテルの誘導弾と黒ひよこ(フェイト)の直射弾が秋羅に襲いかかる。しかし…

バシュン!

 

『はっ!無駄無駄っ!そんなもん効かねぇよ!!』

 

いずれも命中する直前で消滅する…ええぃ、またか?!

 

戦闘開始から10分近く経過したが、いまだに我らの攻撃は当たっておらぬ。全て打ち消されてしまうのだ。

 

「エターナルセイバー!」

 

『無駄だって言ってるだろぅ?!』

 

ユーリの攻撃も片手をかざすだけで打ち消してしまう…こ奴、こんなに撃たれ強かったか?

 

ユーノが我に提案する。

 

「…これじゃ埒があかないね。ディアーチェ、僕とアメリアで斬り込むから牽制頼めるかな?」

 

…うむ、やってみるか。我は紫天の書を開き、デバイス・エルシニアクロイツを頭上に掲げる。

 

『我が敵を射抜く剣の兵よ 紫天の光の元 軍勢となりこの空を埋め尽くさん…剣兵召喚、乱数展開!』

 

我が詠唱に応え大量の黒き剣が展開する。

 

『…滅ぼせ、レギオン・オブ・ドゥーム・ブリンガー!』

 

無数の剣が秋羅に襲いかかると…秋羅は流石に打ち消し切れないのか手に漆黒の錫杖を具現化させ打ち払う。

 

「今だ!」

 

「いっけぇ~っ!」

 

すかさず左右からユーノとアメリアが襲い掛かる。

 

『はん、しゃらくせえ!』

 

しかし秋羅はユーノの剣戟は錫杖で受け止め、アメリアの拳を避けるとカウンターで膝を腹に合わせる。

「げふっ?!」

 

「アメリア?!」

 

「2人とも回避を…ディザスターヒート!」

 

それでも動きの止まった秋羅を狙ってシュテルが炎熱砲撃を放つ。

 

ドガァーン!

 

砲撃はあやつを直撃、爆炎があがる。

 

「やりましたか?」

 

「…いや、まだじゃ!」

 

我の声と同時に爆炎の中から無数の魔力弾が撒き散らされる。

 

「ちっ?!あれでも駄目か…?」

 

『ひゃ~あはっはっはっはっ…弱ぇ~なぁおい!』

 

爆炎が消え去り中から秋羅が現れる…何、無傷だと?!

 

「…不味いね、これは…」

ユーノの表情に焦りが見える。

 

確かにこのままではじり貧だな…じゃが!

 

「我々は負けるわけにはいきません…そうでしょうディアーチェ?」

 

「シュテル…あぁ、そうだな。」

 

クロハネや子鴉たちも頑張っておるのだ…やがて奴らや高町も合流すれば勝機も見える!

 

「仕方ない、もう一踏ん張りだのう…いけるかシュテル、ユーリ?」

 

「もちろんです、王。」

 

「一夏さんには負けてられませんっ!」

 

一夏のためにもここは譲れん…この塵芥は我々で食い止める!

 

SIDE:一夏

 

「いくよー…雷光閃・極光!」

「くっ…煌竜!」

 

レヴィはなんの躊躇いもなく剣戟を打ち込んでくるのを俺は蓮華で弾き返す。

 

『マスター、彼女の攻撃には非殺傷設定がかかっていません。直撃を喰らうと…』

 

白雪が分析結果を報告してくれる。…秋羅に操られてる時点で予測はしてたけど…

 

「ねぇ~一夏ぁ~、もっと遊ぼうよぉ~♪」

 

まるで子供のように甘えた口調で斬りかかってくるレヴィ。…でもその目は狂喜に満ちている。

 

リヒトは蓮華でダメージを与えれば…と言ってたけど、レヴィの剣戟が鋭すぎて飛び込めない。

 

(くそっ、何かいい手は…?)

 

その時…

 

ドガァーン!

 

な、なんだ今のは?…音のした方を見るとどうやらシュテルが砲撃魔法を使ったらしい。でも…

 

『ひゃ~あはっはっはっはっ!弱ぇ~なぁ、おい!』

 

…?! ディザスターヒートを喰らって無傷?!

 

ユーノさんや王様にも焦りの色が隠せない。

 

(…くそっ、こんな時あいつがいてくれたら…?)

 

その時頭に浮かんだのはここにはいないリナの姿。…あいつならこんな時…

 

『あ~、なにごちゃごちゃ言ってんのよ?!そんなもん、何も考えずにみんなまとめてぶっ飛ばせばいいのよ!』

 

…うん、リナならそう言うな。…そうだ、ユーノさんに教わったアレ…試してみるか?

俺はレヴィと距離を取ると自然体に構える。

 

「…お、なにするつもり一夏?」

 

「ま、見てなって…『右手に気、左手に魔力…反する力よ、合わさりて更なる力となれ!』…咸卦法!」

 

ゴウッ!

 

俺の魔力と気力が合成され俺の基本能力が底上げされる。さらに…

 

「…こりゃすげえや…シュテルがなのはさんに負けたわけだ。」

 

俺の姿は女性から本来の男性のものへと変わっていた。

 

ユーノさんの話では発動するだけで能力強化の他にも色々とオマケ効果があるとか言ってたけど…さすがユーノさん曰く〈究極技法/アルテマ・アート〉って言うだけあるわ。

「…一夏…うん、やっぱりそのほうがカッコいい!」

 

何故か敵であるレヴィが喜んでる…ま、悪い気はしないけどな。

 

「さぁ、楽しいパーティーの時間だぜレヴィ?…悪い夢は俺が醒まさせてやるよっ!」

 

 

「じょ~だんっ?!秋羅サマの為にも、一夏はボ…〈ワタシ〉が倒すっ!」

 

ん?今なにか違和感が…気のせいか。

 

俺は蓮華を構え直し、再びレヴィと合間見えるのだった…。

 

NO SIDE

 

その頃結界の外ではヴォルケンリッター&テスタロッサ一家とデーモン軍団の戦いが続いていた。

 

「「「サンダーレイジっ!!!」」」

プレシア、アリシア、リニスによるサンダーレイジの競演で数十体のレッサーデーモンが消滅する。

 

「駆けろ、隼っ!」

 

『シュトルムファルケン!』

 

シグナムの放つ剛弓が数体のブラスデーモンを射抜き…

 

「…鋼の…軛っ!」

 

「チェーンバインド!」

 

ザフィーラとアルフの獣人コンビが戦場を制圧する。しかし…?

 

「…くそっ、数が多すぎる!」

 

そう、彼女たちの倒した魔族の数はすでに1000を越えていた…だがその数は増える一方。その理由は…

 

『グガーゴゥ?!』

 

一際大きい蜘蛛型の魔物が次々とデーモンを産み出しているのだ。

「畜生…あれも秋羅って奴の力かよ?!」

 

ヴィータがグラーフアイゼンを振り回しながらぼやく。

 

「このままじゃ押し負ける…しかし…」

 

無論、シグナムたちも魔物を狙うのだが…デーモンが楯となって立ちはだかる上に、魔物が張る多重障壁に阻まれてしまっていた。

 

「…このまんまじゃ埒があかねぇ…一か八か突貫するっ!」

 

ヴィータはアイゼンをラケーテンフォームに切り替え魔物に突っ込もうとした。…その時!

 

『…クルダ流影技・重爪〈チェンソウ〉!』

 

突如空から舞い降りた何者かが多重障壁ごと魔物を蹴りで切り裂いた!

 

「い、今の声は…?」

 

「来るとは思ってたが…ナイスタイミングだぜ、全く…!」

 

「ふう…どーやら間に合ったみたいね。」

 

皆が見つめるその先にいたのは…新たな闘衣に身に纏った逢魔リナ、その人だった。




その頃のなのはさん。

…レイジングハートを頭上に掲げ魔力を集めるなのは。その見つめる先には…

「「「た、助けて…お願いプリーズ…」」」

既にボロボロの3人が仲良く?バインドでぐるぐる巻きにされていた。

「…さぁ、覚悟はできた?受けてみて、これがわたしの全力全壊!」

『星光集束斬〈スターライトブレイカー〉!』

…その後桜色のぶっとい砲撃を受けた3人は…言うまでもないか。

予定ではコラボ編はあと2~3回、がんばります!

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